艦これ Other Storys   作:Yutazou.S

1 / 2
アバンタイトル

 

 

 

 海の底から出現する、正体不明の無数の艦艇群。人はそれを、深い海に棲む艦艇……「深海棲艦」と呼称した。

 駆逐艦級から巡洋艦、航空母艦や超弩級戦艦まで、多彩を極める深海棲艦の攻撃により、人類は制海権を喪失。各国は次々と国交を寸断され、世界中が恐怖と絶望に陥った。

 

 

 その最中、在りし日の艦艇(いくさぶね)の魂を宿す者たち、「艦娘」が現れる。

 現代兵器ですら敵わなかったという深海棲艦に、唯一対抗できる力を持つ艦娘たち。彼女たちの存在は、それまでただ耐え忍ぶだけであった人類に希望と勇気を与え、その未来を明るく照らした。

 彼女たちは人類の制海権を奪回するために、今まで幾度となく戦い、その度に傷つきながらも、諦めることなく今も戦い続けている。

 恐らくは、これからも。

 

 

 最初の艦娘が表れてから、二年が過ぎた頃。

 何らかの力によって、過去の因果を繰り返す艦娘たち。その中で唯一、運命の軛ともいえる因果を断ち切る力を持った艦娘、特型駆逐艦一番艦、吹雪。

 彼女がその力を得るに至るまで。彼女が因果を断ち切る中。彼女がソロモン海で、"彼女"に出逢うまで。

 その裏には、出逢いと別れ、それぞれの艦娘が抱いた思い……沢山の物語があった。

 

 

 今まで決して語られることのなかった、艦娘たちの過去や、吹雪のいない場所での出来事。

 ここでその全てを語ることは残念ながらできないが、その一端に触れ、記憶を紡ぐことで、その物語は永遠となるだろう。

 

 

 

 これは、艦娘によるとある一大反抗作戦が開始される以前より、幾多の海を戦い抜き、数多の海を駆け抜けた、深海棲艦との戦いで活躍し続けた艦娘たちの、それぞれ唯一無二の物語。

 その中でできた繋りと絆を、今ここに伝えていこう。

 あの物語の、裏側を。

 

 

 

 

「オラオラ、どんどん来やがれ! 全艦ぶった斬ってやるぜぇ!」

 

「睦月型だからって、ボクらを舐めてちゃ痛い目見るよっ!」

 

 

「僕はもう……皆が悲しむのを見たくない……僕が、皆を守らなきゃならないんだ」

 

「皆で一緒に一番になろう! それが、いっちばん楽しいよ!」

 

 

「俺達は"愚連隊"だ。悪党なら悪党らしく、カッコつけて行こうぜ」

 

「ガンガン行くのがあたし達のやり方よ! 覚えておきなさい!」

 

 

「だーかーらーっ、前髪はやめてくださーいー!!」

 

 

「妹たちが見てるんだもの。ネームシップの私が、いいとこ見せないとねっ!」

 

「今できることをするのみです。それが艦娘としての使命」

 

 

 

 

 ……おや? 私は誰か、と?

 ……名乗る程の者ではないよ、私は。

 私はただ、彼女たちの軌跡を見てきた…………ただの、語部だ。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。