ポケットモンスターセイバーズ   作:宙の空、響く声

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どうも、うp主です。
竜ダンの関係で投稿が遅れました。
それでは、第16話どうぞ!


16.生命体X

PMS本部・火野の自室。

火野は戻るや否や、パソコンを点けレシラムとの会話を始めていた。

 

火野>ただいま。

レシラム>おかえり!そして、お疲れさん。大変だったね…

火野>うん、ウルガモスに助けてもらえなかったら死んでいたよ…

レシラム>うん、ウルガモスには感謝しないとね!後、君の瞳にも!

火野>えっ?

レシラム>月読さんは知らないけど、エレメンターは同じ属性のポケモンを引き寄せる力があるんだ!

火野>そ、そんな事が…

レシラム>まあ、アルセウスの代理だからね、その能力は…

火野>僕が…代理?レシラム>ちょっと話長くなるけどいい?

火野>うん…

 

レシラム>アルセウスは、一度瀕死になった事があった。

その時、世界の秩序が乱れるのを恐れて、自らの力のコピーをとったんだ。そして、その力を信頼出来る人間に分け与えたんだ。これが、エレメンターだよ。

火野>でも、そうしたらなんで僕が…

レシラム>エレメンターは遺伝するよ。まあ遺伝と言っても乗り移るだけなんだ。

でも、今やエレメンターにない属性も多くてね、キーエレメンターは君ぐらいだよ。

火野>…駄目だ、混乱してきた。

レシラム>ご、ごめん。詳しく話すね…エレメンターは最初、各タイプに5人、計90人いたんだ。

そして各タイプに1人ずつ、他より強い力を持ち、リーダーの役割を果たすキーエレメンターがいた。

だけど、子孫を残せず亡くなったりして保有者はごく僅かなんだ。保有者が少ないだけで、その力は対応した遺跡に行って認めて貰えば貰えるよ。まあ、大変だけどね…

火野>じゃあ、僕は…?

レシラム>遺伝だね。多分君の母さんから。脈々と伝えられて、君に渡ったんだね。

火野>そういえば、僕の母さんは物心つかない前に亡くなったって父さんから聞いていたけど…

レシラム>そうだったんだ…キーエレメンターの遺伝は、前所持者の死を意味するからね…

火野>母さんがくれた…大切なもの……頑張って生きないと!

レシラム>うん、そうだね!僕も君を支えられる用にしないとね!火野>はい!じゃ、おやすみ。

レシラム>おやすみ〜。

 

 

次の日。火野はいつになく早く起き、ニュースをチェックしていた。

火野「少しでも、世間を知らないと…」

この頃、火野は鍛錬とミッションで忙しく、ニュースを見る暇がなかった。

火野「動きなし…か。」

そう思いテレビを消すと、来訪者を知らせるアナウンスが鳴る。この時間帯なら、あの人しかいないと確信していた。

羽剣「よっ!今日も元気そうだな。」

火野「羽剣さん!おはようございます。」

羽剣「それより火野、ちょっと見てくれよ!」

火野「なんですか?」

羽剣は念を集中させて、力強く発声する。

瞳は水色になり、体は僅かに宙に浮いていた。

火野「羽剣さん…なぜ…」

羽剣「これ?火野が行ってる間にもネガビーストが出てな…ホウエンの遺跡d…」

火野「遺跡…まさか!?」

そう言うと火野はパソコンを立ち上げ、レシラムとの会話を始めた。

火野>おはようレシラム、急ですまないね。

レシラム>おはよう!どうしたの?

火野>ホウエンのエレメンター遺跡を知っている限り挙げて!

レシラム>うーん、僕が知っているのは「ウィザポート」かな…確かルネの地下にあったような…

レシラムの発言に羽剣は反応した。

羽剣「…間違いない!ルネの地下だった!ネガビーストにやられそうになった時、石碑から光が出てきて!」

 

火野>レシラム、ありがとう。

レシラム>え、これでいいの?じゃ、また後で!

