1日1新機体予想でかなり遅れました…すみません。
では、30話…どうぞ!
PMS・訓練棟、早朝の事。
羽剣は、トレーニングを終えてシミュレーション室から出てきた。しかし、珍しく浮かない顔をしていた。
羽剣「ふぅ…未だ変化無し、か。俺に、何が足りないんだ…?」
羽剣は、腕のブレスを見てそう呟く。
羽剣「まぁ、そんな事考えたってどうしようも無いな…今出来ることをやるだけだ。」
そんな中、隣のシミュレーション室から出てくる者がいた。火野である。
火野「はぁ…はぁ…ぐうっ!?」
酷く疲弊し、ふらつく火野を支える羽剣。
羽剣「おい、大丈夫かよ!?ってか何したらそうなるんだ?」
火野「は、羽剣さん…うっ…」
羽剣「おい!火野!?どうした!!?」
羽剣は直ぐに床に火野を下ろす。火野の意識が戻ると、羽剣は火野に聞く。
羽剣「んで、何があったんだ?」
火野「エレメンターを制御しようと、高負荷を付与させてシミュレーションしていたんです…ただ、途中でエレメンターが発動してから記憶が無くて…」
羽剣「んで、アーマーは?」
火野「レシラムですが…」
羽剣「間違いなくそれが原因だろ…」
火野「いや、僕がまだ制御出来ていないだけです…相性も問題無かったんで。」
羽剣「逆だ。相性が良すぎるんだ…おそらく。ともかく、慣れだな…これは。」
火野「はい…ところで、羽剣さん…そのカードは?」
羽剣「これか…?あぁ、レックウザが俺の為に創ってくれたんだ。生憎、未だに使えていないんだがな…」
火野「は、はい…」
羽剣「ところで火野、そのブレス…どうしたら変化するようになったんだ?俺も変化出来るようにしたいんだけどな…」
火野「はい、えぇっと…」
火野は思わず下を向いて黙りこむ。気付いたら変わっていたため、何故変わったのか分からなかったのである。
羽剣「おーい、火野?」
火野「す、すみません…気付いたら変わっていたんです…僕もよく分かっていないので…」
羽剣「そっか…聞いて悪かった。」
火野「え…?」
羽剣「恐らく、俺が見つけなきゃいけないんだろうな…気付かせてくれてどうも。」
火野「はい…」
羽剣「あと、無茶すんなよ、可愛らしい嫁さんが泣くぜ?」
火野はひどく赤面する。まさか、レシラムの事を嫁と言われるとは思いもしなかったのだ。
羽剣「おっ、照れちゃって!」
火野「や、止めて下さい!!レシラムも自分は男だって言っていますし、第一そこまで親密じゃありませんよ!?」
羽剣「いいや、お前は自分が思っている以上に親密だぞ、俺からしたらな!」
火野「そ、そうですか…?」
羽剣「おいおい、あれを親密と言わなかったら何を親密と言うんだよ…兎も角!無茶すんなよ!」
火野「…はい!」
火野は訓練棟を後にし、自室へ向かう。
羽剣「…ったく、可愛いよな。頑張り屋で…張り切っちゃってさ…」
火野の自室。
真っ先にパソコンに向かう火野。
火野>ただいま…
レシラム>お疲れ。最近色々と大変だね…
火野>だ、大丈夫だよこの位…
レシラム>本当は…?
火野>え…?
レシラム>本当はどうなの?大丈夫なの!?
火野>だ、だから大丈夫…
レシラム>嘘つき!
火野>れ、レシラム…?
レシラム>大変なんでしょ!?そう言ってよ!!
火野>い、いやだから僕は…
レシラム>強がらないで!!
火野>!?
レシラム>…確かに、頑張る事は大切だよ…でも、正直な弱さを隠す強がりなんてしないで。僕は…僕は……うわあぁぁぁぁん!!うわあぁぁぁぁ…
泣き出してしまうレシラム。火野は焦る。
火野>ご、ごめんね!?でも僕は…
レシラム>大変なんでしょ!?素直に言ってよ!ねぇ!!うわあぁぁぁぁん…
火野>…大変だよ、本当は。でも、強がりでもしないとやっていけないんだ…
レシラム>ひ、火野くん…ぐすん…分かったよ、でもね…無茶しないでね…
火野>うん…でも…!?
