拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。   作:のろとり

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拝啓 読者様

皆さんに聞きます、雷鳴(バカ)海楽(変態)がシリアス出来ると思いますか?
少なくとも、私の実力では出来ません。
そのため今回はただのギャグ回になってます。


シリアス出来ません、助けてください。 by雷鳴

「てめぇ、許さねぇぞ!」

 

雷鳴は動かなくなった海楽をゆっくりと地面に下ろし、新・魔王を殺意のある目で睨み付ける。

戦いが嫌いだとかで、敵を避けて逃げた結果がこれだ。

その行き場の無い怒りを新・魔王にぶつけているのだ。

 

「そうだそうだ!」

 

その雷鳴の言葉に海楽は起き上がって(・・・・・・)同じように怒る。

何故海楽が起きているのだろうか……その考えは怒りで頭に血が登り、冷静ではない雷鳴は考えることが出来なかった、そもそも海楽が起きていることにすら気付いていない。

 

「海楽を殺しやがってッ!」

 

「生きてるぞ」

 

手を横に振り、死んでることを否定するも雷鳴の耳には届いていない。

 

「海楽は変な奴だった、ドMだとかそういう言葉で表せないほどおかしいやつで、避けたい奴だった」

 

血が出るほど強く拳を握り、目を瞑りながら今までのことを思い出す。

敵の攻撃を自ら当たりに行く海楽、変な能力を持ってることを知って引いたあの日、偽物からの攻撃を受けて地面をのたうちまわる海楽……強く握った痛みで冷静になったのか、よくよく考えると「ろくな思い出が無いな」と頭の片隅で思ったが、怒りはまだ収まらない。

 

「そんなこと思ってたのかよ」

 

「ああそうさ! だがよ……良い奴だった」

 

お前早く気付けよ。

もう完全にわざとやってるだろ……と思われてるだろうが、本人は本気で海楽のことを思っているのだ。

 

「生きてるって」

 

「なんかこう、良い奴だったんだよ!」

 

雷鳴は言葉が思い付かなかったので、とりあえず「良い奴だった」を二回繰り返した。

 

「無理して言わなくて良いぞ」

 

「その海楽をお前は殺したのさ」

 

「生きてるって言ってるだろ」

 

「確かに海楽は生きてる……だがな! ってちょっと待て」

 

ここまで散々茶番会話を続けて、怒りが収まり始めたのか、ある違和感に気が付いた。

そういえば自分はさっきから誰と会話しているのだろうか、そう疑問に思い声の主へと振り向く。

 

「人の話を聞けよ」

 

「…………」

 

顎が外れるんじゃないかと思うほど口を開け、目が飛び出す。

何故死んだ筈の海楽が生きているのだろうか、いつから復活していたのだろうか……考えに考えた。そして思い付いた、これは夢だと。

 

「おやすみなさい」

 

「待て待て待て待て!」

 

いつの間に現れたのだろうか、敷いてある布団に入り寝ようとしたが、耳をつねられて止められる。

 

「いだだだだぁ! ってもしかしてこれ夢じゃないのか?」

 

「そうだよ」

 

「ふぁ!? ならどうしてお前生きてんだよ! 前回俺が「海楽ゥゥゥ!」って叫んだのはなんだったの? あの時間返せやコロヤロー!」

 

言葉では怒り、地味にメタな発言もしているが内心は嬉しかった。

いくら変態だろうが、ちょっと近付きたくない奴だろうが、仲間であることは確かだ。

その仲間が死んだらさすがに怒りもするし、寂しくもあり……そして、生きていて嬉しくもある。

 

「で、なんで生きてんだよ?」

 

「能力で復活した」

 

なんだか感情が忙しい雷鳴だが、この時ばかりはため息を付いた。

回復力が凄まじいのは知ってたけど、死んでも復活できるのってチートじゃね?ちょっとその能力俺にくれよ、俺の能力より使えそうじゃん。そう思ったそうな。

 

「グゥ!」

 

そんなやり取りの合間に、新・魔王は息を整えていた。

新・魔王が海楽に使った攻撃は「相手を即死させる」と言うチートな攻撃である。

しかし勿論弱点はあるし、そもそも最初から簡単に使えれば初めに元・魔王に会った時に使っている。

 

「お前のそのチート能力くれない?」

 

「死ぬと痛いが来ないからやだ」

 

この攻撃はそこで喋ってるバカ(雷鳴)対策に復活した後、細かく言えば雷鳴が嘘で稼いだ二十日間の間に使えるようになったモノである。

そんな付け焼き刃同然のが、なんのデメリットも無しに使えるなんてご都合主義は存在しない。

これを使うと魔力や体力がごっそり持っていかれるのだ。

そのため使った後は空良や元・魔王が簡単に倒せるほど弱くなってしまう。なので「最終手段」と言ったところだろう。

 

「ハァ……ハァ……」

 

「別にいいんじゃんか、俺の能力も痛みあるぜ?」

 

「そもそもどうやって交換するんだよ」

 

敵がいる前で普通に喋っているのは、余裕があるからなのか、馬鹿だからなのか、それとも痛みが欲しいからあえて見逃しているのか……そこまでは不明だが二人は新・魔王を見ていなかった。

 

「ん~……だけどお前の能力も攻撃受けたら痛いのか、そこがな~って、おい!」

 

「どうした?」

 

「魔王が消えてるぞ!」

 

だからだろう、いつの間にか新・魔王が消えていたことに気がつかなかった。

二人は慌てて辺りを見渡すが、あるのは高い壁だけである。既に穴の中に新・魔王の姿は無かった。

 

「やっちまったあぁああぁあ!」

 

逃げられました、助けてください。 by雷鳴




【即死の攻撃】
ネーミングセンスがないので、名前は特に考えない。
目から発した光を見たものは、即死する攻撃。
「チート能力乙」とでも言われそうだが、弱点はちゃんとある。
一つ、光を見ないと死なない
二つ、自分の体力がごっそり持ってかれる
三つ、格上の相手には通じない
四つ、即死系が効かない奴には効かない
五つ、連発出来ない

この五つである。
そのため初見殺しのような攻撃である。
ついでに言うと、この攻撃は後付け設定である。

完結後にキャラ設定と裏話の投稿

  • 両方いる
  • 両方いらない
  • キャラ設定のみいる
  • 裏話のみいる
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