暁古城になりました。チート能力付きで   作:迷走中

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本日二度目の更新です( ノ;_ _)ノ


お疲れ様!

ロタリンギアの殲教師ルードルフ・オイスタッハはキーストーンゲートの厳重な警備を突破し、キーストーンゲートの最下層までたどり着いた。

警備が想定よりも多く多少時間がかかったが、彼にとって問題はなかった。

 

キーストーンゲート最下層にたどり着くまでは。

 

 

「ど、どういうことですか!!」

 

殲教師の困惑混じりの叫びがキーストーンゲート最下層に響き渡る。

殲教師が睨み付ける先、最下層中央にある四基の人工島を固定するアンカー。

小さな逆ピラミッドの形をした金属製の土台――アンカーを、その中央を一本の柱で杭のように刺し貫いて固定している。

 

その柱は黒曜石に似た質感の半透明な石柱、要石である。

その中に求めていた聖遺物があるはずだったのだが。

 

「ロタリンギアの聖堂より簒奪されし不朽体、あの御方の右腕はどこだあああぁぁぁぁ!!!」

 

あるはずのものがない。

殲教師ルードルフ・オイスタッハの叫びがキーストーンゲート最下層に響き渡ると同時に、殲教師とアスタルテの背後でバタンと扉が閉まる音が聞こえた。

 

「――っ?!」

 

この場所では起こり得ない音と二つの気配を感じ取り、殲教師とアスタルテは素早く背後を振り返って臨戦態勢に入る。

 

「聖者の右腕はここにはないぞ」

「貴様は!」

 

殲教師の目に映ったのは、パーカーを着た気だるげな少年と銀の槍を構える黒髪の少女だった。

 

 

● ● ●

 

 

「どうい「今ごろ聖者の右腕は、ロタリンギアの王族へ渡されるはずだった」」

 

俺の言葉に困惑の表情を浮かべる殲教師。

殲教師が大人しく帰った場合は、王族から教会へ聖遺物の返還が行われるはずだった。

王族は教会に恩を売れるわけだ。

 

「分からないか? お前は嵌められたんだよ。教会の発言力が高いことを嫌がっている王族と政治家達にな」

「馬鹿な!!」

「本当だよ。ロタリンギアは戦王領域と隣接している。その結果、魔族への敵愾心は高いし、魔族労働者との軋轢もある。けどな、魔族労働者も重要な存在なんだよ。国家にとってはな。ある程度の軋轢、敵愾心は必要悪だ。けど、お前らはやり過ぎたんだよ。それに魔族と結ばれる人間だっている。もちろん上流階級にもな。魔族の血が流れているだけで、差別され殺される。許せると思うか? ――今頃、お前の所属している教会は世界中からバッシングされているだろうよ。自ら聖遺物を返還し、頭を下げて賠償金も払うと言いに来た連中への回答が五十六万人を殺すための報復処置だ。教会のお前の上司と協力者達にはテロリストとして国から特殊部隊を送られ、今頃は逮捕か殺されているはずだ。晴れてロタリンギア王国は、必要以上に魔族との対立を煽っていた邪魔な教会勢力の力を大幅に削減できるというわけだ」

 

俺は一呼吸置いて、殲教師に告げた。

 

「お疲れ様、お前は監獄結界行きだってさ」

 

俺が笑顔でそう告げると、殲教師は言葉にならない叫びをあげながら、俺に突進してきた。

 

「先輩!!」

「大丈夫だ。アスタルテの相手を!」

「わ、分かりました」

 

一気に俺との距離を縮めてきた殲教師は、手にしていた戦斧で力任せに俺の頭をカチ割ろうとする。

相当頭に血が上っているのだろう。

冷静さなんてない。

わざわざ避ける必要もない。

けれど、久しぶりにこの能力を使ってみるか。

 

「キングクリムゾン!」

 

ガンッ! と殲教師の戦斧が床を砕く。

 

「なっ?!」

 

目の前にいた俺が突然いなくなる。

その事実に混乱している殲教師の背後で、俺は右腕を殲教師へと向ける。

俺の中にいる眷獣が待ちきれないというように、俺の体の中で激しく暴れている。

いま出してやるからもうちょっと待て!

 

「“焰光の夜伯カレイドブラッド”の血脈を継ぎし者って、最後まで言わせろよっ!! うぉっ、危ねぇっ」

 

殲教師が何かをしようとした俺の妨害のために戦斧で素早い一撃を叩き込んできたが、とっさに回避する。

回避と同時に、俺の頭上へ雷光を纏った雄々しい黄金の獅子が現れ・・・・・・。

 

『がおーんっ!!』

 

可愛らしい獅子の咆哮。大きさはアニメで見たのと変わらないが、全体的にデフォルメされた感じで、ぬいぐるみのように愛らしい姿。

 

「え、えっと先輩、これは……?」

「れ、獅子の黄金と言うよりは、れぐるすあうるむ。って感じだな」

 

その場にいた四人全員が数秒、獅子の黄金を見て固まる。止まった時を動かしたのは殲教師だった。

 

「・・・・・・しているのですか?」

「え?」

「わ、私を馬鹿にしているのですかああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!! アスタルテエェェッッッ、殺りなさいいぃぃぃっ!!!」

「命令受託」

「姫柊!」

「分かっています、先輩!」

 

獅子の黄金が殲教師に襲いかかる前に、能力を使う。

 

「必中! 直撃! てかげん!」

 

殲教師への獅子の黄金の攻撃をアスタルテが庇うように前へ出る。

アスタルテは原作通り、姫柊からコピーした力の神格振動波駆動術式で獅子の黄金の攻撃を防御しようとするが……

 

獅子の黄金はアスタルテに雷光が当たる直前、不自然な軌道を描いて殲教師にその力を叩き込んだ。

 

「ぬっ!? ぐおおおおぉぉぉっ!!!」

 

精神コマンド(スパロボ)の力で、聖戦装備要塞の衣の効果をも無効化してダメージを与え、てかげんのお陰で殲教師は虫の息だが生きている。

 

次はアスタルテだけど、

 

「アスタルテ。神格振動波駆動術式を俺は無効化できる。出来るなら抵抗しないでくれるとありがたい」

 

見た目がアレな獅子の黄金に膨大な魔力を注ぎ込みながら満面の笑みで抵抗は無意味と伝えると、アスタルテはちょっと泣きそうな表情で「命令受託」と言ってくれた。

 

こうして、殲教師との戦いは終わった。

 

 




次は補足説明回です。
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