天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第105話『………何………コレは一体何?………』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第105話『………何………コレは一体何?………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘗て、理想の兵士を創り出そうと計画し、ラウラを生み出した人物………

 

ドイツ軍元将校『ヨラン・ペールゼン』

 

倫理的問題を問われて計画が頓挫した後も、ドイツ軍を去ってアメリカへと渡り、計画を発展させた。

 

発展させた計画『PS計画』を以てして………

 

()()()()“己が理想とする兵士”を創り出そうとしている。

 

その為にラウラを拉致し、謎の存在『プロト・ワン』にそのデータを反映させ………

 

更には謎のISまで造り上げていた。

 

ラウラを取り戻す為に、グレン団はシュヴァルツェ・ハーゼと協力し………

 

ペールゼンが潜伏する秘密基地への奇襲作戦を決行する。

 

そしてその最中(さなか)………

 

簪は、“奇妙な予感”を感じていた………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ペールゼンが潜伏する秘密基地………

 

まるでクレーターの様に、周囲を森林が生い茂った小高い丘に囲まれた中心部に、その秘密基地は存在している。

 

元が放棄されていた基地だけあって、建物や施設の彼方此方にヒビが入り、蔦で覆われていた。

 

周りを囲んでいる、フェンスや鉄条網も錆びてボロボロであり、フェンスの意味を為していない。

 

しかし………

 

彼方此方に、ドイツ軍の認識マークを付けた迷彩柄の量産型グラパールが歩哨として歩き回っており、警備は厳重だった。

 

と………

 

その秘密基地の正面に当たる位置の丘の上の森林の中で、黒い影が複数動いている。

 

クラリッサが率いているシュヴァルツェ・ハーゼだ。

 

全員がISを装着した状態で、木陰や岩陰、地面の起伏の中に隠れて、秘密基地の様子を窺っている。

 

「………流石に警備は厳重だな」

 

目の部分に、ハイパーセンサーで調べた情報を表示しているクラリッサがそう呟く。

 

「副隊長、本当に大丈夫なのでしょうか?」

 

隊員の1人が、不安を吐き出す様にクラリッサにそう尋ねる。

 

「心配するな。我々の目的は飽く迄『陽動』だ。我々が敵の注意を惹いている隙にグレン団が突入し、隊長を助け出してくれる。だからきっと大丈夫だ」

 

「! ハイ!」

 

その言葉で不安が消えたのか、尋ねて来た隊員の士気が上がる。

 

其処で、クラリッサは時間を確認する。

 

「間も無く作戦開始時刻だ。全員準備は良いか?」

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

クラリッサの問いに、シュヴァルツェ・ハーゼの隊員達は無言で頷く。

 

「よし………では行くぞ!!」

 

とクラリッサは、次の瞬間そう叫び、シュヴァルツェ・ハーゼは一斉に飛び出した!!

 

ホバリング移動で土煙を立てながら、一斉に正面ゲート目指して突撃して行く!!

 

「「!?」」

 

正面ゲートに居た、量産型グラパールの歩哨2体が其れに気付いたが………

 

「遅いっ!!」

 

その2体が反応するよりも早く、クラリッサが大型レールカノンを叩き込む!!

 

量産型グラパールの歩哨2体は、一瞬で正面ゲートごと消し飛ばされた。

 

「突入っ!!」

 

クラリッサがそう声を挙げ、先頭を切って基地敷地内へと侵入。

 

シュヴァルツェ・ハーゼの隊員達も続く。

 

途端に、敷地内に警報が鳴り響き、施設の彼方此方から量産型グラパール達が姿を見せる。

 

と、スパイラルボンバーを構えた量産型グラパール1体が、突撃して来るシュヴァルツェ・ハーゼに砲撃を見舞う。

 

「散開っ!!」

 

「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」

 

しかし、シュヴァルツェ・ハーゼは着弾寸前で散開し、そのまま個々に戦闘を開始した。

 

