天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第106話『私は半生を懸けて、理想の兵士を創り出そうとした』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第106話『私は半生を懸けて、理想の兵士を創り出そうとした』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘗てラウラを生み出した計画を指揮していたヨラン・ペールゼン。

 

そのペールゼンが、更なる計画・PS(パーフェクト・ソルジャー)計画の為にラウラを拉致した。

 

救出の為に、グレン団はシュヴァルツェ・ハーゼと協力し、ペールゼンが潜伏する秘密基地を奇襲する。

 

シュヴァルツェ・ハーゼが囮となり、敵を惹き付けている間に基地内へと潜入したグレン団。

 

だが、その最中(さなか)………

 

楯無と(はぐ)れた簪が、奇妙な物体を発見する。

 

其れは、“ラウラと良く似た姿”をした()()()()が入れられたカプセルであった。

 

その正体を確かめる前に、少女はカプセルごと何処かへと運ばれてしまう。

 

如何してもその少女の事が気になった簪は、その行方を追うのだった。

 

だが、突如現れた謎のIS乗りによって、セシリア・鈴・弾・蘭・ティトリーが捕らわれてしまう。

 

人間離れした反応速度を誇り、凄まじい制御能力を持つこのIS乗りの正体は一体何者か?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレンラガン(神谷)&シャル………

 

「ラウラ~ッ! 居るのか~っ!? 居たら返事しろ~っ!!」

 

大声でラウラの名を呼び、その姿を探し求めているグレンラガン。

 

「ちょっ! 神谷! 大声出さないで! “僕達は()()潜入してる”んだから!!」

 

そんなグレンラガンを見て、シャルが慌てて止めようとするが………

 

「別に良いだろうが。敵は表に行ってて、中には誰も居ねえんだろ?」

 

グレンラガンはそう言い返して来る。

 

「其れはそうだけど………けど、全く居ないってワケじゃ………」

 

「何処だ~っ!? ラウラ~~ッ!!」

 

小言を言おうとするシャルを無視して、グレンラガンはラウラの名を呼び続けるのだった。

 

「あ! もう~! しょうが無いんだからぁ!」

 

愚痴る様にそう言いつつも、シャルはグレンラガンに従いて行く。

 

やがて2人は、頑丈そうな大きな扉の前に辿り着く。

 

「むっ! 此処が怪しいぜ! 俺の勘がそう言ってやがる!!」

 

「普通なら“根拠が無い”って言うところだけど、神谷の勘は当たるからね」

 

グレンラガンがそう声を挙げると、シャルがそう返す。

 

と、其処へ………

 

「アニキ!」

 

「シャルロット!」

 

別行動していた一夏と箒が現れる。

 

「一夏!」

 

「箒!」

 

「アニキ! ラウラは見付かった?」

 

「いや、今まで見て来た限りじゃ居なかったぜ」

 

「そうか………コッチも見付けられなかった」

 

「じゃあ、後は此処を調べるだけか………」

 

グレンラガン達がそう会話を交わしていると………

 

「皆!」

 

更に其処へ、楯無が合流する。

 

「楯無さん!」

 

「アレ? 簪さんは?」

 

楯無と一緒に居る筈の簪の姿が無いのを見て、シャルがそう尋ねる。

 

「其れが………途中で(はぐ)れちゃって………」

 

「何ですって!?」

 

「しゃあ無え、そっちも探すぞ。先ずはこの中を調べるぜ」

 

箒が驚きの声を挙げる中、グレンラガンは正面の扉を見ながらそう言う。

 

「この扉、パスワード入力で開くみたいだね………ちょっと待ってね、今調べて………」

 

その扉がパスワード入力で開く仕組みになっているのを見たシャルが、パスワードを解析しようとするが………

 

「面倒だ。一夏、ブチ破るぞ」

 

「OK!」

 

グレンラガンと一夏はそう言い合うと、右手を握った。

 

「えっ!?」

 

「オイ! お前達!!」

 

シャルと箒が何か言う前に、グレンラガンの右手には2本のドリルが出現し、一夏の右手の雪羅は赤熱化する。

 

「スカルブレイクッ!!」

 

「俺のこの手が真っ赤に燃える! 勝利を摑めと轟き叫ぶぅっ!! 爆熱ゥッ!! ゴッドォッ! フィンガアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

そして、頑丈そうな扉にスカルブレイクと爆熱ゴッドフィンガーが叩き込まれる!!

