委員長が戸惑って笑って不機嫌になりました。
まずい、非常にまずい。今世紀最大の危機が訪れている。
「あの、薬師寺さん……」
「ごめん、今日誌書いてるから後で」
「あ、うん……」
皆に優しい美少女が僕にだけ素っ気ない。呼び掛けても此方へ目を合わせずに返事をしながら学級日誌と向き合ったままの彼女は、先程までは僕との会話の雰囲気に刺々しさが感じられたが、今度は反面、弱々しい印象だ。背中にもどこか薄っすらと翳りが差している。
「おっはー、薬師寺さん、守鋼くん」
「おはよう……」
「やあ、おはよう」
後続で教室に入ってきた快活そうな女性との挨拶にさえ、少しでも誤魔化そうと笑顔を努めてはいるものの、いかんせん声にはりが無い。あれでは皆も薬師寺さんの様子がいつもと違うことに気づくのは時間の問題だ。まあ、この状態を生み出した原因がなに冷静に静観してんだって言う話だけども。
本当に何をしでかしてしまったんだ、自分。
「薬師寺さん、何かあったの?浮かない顔して」
「ううん、なんでもないよ。ちょっと疲れてるだけだから……」
「そう?あんまりムリはしない方がいいと思うよ?何だったら保健室まで付き添おうか?」
「大丈夫、大したほどじゃないから。心配してくれてありがとう」
「いやいや、礼には及ばんよ。調子悪くなったらいつでもいってね」
「ありがとう、助かるわ」
精一杯の作り笑顔で誤魔化しきった薬師寺さんは、女生徒が自分の席へ戻るのを見届けると、再び学級日誌へ筆を走らせ始めた。
え、ちょっと待って。一日こんな調子でお互い日直務まるのか。
おっと、そろそろHRが始まるな。これが終わった後にでも彼女との時間をどうにかつくれないものだろうか。日直の仕事云々を抜きにしても、なるべく早めに和解していつもの薬師寺さんと楽しくお話したいなぁ……あ、目から汗が。
「はい、HR始めるから、みんな席についてね」
HR開始の鐘と共に、黒板側の入り口から内富士先生がやって来た。生徒たちが自席に座り終わるのを見届けた彼は教卓の前に出席簿を置くと、黒板へ何かを書き始める。チョークを置いて再び先生が生徒たちに向き直ると、そこには『野乃はな』という見慣れぬ名前が記されていた。恐らく件の転校生の名前だろう。
「みなさんに転校生を紹介します、と言いたいんですが……肝心の転校生がいません」
「転校初日から遅刻?」
「なんでだよ」
「どうしたもんかな〜」
予想外の事態に、先生も他の生徒も少々困惑している様だ。
まあ、確かに転校初日早々から遅刻とはどんな人物なのかという興味はある。先程内富士先生が書類をみせてくれてはいたが、受け取ったのは薬師寺さんだし、咄嗟に訪れたあの時間停止のような現象に気を取られていたせいで、顔写真含め内容はほとんど目に通せず仕舞いだった。いずれにせよ、あの書類だけでは全てが分かるはずも無いとは思うが、態々好んで問題児を受け入れるような校風でもないだろうし結局は実際に対話してみなければ分からんだろう。転校生の席は薬師寺さんの左隣だから、斜め後ろの僕も話せる機会は充分にある。
「ごめんなさい遅れました──へぶしっ!」
転校生の人物像を想像していると、再び前の入り口側からいきなり一人の少女が飛び込んできた。勢いがつきすぎたのか、彼女はそのまま床へと倒れ込んでしまう。
