電気ネズミになって   作:ドッペラん

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初めまして、デスペラんと申します。
ポケモンのピカ様モノをやりたくて投稿しました。

ではどうぞ。



電気ネズミになったんだが

唐突だが、皆さんは『転生』というものを信じるだろうか?

いや、急にこんなことを聞くのはおかしいのは俺にもわかる。

けれど、これは俺の精神衛生上必要なのだ。

 

環境が悪いのではない。

むしろ、今までの埃まみれの部屋より断然気持ちのいい環境だ。

空気もウマいしね。

 

だがしかし、しかしである。

 

俺はその埃まみれの部屋で日課のネトゲをしていたし、それを終えて寝たはずなんだ。

だというのに、俺の錯覚、または夢でなければここは森だ。

 

夢だと思い、頬を抓った。

痛いだけで、何も変わらない。

 

ということは、本格的に異世界転生をしたと考えてしまう。

え?嬉しくないのかって?

よく考えろ、神にも会ってないし、死んだ覚えもないのにこんな森に一人。

 

嬉しい?俺は嬉しくない。

そもそも異世界転生ものは詳しくないし、興味も惹かれなかった。

 

そんな俺がな~んでこないな目に。

不幸だわぁ。

 

…まぁ、俺の愚痴は置いておいて、だ。

1つ気がかりがある。

 

そもそも、俺の視線はこんなに低かっただろうか。

はて、175はあったと思うのだが。

この視線の高さから見るにそれほどじゃない。

 

「…ピカ~…ピ?(どうなってんだか…ん?)」

 

今の声は俺から出たのか?

高くない?てか、ピカって…

 

…ま、まさか。

 

俺は慌てて先ほどまで気にしていなかった手を見る。

 

「ピ、ピカぁ!?(はい!?黄色いんだが!?)」

 

こ、これはまさかとは思うが…

 

いや、確定だ。

俺は、あの大人気キャラクター…

 

 

「ピカァ!!(ピカチュウになってんじゃねえかぁ!!)」

 

 

電気ネズミ、某マサラ人の相棒ことピカチュウになっていたのである。

 

 

 

 

 

 

しばらくして、落ち着いた俺は、いや落ち着けないんだけど、比較的ね。

まあ、よく考えれば特に問題はない。

人間の言葉が話せないだけで、ジェスチャーなら出来る。

アニポケのピカチュウがやってるしな。

 

技も頭の中に何となく使える技があるのは分かった。

10万ボルトはあるようだ。

ピカチュウの威厳は保たれた。

 

それと、この森はきのみが豊富なようだ。

『モモンのみ』がある時点でここはポケモン世界なようだ。

よかった、新種の魔物とか扱われる世界じゃなくて。

 

素早さも問題はないし、いざとなれば高速移動がある。

影分身もあるし、多分このピカチュウの体は多少強い個体のようだ。

 

後は、特性なんだが、多分、静電気だろう。

じゃなきゃ困る。

 

…しかし、本当に謎だ。

『モモンのみ』を咀嚼しながら考える。

甘い。

 

俺がピカチュウになったのは、まぁ、わかる。

もうなったんだから仕方がない。

気になるのは何故俺が、ピカチュウになったのか、である。

 

創造神 アルセウスの仕業か、それとも別の?

何にせよ俺は覚悟を決めねばならない。

引き籠るのが仕事の俺でもこうなれば動かざるを得ない。

だが、たかが一匹のポケモンで何ができるのか。

 

ピカチュウが人気だからって状況打開には繋がらない。

 

…野生として生きるか?

否、断じて否。

折角ピカチュウになったのだ。

ここは誰かのポケモンになるのも手だ。

 

これは変態になったのではなく、俺が手持ちになれば、旅を通じて人間に戻る方法を見つけられるかもしれない。

俺がテレパシーを持ってれば何とかなったが、残念ながらそんなもんはない。

 

加えて、手持ちになる作戦も肝心なトレーナーが来ないと意味もない。

 

くそ…今の俺はピカチュウがするような顔ではないだろう。

 

何としても、今の状況をどうにか打開せねば。

俺は、何処へとは決めず、けれど何処かを目指して歩き出した。

 

…それにしても、未だに他ポケに会わないな。

いや、会ったら縄張り云々が起きそうで嫌だけどね。

 

それでも少し寂しさを覚える。

困ったな、広い空間に一人は辛くなるというのは本当だったか。

賢くなったね、ピカチュウ。

 

「ピカっ(やかましいわ。)」

 

寂しいのはこの際どうでもいい。

取り合えず、何か飲みたい。

み、水…。どこぞの世紀末の人間みたいにそこまで水を欲しているわけでもないが、それでも飲みたい。

コーヒーが飲みたいがそんなものここにはない。

くそ、水もないのか。

 

そう思いながらも、足を止めない。

俺は止まらねぇからよ。

 

「…ピカ?」

 

先ほどまでの少し涼しい風より、冷たい風が体を包む。

お、お?来たんじゃないか?

俺の願い事が効いたかぁ、まあ分かってましたがね。(震)

 

俺は風を頼りに進み、少し開けた場所へとたどり着く。

そこにあったのは…。

 

「ピッカ!(湖だぁぁ!)」

 

俺は救われた。

急いで湖へ駆け寄り、水面を覗き込む。

…やっぱり、ピカチュウだよな。

はぁ、これからどないしよ。

 

憂鬱になりかけながらも俺は水を飲む。

 

ものすごく美味かったのでもっと飲む。

なぁにこれ、おいしい水の出所はここですね間違いない。

俺が名探偵ピカチュウだ。

 

いや、あれみたいな声にはなりたくない。

何かピカチュウじゃない。

 

満足したのでその場に座り込む。

美味かった。野生ってのもいいもんだ。

…じゃない、この状況打開の案を考えなくては。

 

だが、下手に動くべきではないのではないか?

