あの...僕だけアバター戻ってないんですけど   作:黒巛清流

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感想で悶々しているキリト君が人気だったので書いちゃいました

おそらく2~3層辺りのお話

キリトside


【閑話】キリト君は悶々してる

ある日、レベリング後に宿に戻るとアスカからメールが届いていた。

『今大丈夫?どこ?』

『いまレベリングから帰ったところ、〇〇の宿』

 

そのあと少し経つとドアをノックする音が聞こえ、ドアを開けるとアスカが装備のままドアの前に申し訳なさそうに立っていた。

 

「ごめんねいきなり、唐突で悪いんだけど…」

 

何か大切な要件だろうかと真剣に聞くと…

 

「お風呂…貸してもらえる?」

 

思わずずっこけたのは間違いではないと思う

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんね~、今日レベリングしてたんだけど。毒液とか転ばされることが多くて、肉体的には大丈夫だけど気分的にはお風呂に入りたくて仕方なくて…でも宿が全部埋まってたんだ…」

「俺は別にいいけど…アスナとかに連絡すればよかったんじゃ?」

 

そういうと忘れてた…とあははって笑う

まぁ今の時間だと多分寝ていると思うが…

 

「じゃあ先にお風呂いただくね」

「あぁ」

 

そういってアスカは風呂に入っていく、さて…とりあえずアイテム整理を…

 

「~~~♪~~♪~~~~♪」

「ッ!?」

 

アスカが入っていった風呂からアスカの鼻歌が聞こえた。

視線を向けると風呂の扉が少し開いてた、この世界は扉を閉めると音が全く聞こえなくなるのだが少しでも開いていると音が聞こえるのだ。…つまり

 

「はぁ~気持ちい~」

 

アスカの入浴中の声がすべて聞こえるのだ

 

どうする…今からドアを閉めにいくのも何か聞いてたみたいで行きにくい…まさか、このままアスカが出るまで待ってなきゃいけないのか…?

 

「~~♪~~~~~♪」

 

アスカの鼻歌と水音が響く、そして頭に思い浮かぶのは一層の時に見たアスカの裸体

 

「…ぐっ」

 

思わず思い出してしまい頭を振って頭からアスカの裸体を飛ばす。

アイテム整理だ、別の作業をして頭を別のことで埋める。

無心で…無心で…

 

「ふぅー、お風呂ありがとー」

「…あ、あぁ、出た…か…」

 

お風呂から出たアスカは一瞬で乾かすことが出来る設定を使用しておらず。頭にタオルを巻いている。

頬も上気しており全身が軽く濡れている。服もゆったりとしたシンプルなものへと変わっていた。

 

「えっ、あ、アスカ。乾かさなくていいのか?」

「え?…あぁ、なんか一瞬で乾かすと入った感じがしなくて…僕は時間経過で乾くようにしているんだ」

「そ、そうか…」

 

そういってアスカは座るよーと椅子に座る。

 

「せっかくだからついでに情報交換しようか。あ、先にキリトもお風呂に入る?」

「ウェッ!?あっ!そ、そうさせてもらう!!!」

 

こてんと首をかしげるアスカから逃げるかのようにお風呂へと走った。

本当に無防備すぎるぞ…

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…」

 

俺は湯船に浸かって一日の疲れを取る。なんか急に疲れた気がする。

あくまでゲームの風呂なので温度は先ほどアスカが入っていた時とかわら…

バッシャーンッ!

 

「違う、これはゲームだ。先ほどアスカが入っていたことは関係ない」

 

そう、アスカが入ったことは関係がない…関係がない…

 

俺だって健全な男子中学生だ、女性には普通に興味がある。

…高校生ぐらいだろうか、少なくともアスカは年上だろう

 

「…彼氏とかいるのかな」

 

思わず出た言葉に顔に水を叩きつけて振り払った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、おかえり」

 

風呂から上がるとアスカはテーブルに飲み物を二つ出した。

 

「はいこれ、二層の特産品の金品質の牛乳」

「うわっ、これ凄く高いやつじゃん。いいのか?」

「いいよー、お風呂借りたお礼」

 

そういうと早速アスカは牛乳をあおる。

 

「ぷはー!やっぱり美味しいね」

 

アスカは口の端から牛乳を垂らしながら笑顔で・・・本当に無防備だな!!!

もはや男を煽るためにわざとやっているんじゃないかと思いながら牛乳に口をつける。

何か疲れたな本当に…

 

するとアスカは何か考えるかのように顎に手を当てて何かを思いついたのか手をポンと叩き両手を広げる。

 

「キリト!、ハグすると疲れとれるって聞いたことあるからハグしよっ!」

「ぶふぇぶぇあっ!?」

 

本当にわざとやってるんじゃないのか!??!!!?なあっ!?

アスカは全く意識してないのかニコーとした顔でそのまま首をこてんとかしげる。

ゆったりとした服でハグしようと前屈みになったせいか胸元がチラッと見えた。くそっ茅場明彦め、無駄に細かいところを作りやがって。ありがとうございます!!

 

 

「あ、アスカっ!何度も言うけどな!男に向かってそういうのを言うのは止めたほうが良いって言ってるだろ!」

「…?僕、こういうのはキリトぐらいにしか言わないよ?」

 

ぐっ…うぐっ…本当に…!アスカは本当に!!!

 

「…他の人には流石に言わないよ、キリトは本当に色々と助けてもらってるし」

 

アスカは一度言葉を切ると満面の笑みで言った。

 

「僕はキリトが言うことだったらなんでもしてあげるよ」

 

流石に死んでくれーとかは無理だけど

とアスカは言うが俺はそれどころじゃなかった。

 

nandemo...?ナンデモ...?なんでも!?

 

思考はすでにオーバーヒート寸前、頭の中では男子中学生らしい想像が飛び交う

待て待て待て、アスカは絶対に何も考えてない純粋に好意で言ってるだけだ。

でも男としてこんな状況を逃すのは…

 

「えいっ」

 

考え込んでると突然視界が真っ暗になって顔にとても柔らかい感触がああああああああああああああ!?!

 

「キリト君は多分年下だと思うけど前線で頑張ってるからね…もう少し気を抜いてもいいんじゃないかな」

「この状況だから気を張らないといけないけどね。僕の前ぐらいでは年相応なままでいてもいいんだよ」

「ほら、よしよし」

 

アスカが何か言ってるけど正直顔に感じる柔らかさでそれどころじゃない

 

「あああああアスカ!?」

「僕にハグされて嬉しいかは分からないけど少しでも疲れが取れると嬉しいな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後、解放されたがもはや思考はまとまらない

 

「じゃあ僕はそろそろ帰るよ、明日からもよろしくね」

 

そういってアスカは帰った。俺はぼーっとしたまま寝床に潜り込む

アスカの胸に頭をうずめられた、埋まるというのが正しいほど埋もれた。

 

布団をかぶってもまったく熱が取れない…悶々としている。

これがゲームでよかった、リアルだったら大変なことになっていただろう。

 

結局、就寝できたのは数時間後だった。

アスカはぐっすり眠れたらしい、ちょっと腹立つ




キリト君の苦労をぺたりと
本当はもっと早くに投稿する予定でしたけど残業がきつかったんや…

感想でこういうのを思いついた、というのがあったのでそれを文にしてみました。
今後も何か思いついたらこういうのをまた閑話という形で出していきたいな。


次こそはボス戦と一層クリアまで書きたいです

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