「あ……」
無論、慈母神が如き我らが委員長。転校生の転倒姿が心配になったようだ。僅かに身を前に乗り出しているところも性格が如実に現れてて誠に聖人君子だと思います。
「野乃さん大丈夫?」
「負けないっ」
先生が声を掛けると、転校生はすぐに立ち上がり、仁王立ちでこちら側へ向き直り、自己紹介を始める。
「野乃はな、13歳!将来の夢は、超イケてる大人っぽいおねえさんになることです!」
ふんす、と自慢げな表情で鼻を鳴らす野乃さん。その明朗快活な印象を受けるパッチリと開かれたまっすぐな瞳、傍目でも分かるほどにふわふわと柔らかそうなウェーブの掛かった後髪。極め付けは、ほぼ額丸出しの短く切り揃えられた前髪であり、その極端な短さが彼女の明るく前向きそうなイメージを際立たせている。身長は女子の平均より少し小柄に見受けられ、第一印象はとしては人懐っこそうな小動物といったところだ。
自己紹介は普通、名前と年齢の次に趣味や特技、好きなものをアピールのが殆どだが、真っ先に夢を語るとはこれまた独創的で面白い。しかし、いかんせんこれまでの言動に、現時点ではその将来性を感じられず、その天真爛漫な姿に、思わず鼻で笑ってしまった。あれが彼女なりに理想像へ近づけたおねえさん的振舞いなのだろうか。こちらがとやかく言う事ではないが、出来るならもう少し冷静さを養うと良いのではないかと心の中でアドバイスを送る。
「すっげー元気だな」
「お茶目だねえ」
野乃さんの自己紹介が終わると共に、教室内を包んでいた沈黙が、一気に笑いの渦に飲み込まれ、ガラリと明るいムードへ様変わり。これも野乃さんによってなされる技の一つなのだろうか。もしかしたら、今後彼女の振舞い次第では、クラスのムードメーカーとしての役割が担われ、皆を引っ張っていく先導者となる可能性があるのでは……?
「めちょっく……」
あー、あの顔を見る限りそのつもりは無かったか。まあ、彼女も彼女で、薬師寺さんとはまた違った魅力がある美少女だ。うん、天真爛漫美少女か、悪くない。また一つ、心のファインダーコレクション対象が一人増えたな。いや何を言ってるんだ僕は。
「野乃さん、自己紹介ありがとう。でも遅刻はダメだよ、後で職員室ね」
「はう〜……」
朗らかな声音の内富士先生から注意を受け、クラスの笑い者となった二つの災難に見舞われた野乃さんは、その場でがっくりと項垂れた。
「ああ、それと悪いんだけど、守鋼くんももう一度職員室にいいかな」
「あ、はい」
また呼び出しですか。まあ、日直ですから雑務が多いのは当たり前ですよね。言うなれば一日お手伝いさん、ってところかな。
「先生、良ければ私も……」
おや、薬師寺さんいきなりどうしたのだろう。
ま……まさか、自ら僕に謝罪弁論を行う機会を与えてくださると言うのですか⁉︎すまん、かたじけない……そのお心配りに是非とも甘えさせて頂きたく──
「いや、守鋼くんだけで大丈夫だよ。薬師寺さんには授業前の教材の準備をお願いしたいんだ」
「はい、分かりました……」
フラグブレイカー内富士ぃ!優しい気遣いを生まれて初めて憎たらしいと感じたぞ!見ろ、薬師寺さんが目に見えて落ち込んでるじゃーん‼︎せっかく仲直りの機会が巡ってきたのにぃ‼︎僕より厄介な能力持ってるな内富士教諭!