 

ポケモントレーナーの多くは旅をしている。

それを考えれば、ここへ来る可能性も有り得なくはない。

 

ならば、ここはじっと待つのも手では?

 

…とか言ってるが実際は動きたくねえ、というのが本音である。

だらしがないとか言わないでくれ、これでも頑張ってるんだぜ。

 

何せ、昨日まではおっさんと青年の合間を彷徨っていたんだからな。

 

しかし、眠くなってきた。

驚きとか何やらで疲れたからか。

まぁ、寝てもいいか。

もう死んだら死んだでしょ。(悟り)

 

おやすみ、さよなら、俺の人生。

 

 

 

 

 

 

…。

……。

 

…ぁ…ぃな。

 

 

…あ?

 

なんだ、寝てるんだぜママ。

何かピカチュウになった夢を見てさぁ、寝かせてくれよぉ…

 

 

「ねぇ、ねぇ。」

 

うるせぇな、今更声作られても騙されんぞ。

なんだその十代頃の少女の声…んん?

 

少女、夢…

俺が寝ている場所はぁ…!

 

俺は見たくない現実に目を向けるようにゆっくりと目を開ける。

そして、目に映るのは案の定ここで寝ると決めた場所。

 

後、俺を覗き込む少女の顔。

 

ふぅ……

 

「チュゥ…(現実は、非情なり、か。)」

 

「あ、可愛い声!やっぱりピカチュウってアイドルみたい。」

 

おう、可愛いか。

だが、悲しいね、中身はおっさん一歩手前の男だと知れば君もその気持ちも白い霧だよ。

 

さて、と。

少女観察。

 

ふむ、薄い紫の腰にまで届くかどうかのロングヘアー…アリだ!

だが、活発そうには見えないな。

おいおい、この小ささでもその青く長いスカートの絶対領域が見えないぞ。

 

くそ、何て少女だ。

全年齢対象ゲームは現実になろうとそこは守り通すか。

 

ふっ、まぁ、いい。

貴様の勝ちだ少女。

 

「ピカピカ?(君はここで何を?)」

 

「ん~…何て言ってるかは分からないけど、私はアリアっていうの。」

 

「チュゥ…(あはぁん通じてねぇ。)」

 

ですよね。

ピカチュウの言葉が分かるとか何処のイッシュ地方の男だって話。

へへ、意思疎通できないよぉ。

 

しかし、アリアか。

いい名前だな。

ピカチュウって名前からすれば人間の名前は素晴らしいと思うよ。

 

「でもピカチュウなんて、ここだと珍しいなぁ。」

 

え、ここカントーとかじゃねぇの?

 

「やっぱり、シンオウに来てよかったかも。」

 

「…ピ?(シンオウ?)」

 

シンオウってあのシンオウ地方だよな。

ポケットモンスターダイヤモンド・パール・プラチナの舞台で、規格外なのが多いシンオウ?

 

そっかぁ、シンオウ地方かぁ。

…大丈夫?険しくない?

死なない?

これ無理ゾ。修羅の地方で生きれる訳ないぞ。

 

少年、これが絶望だ。

 

俺は顔に出さないが、内心オワタ状態まっしぐらであった。

そんな状態の俺にアリアは俺の隣に座り込んで話しかけてくる。

 

「ね、ピカチュウはここに一匹でいるの?」

 

「ピカ。(只今ボッチチュウだな。)」

 

頷いておく。

伝わらんし。

でも喋るぜ、無口と思われたくない。

 

「そっか。私もなんだ。」

 

なぬ、ポケモントレーナーではないのか?

旅に必要なリュックとかあるからてっきりそうなのかと。

 

「実際は、ナナカマド博士に会いに行く途中だったんだけどね。」

 

「ピカピ?(ナナカマド博士てことは、ポケモンを貰いに行くのか。)」

 

「ポケモントレーナーになるために来たの。…迷ったけど。」

 

「ピカァ!?(うおぃ、それはマズいだろ!)」

 

ドジ踏むのは貰ってからにしなさいよ。

心なしか落ち込んでるアリアに大丈夫なのかと不安を覚える。

 

…待てよ、これはアリアが危ないのではないか?

手持ちもないのにこんな森に迷い込んで…。

野生に出会えば襲われる可能性もある。

つまり、逃げるしかない。

 

それは…ちょっと不憫だな。

 

…よし!

俺は立ち上がり、アリアの裾を引っ張る。

 

「ピッカ!(俺を連れてくべきそうすべき。)」

 

「?ピカチュウ、もしかして…一緒に来てくれるの?」

 

「ピカチュウ!(おうともさ、弱いが助けになったる。)」

 

「ピカチュウ…ありがとう!」

 

アリアは明るい笑顔を見せ、立ち上がる。

素性は分からないが、困ってる女の子を助けないピカチュウにはなりたくない。

 

ので、助ける。

その後聞ければいいさ。

 

「よろしくね、ピカチュウ!」

 

「ピッカ!(よろしく、アリア。)」

 

何だか、楽しみだな。

このピカチュウの姿になった俺がこの世界で何が出来るのか、何でピカチュウになったのか。

それは分からないけど、それでも。

 

やれることはやろうと思ったのだ。

 

俺とアリアは森を抜け、マサゴタウンを目指す。

 

続く、続くったら続く!




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