ISと量産型グラパールを比べた場合、単純なスペックではISが大きく上回っている。

 

だが量産型グラパールには、“訓練さえ受ければ()()()()使える”と言う()()()()が有る。

 

質対量の対決………

 

戦況は、忽ち混戦状態へと突入した。

 

敵がISを使っているのを見て、真面にやり合っては勝ち目が無い為“数で押そう”と、次々に出現して来る量産型グラパール。

 

(良し! 作戦通りだ!! 敵の戦力は此方に集まっている!! 後は頼みます! グレン団の皆さん!!)

 

プラズマ手刀で量産型グラパールを1体斬り捨てながら、クラリッサが戦況を見てそう思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

そのグレン団のメンバーはと言うと………

 

ペールゼンが潜伏する秘密基地内部・某通路………

 

基地内にも絶え間なく警報が鳴り響き、量産型グラパール達が慌しく走り回っている。

 

「襲撃だ! シュヴァルツェ・ハーゼの連中が攻めて来やがったぞ!!」

 

「チッ! 黒ウサギめ! 前々から気に食わない奴等だったぜ!!」

 

「ペールゼン閣下からのお達しだ! 奴等を始末したら特別ボーナスを出してくれるそうだ!!」

 

「へへっ! 上等だ!! 今の今までデケェ(ツラ)してやがった女共に目に物見せてやろうぜ!!」

 

量産型グラパールを装着している軍人崩れや傭兵達が、そんな事を言いながら襲撃を受けている正面ゲート目指して走って行く。

 

やがて、全ての兵士達が通り過ぎたかと思うと………

 

通路の地面が盛り上がり、やがて“銀色に輝く円錐形の物体”………ドリルが飛び出し、大穴が開いた。

 

「うっし! 上手く基地の中に出たみたいだな!!」

 

そしてその穴の中から、グレンラガンの姿となっている神谷が姿を現す。

 

「毎度お馴染み、“地中からの潜入”か」

 

「けど、有効な手だよ」

 

「どんな基地でも………“地中からの侵入”を想定している所は無いわ………」

 

「って言うか、()()()想定しないわよ」

 

続いて、一夏・楯無・簪・鈴がそう言いながら這い出て来て、他のメンバーも続く。

 

「じゃあ、手筈通りに其々のグループに分かれて、先ずラウラを探そう」

 

「心得た」

 

シャルと箒がそう言い合うと、グレン団メンバーは其々2~3人の組に分かれ、通路の方々へ散らばって行った。

 

ラウラが捕えられている以上、今回は時間との勝負になる為、全員気が()いている。

 

そして、この作戦が………

 

簪に“と或る出会い”を齎す事になる………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楯無・簪組………

 

「姉さん………彼処………」

 

通路を進んでいた楯無と簪の内、簪が前方に扉を発見してそう声を挙げる。

 

「OK!」

 

其れを聞いた楯無は、先ず扉を通り過ぎて壁に張り付く。

 

「…………」

 

そして、扉を挟んで反対側の位置に簪が同じ様に張り付く。

 

「「…………」」

 

アイコンタクトを交わしてタイミングを合わせると、扉を破って蒼流旋のガトリング砲とヘヴィマシンガンを構える。

 

しかし、飛び込んだフロアは倉庫であり、人影は見当たらなかった。

 

「な~んだ、只の倉庫か………」

 

「…………」

 

思わずそう声を挙げる楯無だったが、簪は“何かの気配”を感じ、ターレットレンズの映像を赤外線に切り替える。

 

すると切り替えた途端、倉庫に積まれていた巨大な木箱の中に、巨大なビームガンを構えて潜んでいる量産型グラパールの姿がハッキリと映し出された!!

 

巨大なビームガンには、既に発射寸前までにエネルギーがチャージされている。

 

「! 姉さん!!」

 

「キャアッ!?」

 

咄嗟に、簪は楯無に掌底アームパンチを叩き込み、強制的に倉庫の外へ押し出した!!

