俺の名前は
中学、高校、大学と運動系の部活に入っていたため、体力に自信があったが、最近は帰り、寝て、会社へ行く。これの繰り返しで何も感じられなくなりそうだ。
そんなある日、何も考えられない帰路で地震が起こる。
俺は揺れる地面に二足で立つことができず、四つん這いになりながら「これは大きいな。」と冷めた心で思った。
そして俺は地面に大きな影を見て……
俺の記憶はそこで途切れている。
あの時、きっと俺は死んだのだ。
そして何故かそんなことを考えている自分がいる。
ここは死後の世界なのだろうか、と辺りを見渡してみる。
地面一面は光り輝き、まるで全てが光源のような明るさだ。壁や天井といった物は見当たらない。不思議な空間だ。
しかし、それよりも先に目に入ったのは
「目が覚めましたか?」
ーーザ・女神といった風貌の美しい女性だ。
女性に話しかけられ、気の抜けた返答を返してしまう。
「あぁ。」
「おはようございます。」
「あぁ、おはよう」
あくまで冷静に振る舞う。危害を加えてくる気は無さそうなので、聞きたいことを聞くことにした。
「聞きたいことが3つある。」
「ええ、どうぞ。答えられる範囲で答えましょう。」
「まず、ここは何処だ?」
「ここは死後の世界です。」
「あぁ、やっぱりか。俺は死んだんだな?」
「ええ、貴方は倒壊したビルの下敷きになって死にました。」
意外にあっさりと飲み込めた。
「うん、わかった。じゃあ次だ、お前は女神か?」
「はい、私は女神と呼ばれる存在です。」
「あぁそうか。最後だ。俺はこの後
「ふむ、勘がいいのですね?貴方はこの後
「なるほど?では何故俺なんだ?」
「それは……貴方を間違えて殺してしまったからです…」
「俺は間違えで殺されたのか!?」
冷静なフリが解け、頭に血が昇る。
「ま、誠に申し訳ありません!私が失敗をしたばかりに……」
……が、女神の態度に頭が冷える。
「……まぁいい、どうせあんな人生に未練は無い。新しい生をくれるというなら今度は楽しく生きてやろうじゃないか。」
「そう言ってもらえると助かります……」
女神は申し訳なさそうに続ける。
「え〜っと、では説明させていただきます。」
「説明?」
「はい、説明です。貴方は転生するにあたって知っておかなければならない事を説明します。」
転生にルールなんてあるのか、と一瞬思ったが、それは間違いだったことを次の女神の言葉で知ることになる。
「まず、貴方は異世界ーー元の世界とは違う世界に転生していただきます。」
「ほう?」
「驚かれないのですね。」
「女神に何を言われても驚くまいよ。」
「ふふ、それもそうですね。今更です。」
そう言って女神は笑う。
「次に貴方は特別な能力を持ちます。」
「それは?」
「それが……私にも現段階では知ることができません。転生するとき、数ある中からランダムに選ばれるようです。」
「なるほどな。他には?」
「他にはですね……」
そんな感じで異世界の常識やらなんやらを叩き込まれた。そして、いよいよ転生らしい。
「では、そこに立っていてくださいね」
「あぁ、色々ありがとな。」
「いえいえ、こちらこそご迷惑をおかけしました。」
「じゃあ、そろそろ行くか!」
「ええ、では、いきますよ!」
女神が呪文を唱えると、地面に俺を中心に魔法陣のようなものが広がり始める。そして、俺の全身は光に包まれ、視界が白く染まり意識が無くなった。