ようこそ実力至上主義の教室へ~もしも坂柳有栖に幼馴染がいたら?   作:ソラたん

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皆さん大変お待たせしました。
色々と忙しくて執筆する時間がありませんでした。それでも待ち続けてくださった方本当にありがとうございます。

それではお楽しみください。


罠なのは火を見るより明らか?

五月初日から一週間が経過した。周りの生徒たちはは須藤くん以外はまじめに受けている。これも平田くんたちと一緒にやった対策会議のおかげだろう。

 ただ……やはり、須藤くんはいまだ煙たがられている。こればっかりは仕方ないとしか言えないが。

 

「たうわ!?」

 

 突然、僕の後ろの席――綾小路くんが変な声を上げる。その声に皆は一斉に振り向く。そして、もちろん、現在の授業の担当の茶柱先生もだ。

 

「どうした綾小路。いきなり大声をあげて。反抗期か?」

「い、いえ。すいません茶柱先生。ちょっと目にゴミが入りまして……」

 

 謝罪の言葉を述べる綾小路くん。

 今のが私語に入るのは基準がわからないため判断できないが、ポイントに敏感になっているこのクラスの皆から痛い目線を送られている。

 しかし一体どうしたんだろう? いつも授業中に声を上げる生徒じゃない。とくにポイントに敏感になっているこのクラスで……。

 授業が終わり、先ほどの事を聞こうとしたら、その前に綾小路くんが堀北さんに詰め寄っていった。

 

「やって良いことと悪いことがあるだろ! コンパスはやばいぞコンパスは!」

 

 その言葉になんとなくとある仮説を思い浮かべる。

 もしかして……さっき声上げたのは堀北さんにコンパスで刺されたから? それなら納得もできる。問題はなんで刺されたかだけど。居眠りでもしそうだったのかな? まぁそれは本人に聞けばわかることか。

 

「ひょっとして怒られているの? 私」

「腕に穴が開いたんだぞ穴が!」

「何のこと? 私がいつ綾小路くんにコンパスの針を刺したの?」

「いや、だって手に持っているだろ、凶器を」

「まさか手に持っているだけで刺したと決めつけたの?」

 

 やっぱりそういうことだったようだ。声を上げたのは綾小路くんがコンパスで腕を刺されたからなんだ。しかし、本当になんで堀北さんは綾小路くんを刺したんだろう?

 

「気を付けて。あなたが居眠りをして、それを見つかれば間違いなく減点よ」

 

 なるほど。居眠りしそうになっていた綾小路くんを見て刺したわけか。それでもコンパスの針は不味いような……。

 各々が食事の為に立ち上がろうとした時、平田くんが声を上げた。どうやら、赤点を取れば即退学と言う事で、心配な人の為に勉強会を開こうとしているようだ。そして平田くんの視線は須藤くんに向けられていた。須藤くんも参加していいよ。という合図だろう。

 しかしそんな平田くんの厚意も無視して腕を組み目を瞑る。自己紹介の件からこの二人は仲は悪いままだ。

 平田くんは苦笑いしながらも、皆に説明する。

 

「今日の5時からテストの間、毎日2時間やるつもりだ。参加したいと思ったら、いつでも来て欲しい。もちろん、途中で抜けても構わない。僕からは以上だ」

 

 平田くんが話を終えると、赤点組の数名が立ち上が平田くんの元へといく。しかし、池くん、山内くん、須藤くんは彼の元にはいかなかった。出来れば彼らにはちゃんと参加して欲しいと思っていたが、やはり無駄だったようだ。須藤くんは平田くんとの関係が悪いままだからというのもあるが、他の二人は何故だろうか?

 いつも一緒にいる須藤くんの機嫌を損ねたくないからか。それとも、単純に勉強すること自体が嫌なだけなのか……。それとも一番くだらない。平田くんのモテるのが気に食わないだけなのか。まぁ、理由なんて本人たちにしかわからないんだ、考えても仕方がない。

 

☆☆☆

 

 僕もそろそろお昼を食べに行こうかと思っていると、後ろで堀北さんが綾小路くんを食事に誘っていた。

 僕は内心珍しいことがあるな。と思いながら彼らの隣を通り過ぎようとした瞬間――

 

「待ちなさい」

 

 何故か腕を掴まれた。

 

「え、何?」

「葉桜くん今からお昼かしら?」

「そ、そうだけど?」

「なら、葉桜くんも一緒に行きましょう」

 

 まさか僕まで誘ってくるとは予想外だった。もしかしたら何か企んでいるのかもしれないな。

 