 

その直後、潜んでいた量産型グラパールの巨大なビームガンが発射される!!

 

木箱を突き破って発射されたビームは、簪の足元に着弾!!

 

忽ち床が崩れて、簪はその穴の中へと落ちて行った!!

 

「………!?」

 

「簪ちゃん!? このおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」

 

楯無は、即座に原因を作った量産型グラパールに向かってガトリング砲を放つ。

 

「ぬああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

断末魔の叫びが挙がると、蜂の巣にされた量産型グラパールは爆発・四散する。

 

「簪ちゃん!!」

 

其れを確認すると、直ぐに倉庫の床に開いた穴を覗き込む楯無。

 

しかし穴はかなり深く、底の方は闇に閉ざされていて、窺い知れなかった。

 

「簪ちゃあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーんっ!!」

 

楯無は、穴の中に向かって簪の名を叫ぶ。

 

だが当然、返事は返って来ない………

 

「クッ!」

 

直接降りようと試みる楯無だが、其処で複数の足音がコチラへと向かって来るのを捉える。

 

「居たぞ! 侵入者だ!!」

 

「ブッ殺せぇっ!!」

 

現れた量産型グラパール達が、楯無の姿を見付けるや否や、手にしているマシンガンを発砲して来る!

 

「ちょっと! 邪魔しないでよ!!」

 

已むを得ず、楯無はマシンガンの弾を水のヴェールで防ぎながら応戦するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃………

 

ペールゼンは………

 

シュヴァルツェ・ハーゼ(黒ウサギ)共め………此処を嗅ぎ付けたか………其れに()()()()とは、“姑息な真似”をしてくれる」

 

基地を襲撃しているシュヴァルツェ・ハーゼの様子を、モニターで見ながらそう呟いていた。

 

既に彼は陽動作戦を見破っており、シュヴァルツェ・ハーゼ達の姿が映っているメインモニター横のサブモニターには、基地内に侵入しているグレン団達の姿が映し出されている。

 

「噂のグレン団か………こうなれば已むを得まい………出来ればじっくりと育てたかったが………『プロト・ワン』で蹴散らしてやる」

 

ペールゼンはそう言い、部屋に在ったコンソールパネルを操作するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方………

 

穴の中へと落ちた簪は………

 

「………っ!?」

 

衝撃で一瞬気を失っていた様だが、直ぐに意識を取り戻して起き上がる。

 

「………大分落ちたみたいね………」

 

身体の節々に痛みを感じながらも、直ぐに状況を確認してそう呟く簪。

 

瓦礫を押し退けると、今自分が居る場所を確かめる。

 

「………? アレは?」

 

すると、そのフロアの中央に“カプセルの様な物”が、横向きで床に据え付ける様に置かれている事に気付く。

 

「…………」

 

簪は警戒しつつ、そのカプセルの傍へと近寄る。

 

「…………」

 

ターレットレンズを切り替えてそのカプセルを分析しようとしたが、“解析不能”と答えが返って来る。

 

「………!」

 

と其処で、カプセルの一部分にコンソールパネルが在る事に気付く。

 

「…………」

 

ISに乗ったままでは操作できないタイプの為、已むを得ず一旦スコープドッグに降着姿勢を取らせて降りる簪。

 

そして、カプセルに備え付けられていたコンソールパネルを弄る。

 

すると、カプセルを覆っていた蓋の様な部分が開き始める。

 

「!?」

 

その中身を見た簪は驚愕する!!

 

何故なら………

 

カプセルの中には………

 

怪しく光る培養液の様な液体の中で、眠っている様に目を閉じている“全裸の少女”の姿が在ったからだ!!

