「おはようさん」
「おはよう」
「おうはよう、暁君。矢瀬君」
他のクラスメイト達が、社長と呼ぶようになったが、クラスの委員長の築島倫は俺のことを社長とは呼ばない。
有難いことだ。
「おはよう、浅葱。昨日はよく眠れたか?」
「え? ええ、緊急の仕事も無かったしね」
「そうか、倉庫で事故があっただろう? もしかしたら、仕事に駆り出されたかと思ったんだが眠れたのなら良かった」
「あー、あのニュースね」
浅葱が思い出す様にそう言うと、築島と矢瀬も会話に入ってくる。
そのまま四人で浅葱の席の周りに集まる。
「結構大きい事故だったみたいね」
「俺はなんか眷獣が暴れたって聞いたぜ」
「ここ数日騒がしいな」
「本当よね。やるならよそでやってほしいんだけれど」
「浅葱の場合はモロに被害が出るもんな」
「大変だなぁ」
「浅葱ファイト」
「アンタ達、他人事だと思って!」
それから少し、事故の話をして、話題は授業の世界史の話になった。
「しまった。世界史のレポート忘れていた」
「お、珍しいな。古城が忘れるなんて」
「本当だね。出来ないなりに頑張る暁君らしくない」
「いや、ちょっと事情があってな」
「……ねぇ、また何か首突っ込んでるの? 古城」
浅葱の言葉に、こちらの事情を知っている矢瀬が心配している素振りをし、築島と周りで聞き耳を立てていたクラスメイト達は心配そうにこっちを見ている。
ああ、少しはクラスメイト達に心配されているらしい。
ちなみに、浅葱はかなり心配そう顔をしている。
俺がボロボロの状態で居る時に浅葱と鉢合わせすることが多いので、かなり心配させてしまっている。
「大丈夫だよ。いざとなったら那月ちゃんに全部投げるから」
「勝手に押し付けるな。馬鹿者め」
気を抜いていたわけではないが、背後からの声に俺は一瞬凍りつき、
「あ痛っ!?」
「ふん、時間だぞ。全員席につけ」
突然現れた那月ちゃんにみんな驚きながらも、チャイムが鳴ったので全員素直に席に着く。
「あぁ、それと古城。昼休みに生徒指導室まで来い」
「あ、はい。分かりました」
クラスメイト達から、コイツまた何かしでかしたな? という視線が飛んできたが、俺は素知らぬ顔で一時間目の授業の準備をした。
「昨日の夜。転校生徒と二人きりで過ごしていたようだし、職業上詳しく聞かせてほしいなぁ」
ニヤッと嘲笑う那月ちゃんの言葉に、クラスメイト達が一斉に騒ぎだす。
特に男子達からの殺意の籠った視線は久しぶりに冷や汗をかいたよ。
ちなみに、一番怖かった視線は築島、一番心に堪えたのが泣きそうな浅葱の表情だった。
平成最後の更新。
頑張ります。