「堀北さんから誘ってくれるなんて珍しいね。少し怖いよ」

「だな。俺も同じこと思ってた」

「別に怖くないわよ。山菜定食で良ければ奢らせてもらうけど」

 

 それは無料の定食だね。別に嫌という訳ではないけど、今は山菜の気分じゃないから 別の物が食べたい。

 

「冗談よ。ちゃんと奢ってあげる、好きなものを食べて構わないわ」

 

 ますます怪しさが増す。流石の綾小路くんも「なんか裏があるんじゃないだろうな?」と堀北さんに言っている。

 

「人の好意を素直に受け取れなくなったら人間お終いよ?」

「まあ、そりゃそうだけど……」

 

 渋々といった感じで綾小路くんは堀北さんの誘いに乗り食堂へ来た。もちろん、僕も一緒だ。特に誰かと食べる予定はなかった。それにちょっと堀北さんが何を企んでいるのか気になった。

 綾小路くんが高めのスペシャル定食を頼んでいる時に堀北さんに耳打ちする。

 

「何を企んでいるかわからないけど、僕は奢ってくれなくていいよ。そんな事しなくてもお手伝いするから」

 

 突然耳打ちしたことで、堀北さんの表情が驚きの色に染まっていたが、その僕の言葉にいつもの顔に戻して「わかったわ」と一言だけ言った。

 その後、席を確保して席に座る。

 

「それでは、頂きますっと?」

 

 今から食べようかと思った時、綾小路くんは堀北さんの方へ向く。もちろんその理由は、彼女が何故かジッと綾小路くんの方を見ているからだ。流石にそんな風に見られていれば誰だって気になってしまう。

どうやら彼女は綾小路くんが食べるのを待っている様に思えた。綾小路くんもそれには気が付いているのか、まだ食べようとしない。

 

「どうしたの綾小路くん? 早く食べたら?」

「あ、ああ」

 

 チラチラと堀北さんの方へ目線を向けながら、一口かじった。

 

「早速だけど話を聞いて貰えるかしら」

 

 一口かじるのを確認したと同時にそんなことを堀北さんは言い出す。

 これはもしかしなくても、綾小路くんが定食を食べるのを見計らっていたよね?

 

「圧倒的に嫌な予感がする……」

 

 綾小路くんが立ち上がる。この場から逃げようとしているようだが、堀北さんが腕を掴み阻止する。

 

「綾小路くん、もう一度言うわ。話を聞いて貰える?」

「ふぁい……」

 

 表情はいつもと変わらないはずなのに、その一言が強力なプレッシャーを放っている。これには誰もが逃げる事を諦めるだろう。

 

「茶柱先生の忠告以降、クラスの遅刻は確かに減り私語も激減したわ。大半のマイナス要素だった部分は消せたと言っても過言じゃない」

「ま、そうだな。元々難しい事じゃないし」

 

 二人の考え――というよりも、堀北さんの考えが気になってので、黙って二人の会話に耳を傾けることにした。

 

「次に私たちがすべきこと、それは2週間後に迫っているテストでよりいい点を収めるための対策よ。さっき、平田くんが行動を起こしたようにね」

「勉強会か。ま……確かに赤点対策は出来るだろうな。ただ――」

「ただ、何? 随分と含みのある言い方ね。何か問題でもあるの?」

「いや、気にしないでくれ。でもお前が他人を気にするなんて珍しいな」

「本来なら、テストで赤点を取るなんて私には考えられない。けれど、世の中にはどうしても赤点を取ってしまうような、どうしようもない生徒が居るのも事実」

「須藤たちのことか。相変わらず容赦ない物言いだな」

「事実を事実として述べただけよ」

 

 二人の話を横で聞いていると、僕の携帯がバイブする。差出人を確認すると有栖からだった。内容を確認しようかとも思ったが、堀北さんたちの話の方が重要だし、一旦無視をする。

 しばらく二人の会話を軽くまとめるこういう事らしい。赤点組である3人が平田くんたちの勉強会を参加しなかったのが気になり。勉強会を開く、と。

 そして、その3人は一筋縄ではいかないので、綾小路くんに説得して欲しいとのこと。

 そこまで聞いて僕はとあることが気になり、今まで挟まなかった口を挟んだ。

 

「あれ? それだと。僕が呼ばれたのはなんで?」

「確かにそうだな。悔しいが、オレを呼ぶのはまだわかる。だけど、葉桜は関係ないだろ?」

「もちろん、無意味に葉桜くんを呼んだわけではないわ。あなたには須藤くんたちに勉強を私と一緒に教えて貰いたいの」

 