 

その身体の彼方此方には、コードの様な物が心電図を計る機械の様に装着されている。

 

()()()!? いや、違う!?」

 

その少女は銀色の長い髪をしており、ラウラと容姿が酷似していた為に簪はラウラか?と思ったが、直ぐに“違う”と悟る。

 

何故なら、カプセルの中に居る少女は()()()()()()()()のだ。

 

元々身長が小さく、体躯も同世代の者達と比べて小柄なラウラだが、カプセルに居る少女は、そんな“ラウラよりも背が低く体躯も小さい”。

 

年齢にしてみれば、精々10歳前後がいい所である。

 

すると………

 

「…………」

 

カプセルの中に居る少女が突然目を開き、簪を見た。

 

その瞳は、両眼共に金色に輝いている。

 

「………!?」

 

簪は思わずアーマーマグナムを抜き、少女へと向ける。

 

「…………」

 

少女は“何も言わず”、“何もせず”、只()()()()()姿()()()()()()

 

「…………」

 

その無機質な視線を受けて、簪の頬に冷や汗が流れる。

 

「クッ………!!」

 

やがて、簪は耐え切れなくなった様に、再びカプセルのコンソールパネルを弄り、蓋を閉じた。

 

少女の姿は見えなくなり、培養液から放たれていた光も消えて、フロア内が再び薄暗くなる。

 

「ハア………ハア………ハア………」

 

降着姿勢状態のスコープドッグに寄り掛かり、緊張の余り荒くなった息を必死に整えようとしている簪。

 

「………何………?()()は一体何………?」

 

流石の簪も混乱している様で、そう呟く。

 

すると………

 

突如室内に警報の様な音が鳴り響く!

 

「!?」

 

簪が慌てていると、次の瞬間………

 

カプセルが据え付けられている床ごと、上へと昇り始めた。

 

「!!」

 

直ぐ様スコープドッグへと乗り込む簪。

 

その間に、カプセルは開いた天井を通って何処かへと運ばれる。

 

(あの少女………ラウラに似ていた………“無関係だ”とは思えない………)

 

若干落ち着きを取り戻して来た簪は、先程のカプセルの中身の少女の事を思い出してそう結論付けると、フロアの壁に在った扉をアームパンチで破壊し、通路へと出る。

 

「居たぞ! 侵入者だ!!」

 

「奴を倒しゃあ特別ボーナスだ!!」

 

すると、その姿を即座に量産型グラパール達が見付け、攻撃して来る。

 

「…………」

 

だが、簪は少しも慌てずに狭い通路にも関わらず、ターンピックを駆使して撹乱する様な動きを見せて量産型グラパール達の攻撃を回避し、反撃に右肩の7連装ミサイルポッドのミサイルを叩き込む!!

 

「「「「「ぬああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」」」」」

 

爆発が完全に収まり切らぬ内に、簪は量産型グラパール達の間を突破。

 

そのまま、先程の少女が入ったカプセルを探し求めるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリア・鈴組………

 

「ラウラさん!」

 

通路に在った扉を開けると、そう呼び掛けるセシリア。

 

しかし、扉の先は無人のフロアで誰も居なかった。

 

「居ませんわ………」

 

「コッチもハズレよ」

 

セシリアがそう呟くと、反対側に在った扉のフロアを覗き込んでいた鈴がそう返す。

 

「急ぎませんと………今回の作戦は時間との勝負ですのに」

 

「さっきから、コッチに向かって来るグラパールの数も増えて来てるわ………グズグズしてらんないわよ」

 

そう言い合うと、更にラウラの捜索を続けようとする2人。

 

すると………

 

2人が居る通路の正面の方から、“ローラーダッシュの音”が聞こえて来る。

 

「! 簪さん!?」

 

その音から、セシリアは簪が来たのかと思ったが………

 

「…………」

 

現れたのは、紫色のカラーリングをした、中世の騎士を思わせる独特なデザインをしたISだった。

 

顔の部分には、簪のスコープドッグと同じ様に3つのカメラが付いたバイザーが装着されており、装着者の顔を窺う事は出来ない。

 

「! 違う! 誰よ!?アンタ!?」

 

突如現れた謎のISに向かってそう叫びながら、龍砲の発射口を開く鈴。

 

と、その瞬間!!

