拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。 作:のろとり
私はこの世で一番信じているものがある。
それは『可愛いは正義』である。
そしてまちカドまぞくのシャミ子は可愛いので、つまりはシャミ子は正義である、異論は認めない。
「……ッ!」
俺は急な浮遊感に襲われ、下を見ると足が地面に着いていなかった。
つまりは空中に放り出されたってことだ。
「……ワープか」
どうやら新・魔王に隠れてたのがバレていたようだ。
恐らくは切れ目で俺達をバラバラに移動させたのだろう。
俺の周りには誰も居ないし、あるのは紙だけだ。
ここは確か……あの紙の幹部が居た場所か。
懐かしいな、あの時は魔王が居たから勝てたが今はもう眠っている、助けは望むことは出来ないな。
「……雷鳴」
アイツは作戦をちゃんと実行出来ているだろうか。
そもそもあの作戦会議自体、問題だらけだったが……まぁ自由な奴等が多いってことだろうな。
そんなことを思いながら、おれは作戦会議の様子を思い出した。
あれは確か……三日前の話だったな。
「……作戦を考えるぞ」
俺はみんなをある一室に集めて、新・魔王を倒す会議を開くことにした。
なんやかんやで俺個人の問題やら、ミサのこととか、海楽の指輪のこともあって話し合って無かったからな。
ただ、ただなぁ……
「眠いから帰りたい」
「雷鳴、ちゃんと起きろよ」
「今日こそ決着を付けるわよ毛虫野郎!」
「望むところだかき氷女!」
「喧嘩は駄目だよ」
「あ、空良が作ったお菓子美味しい」
「ありがとう」
「お茶持ってきたよ~」
問題児しか居ないんですが。
「「「キッ!」」」
「…………」
なんか睨まれた。
すいませんでした、どうぞご自由に空良様がお作りしたお菓子をお食べくださいませ。
って違う違う、話し合いをするんだよ。
あの三人は置いといて、早速始めるか。
「さっさとくたばりやがれ!」
「此方の台詞よ!」
……お前らはホント、喧嘩しかしてないよな。
仲が良いのか悪いのか知らないが、ちょっと落ち着けよ。今から新・魔王を倒す作戦を考えるんだから、な?
白雲もコイツらを止めるのに急がしそうだし、あと話せる奴は……
「スピースピー」
「おーい、起きろー」
よし、俺も寝るか。
だってあの二人だよ、変態ブラザーズの二人とか不安しかないんだが、しかも一人は寝てるし。
はぁ、しょうがない。
俺は海楽と雷鳴に近付き、二人で作戦を立てることにした。
海楽と二人で、かぁ……雷鳴よりはマシだな。
「……海楽」
「魔王か、どうした?」
「……お前の指輪、貰っていいか?」
「え?」
俺は海楽が付けている指輪に視線を向けた。
確かそれは「異世界から戻ってくる指輪」だったか?ややこしいからあまり覚えてないが。
その指輪は新・魔王が別世界に逃げないようにするためと、雷鳴が言ってた【マジン】になるための道具として使うからだ。
まぁその道具なんて存在しないし、知らないから嘘になるけど。
「別に使わないからいいぞ」
海楽は俺の言葉に驚きながらも、普通に指輪を渡してくれた。
ありがとな、これで不意討ちを喰らうことは無くなったと想う。アイツは道具の使い方を知らないからな。
「…………」
誰に渡してもらおうか。
俺や空良だと新・魔王を倒す可能性があるから会った瞬間に攻撃されるだろうし、他の奴等だと道具の説明をした瞬間に倒されるだろうし……海楽か雷鳴になるのか。
「……雷鳴、起きろ」
俺は少し悩んで雷鳴にすることにした。
海楽が渡すと、雷鳴以外にも使い方を知ってると思われて、一人残して全員倒されるかもしれないからだ。
「あ、なんだ?」
「……この指輪を新・魔王に渡せ」
「あー、うんうん分かった分かった」
分かってないだろその返事は。
ジト目で雷鳴を見ながらも、取り敢えずは任せることにした。
不安しかないです、助けてください。
次回から戦闘に入れると思います。
茂みに隠れてる魔王達の話を書こうと思いましたけど、ちょっと厳しいかな……?
完結後にキャラ設定と裏話の投稿
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