ようこそ実力至上主義の教室へ~もしも坂柳有栖に幼馴染がいたら? 作:ソラたん
各クラスのポイントが公表された日の放課後。坂柳有栖は神室真澄を連れてカフェへ来ていた。
「ねぇ、坂柳」
「はい。なんでしょう?」
「アンタの幼馴染がいるクラス、ポイント0だったけど大丈夫なの? 」
坂柳は紅茶を口に含み喉に通すと静かに笑った。
「大丈夫ですよ。あの0ポイントはおそらく、他の生徒が原因でしょうから……。それに、これはかえって好都合です。少しは晶くんも動いてくれると思いますので」
「ふーん。でも、アンタが認めてるくらいだから凄いんだろうけど、私はそんな凄いようには見えなかったけど? 目敏いくらいで……」
かちゃっとティーカップを置くと。坂柳は瞑目する。そして、ゆっくりと目を開ける。
「今はそう見えるでしょう。でも、いずれ彼の恐ろしさが身に染みると思いますよ?」
「そう……じゃあ0ポイントになったみたいだし。その恐ろしさとやら見ることできるの?」
坂柳は首を小さく振り、綺麗な銀髪を揺らす。
「いいえ、この程度で晶くんは本気を出しません」
「そう……」
一瞬2人の会話が途切れる。そして、最初に口を開いたのは坂柳だ。
「ですが……先程も申し仕上げた通り。多少は晶くんも動くと思います。現在のDクラスがどのような状態なのか存じ上げませんが、彼がどのように動くのかは予想は多少なりともできます」
「アイツはどんな風に動くの?」
坂柳有栖はいつものように清楚な笑いを浮かべ喉を鳴らした。
「秘密です」
「は?」
神室は間抜けな声を上げた。まさか教えてもらえないとは毛ほどにも思っていなかったのだ。
「そこまで言っといて何それ……」
「お気を悪くしないでください、神室さん。あくまでも私の予想、外れている可能性もあります。もし、外れていたら恥ずかしいじゃないですか」
彼女は笑顔を浮かべたまま、おどけて見せる。本当は恥ずかしさなんてこれっぽっちもないはずなのに。
「もういいわ。じゃあなんで葉桜にこだわるの?」
「晶くんにこだわる理由ですか……? そうですね、やっぱり楽しいからでしょうか?」
「楽しい?」
「はい。彼と一緒にいると楽しいんです。今まで満たされていなかった気持ちが、彼と関わることで満たされていくんです」
神室はまるで信じられないものを見たように瞠目する。
それを見た坂柳は怪訝そうな顔をする。
「どうかなさいましたか?」
「それって……坂柳、アンタは葉桜のことが好きってこと?」
今度は坂柳が瞠目する番だった。
そして、心底おかしそうに笑う。
「私が……彼に恋愛感情を抱いているとおっしゃりたいのですか?」
「そう……ね」
「…………どうなんでしょうね。私は『恋』というものをしたことがありません。神室さんはどうですか?」
「私も恋愛なんてしたことないわよ」
「お互い経験無し……ですか。では、私のこの気持ちが恋愛感情なのかは不明のままですね」
坂柳有栖はそう言ったが、その心は葉桜晶が好きなのっと言われた時から揺れ動いていた。
坂柳はまだこの気持ちが理解はできてないが、本当に恋愛感情なのかもしれないと、頭の端に置いておくことにした。
「まあ、アンタが誰かに恋するなんて想像つかないしね」
そんな、神室の嫌味も坂柳は笑顔で返すだけ。
しかし、そんな坂柳を見ながら神室は思った。もし、もし仮に本当に坂柳有栖という少女が、葉桜晶に恋愛感情を抱いているとしたら……。
坂柳を虜にさせる彼に神室真澄は興味を抱いた……。
はい。読んでいただきありがとうございます! どうでしたか?お楽しみいただけましたか? 今回はいつもよりだいぶ短いと思われたかと思います。それでもお楽しみいただけましたら嬉しいです。
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