 

火野はアプリを終了させると、真剣な顔で羽剣を見る。

羽剣「ひ、火野?どうしたんだ…?」

火野「羽剣さん…その力に責任を持てますか?」

羽剣「な、なんだ一体?」

火野「その力は、アルセウスのコピー…つまり、アルセウスに認められたんです。」

羽剣「えっ、お、俺やったじゃん!」

火野「でもその力…大事な時だけにして下さい。」

羽剣「そ、そっか…アルセウスに認められたって事は、託されたって訳だからな…。まあ安心しろ、俺は誰かを泣かせる真似はしねぇからな!後、お前も同じ力を持っているんだろ?気をつけろよ!」

火野「はい!…でも何か引っかかるんです。」

羽剣「おっ、何がだ?」

火野「虚無會も、エレメンターの力を狙っているのか、って事ですよ。」

羽剣「まあ、来たら倒せばいいんじゃねぇか!」

火野「そうですね!」

 

PMS本部・所長室。

奇妙な人物が、月読を訪ねてきた。

月読「わざわざここまで来るとは…何者だ?」

?「私は対馬始、プロメテウス財団のネオクリエイターです。」

月読「ネオクリエイターと言うと、非倫理的な生物創生を行っている団体としか聞かないのだが…」

対馬「ご安心ください。我々、生物創生は行いはしますが環境に放つことは御座いませんので。さて、本題に入りますか…」

月読「ほう、では要件を言え。」

対馬「はい、其方は今ネガビーストの件で苦労をされているそうですね。なので、我々が手を貸そうと思ったのですが…もちろん、こちらの研究も兼ねているのでお代はいりませんよ?」

月読「提案の為にわざわざ此処まで来てもらったのは申し訳ないが、断らせて頂く。あれは、我々の力のみで対処するのでね。」

対馬「そうですか…では。」

対馬が退出すると、月読は溜め息をつく。

月読「この戦いが研究者の土台にされている…非常に面倒だな。」

そう言うと、内海が入ってきた。

内海「所長、あの方は?」

月読「ネオクリエイターと名乗っていたものだ。協力しようとか言っていたが、丁重に断らせて頂いた。」

内海「そうですか…それと、羽剣のエレメンターの件はどうなりました?」

月読「さあな…あの遺跡が原因と考えてはいるが…」

 

訓練棟。

火野はジュカインのメガチップを入手すべく、羽剣と此処に来ていた。

羽剣「んで、ウルガモスじゃねえのか?アーマーレベルを上げる必要だってあるだろうし…」

火野「それが…特別なカード故使用出来ないって…」

羽剣「へえ…」

火野「では、行きます!」

羽剣「おう、頑張ってこいよ!」

火野を待つ間、何故ウルガモスのカードが使用出来ないかを考える羽剣。そこに、トレーニングを終えた鮫島が来た。

鮫島「羽剣、お疲れさん。」

羽剣「いやいや、まだトレーニングやってないし。それに、火野を待っているだけだからな…」

鮫島「へえ、そっか。後、ウルガモスの件、理由は何となく分かるんだな〜。」

羽剣「ふーん、で、どう考えてんの?」

鮫島「俺らの場合、カード化するのに一回サーバーを通す必要がある。しかし、ウルガモスの場合ポケモンが直接カードを作ってしまっている。だから、ウルガモスアーマーがあるという情報がそもそもサーバーにねえって訳さ。」

羽剣「へぇ…」

鮫島「此処から俺の仮説なんだが、そもそもレベルを上げる必要すら無いんじゃないか、とも思うんだよな。」

羽剣「え?」

鮫島「火野の父さん曰わく、レベルってのはフィット率らしいぜ。データをそのままアーマー化しても、粗は少なからずあって、それを戦闘によってデータを取り込む事によってアーマーを更新しているんだ。レベル上がらないと進化しないのは、進化したら粗が広がるからだってさ。」

羽剣「ほう…初耳。」

鮫島「でもウルガモスの場合、渡した存在の生命データも一緒に含まれている。生命データは柔軟だから、装着者に最善の状態で装着される。だから、一々フィットさせる必要は無いんだ、って思うんだよな。」