タイミング悪く敵襲の報が入る。
火野>ごめん、どうやら行かないといけないみたいだ…
レシラム>…頑張ってね。
火野>レシラム…?
レシラム>但し、元気な状態で帰ってきてね…!
火野>うん、行ってくるよ…!
火野はふと、頬が濡れているのに気付く。
火野「本当は、戦いたくなんか無いよ…出来ることなら、レシラムの側から離れずにいたい…だけど!」
火野は頬を拭うと、自室を出る。
火野「レシラム…絶対帰るから。」
プロメテウス財団。鮫島の個室。
鮫島「はぁ…上は何してんだ?俺の事放っときやがって…」
対馬「お呼びでしょうか…?」
鮫島「丁度良い所に来てくれた。例のザナなんたらはどうした?」
対馬「あぁ、ザナティメト・ツヴァイですか?あれなら、評価試験に出しましたが?」
鮫島「評価試験…?」
対馬「まぁ、PMSのアーマー装着者との実戦…といった所でしょうか。」
鮫島「やっぱり俺の事放っときやがった…」
対馬「あなたを放っといた訳ではございません…万が一暴走の事も考えて、の事ですから。」
鮫島「ほう…しかし暴走した個体ともやってみたいものだが…我が儘か。」
対馬「申し訳ございません…上がそう仰るものですから。」
鮫島「なら仕方ないか…こちらこそ申し訳ない。」
対馬「いいえ、お気になさらず。私はこれで。」
鮫島「分かった。」
対馬は鮫島の部屋から去る。そして、廊下に出た途端…
対馬「彼は何も知らないようで…フフフッ…」
と、不敵な笑みを浮かべるのだった。
PMS・司令室。
火野が急いで入ると、中石が待っていた。
火野「す、すみません、遅れました…」
中石「大丈夫です、此方は問題無いです。内海さん、お願いします。」
内海「チャンピオンロード・ソウリュウ側にて、未確認生命体が出現したわ。恐らく、あの財団のものね…」
火野「は、はい…」
内海「戦力もよく分からないわ…兎に角、無理しない事…分かった?」
火野・中石「はい!」
ポート前。
火野は過去のトラウマを思い出し、俯いていた。
火野「ごめん…帰れないかも、許して…!」
中石は火野に気付き、肩を叩く。
中石「火野さん…どうしたんですか?」
火野「…聞かないで下さい。僕の問題です。」
中石「そんな時言わないで下さい、僕が前に出ますから。ヤバくなったら降りても構いませんよ?」
火野「…なんでそんな事を…!」
中石「ディアルガにお願いして張り込みしてもらったんです。貴方の事が心配だったんでね。」
火野「は、張り込み…?」
中石「忘れていました?ディアルガはデータのみの存在だった事を。兎に角、貴方は生きてください…レシラムの為に…!」
火野「…分かった。」
中石「じゃ、行きましょうか。」
火野「…はい!」
チャンピオンロード・ソウリュウ側。
火野と中石は、ターゲットに気付く。
ターゲット…財団に創られた生命体は、火野を待っていたかのように火野を見る。
?「久しぶりだな、赤き瞳の少年…」
中石「話した…?」
火野「やはり…貴方は…ッ!」
?「我はザナティメト・ツヴァイ、赤き瞳の少年よ…我は貴様との決闘を所望する!」
火野「!?」
ザナティメト・ツヴァイ「財団に創られた事など知らぬ…我は唯、貴様と戦おうと思っているだけだ!」
火野「やめてください…僕は戦いたくないんです!貴方を救いたいんですよ!」
中石「火野さん!そんな事言っている場合じゃありませんよ…!」
火野「でも、彼に悪意なんて無いんです!分からないんですか!?」
中石「いい加減、割り切って下さい!死にたいんですか!?」
火野「…分かりました。」
