悪役にされた俺の末路   作:盾長

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日常の中に潜む巨大な影

「えっと……じゃあ改めて自己紹介をさせてもらうわね。私の名前は犬吠埼風。で、こっちが妹の樹。この勇者部の部長よ」

 

「ウッス、よろしくお願いします。俺の名前は壇上春男、何処にでも居る平凡な男子高校生だ。自己紹介終り!」

 

「えっ!? 自己紹介、それだけ!?」

 

「幾ら何でも適当すぎるでしょ……あっ、私の名前は三好夏凛。よろしく」

 

「ウッス、宜しくお願いするぜ」

 

「い……犬吠埼樹です……よ、よろしくお願いします!」

 

「ウッス、宜しく。俺は気軽に壇上と呼んでくれ」

 

 

 樹海化が解除された直後、俺が目覚めたのはホテルの一室とかホテルの目前ではなかった。目覚めた先は勇者部と名乗る一風変わった部室の中。

 

 部室には数多くの備品やガラクタがひしひしと溢れ、またその人口密度も部屋の広さに似合わぬ物となっている。いや、幾ら何でも多すぎでしょ。女子との幅がほんのちょっとしかないと言っても過言ではないぞ……これ。

 

 

「東郷美森と申します。普通に苗字で呼んでください。えっと……壇上君は何か特技をお持ちですか?」

 

「特技……? ……そうだな、ちょっと待ってくれ。今すぐ適当に決めるから」

 

「特技適当で良いのー? あっ、私の名前は乃木園子って言いますー。乃木園子、中学生バージョンだよー」

 

「同じく、乃木園子。小学生バージョンなのでーす!」

 

 

 ……どう言う事だ?

 

 

「……まぁ、良い。よろしくな、二人共」

 

「……貴方、自分の事余り理解していないの?」

 

「別に、特に拘っていないからな。で、お前の名前は何て言うだよ」

 

「私の名前は楠芽吹。32人防人のリーダー……と言えば分かり易いかしら?」

 

「ふーん、なるほど。ようするにこの部活にはリーダーが複数居るわけだ」

 

「言われてみれば、そうね……確かに」

 

「お姉ちゃん……」

 

 

 特技を決めるのは……この特技診断と言うサイトを使ってみよう。自分の名前を入力していざ、診断結果と言うボタンをクリック!

 

 出た! 出た内容は……<人生なんてもう嫌だ! と言いながら生きられる>特技だってー……は?

 

 いやいやいや、自分で出しておいて何だけど……これどう言う意味? ようするに自分の特技は自虐趣味と言う解釈で良いの? これ。それとも何? 哲学でも専攻しておけって言う“あの神”からの暗示なわけ?

 

 

「……それで、どうでしたか? 壇上先輩」

 

「あっ……そっか、樹ちゃんから見たら僕は一応先輩と言う事になるんだね」

 

「いや、年齢的に私から見ても充分先輩だからね? アンタ」

 

「えっ、部長も何ですか? て事は今俺がこの中で一番最年長者且つ、唯一の男って言う認識で言い訳?」

 

「……そうなるわね」

 

「ウソダドンドコドーン!」

 

 

 それ、何てハーレム? まぁ、こんな<特技>じゃあハーレムなんて形成できる気がしないけどな! とにかく、もう一度自分の名前を入れて診断結果を見るぞ。

 

 名前を全て平仮名に変更して、再度診断だ!

 

 結果は<スゴクカタイアイスを食べる事>……だそうだ。

 

 ……あれっー? おっかしーなー? まともな診断結果が出ないぞ? このサイト。しかもこの特技さ夏に特化しすぎてね?

 

 もういいや。俺の特技、とりあえず<哲学>に全振りって事で。それ意外は知らん。さて、哲学に関する本やらサイトやらを読み漁るとしますか。

 

 

「で、貴方の特技は一体何なのよ……」

 

「……<哲学>だ。人生とは何か……それを探るのもまた、哲学だ」

 

「……貴方、大丈夫? まるで死んだ魚のような目をしているけど」

 

「さっきから横槍が失礼極まりないな。だが、お前の名前を聞く程度で許してやろう」

 

「郡千影よ。しかも、何で上から目線なのよ」

 

「上級生だし……趣味が哲学だからな(白目)」

 

「……貴方の状況を察するに……出なかったのね、まともな診断結果が」

 

 

 バーロー、そんな可愛そうな奴を見る目線でこっちを見るんじゃあねぇ。

 

 俺だって、好んでこんな結果を出したわけじゃあないんだよー! 畜生メェェェェェ!




 ー追記ー

 壇上が自身の特技に嘆く中、ある計画が勇者部の裏で進行されつつあった。

 「信濃計画」

 それは、壇上が「大嵐計画」に次いで立案した新プロジェクトである。
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