 なるほど、堀北さんは僕の点数を知っている。そして、茶柱先生に満点取ろうと思えば取れたかもしれないと思わされているから、なおさら、勉強教える係りに僕を選んだわけだ。

 

「なるほど。どこまで役に立つのかわからないけど、お手伝いするよ」

「ありがとう。流石は葉桜くんね。そう言ってくれると思っていたわ」

 

 そう言うと、堀北さんは綾小路くんの方へ向く。その視線を向けられた綾小路くんは嫌そうな顔をしていた。

 

「さて、綾小路くんはどうするのかしら?」

「無茶を言うな。オレにはそんなリア充も真っ青な行動できるわけないだろ」

「出来る出来ないじゃない。やるのよ」

 

 その言い方だと、綾小路くんが堀北さんの飼い犬か何かに聞こえる。

 そしてその言葉を聞いた綾小路くんは頬を引きつらせている。

 

「堀北がAクラスを目指すのは自由だが、オレを巻き込むなって」

「食べたわよね? 私の奢りで。お昼を。スペシャル定食、豪華で良かったわね」

 

 やっぱりこの為に奢ったんだね……。うすうすは予想できていたけど実際に目の当たりにすると可哀想に思えてくる。

 

「人の好意を素直に受け取っただけだ」

「残念だけど、それは好意ではなくて他意よ」

「一言も言ってねえし……よし、じゃあポイント分オレも奢る。それでチャラだ」

「私、人に奢られるほど落ちぶれているつもりはないから。お断りします」

「今初めて、オレはお前に対して怒りを覚えたかも知れない……」

「それでどうなの。協力してくれるの? それとも私を敵に回すの?」

「拳銃を額に突きつけられて、やれと脅されているようだ……」

「ようだではなく、事実脅しているようなものね」

 

 しかし本当にこの暴力の力は効率的だ。

 しばらく綾小路くんが何かを悩んでいる風なのを眺めていると、堀北さんが畳みかけた。

 

「櫛田さんと結託して、嘘で私を呼び出したこと、許したつもりはないのだけれど?」

「あの件は責めないって言っただろ。今更持ち出すなんてずるいぞ」

「それは櫛田さんに対してであって綾小路くんを許した覚えはないの」

 

 櫛田さんの件? 一瞬頭を捻るが、すぐにとあることを思い出した。

 有栖と一緒にカフェに行ったとき……確かあの時綾小路くんと櫛田さん、そして堀北さんがいた。おそらくそのことを言っているのだろう。

 御愁傷様だね、綾小路くん。

 

「うわ、汚ねぇ……」

「帳消しにしてほしかったら私に協力することね」

 

 最初から綾小路くんには逃げ道は無かったみたいだ……。

 櫛田さんの件で元々手伝いを強要できたのだから、まぁそれを使わずに綾小路くんを手伝わせたかったみたいだけど。

 

「集められる保証はないぞ? それでもいいのか?」

「私はあなたなら全員集められると信じているから。これ、私の電話番号とアドレス。葉桜くんにも渡しておくわ。二人とも何かあったら、連絡して」

 

 意外な方法で堀北さんのアドレスをゲットすることが出来た。今のところこの学校で僕と綾小路くんだけじゃないかな、彼女のアドレスを知っているのは……。

 そんなことを思いながら携帯を開きアドレスを入力しようとして、有栖から連絡来ていることを思い出した。

 内容を確認すると、いつものお呼び出しだった。今回は僕は誘う役ではないので、了解っとだけ送って。いつもの場所へ足を運ぶことにした。




 読んでくださってありがとうございます。
 さて早速ですが、よう実10巻発売されましたね。私は買ったその日に読み終わりました。はい……執筆遅くなった原因もこれもあります。

 試し読みの時点で読みたくて仕方なかったですが、実際に読んでみてもう興奮しました。まだ読んでない方がいらっしゃったら是非読んでください。この坂柳も予想しているより出番が多くてうれしかったです。

 
はい、では雑談はここまでにして、本題を入りますね。まず最初に本当に遅くなって申し訳ありません。でもこれからもこんな風に更新が遅くなることもありますのでご了承ください。

 それと、皆様にお願いしたいことがあります。
 皆さまこの作品は展開スピードはどうでしょうか? 他の皆様の作品見ていると、もうすでに一巻の内容が終わっている物が多くて、私の作品は遅いのでは? と思うようになりました。なので私の活動報告にてアンケートを少し取りたいと思います。

 展開をもっと早くするべきか、それともこのままで良いのか。お答え頂けると嬉しいです。
それではこれからもよろしくお願いします
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