拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。 作:のろとり
前回忘れてた説明がありました。
「何か」は薄い緑色です。
なので、体の中が見えるようになってます。
動かない、誰も動かない。
「何か」を覆っていた氷が溶けるのを見ているが、誰も攻撃しようとはしない。
否、攻撃出来ない。こう言った方が正しいだろう。
「…………」
この「何か」はどんな生き物か分からない。
高い知能を持っているかもしれないし、ただ本能でミサを襲ったのかは分からない。
だが少なくともミサが「何か」の体内に閉じ込められそうになったことは事実である。
人質にしようとしたのか、捕食しようとしたのか……兎に角、相手が何をしてくるのかをしっかりと確かめる必要がある。
「じれってぇ!」
それを出来ない人物が約一名居るが。
狼男は「何か」が行動するまで、ジっとすることが出来ずに殴りかかることにした。
「ちょ!?」
雪女が止めようとするが、既に遅かった。
狼男の拳は完全に氷を溶かしてない「何か」に当たり、水のように飛び散った。
その行動にため息を付く者もいれば、狼男を睨む者も居る。本人は殴った拳を眺めているが。
「はぁ、あんたねぇもう少し慎重に行動出来ないのかしら?」
「…………」
「何か切り札を隠してかもしれない」と言う事を考えないのだろうか。
そう思いながら、狼男を叱ろうと声をかける。
だが返事は返ってこない。
「なんとか言いなさいよ」
もう一度声をかけるが何も言わない。
少しだけ反省して黙っていたのだろうか、結局は説教するけど……そうこの後の行動を考えていた。
狼男が見せてきた腕を見るまでは。
「なッ!」
狼男の腕には飛び散った「何か」が腕に付いていた。
だが何かがおかしい。さっき凍られた大きさと比べて、なんだか大きくなっているような気がする。
それに比例するかのように、狼男は疲労し始めてきた。
「アイツ、まだ生きてる!」
「何か」を剥がそうと、腕を何回も振る。
すると腕を地面に振った時に離れ、地面にバウンドした。
「何か」を剥がしたのに、狼男は見て分かるほどに疲労して、肩を上下に動かしていた。
気のせいだろうか、先程よりも一回りほど大きくなっているように見える。
「なんなの、あれは?」
今までに見たこともない生物に、一同は恐怖を抱く。
凍らせても溶け、殴ってもくっついて再生する。
コイツは不死身の化け物なのではないか、自分達はコイツを倒すことが出来ないのではないかと思った。
「分からない……だけど、大きくなってるね」
コーランの言う通り、この「何か」は最初よりも一回り大きくなっていた。
「何か」は狼男の腕にくっつき、栄養を吸収して成長したのだ。
「あ、あああ……」
この中で一番精神的にも、肉体的にも弱いミサは呼吸が荒くなる。
指も震え、目には若干の光りがあるも、正気を失う寸前であった。
例え励まされて勇気が出たとしても、ミサは一般人である。恐怖に耐えて勇気を出すことは難しいのだ。
「の、『能力発動』!」
「ッ!? 『空間ワープ』」
ミサはすぐにでもこの恐怖から逃れようと、能力を発動した。
白雲は急にミサが能力を使ったことでギョッとするも、前に小屋の爆発から免れた技─適当に名前を付けた─で、ミサ以外の全員を異空間へと逃がす。
「ああああ、あああ! 『能力発動』『能力発動』!」
ミサは何回も能力を使った。
少しでも恐怖から免れようと、少しでも落ち着こうと。
「はぁ……はぁ……」
その影響で、跡地だった場所が前に能力を使った時以上に綺麗な平らになっているが、そんなことを気にする者は誰も居ない。
「倒し、たの?」
緊張の糸が切れたのか、その場にへたれ込むミサ。
それと同時に異空間に逃げていた、四人が戻ってくる。
今のミサを見て情けない、と言う人物なんてここには居ないし、能力を持っている以外一般人の人間がよくここまで耐えれたと、言いたいところである。
…………だが、
「な、なんで……ッ!」
いくら頑張ろうと、それが実るかは別だ。
ミサの能力で跡形も無く吹っ飛んだと思われた「何か」は再生して生きていた。
「白雲どうする、攻撃が効かないよ!」
「本当に、不味い……!」
勝つビジョンが浮かびません、助けてください。 by白雲
本編では「コイツ倒せなくね?」って感じですが、ちゃんと倒す方法はあります。
完結後にキャラ設定と裏話の投稿
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両方いる
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両方いらない
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キャラ設定のみいる
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裏話のみいる
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