「じゃあ、二人とも後で一緒に来てね。以上でHRを終わります」
その後、終了の鐘とともに僕と野乃さんで共に職員室へ向かった。
職員室に向かうと、内富士先生は野乃さんに遅刻についての理由を言及し、気をつけての一言で済ませた後、僕にクラスの人数分のプリントを手渡した。
プリントを受け取り、野乃さんと職員室を後にする。
「転校初日から大しっぱ〜い……うぅ……」
「まあ、仕方ないよ。何だか止むに止まれぬ事情があったみたいだしね」
「気遣ってくれてありがと〜……あ、私野乃はな!よろしくね!」
「え?あ、うん、僕は守鋼絢飛。よろしく」
驚いた。落ち込んでたと思ったらいきなり軽快なコミュニケーション挟んでくるんだもん、何だか忙しい子だな。
「とりあえず教室に戻ろうか。野乃さんの席は左端の後ろから二番目だったよね。僕は君の斜め後ろだから、困った時はいつでも聞いてくれ」
「うん!──お……」
「野乃さん、後ろがどうかした──ああ……」
不意に僕の後ろを気にし始めた野乃さんの視線を辿っていくと、そこには窓の向こうを眺めながら、ゆっくりとこちらへ向かって歩いてくる一人の少女の姿だった。ショートカットの髪型に、頭頂部からは一本のアホ毛が見られる。シャツとネクタイは着崩され、その上から私物らしき星マークの彩られた黄色のパーカーを羽織っている。
確か、あの子……えーと、名前……名前……分からん、思い出せない。顔を見るのは初めてではないのだが、名前をど忘れしてしまったようだ。余談ではあるが、この人も僕の心のファイン──
「背高い……脚長い……綺麗……」
どうやら同性の野乃さんも目を奪われるくらいの端麗で大人びた容姿みたいだ。目つきには少し力強さがあり、どこか艶やかさも含んだ印象を受ける。
こちらの存在に気付いたのか、その少女は僕たちへと視線を向けると野乃さんの髪型を眺め始め、それに気付いた野乃さんは慌てて額を両手で隠す。そんな野乃さんへすれ違い様に、僅かに微笑みかけながら少女が去っていく。
まあ、今更隠しても遅いと思うよ。ていうか隠す時にペチッて音がしたんだけど。思わず釣られて自分も野乃さんの額を観察する。うん、すごい。滑らかなハリとツヤがあり、理性がなければ額を撫でたり軽くペチペチと叩きたくなるような代物だ。この子もこの子で薬師寺さんとはまた違った兵器を持っていようとは……女の子とは恐ろしいものよ。
と、向こう側の職員室の扉から、梅橋先生が姿を現した。
「おい、輝木ほまれ!今来たのか?もうHR終わったぞ!」
「すいません」
「おい──まったく……」
梅橋先生の注意や呼びとめを受け流し、速度を緩めることなく輝木さんは去って行った。ああ、確かそんな名前だったか。全然見かけないし話したこともないからすっかり忘れてたなー。
「美人に、笑われた……」
いや、野乃さん。あれは多分良い意味で微笑んだだけだと思う。自身はないから本人には伝えないけどね、違ったら申し訳ないし。
二時限目も終わり、中休みに入る。薬師寺さんは用事があるとのことで席を外してしまい、またもや仲直りの機会は運命の歯車を狂わせるように消失。まあいい、昼休みも放課後も、チャンスはいくらでもあるんだ。今日中には薬師寺さんと話をつけられるだろう。
三時限目は、梅橋先生による保健の授業の為、特に事前に渡すようなプリントも無いとのことで、他の生徒と同じようにのびのびと休み時間を楽しめるという訳だァ!(読者に人差し指を向ける)それならば、日直の仕事の延長として、まだ右も左も分からぬ野乃さんに校舎を案内しようと思い立ち、声をかけようと野乃さんの席へ顔を向けると──いない。
「……探そう」
このままじっとしても退屈なので、席を離れて野乃さん探索の任務についた。
しばらく校内を探し回ると、中庭の噴水の近くに、目的の人物の姿を発見する。間違いない、彼女だ。濡れないよう、足下に注意しながら野乃さんの元へと向かう。
「前髪は失敗するし、自己紹介も失敗するし、大人デビュー大失敗……でも負けない!フレー!フレー!私!」
どうしよう、声を掛けるの躊躇われてきたなぁ。野乃さんワールド全開ですよこれ。何やら噴水の水面に映る自分を眺めながら独り言呟いてるし、かと思えば気持ちを切り替えるやいなや自分を鼓舞し始めた。でもここまで来て戻るのもおかしいしなぁ……。
「あれ、守鋼くん?どうしたの?」
っべ、気付かれ──いやいや、なんでよ。特段まずいこと何もないんですけどね。
「えっと、その……が、学校案な──」
『はぎゅ〜!はぎゅ〜!』
んー何という狙ったようなタイミング!悪意があるとも思えないが、時と場所を選べと文句を言わせて欲しい!
