ポケットモンスターセイバーズ   作:宙の空、響く声

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どうも、宙の空響く声です。
執筆一周年です(笑)
今後も宜しくお願いします。


24.届かない思い

深夜・火野の自室…プレミアボール内。

レシラム「…やっぱり。データを入れる空白がある…僕は、火野くんとより強く繋がれるんだ…これで!」

レシラムはカードを両手で無地のカードを掴むと、

レシラム「はあぁぁぁっ…!」

両手に力を込める。カードの枠内は赤く色づき、全てのデータの移動が完了すると、眩い光を放つ。

レシラム「よし…!」

光が消えると、カード右端の突起に「L」の印字が施されていた。

レシラム「データは入ったけど、ブレスに入らない…力になれないの?僕は…」

レシラムは溜め息をつくと、すぐ眠りにつく。

 

早朝・火野の自室。

火野はいつもより遅めに起きると、急いで準備を始めた。

火野「いけない、10分とは言え寝過ごすなんて…!準備を急がないと!」

火野はいつもより早く準備を終えると、パソコンに向かう。

 

火野>おはよう、レシラム。

レシラム>おはよー!火野くん!

火野>で、カードは?

レシラム>カードケース見て!

火野はカードケースを開ける。そこには、白枠にLの字が刻まれた、カードが入っていた。

火野>レシラム…これって…?

レシラム>僕のデータを入れたんだ。僕も君の力になりたくて…

火野>ありがとう。

レシラム>…え?

火野>え?僕が怒ると思った?

レシラム>うん…

火野>僕も、そんな気はしていた…君の力がこのカードに宿るかも、ってね。だから、何の問題も無いよ。ありがとう!

レシラム>…うん!

火野>でもこれ、ブレスに入らないね…

レシラム>そうだよね…

火野>僕は弄れないからな…これ、借り物だし…貴水さんに聞かないと。

レシラム>そうだね、じゃあまた!

火野>うん、今日も1日頑張るよ!

 

火野はパソコンの電源を切ると、自室を後にした。

火野「レシラムの力、使わなくてもいい事を願いたいよ…でも、いつか使う必要に迫られる日が来るはず…僕も頑張らないと!」

 

自室棟・エントランス。

エレベーターのドアが開くと、火野は羽剣が居る事に気付く。

火野「羽剣さん、おはようございます。」

羽剣「おう、火野!元気か?」

火野「はい、問題無しです。背中の傷も治ってくれましたし!」

羽剣「えっ、もう治ったのかよ…お前は若いよな。」

火野「いやいや、貴方と二年しか違っていないですよ!?」

羽剣「おっ、そうか…それにしても財団のやつ、一体何の用で…」

火野「鮫島さん…」

羽剣「それは兎も角、虚無も退いた訳じゃ無いからな…あいつら最近音沙汰ねぇから余計注意すべきだ。」

火野「そうですね…それに、拉致されたポケモンを救わないと!」

羽剣「だな!」

火野「では、また…」

羽剣「おっ、忙しいのか?」

火野「はい。貴水さんに用がありまして…失礼します。」

羽剣「頑張れよ、無理しない位にな!」

 

研究室。

火野「失礼します、貴水さんは…」

貴水「よっ、火野~あんまり顔見せないから心配したぞ。」

火野「すみません…忙しくて。」

貴水「だよな、大怪我したりエレメンターとして覚醒したりな…所で、何の用だ?」

火野「はい…」

火野はブレスを外し、台の上に置く。その後、レシラムのアーマーカードを隣に置く。

貴水「ほう…そう来ましたか。」

貴水は目を細める。

火野「これですが…」

貴水「分かっている、ブレスを改造しろって訳だろ、だが必要無いんだな、これが。」

火野「…どういう事ですか、それは?」

貴水「生憎、俺にはそれを言う権利が無いんだな…まあ、聞くまでも無く分かると思うがな。」

火野「分かるって…」

貴水「俺も思ったんだよな…これ分かるのかって。生憎そっちの父さんが考える事だから…」

火野「…」

貴水「俺から言える事は以上だ…すまんな。」

火野「いえ…ありがとうございます。」

 

虚無會。

拓人「ほう…上出来だな…!」

洋子「しっかし、毒+鋼岩となると地面が気掛かりね…」

拓人「ボスの考えだ、浮遊でも積んでくれているだろう…」

琉聖「いや、浮遊してないなこれ…ダイノーズとダストダスでどうするんだか…」

 

