悪役にされた俺の末路 作:盾長
戦いは確かに新たな局面を迎えている。ティーガーを中軸としていた戦車部隊との通信もいつの間にか途絶し、生き残った火力支援用の自走砲部隊は大きく撤退し新たな標的に対して可能な限りの火力支援を実施していた。
新たな目標。
それは突如としてやってきた彗星帝国ガトランティス艦隊である。
今の所、奴らの本拠地となっている彗星自体は見かけないもののいずれこの地(しこく)にやってくる事は明白で今俺たちを襲っているのはその前衛艦隊に違いない。
前衛……寧ろこれらの艦隊は奴らに取っては使い勝手の良い“囮”ではないだろうか? 戦艦コモンウェルス曰く奴らの戦力は我が方を軽く凌駕し、その総数は472隻と言われている。
……当然、この数はあくまで目安。レーダー上に納まりきらなかったうえに一隻一隻の規模も我が方を上回っているときた。まともに殴り合えば真っ先に俺が死に、奮戦している勇者達もいずれ同じ道を辿る事になるだろう。
まさに誰もが予想だにしなかった“緊急事態”とはこの事を指す。
「倒しても倒しても、数が多くて埒があかないぞ!」
「えっと……貴方が新しく仲間になりたいと進言している……壇上君……ね? 私は勇者部部長の犬吠埼風。事態が事態だから歓迎するわ。仲間は一人でも多い方が良いしね」
「俺の名前は壇上春男、よろしく。では、早速で悪いのだが今分かっている敵の総数は裕に450隻を超えている。そこで俺は兼ねてより秘匿していた秘密兵器の使用を貴女に許可していただきたい」
「……秘密兵器?」
この自称神様にさえ教えていない秘密兵器は、瀬戸内海の海底深くにある秘密ドックにてその刃を磨きつつあった。
“大嵐計画”と名付けられているソレは、新兵器『艦首統括速射砲』を搭載した最新鋭戦艦。その名もオライオン級戦艦の一番艦オライオン。
暗号名称は“O級戦艦”と呼ばれている。
現在この新型戦艦O級は瀬戸内海秘密ドックにて計24隻が就役。出撃準備を整えている。なお計画では本級を50隻増産する見込みで、さらに秘匿されている“マル追大嵐計画”では100隻に及ぶ建艦計画が日夜練り直されている。
俺の能力は「全ての兵器を自在に操る能力」であり、このような架空艦も決してその例外ではない。
だが、この“マル追大嵐計画”を持ってしても今、空を悠々と漂うガトランティスに対しては雀の涙ほどの戦力にしかならない。
我らにはもっと新しく、強力な巨大戦艦が必要である。
「……まぁ、分かったわ。秘密兵器の使用を許可する。ただし、私達に対する誤射は決してしない事……いいわね?」
「勿論です。FF(フレンドリーファイヤー)は俺の好むところではない」
「じゃあ、とっととその秘密兵器を使っちゃって私達の部室に戻りましょう!」
「イエス、マム」
最も、その勇者部部室に赴くのは今回が初めてとなるのですが……そこら辺はどう考えているのだろうか?
「……あぁ……俺だ、直ぐに24隻のO級戦艦を出撃させろ。場所は……言わなくても分かるな? ……良し、出航などの手はずは現場に任せる。以上」
主むろに懐から取り出したスマホで瀬戸内海海底基地と連絡を取り、待機している全O級戦艦に対し出撃命令を出した。
果たして、戦局はこの一件でどちらに傾くのであろうか?
捕捉。
大嵐計画とは、壇上が自称神様に黙って計画していた軍備拡張計画である。その概要は対勇者戦没において酷く消耗した空中艦隊の戦力を新型艦によって補おうとした計画。
この計画の目玉は現在建造された24隻のO級戦艦。当初は元々対勇者戦用として新兵器の艦首統括速射砲が搭載されていたが、勇者との共同戦線のためその威力は突如として現れたガトランティスに対して無制限に使用される。
艦首統括速射砲は所謂、波動砲の代用品でありこれは神様の猛反対によって封印されている。壇上は仕方なく波動砲よりも弱い艦首統括速射砲を採用するが、壇上はあえてこの存在を神様に打診しなかった。
O級戦艦は一番艦オライオンを筆頭に現在24隻が壇上の空中艦隊に在籍している。その姉妹艦は以下の通りである。
二番艦「オランダ」
三番艦「オケアノス」
四番艦「オーディン」
五番艦「オーストラリア」
六番艦「オガサワラ」
七番艦「オーシャン」
八番艦「オーストリア」
九番艦「オーディシャス」
十番艦「オハイオ」
十一番艦「オセアニア」
十二番艦「オリョール」
十三番艦「オオサカ(大阪)」
十四番艦「オネガ」
十五番艦「オメガ」
十六番艦「オオシオ(大潮)」
十七番艦「オオアメ(大雨)」
十八番艦「オワリ(尾張)」
十九番艦「オキ(隠岐)」
二十番艦「オシマ(渡島)」
二十一番艦「オイゲン」
二十二番艦「オリスカニー」
二十三番艦「オリンピア」
二十四番艦「オキナワ(沖縄)」
二十五番艦「オマハ」(就役目前)
二十六番艦「オークランド」(就役目前)
二十七番艦「オレゴン・シティ」(建造中)
二十八番艦「オクラホマ・シティ」(建造中)
二十九番艦「オブライエン」(建造中)
三十番艦「オバノン」(計画中)
……である。あー、疲れたよー! オの字がゲシュタルト崩壊したよー! 計画だとまだ後70隻もあるよーもう名前考えたくないよー!(業務放棄。
……艦名は本当に暇な方だけ見てください。本作の制作時間の約半分はこの艦名寄与に割り当てられます(泣き