「ん、また?」
「これは……」
やはり先ほど耳にしたあの時と同じ泣き声。加えて上空から、点滅するように光る輝きが一つ。
「もしかしてあの声、守鋼くんも聞こえてるの……?」
「ああ、さっき君が転校してくるって内富士先生からHR前に知らされた時も同じ声が聞こえた。恐らく、これは偶然じゃない」
「それに、さっきよりもはっきり聞こえる」
「音がする方向をたどろう。何か分かるかもしれない」
「うん……!」
そうして、僕たちが音を辿っていくと、階段を上るにつれて泣き声がよりいっそう大きく鮮明なものとなって耳へと伝わってくる。
「これって……赤ちゃんの声?」
「どうやら、そうみたいだね」
「でも、何で学校に?」
「分からない。だが、この屋上から一番はっきりと聞こえてくるのは確かだ」
辿り着いたのは屋上階段。僕たちは扉の前まで互いの見解を示し合わせながらやってきた。
「他の人たちには聞こえてないのかな……?」
「恐らくは。現に、僕たちがここへ向かう途中、誰も泣き声を気にする素振りすら見せていなかったのが何よりの証拠だ。だったら、確かめる為に動けるのは僕たちだけだろ?」
「うん、そうだね。じゃあ、ここから……」
意を決した野乃さんが、ドアノブを握りしめてゆっくりと押し開けると、徐々に開かれる扉の隙間から一気に光が差し込み、彼女は思わず顔の前に手をかざして眩しさを最小限にとどめる。
視界の先には、屋上の中心で、こちらに気付いて振り返る薬師寺さんと輝木さんの姿があった。なぜ二人もここにいるんだ?屋上好き好き同盟ですか?
その間も続いていた泣き声の方角に首をあげると、流星のような小さな輝きが少しずつ薄らいでいき、やがて消えると同時にあの泣き声も聞こえなくなっていった。
「野乃さん」
「え?う、うん」
「探してたんだよ、学校、案内したかったんだ」
どうやら薬師寺さんの言い残していった用事とは、野乃さんを学校案内する事だったらしい。益々善人スキル高杉ィ‼︎あれ、じゃあそしたら僕がわざわざ探しまわって声をかけるまでもなかったのでは……?うわぁ、自分の徒労な気遣いがなんか恥ずかしくなってきたぁ……おうち帰りたい。
「ほんと⁉︎ありがとう!」
「私、薬師寺さあや。よろしくね」
「よろしく!」
ま、いいや。なんか微笑ましい空気流れてるから、これを見られただけでもワクワクもんだ〜!
そんな一方、輝木さんはというと屋上に併設された展望台への階段をいつの間にやら上り始めており、二人の会話に我関せずといった様子だった。
そんな輝木さんにも、野乃さんのコミュニケーションならぬはなミュケーションの魔の手が襲いかかる。いや魔の手て笑
「あ、あの!」
野乃さんが呼び止めると、輝木さんはすぐに足を止めて振り返り、視線を受けた野乃さんは先ほどと同様に再び額を両手で隠す。うん、可愛いね。
え、ていうか、うそ、梅橋先生が呼び止めても輝木先輩完全スルーしてましたよね。野乃さんはいいの?お気に入りなの?僕と同じくあの額をねらっているのか⁉︎──いや冷静になりなよ、先輩ですらないし。
「その前髪、イケてる」
「え?」
「よく似合ってんじゃん」
「ありがとう!」
輝木さんは展望スペースに辿り着くと、野乃さんの髪型を褒めながらベンチへと腰を下ろす。やだ、座り方もイケてる。
「ほまれさん、学校案内一緒にどうかな?」
「うんうん!」
薬師寺さんが誘いをかけると、同調しながら野乃さんも首を大きく縦に振った。それに対して輝木さんは、特に返事を返すことなくにこやかに空を仰ぎ始め、誘った二人は不思議そうに見つめ合っている。
まあ、それはそうと、皆に伝えておかなければならない事態が発生している。