PMSイッシュ本部・通路。

火野「聞くまでもないって…僕が知っている事なのか…?」

東「ひ~の君♪」

火野「うわぁっ!?東さん…?」

東「どうしたの?さっきまで難しい顔して。」

火野「い、いや…これは僕の問題で…」

東「ふ~ん、じゃ当ててみようか。気になってる人、いるんでしょ?」

火野「すいません…僕、そういうの疎いので…」

東「なら、自分の力不足とか?」

火野「…!」

東「図星らしいね。」

火野「はい…」

東「…ったく、火野君って真面目ね。」

火野「そんな事ありませんよ…」

東「そう?じゃ、またね。」

火野「はい。…!?」

ブレスに通信が入る。

火野「ネガビーストか…東さん!」

東「こっちも来たよ!」

 

指令室。

羽剣「アーマー装着者、全員揃いました。」

内海「よし、では今回の事態を説明する。ネガビーストが二体、ダイノーズとダストダスが出現した。討伐に向かってほしい。」

全員「はい!」

内海「では各自、準備を!」

 

出撃ポート。

羽剣「火野、アレは?」

火野「聞いてみましたが、貴水さんからは言わなくとも分かると…」

羽剣「そっか…だとして、敵は倒さなきゃな!」

火野「はい!ところで、東さんは?」

羽剣「ブレスは新造してもらったし、腕の傷も治ったってさ。」

火野「良かった…僕も負けてられない!」

 

火野:フライゴン

羽剣:ボーマンダ

黒曜:ドリュウズ

東:クチート

 

タワーオブヘブン・最上階。

羽剣「おっ、早速目の前に!」

火野「どっちにしても僕らに逃げ場は有りません、行きましょう!」

黒曜「火野、格好いいぜ!俺と東はダストダスの相手をする、火野と先輩はダイノーズを!」

火野「はい!」

東「さて、行きますか!」

 

プロメテウス財団・研究者寮。

鮫島「さて、観察と行こうか。レシラムの事は虚無にリークしたが、どう動くか…」

対馬「おっ、鮫島様。例の観察ですか。」

鮫島「まあな…予感でしかないが、面白くなりそうだ…」

 

火野「うわぁっ!?」

ダイノーズのビットの突進を喰らい、吹っ飛ばされる。

羽剣「火野!?」

火野「だ、大丈夫ですよ…この位ッ!」

火野が投げた片手剣がビットを撃ち落とす。

羽剣「おっ、そう来たか!俺もッ!」

次は羽剣が、ビットを片手銃で狙い撃つ。見事当てて撃墜させた。

火野「止めは僕が刺します!」

羽剣「おう、任せた!」

火野「アーマー技、行使します!」

火野ブレス「アーマー技発動。5ゲージ消費…エンジェルコーラス!」

ネガダイノーズを閉じ込める様、砂嵐が吹き荒れる。

しかし、ネガダイノーズはこれを逆回転する事により相殺する。

羽剣「おい、マジかよ!?」

火野「だとしてもぉぉぉっ!!」

火野はネガダイノーズに斬りかかる。アーマー出力が上がっていたため、辛くもネガダイノーズを切断する。

火野「はぁ…はぁ…、…!?」

しかし、ネガダイノーズは動きを止めただけで、チップに変化しない。羽剣「おいおい、どういうことだ…?」

 

一方、東と黒曜。

東「相手の攻撃は無効だけど…!」

黒曜「なかなか近寄れねぇ…ッ!」

ネガダストダスは、毒液を大量に放射する。その水圧故、2人は近付けずにいた。

東「うっ…!こうなったら、一気に畳みかけるよ!」

東ブレス「チップ、レディ…」

東「久々のメガ進化、行くわよっ!」

東ブレス「メガ・レヴォリューション!…竜滅のメタルファング!メガ・クチート!」

メガ進化後、間髪を入れずファングギアを投げる。

見事ネガダストダスに命中させ、倒すもチップに変換されない。

東「え…?どういう…」

黒曜「何がどうなってんだ…!?」

ここで、火野があることに気付いた。

火野「…瘴気?それも全く同じ…まさか!?」

二匹の体から瘴気が延び、混ざり合っていく。

羽剣「おいおい…アリかよ!?」

瘴気は完全に混ざると、周囲に余計な瘴気を放出する。

其処にあったのは、ダストダスとダイノーズが混ざった人型の何かだった。

黒曜「何だよ、アレ…」

東「まさか、合体なんて…」

驚いている相手をよそに、人型の何かは呟く。

ー 我は滅ぼす。我を産みし世を ー

 

