暁古城になりました。チート能力付きで   作:迷走中

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先に言っておきます。捏造設定です。

那月ちゃんがおかしいです。だいたいは牧場物語の好感度システムが原因です。

乙女チック那月ちゃんになりそうだけど、理性で耐えている感じです。

二巻分には影響はないので、読まなくても平気です。




束の間の平穏 南宮那月

 

監獄結界の番人として人としての時を止め、空いた時間を教師として使った。

 

教え子達を見送り続ける人生を受け入れた。

この選択を悔やんだことはない。

 

ないのだが……、

 

「古城」

「ん、なんだい? 那月ちゃん」

 

教師をちゃん付けで呼ぶな。と普段なら言うが、今は自宅。

 

そして、久しぶりに私と古城の二人きりだ。

本来なら、あの転校生が監視として当人かその式神が側にいるのだ。

 

しかし古城は先の一件を解決したとして、あの転校生の給料アップと労働基準法に基づく休みの取得について、獅子王機関に命令書を作らせて転校生に渡した。

 

その結果、合法的に転校生が監視を休む日が出来た。今日がその日だ。

ちなみに転校生は古城の妹達に連れられて、買い物に行っている。

 

第四真祖の真の監視役は別にいるので、転校生が監視しなくても問題はない。

 

だが、表向きには転校生が監視役である。

本来なら歩く災厄の監視役に休みなど無いのだが、「やっぱり姫柊も年頃だから、休みがないと可哀想じゃん」などと言う第四真祖の意思によって与えられた。もっとも、転校生に隠れて行動しやすくするための布石でしかないだろうが。

 

ま、古城が本気を出せば、現在この島にいるピンからキリまでの監視役全てを無力化するのは容易い。

だが、今は。

 

「那月ちゃん、あーん」

「あーん」

 

休みの日だ。リラックスして過ごすとしよう。

 

「どう? ケーキバイキングのケーキを一口サイズに再現してみたけど」

「悪くないな」

 

私の隣に座る古城は、私の口にそっと一口サイズのケーキを私の要望を通りに運んでくれる。

しかし、相変わらず良い腕だ。

夕食も作ってもらうか。

 

「次はどれがいい?」

「ふむ、モンブランにしよう」

 

指一本動かさず世話されるのも悪くない。

一日執事券か。誕生日やお返しに渡すと言われたが、ふむ……。

また厄介ごとが起こるようだし、少し力を入れるか。

 

「ところで、古城」

「なに? 那月ちゃん」

「ナラクヴェーラの話は本当か?」

「うん、一応占いで確認してみたから間違いはないよ」

「あの未来を確実に予言する力か」

 

この教え子は世界最強の第四真祖の力だけではなく、どれか一つでも国家にとって脅威となるような非常識な力を数多く保有している。

その一つに100%当たる占いがあり、その占いに出たのが……

 

「クリストフ・ガルドシュと黒死皇派、ナラクヴェーラ。本当にこの島に来るなら厄介だな」

「そうだね。アイランド・ガードも大変だ」

「……古城、お前はどう動く?」

「流れに身を任せるかな」

 

困った顔をする古城に私は問いかける。

 

「お前はあの占いでは、自身の未来を占えない。だが、どうやったか知らないが、お前は未来を知っているな」

「敵わないな、那月ちゃんには」

「答えろ」

「知ってるよ。ただ、必ずその通りになるとは限らない。と言うか、もう変わりはじめている」

「具体的には?」

 

私の言葉を聞いて、古城は柔らかく笑みを浮かべ、

 

「俺が那月ちゃんとこうして仲良く二人きりでお茶をしていること自体あり得ないことらしいね」

「そうか……」

 

その言葉を聞いて、胸の奥がざわついた。

初めての経験だな。

 

「まあ、今は那月ちゃんとこうして居られるから、別に多少未来が変わっても良いけどね」

 

いざとなったら、全力全開で力押しするから、と物騒なことを言い出す古城。

出来れば止めてほしいが、無理だろうな。

こいつが言って止まる奴なら、ローマのコロッセオが破壊されたり、自由の女神が動き出して大暴れしたりはしない。

 

「いいのか? お前が知っている未来の方が、より良い未来なんじゃないのか?」

「さぁ、それは分からないけどさ」

 

古城は私の腰に手を回し自分に優しく自分へと引き寄せる。

 

「那月をこうして抱き締めることが出来て、今の俺は幸せだよ」

「――っ!? 馬鹿者!!」

 

私の耳元で普段よりも低い声で、私に囁く。

背筋に心地よい快感が走るが、私はぐっと奥歯を噛み締めて気をしっかりと持ち、扇子で古城の額を強打する。

 

「痛った!!」

「ふんっ」

 

危なかった。最近、古城はやたらとこういう手段で私の心をくすぐる。

 

「ま、未来は既に変わってるし、そんなに気にしなくていいよ。那月ちゃんが原因で未来は変わらないから」

「そうか、なら好きにさせてもらう」

 

私はそう言いながら、口を軽く開いて古城に次を催促する。

 

「うん、次はどれが良い? 那月ちゃん」

「紅茶のシフォンだ」

 

私は少しだけ考えた。

学生時代に古城が居たのなら、私は魔女にならなかったのか、と。

普通の少女のように生きて、恋をして結婚を……

そこまで考えて、無意味なことだと首を横に振る。

 

「那月ちゃん?」

「少し馬鹿なことを考えただけだ」

 

そう言って、私は仮初の身体で仮初の時間を穏やかに過ごしていく。

目を覚ませば、絶対に手に入らない愛しい時間を。

 

 

 

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△

 

 

「ふぅ、最近那月ちゃんが乙女ゲーにハマっているから低い声で囁いてみたけど、悪くない反応だった。ラブ度も上がっていたし、やはり那月ちゃんは乙女だな。高い金を払ってリディに那月ちゃんのネット通販記録調べてもらったかいがあったな。さーて、あとは家に帰って那月ちゃんの好きそうな乙女ゲーを、って電話? ん、どうしたセバスニャン。え、人形師が? あー。分かった今いくよ」

 

 

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