拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。   作:のろとり

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拝啓 読者様

今回はいつもの1.5倍の文字数があります。
頑張りましたので休みをください。
……そういや、ミサが視点って今回が初めてかな?


もうやだよ、助けてよぉ。 byミサ

「はぁ……はぁ……」

 

私こと、虎尾阿(ごびあ)ミサはさっきまで森の中を無我夢中で走っていた。

今は体力が切れて、側にあった木を背もたれに使って休憩している。

 

「…………」

 

雷鳴に酷いこといっちゃたなぁ……

雷鳴も魔王とか怖いってことは知っていたのに、分かってたのに……強く、当たっちゃったなぁ。

謝らなくちゃ。

ちゃんと謝らないと、雷鳴に「ごめんなさい」って言わなくちゃ。

 

「ふぅ……早く帰ろう」

 

私は立ちあがり、来た道を戻ろうとした。が、あることに気づいてしまった。

 

「ここ、どこ?」

 

辺りをキョロキョロと見渡すけど、どこも見覚えが無いし、似たようなところで見分けがつかない。

あれ、どっちから来たっけ!

さっきまで無我夢中で走ってたから、道が分からなくなってしまったのだ。

 

「あれ、あれ……?」

 

その事実と共に、この怖い世界でひとりぼっちと言うことを理解してしまった。

そして私の頭には、新・魔王と言う人物の恐怖が甦ってきた。

もしもこんなところで、敵に会ったら……そんな最悪な想像が脳裏をよぎる。

想像だけでも、体が震えてその場から動けなくなる。

体を丸くして、そんなことはない。大丈夫だ、大丈夫……そう自分自身に言うが、余計に思い出してしまい、体の震えがもっと止まらなくなる。

そんな私に追い討ちをかけるように、誰かの足音が聞こえる。

 

「ひぃ!」

 

怖い、怖い、怖い。

その言葉が私の頭の中で連呼される。

それ以外のことを考えられず隠れようとするが、もしかしたら誰か私を探しに来たのではないかと、淡い期待を抱く。

そうして現れたその足音の正体は……

 

「こんなところにいたのね」

 

雪女さんだった。

……はぁ~雪女さんか、なんだか安心したよ。

私は知り合いだったことに安堵し、足の力が抜ける。

 

「じゃあ……」

 

一緒に帰りましょう。

そう言うのかと思い、体の力が抜けていく。

 

「貴方を倒して、私が貴方になるわね」

 

「……え?」

 

その言葉と共に、雪女さんの手のひらから氷柱が私に向かって飛んできた。

 

 

 

 

 

「ミサー、どこだー!」

 

やぁこんにちは。俺は雷鳴、椅子が脇腹に当たって超痛いぜ。

そんな俺は何処かに行ったミサを探してた。

良く分からないが、なんか怒らせて外に飛び出していった。

途中で雪女に会って何処に行くか聞かれたが、無視して外に出ていった。

俺のせいだから俺一人で探さないとな……

そう思いずっと森の中を探しているが、見当たらない。

ミサが居ねぇよ……何処に行ったんだよ。

 

「一度戻るか」

 

俺は来た道を戻ってもう一度探そうとしたとき、何処かから氷が砕ける音や、誰かの足音が聞こえた。

近いな……よし、離れよう。

雪女と狼男が喧嘩してるんだろ、俺は近づきたくない。だって近づいたら巻き込まれるだろ、嫌だよ逃げたい。

 

「誰か、助けてー!」

 

よし、俺はなにも聞こえてない。

ミサの悲鳴なんて聞こえてない、聞こえてないよー!

さぁ……帰ろうか!

俺は巻き込まれたくない、そしてさっきのは気のせい。俺の耳がおかしくなっただけだ。

これでいいな、今すぐ帰ろうそうしよう。

 

「…………」

 

そう思い家に帰ろうとしたが、俺はあることに気づいてしまった。

やべ、道忘れちまったよ……このままだと帰れねぇよ。

こうなったら、発動条件が分かんないギャグ補正に頼るか?でも、こういうときって発動しないのがお決まりだからな~

 

「…………」

 

助けるしか、ないのか?

だが巻き込まれたくないし、俺がどうこう出来ることじゃないと思うし……

見捨てるか?でもそしたら罪悪感がなぁ。

 

「こうなったらやけだ!」

 

ミサを連れて戦わずに逃げる。

これが一番だな、別に相手を倒す必要無いし、逃げるが勝ちだからな。

 

「うおぉぉぉぉぉ!」

 

俺は木の影から飛び出し、ミサの手を引こうとする。

しかしもう一人の人物……雪女は俺に氷柱を飛ばしてくる。

だろうな、やっぱりお前だろうな!

……あれ、お前さっき会ったよな。あれか、偽物か。どっかに行ってた雪女の偽物かお前!

 

「痛い、冷たい、痛い!」

 

俺は氷柱をかわすことができず、飛んできたもの全てに当たる。

かわせるわけねぇだろ、俺の戦闘力を舐めるなよ。あのメンバー内で最弱の自信があるんだからな!

そしてギャグ補正が発動しねぇよ、発動してくれよ!

 

「雷鳴……」

 

「ミサ安心しろ、俺が来た!」

 

何処かのヒーローのような台詞を言い、痛みと冷たさが残る中ミサの手を引き、

 

「だから……逃げるぞ!」

 

何処かへ走り始めた。

え、戦わないのかって?

俺が戦って勝てると思うか?自慢じゃないが、2秒で負ける自信があるぜ!

 

「雷鳴……カッコ悪い」

 

「知るかぁ!」

 

カッコ悪いとか言うんじゃねぇよ、これでも頑張った方だから、見なかったことにするよりはマシだろ!

 

「待ちなさい!」

 

雪女……いや、きっと偽物か。

偽雪女は俺たちに攻撃してくるが、そんなのは知らない。

兎に角逃げれれば良い、逃げれば勝ちだぁ!

でも、でもなぁ……

 

ちょっと逃げれる自信が無いです、助けてください。




オッス、オラ雷鳴

ミサと見つけたのは良いが、なんだか雪女がしつこく追ってくるんだ。

え、お前らを倒してお前らになるって?
なんだこいつ、ちょっと何を言ってるか分からない。

だが……こいつを倒さないと安心して帰れないようだな。
しょうがない、俺の秘策を見せてやる!

次回
【拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。】
『ヤバイよヤバイよ、助けてください。』

絶対見てくれよな!

完結後にキャラ設定と裏話の投稿

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