暁古城になりました。チート能力付きで   作:迷走中

13 / 24
戦わないよ?

「助かったよ、浅葱」

『なら、良いけど。今日はキーストーンゲートには近づくなってことは、また……』

 

俺はスマホで浅葱と通話しながら、目の前にある四階建てのビルを眺める。

隣にいる姫柊には、辺りを警戒してもらっている。

 

「大丈夫だ、浅葱。ちょっと派手だけど、大したことは起きないから」

『……そうね。翌朝のニュースでどこかの大臣や社長の顔が腫れ上がってないことを祈るわ』

 

もしくは世界遺産が破壊されないことを祈っているわ。と浅葱は苦笑い気味に言った。

 

「ノートルダム大聖堂が溶けたのは、俺のせいではないのだが」

「……先輩、今何か聞き捨てならない事を言いませんでしたか?」

 

驚愕の表情で俺を見る姫柊をスルーして、俺はホムンクルスの調整施設のあるビルへと向かう。

 

 

 

「先輩は本当に非常識ですね」

「いや、だって道具使った方が楽だろ?」

 

原作では南京錠の幻術? で騙されそうになる古城だが、俺はビルの壁にドラえもんの秘密道具【通り抜けフープ】を設置してサクッとビルの中に入る。

 

姫柊は通り抜けフープを見て絶句し、俺がビルの中に入った後もアワアワしていた。

 

「はぁ、この道具もとんでもないですね」

「俺の錬金術の腕も中々だろ?」

「ふぅ、そうですね。魔術の力を感じませんが、先輩が錬金術だと言うならこれも錬金術の道具なんでしょうね」

 

ありゃ、流石に錬金術で作った物ではないと分かったか。

まあ、深く突っ込んでこないところをみると、聞いても無駄だと分かっているみたいだな。

 

「さて、そろそろだな」

「何が……」

 

ですか、とは姫柊は言えなかった。

失敗作のホムンクルスが入った水槽。

 

「これは」

「失敗作だろうな。これがあるから、俺もホムンクルスをまだ作らないんだよ」

 

俺の言葉を聞いた姫柊が俺を見る。

 

「先輩は――」

「来たか、アスタルテ」

 

ペタリ、ペタリと全身ずぶ濡れで現れたのはアスタルテだった。

 

「警告します、ただちにここから退去してください」

「この島が沈むからか?」

「え?」

 

俺の言葉に、姫柊が戸惑う。

 

「オッサン、居るんだろ? 出てこいよ」

「ほぉ、その口ぶりですと、私の目的を知っているようですね」

「ま、な。だから、最後通告をしに来たんだよ」

「ふむ……」

「右腕はその内、お前達のところに戻ってくる。アスタルテを置いて帰れ」

 

俺の言葉に、殲教師は怒りを露にする。

 

「その内? 貴方はふざけているのですか?」

「ふざけてないさ、で帰る気は?」

「アスタルテ! やりなさい!!」

 

殲教師の言葉に、アスタルテは即座に首の無い、巨人のような眷獣を纏い、俺達に襲いかかってくるが。

 

「警告したからな、帰るぞ姫柊!」

「え?!」

 

雪霞狼を構えてやる気満々だった姫柊の首根っこを掴み、俺は即座にLEVEL-4の超能力……じゃない、正確には大能力でビルの外へテレポートした。

 

「こ、ここは?」

「ビルの外だ」

 

俺の言葉に唖然とする姫柊。俺は姫柊の手を掴んで歩きだす。

 

「せ、先輩! 離して下さい!」

「今は駄目だ。あそこは場所が悪い」

「場所って、確かに狭い場所ではありましたが! 島が沈むって、どういうことですか!? 先輩は彼等が何をするか知ってて逃げたんですか!?」

 

俺の手を振り払い叫ぶ姫柊に、俺は殲教師の目的をザックリ教える。

 

「この人工の島を支えている要石、それは聖人の右腕だ」

「……供犠建材」

「そうだ。奴らからしてみれば、到底許せることではないだろう」

 

そんな、と驚く姫柊に俺はしっかりと頷く。

 

「で、でも、供犠建材は国際条約で禁止に」

「バレなきゃ良い。て、ことだろうな。島側は。それに代わりの要石を用意するのも金がかかる。後は、ロタリンギアからしてみれば報復処置だろう。五十六万人を殺せれば自分達の力を誇示できるしな」

「そんな……」

 

呆然とする姫柊の手を掴んで俺は歩き出す。

 

「せ、先輩、何処へ!?」

「暁カンパニーの社長室だ」

「え?」

「あのオッサンを止める。第四真祖として、だ」

「そ、それってどういう」

 

姫柊の疑問には答えず、俺はスマホでセバスニャンに連絡を入れた。

 

「セバスニャン、叶瀬に伝えてくれ」

「え? え? 叶瀬さん??」

 

戸惑う姫柊を横目に、俺はセバスニャンに言った。

 

「あの約束通り、叶瀬を妻にすると」

「……え?」

 

姫柊の呆然とする声がやけに俺の耳に届いた。

 

 

 

 

 

 

さて、首チョンパ、ラッキースケベ、その他諸々。

 

俺には無理っす!!

 

ハッキリ言うね。原作一巻で姫柊から血を吸わせて貰う古城、マジ主人公!

いや、無理だろ。出会って数日で血を吸わせてもらうとか。

 

 

だから、俺は姫柊の血を吸うのは原作三巻辺りになるだろうと想定して動いていた。

中身が俺なので原作通りには姫柊の血を吸えない可能性が高い。

だから、いざという時の保険をかけた。

 

それが叶瀬だ。

叶瀬が暮らしていた孤児院を助け、その後も色々と手助けをした俺はタイミングを見て、叶瀬にいつか無理難題を頼むかもしれない。と告げていた。

叶瀬は了承してくれて、俺が第四真祖になった後、土下座して、何かあったら血を吸わせて欲しいと頼んだ。

結果、叶瀬は良いと頷いてくれた。

 

 

だから、俺は一巻の時点で姫柊から血を吸わせて貰えなさそうと判断したら、一巻で叶瀬、二巻で叶瀬、三巻で姫柊とラ・フォリアに血を吸わせて貰う予定だ。

 

 

煌坂? うん、小さい時に俺が調子に乗ってちょっとやらかして、原作通りに行かない可能性が高い。

 

そして、俺への姫柊の好感度はそこまで高くない気がするので、叶瀬の血を吸わせてもらうことにした。

 

「叶瀬は?」

「準備は終わってますにゃ」

「分かった」

 

暁カンパニーの社長室に姫柊と共にテレポートして待機していたセバスニャンに声をかけ、叶瀬が待つ部屋へと移動した。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。