拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。   作:のろとり

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拝啓 読者様

この二人の戦闘は話が進まない気がします。


痛みをくれ、助けて! by海楽

「気持ちぃーッ!」

 

「チィ」

 

新・魔王との戦いは激しさを増すことも、終わることもなかった。

海楽が攻撃を受け、雷鳴がずっと逃げようとする、それしか起こってないからである。

攻撃を受けても能力で回復する上、痛みが気持ちいので実質ノーダメージの海楽。

なんとか穴から脱出しようと、壁を登ろうとするが何回も落ちる雷鳴。

反撃しないのだ、この二人は反撃しないのである。

 

「もっとだ、もっと俺に痛みをくれぇー!」

 

反撃しない理由は単純、攻撃をしたくないからである。

海楽は盾となって痛みで気持ちよくなりたいから、雷鳴は新・魔王が怖いからである。

攻撃したくないから、この二人に出来るのは持久戦。

新・魔王がこの二人のことを諦めるまで、待つことしか出来ないのだ。

 

「チリヤガレェ!」

 

戦いが終わらないからか、反撃してこないからなのか、イラついてきた新・魔王が海楽の腹を殴る。

その威力が、腹に穴を開ける程のものでも海楽はすぐに回復する。

何発も、何発も殴っても結果は変わらない。

ただただ無駄な体力を消耗させ、海楽を気持ちよくさせるだけである。

 

「…………」

 

さすがにこれ以上攻撃しても無駄だと思ったのか、新・魔王は攻撃の手を止める。

 

「ほら、もっと痛みをくれ! 俺に痛みをーッ!」

 

海楽が言ってることを無視して、考え始める。

雷鳴は確実に殺すとして、まずは目の前の人物である。

別に異世界から連れてきた仲間(・・)に押し付けるのもありだが、そいつらで倒せるとは思わないし、自身の手で殺さないと気がすまない。

コイツは攻撃をしてもすぐに再生して、いくら攻撃しても意味がない。

その上痛みが気持ちいいと言っている、なら痛みを無くせば良いのでは無いだろうか。

そう考えを纏めた。

 

「俺はまだ満足してないんだよ! さあ攻めてこい、なにも遠慮することはないぞ!」

 

そんなことを言ってると、一瞬だけ新・魔王の目が光った。

光りを出した新・魔王は膝を付き、呼吸が激しくなった。

だが新・魔王が出したその光りは眩しい訳でもなく、どこも不思議なことはない普通の光りに見えた。

 

「痛みをくれよ、いた……み……を……」

 

光りを見た瞬間に海楽が倒れなければ。

あれほど五月蝿かった海楽が急に静かになり、壁を登るのを止めて海楽の方を見る雷鳴。

すると、そこには動かなくなった海楽が居た。

 

「おい海楽起きろ、お前が起きないと俺が困るんだよ」

 

雷鳴は海楽を起こそうと近づき、頬を強く何回も叩いた。

するとどうだろうか、何も反応しないのだ。

これが普通の人間なら「気絶してるかも」と思うだろうが、海楽の場合は話が変わる。

あの海楽が「気持ちいい」の一言も言わないのだ。

これは異常な事態である。

 

「……お、おい。海楽?」

 

名前を呼ぶが返事をしない。

体を揺らそうが、頭を地面に叩きつけようが、耳元で大声を出そうが反応しない。

 

「ちょ、おま……冗談キツいぜーほら、早く起きろって。逃げようとしたことは謝るからさ」

 

返事がない。

あるゲームではこの後に、とある言葉を付けると言う。

ただの屍のようだ、と。

 

「海楽……おい、返事しろ!」

 

「海楽ゥゥゥ!」

 

誰か海楽を、助けてください。 by雷鳴




~次回予告~

「てめぇ、絶対に許さねぇ!」

「オレニカテルトォ?」

「勝つ? そんなの知らねぇよ、これはお前に対する復讐だ。海楽の分まで、お前を殴る!」

「おやおや、面白そうなことになってますねぇ」

「お、お前は……!」


次回
「この次回予告は99%の確率で変更されます、信じないようにしましょう。」

次回も俺の壁登りに期待してくれよな!

完結後にキャラ設定と裏話の投稿

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  • キャラ設定のみいる
  • 裏話のみいる
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