拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。   作:のろとり

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拝啓 雷鳴

今行動出来るのはお前だけだから頑張れ!
正直な話、勝てないけど!

雷鳴「ヘルプ、ヘルプミー! 嫌だ戦いたくねぇ、こっから逃げて本編が始まらないようにしてやる!」

いや、無意味だからな。
じゃ、本編スタートでーす。

雷鳴「嫌だああぁぁあ!!」


これ詰んだ、助けてください。 by雷鳴

「アトはオマエラダケダァ」

 

やぁ、俺の名前は雷鳴。

よく分からんけど、敵が生きてた。

そして魔王を倒し、勇者を倒し、海楽は何処かへ吹き飛び、ミサは体を震わしている。

……なるほど、この状況で俺はやることはあれだな。

もう一人の魔王を一人で倒してハッピーエンドってことだな。なるほど、なるほど~

 

「出来るかボケがァ!」

 

出来るわけねぇだろ、俺は最弱だよ。

ギャグ補正の使い方を教えてくれよ、そして幽霊から戻りたいんだけど。

……あ、この状態だと攻撃受けないじゃんか、ラッキー。此方から攻撃出来ないのも困ったものだけどな。

 

「マズはオマエカラダナァ」

 

あ、なんか喋ってる。

お前の言葉は微妙に分かりづらいんだよ、分かりやすく喋ってくれ。

……は?おい待て、なんか俺の方を向いてるんだけど。

 

「ま、待て!」

 

「ナンダァ?」

 

あ、ちゃんと待ってくれるんだ。

い、いや……それよりもこの状況をどうにかしないと。取り敢えず、俺だと倒せないから時間稼ぎするか。

 

「ここで俺達を倒してもいいのか?」

 

「ドウイウイミダァ?」

 

お、食い付いてきた。

食い付いてきたけど、それと同時に俺に食い付いてきそうなんだけど。

なんか凄い俺のこと睨んでくるんですけどこの人。

ま、まぁ今は置いておくか。

 

「此方にはお前を倒せる方法があるんだぜ」

 

「ナニィ?」

 

一応あるにはある。

ミサの爆発で不意討ちして、そのまま全員で袋叩きにすれば勝てると思う。

……その代わり、避けられたら意味がない。そもそも味方を巻き込んで、戦闘不能にするから使えない。そして人質にされたら詰む。

以上のことから、現実的でないと魔王が言っていた。

理論上は存在しているので、嘘は言っていない。実際は出来ない。

 

「……マサカァ、『マジン』カァ?」

 

マジン?

何言ってんだコイツ。マジンってなんだよ、魔物の神で魔神ってか?

なんか魔王より強そうな響きだな、神様だし。

 

「あ、ああ。その魔神だ!」

 

で、魔神って何?

何処かに封印されてるの?どのくらい強いんだろ。

少なくとも俺は会いたくない。そもそも何処にいんだよ。

 

「オマエは『マジン』にナレルノカァ?」

 

あ、魔神って変身とかでなるものなのか。

で、その俺も方法はどうやるの教えてくれない?

 

「あぁ」

 

んなわけねぇだろ、考えやがれ。

魔神って言ったらあれだろ、魔人ブ〇だろ。え、あれは神じゃなくて人だって?細かいことはいいんだよ。

 

「ソウカァ……ナラァ、『マジン』にナルマエにオマエをタオスゥ!」

 

「待て待て待て!」

 

もう一人の魔王が俺に攻撃しようとしてきたので、急いでストップをかける。

なんだよ、そんなに魔神が嫌いなのかよ。お前もしかしてあれだろ、好き嫌い激しいタイプだろ。だから友達が出来ないんだぞ!

え、関係ない?それもそうか。

 

「……チィ」

 

お、なんとか引いてくれた。

これでなんとか時間稼ぎをしないと。

 

「今俺達を見逃せば、教えてやるぜ?」

 

知らないってことをなぁ!

それした瞬間、ぶっ殺される未来しか見えないけど。

 

「グヌゥ……イヤマテヨォ、ホントウにシッテイルカアヤシイナァ?」

 

げ、勘づきやがった。

なんとかして誤魔化さないと……あ、そうだ。

 

「魔神になるためには、ある材料が必要なんだ」

 

「ザイリョウゥ?」

 

「あぁ。だが、その材料は入手が困難でなぁ……それと取引といかないか?」

 

「ワカッタァ」

 

お、良かった。

ここで断られてたら、バットエンドまっしぐらだったぜ。

 

「ナラソノザイリョウをダシテモラオウカァ?」

 

だから知らねぇつってんだろぉ!

いや、口には出してねぇけど。

仮に持ってたとしても、渡した瞬間にボコボコされそうなんですけどそれは……

 

「お前が裏切る可能性があるから渡せねぇよ。あ~あ、魔王達の体力が回復出来る位の期間を作ってくれれば、渡すのにな~」

 

「……ハツカカンダァ」

 

「え?」

 

「ハツカゴにィ、ソノザイリョウをモッテココにコイィ」

 

お、なんとか騙せた。

20日後に材料をここに持ってくればいいのか……よし、バックレよ。

俺は魔神のことも、その材料のことも知らない。最悪、適当に物持って「これが材料だ」と言って誤魔化せばいいか。

 

「ダガァ! ダガァ、モシコナカッタリィ、ウソをツイタラオマエをツブスゥ!」

 

あ、はい。

これは逆らったら駄目なヤツだ、元からこの交渉は成立してないけどな。

その言葉と共に、もう一人の魔王は何処かへ消えた。

 

「……はぁ~~」

 

俺はミサと俺以外が居なくなり、静かになったところで大きく息を吐く。

あ、あっぶねぇ~なんとか交渉成立した。だか、魔神か……それになれたら、アイツも倒せるのか?

だが、それよりもまずはやることがあるな。

 

「……ちょっと体探してこよ」

 

俺はフヨフヨと浮きながら、自分の体を探すために飛んでいくのであった。

 

怖かった、助けてください。




【交渉】
なんとか成功。
なお、嘘で誤魔化しただけである。
だが『マジン』とやらを知った。

【マジン】
恐らくは変身か何かをする。
新・魔王が警戒しているところを見ると強大な力を手に入れられるモノのようだが……?



今回で前半終了です。
……長くね?
本来ならこの半分の予定で前半が終わる予定でした。

完結後にキャラ設定と裏話の投稿

  • 両方いる
  • 両方いらない
  • キャラ設定のみいる
  • 裏話のみいる
  • 作者に任せる

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