「ゴホン──えー、皆さんお楽しみの所申し訳ないけど、もうすぐで三時限目始まるよ」
「え、うそ⁉︎もう五分前じゃん!めちょっく!」
「大変、うっかりしてたわ。教えてくれてありがとう、守鋼くん」
「構わないよ」
「それから……その、放課後、ちょっと時間あるかな……?」
「あ、うん……特に用事はないけど」
「じゃ、じゃあ、放課後に……話があるから、また」
「ふぁ、はい」
え、なに。いきなりチャンス到来しましたよこれ。放課後までに謝罪と弁論の内容決めておかないと。
「ん?へ?」
話題の外にいる野乃さんの惚けた姿が、前に子供の頃、鳥類図鑑でみた見た可愛らしい鳥の仲間に見えたことは僕自身だけの秘密にしておこう。
その後、授業はつつがなく終わり、放課後を迎えた。
今は薬師寺さんが学級日誌を提出に職員室へ向かったので、僕はみんながはけた教室で最後の日直業務を行っていた。次の当番の名前を黒板に書き変え、黒板消しをクリーナーで磨き上げる。うん、一点の白墨の汚れもなく新品のような見た目となり、自身の心も少し洗われた気分だ。最後に花のさされた花瓶を手に、水道場で中の水を取り替えると、教室へ戻って元の場所に飾り直す。
丁度飾り終えたタイミングに、薬師寺さんが職員室から戻ってきた。
「遅くなってごめんなさい。日直の仕事、守鋼くんに任せきりで、私あんまり出来なくて……」
「気にしないで。学級委員の仕事もしながら日直なんて、かなり大変だろう?こういう時は頼っていいんだよ」
まあ、薬師寺さんみたいな人のためなら誰だって張り切るの当然だよね。異論は認めない。
「ありがとう。それと……今朝はごめんなさい」
「ゑ?」
まさかの思わぬ先制謝罪に旧字体が出てきたんだが。ていうかなぜ薬師寺さんが謝るん?
「いや、悪いのは僕だ。多分、僕が心無いこと言って、薬師寺さんの気に触るようなことしてしまって……ほんとにごめん」
「そんな……あれは、多分…私の勝手な思い込みで、それで、その……」
薬師寺さん、なんか徐々に顔が熱くなってません?ついには顔を両手で覆い隠すまでの事態に……でも、耳まで真っ赤ですよ、可愛いなチクショウ。
「わ、私は……その、守鋼くんとは本当に仲の良い友達って思ってたから……普通の仲って言われて……私の勘違いだったんだって思うと……恥ずかしくて、つい拗ねちゃったというか……」
今はっきりと分かったぞ。やっぱ悪いのは僕じゃないかこのすっとこどっこい。心苦しさで一生土に埋まっていろ。
「君がそう思ってくれてるなんて知らなかった……素直に嬉しいよ。僕はてっきり、薬師寺さんの中ではただのクラスメイトって認識で話してくれてるんだと勝手にそう思っていたから……あそこで仲の良い友達だっていったら、君に不快な思いをさせてしまうんじゃないかって……」
「そうだったんだ……なんか、私たち変なことで悩んでたね」
「言われてみれば確かに。じゃあ、仲直り記念として帰りに何か食べてく?」
「守鋼くん、買い食いは校則違反だよ」
「げっ、そこは委員長スキル発動するんだね……」
「ふふっ、委員長関係なく普通に注意しただけなんだけどなぁ」
あ、今の笑顔ファインダーイン!
「でも……今日は特別に見逃してあげる代わりに、奢ってもらおうかな」
「君のためならいくらでも奢るよ」
「もうっ、一回でいいよっ」
すっかり元の関係を取り戻した僕たちは、笑いながら教室を後にし、最寄りのコロッケ屋に向かうのだった。
神様、まじ感謝。
すみません、ある程度繋がりをもたせたいので、グダグダとオリジナルの小話が続いておりますが、どうか作者のワガママをあたたか〜い目で見守ってくださると、これに勝る喜びはございません。
また、次回に。