拝啓 お父さん、お母さん。このたび俺は魔王になりました、助けてください。   作:のろとり

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拝啓 読者様

100話目に魔王様を出したかったので、空良の話数を短くして誤魔化しました。
文字数的にはミサたちとあまり変わりませんけどね。
ミサ:4636文字
空良:4523文字


仙くんには手を出させないよ、助けてくれないかな。 by空良

「おお~さすが異世界の勇者様だね~アタシ基準の威力とは言え、かなりの威力だよ~」

 

偽物が龍に変身して出したレーザーの威力はかなりものであった。

あくまで技の威力は偽物本人の実力によるため、空良よりは弱くはあるが、森の一部が更地と化しており、レーザーの衝撃で湖の水が空中に水しぶきとなって飛び、一時的な雨として森の火を消し始めた。

 

「くっ……うぅ」

 

その雨に撃たれながら、空良はゆっくりと起き上がった。

偽物にレーザーを撃たれる瞬間、最大速度の飛行魔法で少しでも距離をとろうと飛んだのだ。

そのためやられることは無かったが、あくまで途中までかわしてダメージを軽くしただけである。

 

「さすがにあれで倒せるとは思わなかったけど、かわさせるなんて思わなかったよ~アタシビックリした~」

 

龍の姿から空良の姿となって、ゆっくりと地上に降りてくる偽物。

 

「まぁこれから倒してアタシが貴方になるから関係ないけどね~」

 

「今、なんて言ったの?」

 

何を言っているのか分からず、聞き返す空良。

偽物はその質問にニヤァと「その質問を待ってた」と言うかのように笑顔になった。

 

「聞こえなかった? アタシが貴方になって、貴方の世界の人間を騙してあげるって言ったんだよ~」

 

「なっ!」

 

つまりそれは空良と入れ替わると言うことだ。

見た目は完全に瓜二つなため、入れ替わったとしても一目見ただけでは気付かないだろう。

 

「アタシはね、精神が壊れた……発狂した人間の表情が好きなんだよ~ずっと騙しに騙し続けて死ぬ間際にアタシが偽物だって言うの。

 

そしたらみんな精神が壊れた状態で死ぬんだよ、その表情が堪らなく良いんだよね~」

 

そのことを聞いて空良は剣を強く握る。

このまま偽物に負けたら駄目だ、そう自分に言い聞かせながらも冷静になるために落ち着こうとする。

 

「特に~貴方の幼馴染が壊れた表情なんてとっても面白そう~」

 

顔を赤くして息を何回も吐きながら、偽物は空良を挑発する。

しかし偽物は挑発したことを後悔することになる。

 

「仙くんに、手を出すなぁああ!」

 

「ぐふっ!」

 

胸にブラックホールのように穴を出して『オーバーホール』を使う空良に吹き飛ばされたからだ。

空良が先程まで居た所には残像が残り、偽物はそれにまったく気付かずに空良の接近を許したのだ。

 

「ならこっちも~……ッ!」

 

偽物は空良に対抗するべく、こっちも『オーバーホール』を使おうとしたが、発動する暇もなく再び吹き飛ばされた。

 

(落ち着け落ち着け~あくまで攻撃が見えてないだけであって、パターンは同じのはずだからね~)

 

偽物はそう考えながらも、三度目の攻撃を喰らった。

しかしそれはわざと喰らっただけであり、あくまで空良を観察するためだ。

 

(っ……ほんの一瞬だけアタシを見てるときがあるね~ならその時にかわせばいけるかな~例え残像があっても、攻撃の癖が見破られてたら意味が無いよね~)

 

偽物は今のままでは空良に負ける分かっていた、だからこそ癖を見つける必要があった。

そして見つけた、空良は偽物の場所を確認するためほんの一瞬だけ偽物を見るのだ、それから攻撃に入る。

ただ残像が残るので見られた瞬間に、どこから攻撃が来るか考えてかわすのは至難の技ではあるが。

 

「……ここッ! 『オーバーホール』」

 