 

「!!」

 

騎士の様なIS………『ベルゼルガ』は、左腕に装備されていた盾を構えたかと思うと、鈴に向かって突進!!

 

「!?」

 

反応出来なかった鈴は、そのまま盾で殴り付けられる!!

 

「クウッ!!」

 

「!!」

 

更に追い打ちを掛ける様に、ベルゼルガは今度は右腕で殴り飛ばす。

 

「キャアアッ!?」

 

「鈴さん!? クッ!!」

 

セシリアは驚きながらも、直ぐにベルゼルガをスターライトmkⅢで狙い撃つ。

 

「…………」

 

しかし、ベルゼルガは盾で防御。

 

スターライトmkⅢのビームは、ベルゼルガの盾で霧散してしまう。

 

と、其処でベルゼルガは、右手にアサルトライフルを握ったかと思うと、セシリアに向かって発砲する。

 

「そんなものっ!!」

 

だがセシリアは、狭い通路の中でも巧みに動いて回避し、そのままベルゼルガに向かって突撃!

 

「…………」

 

ベルゼルガがアサルトライフルを構え直した瞬間、頭上を飛び越える。

 

(貰いましたわ!)

 

そしてそのまま、ガラ空きの背中に向かってスターライトmkⅢを向ける。

 

が、その瞬間!!

 

「!!」

 

ベルゼルガは“()()()()()()()反応速度”で、セシリアの方を振り向いた!!

 

「!? なっ!?………!? キャアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!?」

 

その反応速度に驚いたセシリアに、ベルゼルガは容赦無く拳を叩き付ける!

 

吹き飛ばされたセシリアは、そのまま壁に叩き付けられ、尻餅を着く。

 

「クウッ! 何て反応速度ですの!?」

 

直ぐに体勢を立て直そうとしたセシリアだったが………

 

「…………」

 

その瞬間には、ベルゼルガは左腕をセシリアに向けて構えていた!

 

「!?」

 

そして次の瞬間!!

 

ベルゼルガの盾から、パイルバンカーが発射される!!

 

「!? あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!?」

 

咄嗟に身を捻ったものの、ベルゼルガから放たれたパイルバンカーはセシリアの右肩に命中!!

 

絶対防御をも突き抜け、セシリアの肩を貫通した!!

 

激痛の余りセシリアは気絶し、ISも解除される。

 

「! セシリア!! こんのおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

其れを見た鈴は、龍砲の発射態勢に入りながらベルゼルガに向かって突撃。

 

そのまま龍砲を放ち、自身も突撃する!!

 

「…………」

 

しかしベルゼルガは、またもシールドを構えて龍砲を防御する。

 

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」

 

ならばと、直接連結した双天牙月で斬り掛かる鈴だったが………

 

「…………」

 

何とベルゼルガは、双天牙月の()()アサルトライフルの弾丸を当て、軌道を逸らした!!

 

「!? なっ!?」

 

“信じられない避け方”をしたベルゼルガに驚き、鈴は思いっ切り双天牙月を空振りしてしまう。

 

隙だらけになった鈴に向かって、ベルゼルガは容赦無くパイルバンカーを発射!

 

射出された杭はまたも絶対防御を突き抜け、鈴の左大腿部を貫通した!!