羽剣「なるほど。」

鮫島「あ、あくまで仮説だからな!」

羽剣「そっか…仮説と言えば俺のエレメンターの件は?」

鮫島「あれか?十中八九遺跡だろうな。俺の実家の近くにもあったぞ。竜の…キーエレメンターのな。」

羽剣「キーエレメンター?」

鮫島「各タイプに5名ずつエレメンターが存在する。その中の1人、リーダーを担当するのがキーエレメンターだ。当然力は強いが、凄まじいデメリットある。」

羽剣「どんな?」

鮫島「まず、遺跡の主に認めて貰えないと手に入らない。気まぐれで貰えるエレメンターとは違い、主に直接戦いを挑み認めて貰えないとって訳だ。当然、凄まじく強い。」

羽剣「うわあ…」

鮫島「まだあるぜ。たとえ認められたとしても身体に合わないと暴走する。極めつきは長生きしたければ、子孫を残してはいけないってデメリットだ。」

羽剣「なんだよそれ…」

鮫島「子孫を残すと、能力は全て子へ移る。しかし、キーエレメンターの場合、受け継ぎに凄まじいエネルギーを消費する。大抵の人なら即死、耐えられたとしても7日しか持たない。ったく、昔の神は何を考えていたんだか…」

羽剣「へぇ…火野に言っとくか。」

鮫島「いや、知っていると思うぜ。あいつ自体キーエレメンターだからな。」

羽剣「ま、マジ…」

鮫島「おっ、戻ってきたぞ。」

火野はかなり疲弊した様子で歩いてきた。

羽剣「おい火野、大丈夫かよ!?」

火野「だ、大丈夫です…」

羽剣「んで、どうだったんだ?」

火野「はい、この通りです…」

そう言うと、火野は先ほど入手したメガチップを見せる。

羽剣「おっ、上手く行ったんだな!」

火野「はい…でも、戦っていた記憶が途中から無くて…気づいたら終わっていたんです。」

鮫島「うーん、キーエレメンターが発動したのかもな。」

火野「そ、そうかもしれません…僕は自室に戻ります。」

羽剣「おう、疲れているなら休めよ。」

火野「ありがとうございます…」

そう言うと、火野は自室に戻っていった。一方、羽剣と鮫島は未だに話し続けていた。

羽剣「で、鮫島ってエレメンターなのか?」

鮫島「え、俺が?いやいや、俺はキーエレメンターに成りたいからな…今まで誘いはいくらでもあったけど、全て断ってきた。全ては、あの石碑の力を得るためにな。」

羽剣「で、今は?」

鮫島「生憎、認められていないんだ…もっと、力がないと。」

羽剣「そっか。まあ俺は、必要なのは力だけじゃないと思うけどな…」

 

火野の自室。

火野は未だに例の遺跡の考察を練っていた。

火野「虚無會はあの遺跡を狙ったのだとすれば、あの遺跡の事をどこで知ったんだ?…いや、考えても仕方ない。僕は僕のすべき事を果たすまで…!」

そう決意すると、タイミング悪くブレスに通信が入ってくる。通信を掛けたのは月読所長だった。

火野「月読所長、ご用件は?」

月読「私の部屋が訳あって大変な事になってな…端的に言うと侵入者だ。1人で来てくれ。」

火野「分かりました、今すぐ行きます!でも、何で1人なんですか…?」

月読「入ったら直ちに敵をポートに誘導してくれ。その後はハイリンクでの戦闘になる。生憎、この部屋のポートが一つしかなくてな…」

火野「はい!」

月読所長との通信を終えると、火野は1人所長室に向かった。

 

所長室。侵入者は大量の触手に身を包んだ謎の人型モンスターだった。月読は部屋の都合上、バクーダアーマーを使えずにいた。

月読「ふう、サーバは別のに移動したから壊されても問題ないな…ん?」

扉の向こう側から声がした。火野が到着したのである。

火野「所長、着きました。扉を開けてください!」

月読「分かった。もう装着は済ませたんだろうな?」

火野「はい!ウルガモスで行きます!」

月読「では、開けるぞ。」

そう言うと月読は所長室のロックを解除する。

開くや否や、謎の生物に向かって突進する火野。その勢いで、自ら諸共ポートに突っ込んだ。

火野「所長、行き先で目標を仕留めます!」

月読「任せたぞ。」

 

ハイリンク。

火野「うわぁっ!!…いたた…」

思いっきり突っ込んだせいか、火野は右肩を痛める。

一方、謎の生物は突っ込まれたと言うのに悠々としている。

火野「何がしたいか分かりませんが、邪魔をするなら…!」

そう言うと、片手剣と盾を生成し、謎の生物に向かっていく。

一方、謎の生物は火野が向かって来ようとも動く様子はない。

火野「う、動かない…?なら、此方から!」

そう言って、謎の生物に斬りつけようとした、その時。

 