四度目、空良が攻撃するために偽物を見た瞬間に後ろに跳んで『オーバーホール』を使った。

さすがに完全に見極めることは出来ず、左足から赤い液体が出るが、気にする暇はない。

 

「なんとかなったね~これで、貴方に少しは追い付けるかもね~」

 

五回目の攻撃、偽物には空良が真っ正面から剣を持って斬りかかってきてるのがはっきりと見えた。

だがある引っ掛かりを覚えた。

 

(ありゃりゃ~刀を持っていないね~)

 

空良が腰に差していた刀を持っていないことに気付き、チラッと周りを見るが何処にも刀が見当たらない。

 

(無いってことは、収納バッグって言うなんでも入るバッグにでも入れたのかな~)

 

偽物は空良が持っている『収納バッグ』と呼ばれる、どんな物でも入れられる場所に閉まった、もしくは隠してるのではないかと考えた。

恐らくここでかわしたと同時に取り出して、止めを刺してくるだろうと思った。

 

(でも甘いね~タネが分かればカウンターで楽勝だよ~)

 

相手がかわすのを予想してるのなら、かわさなければいい話である。

一撃目をかわしたら、次に二撃目が来る。

それはもしかしたら刀の攻撃ではない可能性がある。収納バッグに入ってる別の道具で攻撃してくるかもしれない。

ならあえて一撃目を受けて、二撃目が来る前に至近距離で胸を貫いて一撃で葬ればいいのだ。

肉を切らせて骨を断つ、確実に一撃目を喰らうのでその攻撃で倒れたら負けの賭けである。

 

(はい来た~!)

 

そして空良は刀を偽物の左足から右肩にあがるように、斬りつけてきた。

それを偽物は読んでいた、読んでいてかわさなかった。

痛みで倒れないように舌を噛み、衝撃に備えた。

 

「そうくると読んでたよ!」

 

しかし空良は一枚上手だった。

偽物がかわさないと読んでいて、あえてそのまま攻撃したのだ。

空良の持っていた刀は突如として、形を変えて白雲から貰った剣とは別の物へと変化した。

 

「そ~れは、反則だよ~」

 

刀と剣は同じ斬るものではあるが、大きさは異なる。

刀では重症にならなかったであろう攻撃も、大きさが異なり刀より太い剣の攻撃では深い傷になってしまう。

どうにかしてかわそうとするが、先程の受けた左足の傷が思ったより深く、そのことに気を取られてると斜めに深く斬られてしまった。

 

「がはぁ! はぁ……その異世界の刀、元は剣だったけなぁ~それって形を変えられたんだったね、その攻撃は予想外だったよ~」

 

空良は偽物を斬ったこの世界に来たときからずっと持っている剣……刀だったものを横に振り、赤い液体を飛ばす。

そして収納バッグに閉まった白雲の剣を取り出して、腰に付ける。

 

「それよりも、どうして私の魔法が使えたの?」

 

「悪いけど~それを言う前にアタシが死ぬからその質問は答えられないね、それじゃあね~」

 

その言葉と共に偽物は体の力が抜けて地面に倒れこんだ。

偽物とは言え、自分自身を斬ったことに対して気分が悪くなりながらも、空良は前を進んで歩いて行く。

 

自分を倒すのは気分が歩くなるよ、助けてくれないかな。 by空良




『収納バッグ』
四次元ポケット

『空良の持ってる刀』
本来なら「剣」のはずだが、「刀」にしてしまった武器。
やべぇやべぇと焦って、変形出来ることにした。
……ほんと、書いてると分かるよ?だんだんと刀だか剣だかゴチャゴチャになって分からなくなるから。
これ書いてる時も分からなくなって、何回も書き直したから。


【空良vs偽物】
空良──気分が悪くなりながらも、気持ちを切り替えて新・魔王との戦いに備える。

偽物──空良の怒りを買ってやられた。一応生きてるが、虫の息なので勝手に死ぬ。

雷鳴──本編中では書かれてないが、迷子になってたら空良と合流。

完結後にキャラ設定と裏話の投稿

  • 両方いる
  • 両方いらない
  • キャラ設定のみいる
  • 裏話のみいる
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