拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。 作:のろとり
今回の主役は白雲と空良です。
少なくとも、ミサと海楽と雷鳴が主役の話もこの章の内に作ります。
魔王様と商人はこの前やったので終わりです。
(正直な話、もっと商人を出したいのですが、出すのはストーリー的にもキャラクター的にも厳しいです)
「……魔王様」
元・魔王が出ていった部屋に一人、佇んでいる者がいた。
そう、白雲である。
白雲はこれ以上、魔王に負担を掛けさせるようなことをしたくないと思っていた。
新・魔王との戦いに巻き込まれただけなのに、自身の願いを聞いてくれて、ボロボロになりながらも新・魔王を倒してくれたこと。
そして、復活した新・魔王をもう一度倒そうとして、瀕死の状態で再開したこと。
もう迷惑をかけたくない、そう心に決めた。
「自分を鍛えよう」
白雲の答えは既に決まっていた。
たった十七日程度で強くなれるとは思っていない。
だが、何もしないよりはマシだ。そう簡単にやられてたまるか、と。
……せめて道連れにすると心に決めた。
早速修行をしようと、魔王と同じように窓から外に出ようとした白雲。
「白雲くん、魔王くんの容態はど……」
タイミングが良いのか、悪いのか。
元・魔王と同等の力を持つ空良が、白雲が窓から外に出ようとしている場面に会った。
「駄目ェー!」
空良には白雲が窓から飛び降りようとしているように見えたのだろう。
実際そうなのだが、白雲と空良の意味合いは違う。
白雲はただ単に、早く外に出ようと。
空良は白雲が窓から身投げしようと。
その勘違いから、空良は白雲を取り押さえた。
「ちょ、離して……行けない!」
「駄目だってば!」
窓にへばりつく白雲、その白雲を引き剥がそうとする空良。
二人はちからずくで引き剥がそうとした。その結果……
「「あ……」」
バランスを崩して、二人とも外に真っ逆さまに落ちていった。
「なんだ、私の勘違いだったんだね」
白雲は空良の誤解をなんとか解くことができた。
苦笑いを返しながら、申し訳なさそうにしている空良を見る。
そんな空良がふと、何か思ったようである疑問を聞いてきた。
「だけど、どうして急に修行を?」
「それは……」
白雲は自身の悩みを話した。
元・魔王にこれ以上迷惑をかけたくないこと、そのためこれから修行しようと、そして……道連れでもいいから新・魔王を倒そうとしていること。
すると空良は数秒ほど目を瞑り、急に怒り始めた。
「そんなことは駄目だよ!」
空良に怒られたことに驚き、呆然とする白雲。
そんな白雲の顔を両手で挟み、説教を始める。
「白雲くんが居なくなったら、
「それは……」
白雲は自分のことしか考えておらず、自分が居なくなった後のことを考えてなかった。
もしも自分が居なくなったら魔王様はどうするだろうか。自分を心配して探すだろうか、それともずっと帰ってくるのを待つのだろうか。
責任感を感じて、自分一人でどうにかしないと。その考えが頭を支配していたことに気づいた。
「それに……大切な人と離ればなれになるのは、とても……辛いことなんだよ……」
空良は何かを思い出すように喋り始め、少しずつだが目に涙を浮かび始めてきた。
白雲は知らないことだが、空良はある大切な人と離ればなれになったことがあり、その事と白雲を重ねているのだ。
「…………」
白雲は何も言えなかった。
何か言おうとしても、何も思い付かなかった。
「これからは一人で悩まないで、誰かに相談してね」
「……はい」
そう言うと、空良は部屋に戻ろうと白雲に背中を向けて歩き始める。
白雲はその背中を見ながら決心した。『みんな』で力を合わせて新・魔王を倒そうと。元・魔王や空良に任せっきりではなくて、自分にも何か出来ることがあるはずだと。
既に白雲の答えは決まっていた。
「空良ッ!」
「僕を……鍛えてください!」
白雲は地面に膝を付き、頭を地面に付けた。
元・魔王のため、そしてみんなのために力を付ける。
そのためには手段なんか選んでいる暇は無かった。誰かに頼るようなことはこれ以上したくない。そんなプライドを捨てなければいけないと。
「……いいよ!」
そうして白雲は空良に鍛えてもらうことになった。
たった十七日で何かが変わるとは思えないが、白雲は何か変われることが出来ると確信していた。
お願いします、助けてください。 by白雲
【空良】
ネタバレにならない程度にあっち側の内容を入れました。
あらすじを読めば分かる程度だから大丈夫……かな。
他のキャラクターたちもネタバレにならない程度には入れる予定です。
ミサは元がないので、ネタバレも何もありませんが。
完結後にキャラ設定と裏話の投稿
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両方いる
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両方いらない
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キャラ設定のみいる
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裏話のみいる
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作者に任せる