あの...僕だけアバター戻ってないんですけど   作:黒巛清流

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続きも考えてあるけど一応短編で


あの...僕だけアバター戻ってないんですけど

SAOというゲームがある

僕はβテスターでありβ時代は女性キャラを作っていた。

理由は単純でありキャラを着飾るのが好きだっただけである。こういうゲームは女性キャラが優遇されて男性キャラはそこまでカッコいい見た目の装備を見なかったからだ。リアルの僕は中性的な見た目だけど普通に男だし特にネカマをしているつもりでもない。ゲームでも一人称僕だし。

まぁ、さっき町歩いていた時に気合い入れたネカマだなぁとか言われてたけど

と、言うわけでSAOにはβ時代に作ったアバター

黒髪ロングの守ってあげたくなる系のキャラ、俗にいう姫系のキャラを作った。着飾るときにこのキャラが色々と似合っていたからである。

まぁ、このキャラでバンバン前線に出まくっていたわけだけど。

 

そして運命の日

僕は正式サービス開始したSAOにログインし少し戦ってレベルが上がったのでステータスを振る。

いつも通りステータスはAGIを一番その次にDEX、速度で攻撃を回避してダメージはクリティカル狙い。

刀とかもあるみたいだしそれを使ってみたいなぁ…

 

「よし、そろそろログアウトするかな」

 

前回はソロだったし次は誰かよさげな人がいれば組みたいな

といってログアウトしようとするが…

 

「…あれ?」

 

ログアウトボタンが…ない?

 

その瞬間光に包まれた。

着いたのは広場、ほかのプレイヤーでごったがえしている。

なんだなんだとざわざわしていると出現したのは、20メートルになろうかという、フード付きの巨大な真紅のローブを着た巨人

 

『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』

 

そこでGMが現れ説明がされた。

左上に見えるHP…これが0になったら…死ぬ?

思わず息を呑んだ。体も震えだす。当たり前だ、今まで死なんて身近になかった。

ファンタジーの世界で剣を持って戦っているわけではない。荒廃した世界で銃を持って生きているわけでもない。

そしてプレゼントと言われてインベントリを見ると手鏡が入っていた。

それを取り出してみると周りが光に包まれる、その光が消えると美男美女で埋め尽くされていた光景は様変わりしていた。

勇者のような顔をしていた男性がどこにでもいるような普通の男性に変わったり綺麗な女性がおっさんに変わったり…どうやら彼らはリアルの姿になってしまったようだ。

これは僕も男に戻ってしまったとネカマと思われるなぁ…と思って鏡を見ると

 

「…え」

 

何も変わらない姿のまま僕が写っていた。

姫カットだっけ?のような髪形をした艶やかな黒髪、大きくぱっちりとした目元に雪のように白い肌

ちょっとファンタジー感を出そうとルビーのように真っ赤に染まった瞳、細くも出るところは出ている体

 

え…?なんで…?

鏡を凝視しても変わらない、そっか!多分ラグとかで僕の視界からはまだ女の子に見えるだけなんだ!触れば筋肉は全くなかったけど固い男の体が!と胸元に手を当てる。

 

ムニッ

 

男である僕からは絶対に感じない柔らかさを感じた。DかEか、確かそれぐらいで設定した胸の感触が手のひらに伝わる…

 

 

 

あの...僕だけアバター戻ってないんですけど


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