バシュッ

火野「な、何っ!?」

火野の右太ももに触手が巻きつく。火野「は、離せぇっ…!」

触手を斬り裂こうとするが、斬れない。その間に別の触手が腹に巻き付き、火野を締め付ける。

火野「うわあぁぁっ!!ぐっ、あぁぁぁっ!」

苦しそうにもがく火野。

謎の生物は火野を自分の近くに引き寄せる。すると、肩の棘を伸ばし火野の両肩に刺す。そして、そこから高圧電流を流し始めた。

火野「うわあぁぁっ!!あぁぁぁっ…うっ…」

徐々に意識が薄れていく火野。しかし、大切な仲間の為に負けられないと強く思った時、目が赤く光る。キーエレメンターの発動である。

火野「負けるかあぁぁっ!!」

火野は相手の舐めプ故に自由だった腕で腹部に巻き付いた触手を千切ろうとする。

しかし、千切れるどころかよりきつく締め付けられてしまう。

しかし、火野は怯まず、アーマーを変更する。

火野「電気タイプなら…フライゴン、力を貸して!」

フライゴンアーマーに変更すると、電流は一切流れなくなり、火野に余裕が出来る。

火野「よし、このままぁっ!!」

そう言って力を入れた、その時だった。

 

対馬「ザナティメト、絶縁を破壊せよ。」

その命令を聞いた謎の生物=ザナティメトは、更に大量の電流を流す。アーマーは急に黒ずんでいき、遂に火野に流れた。

火野「うわあぁぁぁぁっ!!あぁぁっ…ぐっ!うっ……」

目は元の色に戻り、力が抜けてしまう。ザナティメトが触手をほどくと、仰向けに倒れ、ぐったりとしていた。

火野「僕は…なんで……誰も守れないの…そのための力なのに……ごめんね、レシ…ずっと一緒にいるって…言ったのに……」

火野の瞳から涙が零れた。

 

所長室。漸く通信設備が回復し(火野と先程つながったのは火野との回線が偶然無事だったからである)、羽剣と東、黒曜に通信を繋ぐ。

月読「羽剣、東、黒曜。出動命令だ。」

羽剣「おっ、通信が直ったんですか!」

東「んで、命令って?」

月読「ハイリンクに行って、火野の加勢に向かって欲しい。」

黒曜「!?火野に、何があったんだ!」

月読「分からない。とりあえず向かってくれ。」

3人「はい!」

 

出動ポート。

羽剣「火野…死ぬなよ…」

東「火野君…一体何が…」

黒曜「ほら、早く行こうぜ!」

羽剣「分かっている…行くぞ。」

 

・羽剣:メタグロス

・黒曜:デンリュウ

・東:クチート

 

ハイリンク。加勢に向かった3人の目に映ったのは、謎の生物と血まみれで倒れた火野、それと遠くから嬉しそうに微笑む男だった。

羽剣「火野…どうしたんだ!火野!?」

羽剣の叫びがハイリンクにこだまする。

火野「は…羽剣さん……」

火野は羽剣に気付き、返答しようとするが名を言った途端に意識を失ってしまう。

羽剣「くっ…火野の救助に向かう!2人は奴の気を引いてくれ!」

東「はい!火野君の為なら私だってぇ!!」

黒曜「気を引く位なら余裕だ!任せろ!!」

2人はザナティメトの背後から同時攻撃を行う。しかし、弾を見ることなく触手で弾く。

東「弾いた!?」

黒曜「嘘だろ…」

そして、満身創痍の火野に止めを刺そうと触手を尖らせる。それと同時にバリアを張り、3人を弾く。

羽剣「くっ…どうすれば…」

尖った触手が火野を突き刺そうとした、その時。

 

?「ったく、貴重な人材だから戦わないで欲しいんだよなぁ〜。」

遠くから飛んできた光の矢は、バリアを貫通しザナティメトの尖った触手を寸断した。

羽剣「!?あれは…」

ハイリンクの木の上にいたのは、背部に翼状の刃があるアーマーを纏った青年だった。

?「さあ、同類を救うとするか!」

続く。




次回予告

次回、ポケットモンスターセイバーズ!
突如として現れたアーマー装着者!
それは、意図せずして訪れた二人目のキーエレメンターだった…

次回、第17話「夢幻の瞳」

以上、次回予告。
次回もお楽しみに。
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