お久しぶりです。まろふしです。前回の投稿から2か月くらいが経ちました。月日が過ぎるのは早いものであり、もう2か月。つまり、何が言いたいのかといいますと・・・・・・
遅れてごめんなさい!!
プロットとか作ってみたものなかなか思うようにかけずダラダラと過ごし、結局かけてません!!
今回は番外編みたいなものです。短いです。
私は思うのです。神様はいないのでは無いかと。
皆は言うのです。神様は私たちを見守っていると、善き行いを為せば救われ、悪き行いは罰すると。しかし、懺悔すれば許されると。あの子も言うのです。神様はいると、厄災が起こるときその声を届け、我々を幸福に導いてくださると。
その子は神を信じていました。幼少のころから一緒にいた私もその子を信じ、神様を信じていました。
戦いがありました。神の言葉を聞く聖女を旗頭とした軍は大量の死者を出しつつ、勝って、勝って、勝ち続けて、そして、敗北しました。
敗北した聖女は捕らえられ、陥れられ、魔女と呼ばれ焼き殺されそうになっている。
どうしてでしょう。皆、褒めたたえていたのに、聖女が勝利した知らせが届くとあんなに喜んでいたのに。どうしてでしょう。なぜ、石を投げるのでしょう。なぜ、罵声を浴びせるのでしょう。聖女の行いは悪いことだったのでしょうか。この国を守るために力をふるうことが悪だったのでしょうか。人を殺したからでしょうか。
どうしてでしょうか。なら彼らは何なのでしょうか。石を投げ、罵声を浴びせ、魔女が殺されるのを今か今かと待っている皆は悪ではないのでしょうか。
聖女は悪ではないと私は言える。聖女の事は私が一番知っています。聖女が為した行いを。涙を枯らしながら懺悔していたことも。
そんな彼女は十字に組まれた木に縛りつけられ、今にも焼き殺されそうになっている。
神様は聖女を救わないのでしょうか。あんなに苦しんでいたのに、嘆いていたのに、懺悔していたのに。神はあの子は悪だと断じるのですか。
神は罰しないのでしょうか皆を。今も悪しき行いを続ける者を。
罰するのなら早くしてほしい、早く罰してくれ、早く私の目を覚ませてくれ。
私は悪です。人を殺した、人を傷つけた、あの子より悪しき行いをしたのにあの子ほど懺悔もしていない。だから、早くしろ。
動かないんだ、涙はこぼれるんだ、声が出ないんだ、この足が動かないんだ。早く・・・してよ。
私の目があの子と会った。その眼に憎しみがこもっていればよかった、あの子にとって私も皆とそう変わりは無い。だから、だから・・・
何で笑うの?
結局は私は動けなかった。広場は焼き後だけ残り、灰の一つも残らなかった。
結局、私は変わっていない。
私は悪だ。
あれから何十年たったでしょう。私の体はとうに動かせなくなり、何とかこの日まで生き延びました。
あの後、私はあの子と懇意にしていた貴族を訪ね、黒魔術という物を習得しました。そして・・・・・・
司祭を殺しました。神父を殺しました。将軍を殺しました。宰相を殺しました。王を殺しました。貴族を殺しました。平民を殺しました。子供も、大人も、老人も、女も、男も。たくさん殺しました。
刺殺、斬殺、絞殺、圧殺、毒殺、殴殺、轢殺、扼殺・・・・・・、ありとあらゆる方法で殺しました。
なぜ、私は罰されないのでしょう。
なぜ、罰してくれないのでしょう。
あぁ、気づきました。気づいてしまったのです。。神は私たちを救ってはくれないと、罰してはくれないと、許してはくれないと、見守ってなどいないと。
だって、神なんていないのですから。
殺して、殺して、殺しつくしたとき私は確信したのです。
今日はあの子が焼かれた日。
「死ぬにはいい日ですね。」
私はそうして手にもっていた透明な液体が入っていた瓶を呷った。