ヘルへイムに生える木々をなぎ倒しながら、【ジュウメングモ】はヒビキとアマゾンの前に現れた。
『鬼サン。ゴチソウナンダカラ、逃ゲチャダメダゾー』
そう言いながら、【ジュウメングモ】の上半身にいる童子姫が笑っている。
「いーや、御免だね。俺なんか食っても腹の足しになんぞならんだろ? こちとら、お前が捕まえてる人達を返してもらいたいんだがね。それにこんな薄気悪い森からも帰りたいしな」
『アハハハハッ、ソレハ無理。オマエノ足止メヲスルヨウ言ワレタカラナ。アト、隣ニイルソイツモ一緒ニ殺セッテ言ワレタゾ』
童子姫は恨めしそうにアマゾンを睨みつけた。
「ウガァーーッ!!」
アマゾンは【ジュウメングモ】に飛びかかった。
『!?』
驚いた【ジュウメングモ】が避けようと攻撃を放つが、アマゾンはあっさりとかわし、すぐに童子姫の身体に噛みついた。
『アァァァァッ!!!』
噛みつき攻撃が痛むのか、悲鳴を上げる童子姫。
「おおっ、久しぶりの噛みつき攻撃。こっちも負けてられませんね! ハァァァァァァッ!!!」
ヒビキは自身の身体を赤く燃やしはじめた。
『響鬼! 紅ッ!!!』
赤い炎を払うと顔の変身を戻し赤く輝く響鬼紅が現れた。響鬼紅は腰に装備していた音撃棒を装備し、アマゾンに声をかける。
『アマゾンさん、避けて下さいね!! ……灼熱真紅の型ァッ!!!』
目にも留まらぬ速さで【ジュウメングモ】に飛びかかっていく響鬼紅。なんとか目で捉えることが出来たアマゾンライダーは童子姫からジャンプで回避する。
『ハァァァッ、ダァッ!!』
響鬼紅の一撃が【ジュウメングモ】の上半身と下半身の接合部めがけヒットする。
『コイツはおまけだ! ヤァッ!!!』
響鬼紅は更にもう一撃同じ箇所に音撃をお見舞いした。
『ギャアァァァァ!!』
断末魔のような叫びを上げ、周囲は一時的に爆炎に包まれた。
しかし。
『……ナーンチャッテ』
冗談めいたような顔をし、首をかしげた童子姫の口から糸ではなく、炎が吐き出された。
『何ッ!!』
響鬼紅は一度距離をおこうと離れる。
『灼熱真紅の型でもダメって事は、今の手持ちじゃアレしか残ってないな…』
冷静に戦いを分析しながら響鬼紅は自身の装備を今一度確認した。アマゾンは木の上まで退避し、変身ポーズを構えている。
「アァァァマァァァァゾォォォンッッ!!!」
アマゾンは仮面ライダーアマゾンへと変身すると、響鬼紅に向かって叫んだ。
『ヒビキ! 少しだけヤツを足止めしてくれ!』
『わかりました! それなら!!』
響鬼紅は【ジュウメングモ】に向け、猛
ダッシュをし始めた。響鬼紅を近づけまいと再び炎を吐く【ジュウメングモ】。
『タァッ!!』
響鬼紅は炎を直前でジャンプして回避すると、空中で反転して【ジュウメングモ】の背中に着地した。そして、すぐにベルトのバックルに装着されていた火炎鼓を童子姫の背中に設置する。間髪入れずに響鬼紅は気を練るべく声をあげた。
『ハァァァァァッ、爆裂真紅の型ァ!!』
【ジュウメングモ】に乗り、何度も太鼓を叩き始める響鬼紅。
振り払おうとする童子姫だが、響鬼紅の身体は振り落とされずしっかりと音撃を叩きこんでいる。
『オノレェェェェ!!』
その様子を確認したアマゾンライダーは天高く叫んだ。
『ジャングラァー!!』
アマゾンの声に反応して停車していたジャングラーの目が光り、前面部が開くとアマゾンに向けてガガの腕輪を射出した。
発射されたガガの腕輪を空中でキャッチし、アマゾンはギギの腕輪と組み合わせる。
すると、アマゾンライダーの腕にあるアームカッターが巨大化していった。
『いくぞ、ヒビキ!』
『アマゾンさん、どうぞ!』
響鬼紅は童子姫への攻撃をやめ、その場から退避した。
そして、アマゾンライダーは特大のアームカッターを【ジュウメングモ】めがけて振り下ろした。
『スゥゥゥゥパァァァァ大ィィィ切ゥゥゥ断ァァァァン!!』
『鬼ドモメェェェ!!』
直後、童子姫が真っ二つに割れると、
【ジュウメングモ】は枯れ葉と土塊を周囲にまき散らしながら、爆散した。