虚無會。

拓人「ほう…合体したか…!」

洋子「しかし、エネルギー利得が25倍強とは…中々のものだ。」

拓人「さて、力を見せ付けてやるのだっ!」

 

羽剣「力が…増している!?」

黒曜「しっかし馬鹿だな!地面8倍ならこっちのもんだ、アーマー技行使!」

黒曜ブレス「アーマー技発動。5ゲージ消費…砂刃裂旋!」

砂嵐を自身の周囲に発生させると、左腕についた槍を頂点に円錐が出来る。

黒曜「へっ、今更悔いても遅いっつーの!」

砂嵐に包まれ、猛スピードで敵に左腕を突き刺した。

 

黒曜「…効いていない!?」

確かに黒曜の一撃は敵には当たった。しかし、敵はどういう訳か無傷だったのである。

黒曜「何だよ…何なんだよ!」

人型の何かは、槍を右手で掴み黒曜ごと空中へ投げ飛ばす。

そして、左腕から毒液を放つ。毒の奔流は黒曜を飲み込み、地面に叩きつける。

黒曜「うっ…ぐはぁっ!」

黒曜ブレス「耐久力の限界です。アーマーを解除します。」

アーマーは光の粒となり、消滅する。

羽剣「黒曜!!?」

黒曜「せ、先輩…これは撤退だ…俺達でどうにか出来るシロモンじゃねぇ…」

羽剣「だが、アイツは今倒さな…」

次は羽剣と東が毒の奔流に飲まれる。壁に叩きつけられ、二人ともアーマーが解除されてしまう。

東「きゃぁっ!?」

羽剣「ぐっ…うっ…」

火野「羽剣さん!?東さん!?」

人型の何かは残った火野を指さすと、

ー 来てもらおう、我の為に ー

こう呟く。

火野「仲間を傷つけておいて…なんでそれが言えるんですか!?」

火野の怒りが頂点に達し、火野の瞳が赤く輝く。

火野「もう知りません…あなたがどうなろうと!」

火野は人型の何かに果敢に立ち向かう。

互いに実力は互角、どちらの攻撃も当たらない状況が続く。

しかし、人型の何かの行動により均衡が崩れる。疲弊し立てずにいた羽剣に向かって、毒液弾を放ったのだ。

火野「しまった!?間に合ってくれ…!」

火野は剣を毒液弾目掛けて投げる。毒液弾に当たり、毒液弾ははじける。幸いにも、はじけた毒液に羽剣が当たる事は無かった。

羽剣「火野…ありがとな。」

火野「よ、良かった…!?」

毒の奔流に捕らわれる火野。

火野「うわぁぁっ!?…うっ…うぅ…」

羽剣「火野!?」

何とか振り解くも、体力を激しく消耗し膝をつく。意識も遠退いていく。

火野「はぁ…はぁ…まだだ、倒れるわけには…」

人型の何かは、黒曜に銃を向ける。

黒曜「ちっ…万事休すか!」

人型の何かは、毒液弾を放つ。

黒曜「くっ…!?」

東「黒曜君!!」

 

 

毒液弾は直撃し、毒液を撒き散らす。しかし、そこにいたのは黒曜では無かった。

火野「…良かった、間に合って…」

火野はそう言うと、うつ伏せに倒れる。ブレスが破損した為か、アーマーは解除されなかった。

ー ふっ、この程度か… ー

人型の何かはそう言い残すと、毒霧を撒き、姿を消す。しかし、それを気にする者は誰一人居なかった。

東「火野…君、どうして…」

黒曜「なんでだよ…おい!」

羽剣「火野…この、馬鹿野郎!!」

 

続く。




次回予告

勇ある少年を救えるのは唯一匹。白き竜がそれを成し、少年に新たな力を開花させる。
それは、闇を祓い天照す炎。
25話「英雄、覚醒」

次回も、お楽しみに。
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