少しずつ進めていきますのでご了承を!
自分からゲットされてアリアのポケモンとなった俺はボールから出されたまま旅をすることになった。
何でかというと
『一人で歩くのってつまらないかなって。』
とのこと。
分かるよ、仲間がいるのに話もせずに黙々と歩くのは嫌だよな。
さて、ようやくスタートだ。
俺も楽しみで仕方がない。
さて出発!と思ったらナナカマド博士から待ったがかかった。
「何でしょうか、博士?」
「うむ、出鼻を挫くようで悪いがピカチュウを少し調べさせてはくれんか?」
「ピ、ピカ!?(な、何!?俺なんかあるのか?)」
「警戒しなくていい。アリアのトレーナーとしての第一歩に関わるのだ、いいかな?」
「えっと、はい。」
博士の言うアリアのトレーナーとしての第一歩に関わる事って何だろう?
俺は博士に言われるがまま装置の上に立たされる。
装置は起動すると俺をスキャンし始める。
一体何があるんだってばよ?
スキャンを終えて博士は結果が出たのであろうか、装置の操作機器の画面を見てやはりな、と言った。
アリアも心配なのかそわそわしている。
「ど、どうでしたか?」
「うむ、結論から言うと……ピカチュウは強い個体と判明した。」
「それって良いことなんじゃ……?」
「いや、そうとも言い切れん。初心者である君が扱うには強すぎるのだ。」
なるほど。
やっぱりこのピカ様ボディはレベルが高い個体のようだ。
ナナカマド博士はそれを察して俺を調べたわけだ。
初心者は最初から強いポケモンを持たされない。
まだ右も左も分からないから、というのもそうだがレベルの低いポケモンで慣れていくためでもある。
強いポケモンに慣れてしまっては新人の成長を妨げてしまうからだろう。
というか、ゲームだとレベルが高すぎるということを聞いてくれない。
ジムリーダーに勝って手に入るバッジがあれば自身の実力を認めてくれるのだが、初心者はバッジなんて一つもないのだ。
俺自身、何となく四個目のバッジまではいけそうな気がするし……。
アリアもそれが分かったのだろう、少し落ち込み気味だ。
でも、諦められないというのが見て取れる。
「でも、私は……」
「何を落ち込んでいる。」
「えっ……」
「確かに、このピカチュウは君が最初に使うには強いポケモンだと言った。だが、それはあくまで初心者には向いていないというだけだ。」
「ピカ?(つまり?)」
「君自身が成長し、ピカチュウに応えればいい。君はピカチュウと旅がしたいのだろう?」
そっと俺の頭に手を乗せる博士に俺は目を丸くする。
アリアが梃子でも動かないと見抜いたのか、この人は。
「ただ指示をするのがトレーナーではない。ポケモンと共に生き、知り、絆を深め、十全に使えてこそ真のトレーナーと言えよう。強いだけがトレーナーではないのだ、アリアよ。」
「強いだけがトレーナーじゃない…」
「ピィカ(俺も初心者だし、互いに頑張ろう)」
「ピカチュウも同じように言っている。どうする?」
「…うん!私はあなたにちゃんと指示が出来るトレーナーになる!ピカチュウが強くなっても追いついてみせるよ!」
「ピッカ!(それでこそだ、アリア!)」
何となく嬉しくなる。
トレーナーが嬉しいとその手持ちであるポケモンが喜ぶように、彼女が奮起していると俺もまた頑張ろうと思える。
早くも影響が来てるが、悪くはない。
ナナカマド博士は満足したのか、うむ、と一言。
「新たに決意表明も出来たのだ、最初の一歩には十分だろう!では、君たちの夢が叶うよう、応援しよう。」
「はい、ありがとうございます!ナナカマド博士!行こう、ピカチュウ!」
「ピッピカチュウ!(あらほらさっさ!)」
こうして、ナナカマド研究所から俺たちは出て、最初の旅が始まったのだった。
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「きっと、あの子は強くなるだろう。それこそ、ポケモンリーグに行くのもすぐかもしれん。」
アリアを見送った私はこれからどのようなポケモンと出会い、どんな体験をするのか思いを馳せる。
少し、いやかなり楽しみにしている。
あのピカチュウもこの辺りでは見かけないポケモン…特別な出会いだったのかもしれない。
野生であるにも関わらず人に慣れすぎていた。
捨てられた、にしては警戒心が薄い。
…事情を探ろうにも難しい。
そろそろ進めている研究に手を付けようか、そう思いパソコンを起動した時だった。
一通のメールが来ていた。
それも、タイトルに重要とまでつけて。
「送り主は、彼女か。」
メールの内容を確認する。
どのような内容かと気を引き締める思いで文章を見ていると
「…これは…?」
内容をすぐには理解できず、少し時間を労した。
やがて、整理がつく。
なるほど、重要なわけだ。
決して暇が多くはない彼女でもこれは何を置いてでも駆り出されるだろう。
こちらでも協力しながら調査すると返信しつつ、先ほど出立したアリアを思い出す。
…巻き込まれなければよいのだが。
不安を覚えながら、自身に出来ることをすべく、周りに指示を出すのだった。
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どうも、ピカチュウです。
早速、コトブキシティを目指すべく202番道路を通る俺たち。
初心者トレーナーと思わしき子供たちが互いのポケモンを出して戦う姿が結構見える。
頑張れ、少年少女。
俺も最初は弱かったからな!
…とまあ、心の中で応援するのはいいんだけど。
アリアも初心者トレーナーなわけで。
「なあ、君!ポケモントレーナーだろ?」
「うん、そうだよ!」
アリアより少し大きいくらいの少年が話しかけてきた。
アリアも臆することなく返事をする。
少年は嬉しそうな顔をして
「よっしゃ、トレーナー同士が会ったらすべきことは一つ!」
と言い、アリアもこれから言うことが分かったのか少年と同時にその単語を口にする。
「「ポケモンバトル!」」
目と目が合ったらポケモンバトル。
目と目が合わないで目の前を通過してもポケモンバトル。
この世界の基本ですね。
なんてコミュ力の高い世界なんだ。
俺なら台本作って30分は要しますね。
「俺はダイチ!君は?」
「私はアリアだよ!じゃあ、さっそくやろっか!」
アリアは俺を見る。
さて、働く時間だ。
アリアの前に出て、ダイチ君に片手をあげる。
「ピカチュ(頑張るけど、どうなるかな)」
特にここは現実。
ゲームみたいにターン制じゃない。
アニメみたいな戦闘になると思っておこう。
つまりは、格上に格下が勝つ可能性のある世界。
それも、ゲーム以上のな。
「ピカチュウか…。バトルは一対一、それでいいよね。」
「うん、いいよ!」
「よし、行け!イーブイ!」
「ピッ!?(ふぁっ、イーブイ!?)」
ダイチ君が出してきたポケモンはまさかのイーブイ。
これまた珍しい…
イーブイは俺を見ると好戦的な笑みを浮かべる。
わーお、戦闘狂?
「ブイっ!(次はお前か、楽しませてもらうぞ)」
「ピッカ!(うーん中々好戦的。負けるつもりはないけど、濃いなぁ)」
というか、何か声渋くない?
「じゃあ、いくよ!」
「ああ、いくぞイーブイ!」
そして、俺とアリアの最初のポケモンバトルが始まった。
ようやくポケモンバトルですね。
次回、ダイチ君とイーブイ戦です。
そして、ナナカマド博士に来たメールの詳細とは。
また次回!