 

「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!?」

 

激痛に悲鳴を挙げて鈴は気絶し、ISも強制解除される。

 

「…………」

 

ベルゼルカは、動かなくなったセシリアと鈴から興味を無くした様に背を向け、通路をローラーダッシュで走って行くのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラパール・弾&グラパール・蘭&ファイナルダンクーガ(ティトリー)組………

 

「此処にも居ねえ………一体何処に捕らわれてるんだ?」

 

フロアの1つをチェックし終えたグラパール・弾が、愚痴る様に言う。

 

「お兄! 愚痴ってる暇有ったらもっと探して!………此処も違う」

 

そんなグラパール・弾に、別のフロアをチェックしていたグラパール・蘭がそう言う。

 

と、その時………

 

「セシリア! 鈴! 応答して! 如何したの!?」

 

ファイナルダンクーガ(ティトリー)が、焦った様子で声を挙げる。

 

「ティトリー?」

 

「如何したの?」

 

その声を聞いたグラパール・弾とグラパール・蘭が、ダンクーガに問い掛ける。

 

「セシリアと鈴のISの反応が消えたの! 通信も繋がらないし、何か有ったみたい!!」

 

「!? 何だって!?」

 

「そんな!?」

 

ダンクーガからの報告を聞いて、グラパール・弾とグラパール・蘭は驚きの声を挙げる。

 

「クッ! 直ぐに2人の反応が消えた地点へ………」

 

と、グラパール・弾がそう言いかけた瞬間………

 

現在彼等が居る通路の前方から、()()()()()()()()()()が聞こえて来た。

 

「!? 簪さん!?」

 

その音に、グラパール・蘭は一瞬“簪が来た”のか?と思ったが………

 

「…………」

 

次の瞬間には、ベルゼルガが姿を現す。

 

「! 簪じゃない!」

 

ベルゼルガの姿を見たダンクーガが、直ぐ様ダイガンを構えるが………

 

「………!」

 

其れよりも早く、ベルゼルガがアサルトライフルを構えて単射発砲!

 

弾丸がダイガンへと命中し、爆発させる。

 

「ニャアッ!?」

 

至近距離で爆風を浴びたが、幸い装甲が厚いお蔭で、衝撃で尻餅を着く程度で済んだ。

 

「コイツっ!!」

 

今度はグラパール・弾がハンドガンを構えようとしたが………

 

「…………」

 

その瞬間には、ベルゼルガはグラパール・弾に肉薄。

 

左腕の盾で、ハンドガンを握っていたグラパール・弾の腕を弾く!

 

「うおわっ!?」

 

そして、ガラ空きになったボディにパンチを叩き込む!

 

「ガフッ!?」

 

まるで、鉄球クレーンで殴られた様な衝撃がグラパール・弾の身体を襲い、ヘルメット部分の口元から吐血が漏れる。

 

「お兄! このぉっ!!」

 

其れを見たグラパール・蘭が、腕からグラパールブレードを出現させて斬り掛かる。

 

「…………」

 

「ゴッ!?」

 

すると何と!!

 

ベルゼルガは、右手でグラパール・弾の喉を摑み、盾にする様にしてグラパール・蘭に向かって構えた!!

 

「!? お兄!!」

 

慌ててグラパールブレードを出現させていた腕を止める。

 

「…………」

 

その隙を見逃さず、ベルゼルガはグラパール・蘭の頭部目掛けてパイルバンカーを放つ!!

 

「!? キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

グラパール・蘭は、咄嗟に首を捻ったので直撃は避けられたが、ヘルメット部分が砕け散って衝撃で蘭は気絶。

 

そのまま床に倒れたかと思うと、米神の辺りから血が流れる。

 

「!? 蘭ちゃん!!」

 

「蘭!! テメエエエエェェェェェーーーーーーッ!!」

 

ダンクーガが慌てて駆け寄り、怒りに駆られたグラパール・弾は、首を摑まれた状態のまま、ベルゼルガに両足蹴りを叩き込んだ!!

 

「………!?」

 

真面に喰らい、2、3歩後退るベルゼルガ。

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

グラパール・弾は、ベルゼルガが体勢を立て直す前にグラパールブレードで斬り付けようとする。

 

しかし………

 

「…………!」

 

何とベルゼルガはその瞬間には体勢を立て直し、斬り掛かろうとして来ていたグラパール・弾のボディに、左の拳を叩き込む!!

