ポケットモンスターセイバーズ   作:宙の空、響く声

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20.誰が為の命

朝・火野の自室。

火野はレシラムとの対話を始める為起きようとした。しかし、激しい頭痛に苛まれ起きる事が出来ない。

火野「ううっ…僕、疲れているのかな…羽剣さんに連絡するか。」

そう言って羽剣にメールを送ると、火野は再び眠りにつく。

 

羽剣の自室。

羽剣は火野の様子を見に行こうと、準備をしていた。

羽剣「ん?ブレスにメールか、珍しいな…どれどれ…」

そのメールは火野から送られてきた物だった。

羽剣「内容は…体調が悪いので今日は1日寝ます…やっぱりか。昨日も体調良くなかったしな…まあ、ゆっくり休んでもらおう。不謹慎だが丁度良かったしな…」

そう言うと、座っていたベッドから立ち、

羽剣「火野、俺行ってくるわ。俺がお前の替わりになれるか分からない…だけどな、俺にしか出来ない事だってある。任せてくれ…」

そう言うと、いつ任務に呼ばれても良いように支度を始めた。

 

訓練棟。

朝早く、黒曜が鍛錬しに来ていた。

黒曜「もう、火野が無茶しなくても良いように…俺だって!」

そう決心した時、

東「こっくよーくーん!」

黒曜「東!?」

東「早速、張り切ってるみたいだね〜、私もだけど!」

黒曜「んで、訓練に来たのか?」

東「そうなんだけど…ネガビーストの解析が進んで、シミュレーションが出来る様になったんだって。」

黒曜「ふう…漸くバクオングから解放されるのか…」

東「えっ、まだ其処なの!?」

黒曜「まだ有るのかよ!?」

東「私なんか既に最終進化勢を相手にトレーニングしてたわ!置いて行かれるよ?」

黒曜「うっわマジかよ!?最終進化で満足してた…」

東「それ、アウト〜!じゃ、訓練開始よ!」

黒曜「お…おう!」

 

プロメテウス財団・研究者寮。

対馬「おはようございます、鮫島様。」

鮫島「鮫島で良い、敬称は性に合わない。それは兎も角、例のは?」

対馬「例のと言いますと…プロギンの事でしょうか?順調ですよ。昼頃には完成するかと…さて、君にはやってもらいたい事がある。」

鮫島「試せ、ってか?」

対馬「それは問題ない。君には、この生物の捕獲をお願いしたい。」

そう言うと、一枚の紙を渡す。

鮫島「これは…センドラル!?」

対馬「よくご存知で。これの異世界転移能力を手に入れて欲しいって訳です。」

鮫島「…悪くない。しかし、そもそもこの世界に居るのか?」

対馬「確かに、滅多にこの世界にお邪魔しない。しかし、今日は周期上居ると断言出来る。任せた。」

鮫島「ふっ…任されたぜ。ウォーミングアップになるかわからねぇけどな…」

対馬「流石、頼もしい。では私は、仕事仕事〜♪」

対馬が退室すると、鮫島はベッドに座る。

鮫島「力があれば良い…力さえ有れば…!」

そう言うと、腕にブレスを巻き付け寮を後にした。

 

虚無會。

拓人「しかし、財団まで首を突っ込んで来るとは…」

洋子「面倒…ですわね…」

琉聖「まあ良いじゃん!そいつも捕獲すれば!!」

拓人「はあ…あのな琉聖。捕獲したらしたで面倒なんだ、こっちの情報も抜き取られるし…」

琉聖「ちっ…技術屋のなせる技ってか…。」

拓人「良いか、あくまで今回の目的はセンドラルの捕獲だ、余計な事はするなよ?」

琉聖「は、はい…」

 

ハイリンク。

センドラルは、休息の為ハイリンクに訪れていた。

そのハイリンクの木の後ろで、鮫島は様子をうかがっていた。

 

鮫島:シルヴァディ

 

鮫島「へぇ、あれか。流石神だ、風格が凄い…んで、頭部の飾りを見ろと。」

鮫島は目標の頭部の飾りを見る。

現在は紫色に光っているが、休息に入ると光が消えて白くなる。それを鮫島は狙っているのである。

対馬「鮫島くん、そちらはどうでしょうか?」

鮫島「対象は発見した。後は…ん?」

対馬「どうしました?」

鮫島「虚無會が来ている…しかも三幹部揃ってアーマー着ていやがる…例の奴は?」

対馬「それが…なかなか早く完成しましてね。転送しますか?」

鮫島「頼む。」

 

拓人:コバルオン

洋子:エムリット

琉聖:ゲノセクト

 