ザナティメト・ツヴァイ「決心はついたか?」
火野「…はい、命までは取りませんが…全力で!」
中石「では僕も…」
ザナティメト・ツヴァイ「邪魔は観戦していろ…!」
ザナティメト・ツヴァイは目映い光を放つ。その後、中石の目に映ったのは、巨大なドーム状の障壁だった。
中石「ひ…火野さん!?」
火野はそのドームの中に巻き込まれていた。
火野「中石さん、後は僕に任せて下さい!」
中石「…はい!」
火野はザナティメト・ツヴァイを見ると、深呼吸をする。
火野「負けませんよ…!」
火野はアーマーを瞬時に纏う。
ザナティメト・ツヴァイ「ふっ…」
火野「な、何がおかしいんですか!?」
ザナティメト・ツヴァイ「白き英雄の鎧…汚し甲斐があると言うもの!」
火野とザナティメト・ツヴァイの一騎討ちが始まった。
その頃、訓練棟。
羽剣のブレスが突如光り始める。
羽剣「認めてくれるのか…俺を!」
光は一気に広がり、収束するとブレスは形を変えていた。
羽剣「…レックウザ、改めて宜しくな!」
ドーム障壁内。
火野とザナティメト・ツヴァイは互角の戦いを繰り広げる。しかし火野の顔には、疲れの色が見えていた。
火野「はぁ…はぁ…うぐっ!?」
ふらつき、膝をつく火野。当然、隙を狙わない訳も無くザナティメト・ツヴァイの触手が火野に迫る。
中石「火野さん!!」
ザナティメト・ツヴァイが勝ちを確信した、その時。
-ここで終わる、僕じゃないッ!!-
一瞬の内に触手は斬られ、地面に落ちる。
火野「ま、前の様には行きませんよ…!」
ゆっくりと立ち上がる火野。ザナティメト・ツヴァイは余裕を持ちながらも、少し驚いていた。
火野「僕には帰りを待つ大事な仲間がいます…だから、負けられません!」
火野は再び剣を構えると、ザナティメト・ツヴァイの懐に潜り込む。
火野は力の限り剣を振るった。避けられても構わない、必死で出来る事をするのだった。
ザナティメト・ツヴァイ「決意だけは一人前だな…しかし、力が足りない!」
ザナティメト・ツヴァイは触手で火野を叩く。
火野「くぅっ!?…」
火野は、魂が抜けたかの如く倒れる。
中石「火野さん…僕がこの障壁さえ壊せれば…くっ!」
中石は戦う事が出来ない自分を責める。
ザナティメト・ツヴァイは触手で火野を持ち上げると、障壁に叩き付ける。
火野「うっ…くぅ…」
火野の意識は朦朧としており、立つのも儘ならない。
ザナティメト・ツヴァイ「さて、その仲間とやらに別れを告げるがいい。」
ザナティメト・ツヴァイは腕をビーム刃に変えると、火野に降り下ろす。
中石「火野さん!!?」
その時。
黒い影が障壁に穴を開け、ザナティメト・ツヴァイを弾き飛ばす。
羽剣「ふぅ…間に合ったぜ。ったく、嫁さんとの約束はどうしたんだ?こう言う時ばかりは素直じゃないんだよな…」
中石「羽剣さん!?」
羽剣「おっ、中石か!すまんな、援護が遅れて。」
ザナティメト・ツヴァイは怯みがとけ、羽剣の前に立つ。
ザナティメト・ツヴァイ「貴様、何のつもりで…」
羽剣「おい、其処の財団の刺客…どうやらこっちの話も分かる様だから言わせて貰うが、俺は火野より手強いぜ?」
そう言うと、羽剣はカードを出し…
羽剣「黒龍星嵐に裂かれろ!アーマー・プットオン!」
続く。
セイバーズ30話、如何でしたか?
では、31話予告。
羽剣は新たなる力を手に入れ、ザナティメト・ツヴァイを退く。
しかし一難去って又一難…火野がアーマーを纏えなくなってしまう。
それは、火野を思っての事だった…
次回、「共にありたい」
次回も、お楽しみに。
閲覧ありがとうございます。