 

「ガッ!?」

 

そしてそのまま、パイルバンカーを放った!!

 

「!? うわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

幸いと言うべきが、グラパールの装甲が厚かったお蔭で、腹を貫かれるには至らなかったが、腹部の装甲は完全に砕け散って、弾は気絶した!

 

「弾!! そんなっ!?」

 

蘭に続いて弾までもがやられてしまい、ダンクーガが焦る。

 

(一体何なの、コイツ!? 反応速度が人間の域を超えてるよ! オマケに、あの見た目鈍重そうな陸戦ISをまるで手足の様に自在に操ってる! 装着者は本当に人間なの!?)

 

内心でそう戦慄しながら、ダンクーガは構えを取る。

 

「…………」

 

ベルゼルガはダンクーガの出方を窺っているのか、ジッと待機しているが、その姿には微塵の隙も無い。

 

(す、隙が無い………駄目だ………一旦2人を連れて逃げよう………)

 

自分では敵わない事を悟ったダンクーガは、負傷した弾と蘭を連れて一旦撤退しようと考える。

 

「えいっ!!」

 

そして次の瞬間には、ノーモーションで胸部のパルスレーザーをベルゼルガの足元目掛けて放った!!

 

「!?」

 

足元への着弾と舞い上がった煙で、ベルゼルガの意識が一瞬ダンクーガから逸れる。

 

「今だ!!」

 

その瞬間、ダンクーガは素早く弾と蘭を其々片腕で抱え、ブースターを全開に噴かして脇目も振らず、ベルゼルガから逃げ出す。

 

「…………」

 

ベルゼルガはその様子を爆煙の隙間から見ていたが、如何いうワケか特にアクションを起こそうとしない。

 

(良し! このまま………!!)

 

其れを見たダンクーガは、“このまま逃げ切れる”と踏んだが………

 

突如前方の通路から、投網の様な物が広がって来て、ダンクーガに被さった!!

 

「!? うわあぁっ!?」

 

途端に、ダンクーガはバランスを崩して転倒。

 

被さっていた網が、弾と蘭ごとダンクーガを雁字搦めにする。

 

「な、何コレッ!?」

 

慌てながらも網を引き千切ろうとするダンクーガだったが、網はビクともしない。

 

「如何だ? 対ガンメン鹵獲用に開発された特殊合金繊維製のネットは?」

 

と其処へ、そう言う台詞と共に量産型グラパール達が現れる。

 

「うう~、しまったぁ………」

 

悔しそうな声を挙げるダンクーガ。

 

「へへっ、やるじゃねえか。パーフェクトソルジャーさんよぉ」

 

「…………」

 

量産型グラパール達の纏め役と思われるグラパールが、ベルゼルガに向かってそう言うが、ベルゼルガは何も言わない。

 

「チッ! 愛想の無え野郎だぜ………まあ良い。未だ侵入者は居る筈だ。とっとと探して潰して来い」

 

「…………」

 

其れを聞くと、ベルゼルガは踵を返して去って行った。

 

「さてと………」

 

「ア、アタシ達を如何する気!?」

 

ダンクーガは弾と蘭を庇う様にしながらそう言い放つ。

 

「心配するな。殺しゃしねーよ。何せ“大事な人質様”だからな」

 

量産型グラパール達の纏め役は、下衆な笑みをヘルメットの下で浮かべながらそう言い放つ。

 

(神谷………)

 

不覚を取ってしまった自分に怒りながら、ダンクーガは神谷達の無事を祈るのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

ペールゼンの秘密基地兼研究所を襲撃するグレン団。
その中で………
簪はラウラと良く似た少女を目撃する。

そしてラウラを探していたグレン団を次々に撃破した謎のISベルゼルガ。
尋常ではない反応速度を見せるその乗り手は、一体何者か?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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