拓人「あれか…流石神って感じがするな。」

洋子「そうですね…」

琉聖「財団の物は居なそうだな…レーダーには何も写ってないし。」

拓人「さて、捕獲するか…と言いたい所だが、様子を見よう。誰か居るようだしな…」

拓人は木に光弾を撃つ。目標は上手くかわし、地面に降りる。

鮫島「くっ…流石幹部のリーダー格だな。」

拓人「ほう…あなたはセイバーズの方か…確か現在は財団の手先と。」

鮫島「今は関係無い話だ…休息を取ろうとしているあの方に失礼だろ?戦うと言うのなら、外でやるべきでは?」

拓人「ほう、考えればそうか。良いだろう…協力してやる。其方はデータ採れば良いのだろう?」

鮫島「分かった。データ採ったら引き渡す事にしよう。」

拓人「ふっ…言ってみるものだ。」

洋子「偶々利害が一致したってだけでしょうけど…来る!」

上空から衝撃波が降り注ぐ。セイバーズの攻撃だ。

羽剣「お前ら、人の物だけじゃ飽きたらねぇのかよ!」

黒曜「倒されたくて来たんだな?じゃあ、望み通りにしてやる!」

 

黒曜:デンリュウ

羽剣:ボーマンダ

 

羽剣「さて、神様の目の前で汚い争いをするのもアレなので…」

そう言うと、羽剣は片手銃で全員を撃つ。見事着弾するが、ダメージを与える事が目的では無かった。

羽剣「じゃ、一斉退場とするぜ!」

銃の横のスイッチを押す。その瞬間、全員が光の粒となって消える。

 

電気石の洞穴入口。

突然、光の柱が現れ、其処に先ほどの6名が転送される。

鮫島「ちっ…ポート技術の応用か。」

羽剣「御名答!さて、行くぜ。」

黒曜「おう!」

拓人「我らも行くか。」

洋子「そうね、レッツ・エクスターミネート!」

虚無會三幹部はブレスに石板を嵌める。石板は紋章を映し、紋章はそれぞれを通過する。

各アーマーは黒く、禍々しいオーラを放っている。

鮫島「成る程、強化されたか。だがたかが姿を変えただけ、少し試してやるか!」

こうして、3VS2VS1の戦いが始まった。

 

PMS本部。

東は貴水に呼ばれ、テストルームに来ていた。

東「貴水さん、此処で何を…」

貴水「君にやって欲しい事がある…」

そう言うと、一枚のカードを渡す。

東「これは…?」

貴水「ケルディオのアーマーカードだ。火野の父さんが保護していたケルディオが有り難い事に力を提供して下さったんだ。これを君に託そう。」

東「いやいや、私如きで…」

貴水「火野の父さんは火野に託そうと思ったのだが、生憎あいつは火の力を持っているしな…候補だった鮫島はどこへやら。ってな訳で、君に決まったんだ。頼むよ!」

東「…是非!必ずや、私が使いこなして見せます!」

貴水「じゃテストだ、充分戦えるかのね!」

東「はい!」

 

電気石の洞穴。

3巴の戦いは依然と続き、激しさを増していた。

羽剣「おらぁっ!!…くそ、キリがねぇ!」

黒曜「…ヤバいな。」

苦戦を強いられるセイバーズ。しかし、押されっぱなしである訳が無かった。

羽剣「このぉ、負けるかよぉぉっ!!」

羽剣の瞳が水色に光り、風を纏う。羽剣「この速さなら…」

目にも留まらぬ速さで、琉聖に連続で仕掛ける。アーマーにダメージが蓄積し、エクスターミネートモードの副作用でアーマーが弱体化している事も有り、突進で琉聖を飛ばした。

琉聖「うわぁっ!?」

拓人「琉聖、退け!」

琉聖「リーダー、すみません!」

琉聖はブレスから紋章を呼び出し、紋章をくぐって逃走した。

羽剣「深追いは禁物…守りきれ!」

羽剣は自分を奮い立たせ、3名と一歩も引かない戦いを繰り広げる。

しかし、空中から降る光弾が直撃し、地面に倒れ込む。

黒曜「羽剣!?」

羽剣「…くっ、何だあれは!?」

 

空から、巨大な生物が光弾を地面に乱射しながら地面に降りてくる。

鮫島「おっ、来たか…」

目を細める鮫島。

対馬「そうです、これこそ生物の極致…プロギンです!」

 

続く。




次回予告。

次回、ポケットモンスターセイバーズ!

全てを創始の刻へ回帰させる人造神は、人の手を離れ己が成すべき事を成そうとする。
止められるのは只一つ。

第21話「HLSW」

聖なる剣の手綱を握りし者。
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