 

忽ち、頑丈そう()()()金属の扉は木の葉の様にブッ飛び、一瞬で蒸発した!!

 

「おっし、開いたぞ」

 

「………もう良いよ」

 

自信満々にそう言うグレンラガンに、シャルは力無く首を横に振る。

 

「此処は………?」

 

入った先のフロアは研究室の様であり、様々な機材が並んでいた。

 

「如何やら、何かの研究室の様だな………」

 

「と言う事は、当たりかしら?」

 

箒と楯無がそう言い合って居ると………

 

「………此処まで辿り着いたか」

 

「「「「「!?」」」」」

 

薄暗いフロアの奥の方から聞こえて来た声に、グレンラガン達は瞬時に構えを取る。

 

やがてその暗闇の中から、杖の音を立てながら、1人の老人………ペールゼンが姿を現す。

 

「………元ドイツ軍将校、ヨラン・ペールゼンね?」

 

「…………」

 

楯無がそう問い質すが、ペールゼンは沈黙する。

 

「ドイツ軍から貴方に逮捕状が出ているわ。基地に居る兵士達に戦闘の中止を命令して投降しなさい」

 

楯無は其れを“肯定”と受け取り、そう言葉を続ける。

 

「………私は半生を懸けて、理想の兵士を創り出そうとした」

 

しかし、ペールゼンは其れを無視する様に語り出す。

 

「『如何なる訓練・強化も“優れた人的素材”には敵わない』、『()()()人間からは“理想の兵士”は生まれない』………其れが、私の出した『結論』だ」

 

「“その為に”生み出したのがラウラで………“今まさに”行っているのがPS計画、と言う事?」

 

「その通りだ」

 

シャルの言葉を肯定するペールゼン。

 

「巫山戯るなっ!! お前のその“勝手な野望”の為にラウラを巻き込むな!! アイツはもう、お前とは関係無いっ!!」

 

淡々と語るペールゼンに、一夏がそう怒声をぶつける。

 

「確かに、ラウラ・ボーデヴィッヒは“失敗作”だった………決して()()()()()()()()ヴォーダン・オージェに不適合を起こし、能力を制御し切れず、以降の訓練では全て基準以下の成績となった」

 

だが、そんな一夏の怒声も意に介さず、ペールゼンは淡々と語り続ける。

 

「だが、ブリュンヒルデの訓練を受けた事で、ラウラ・ボーデヴィッヒは再び部隊最強の座に昇り詰めた。つまり、“個体としての()()”は優れていた、と言う事だ」

 

「テメェ………」

 

「神谷! 押さえて!」

 

ラウラが(モノ)であるかの様な言い様に、グレンラガンは飛び出して行きそうになるが、何か“罠が有るかもしれない”と警戒しているシャルが抑える。

 

「私は、アメリカで完成させたPS計画の()()として、ラウラ・ボーデヴィッヒを使う事を決めた。今追い詰められている人類を救うには、PS計画で生み出されるパーフェクトソルジャーを()()()()するしか無い」

 

「貴様! 人間を何だと思っているっ!?」

 

人を人とも思っていないペールゼンの宣言に、今度は箒が怒声を挙げる。

 

「………コレ以上、貴様等と議論をする積りは無い」

 

しかし、ペールゼンはそう言って一方的に会話を打ち切ったかと思うと、パチンッと指を鳴らした。

 

「オラ、来い!!」

 

すると、奥の方からそう言う声が聞こえて来て、複数の足音が近付いて来る。

 

そして、現れたのは………

 

量産型グラパール達に捕まっているセシリア・鈴・弾・蘭・ティトリーの姿だった。

 

「!? 弾っ!?」

 

「セシリアっ!?」

 

「鈴っ!?」

 

「蘭ちゃんっ!?」

 

「ティトリーッ!?」

 

捕らわれた仲間の姿を見て驚きの声を挙げるグレンラガン達。

 

「一夏さん………申し訳有りません………」

 

「ゴメン………ドジったわ………」

 

「すまねえ、アニキ………」

 

「すみません………一夏さん」

 

「神谷~………」

 

セシリア・鈴・弾・蘭・ティトリーは、グレンラガン達を見ながら口々に謝罪する。

 

更に、セシリア・鈴・弾・蘭は負傷による出血の為か、呼吸が荒く顔色も悪い。

 

「噂のグレン団のメンバーも、私のPSの前でこのザマだ………やはり、()()()()では“理想の兵士”には敵わない」

 

「ゴチャゴチャとウルセェッ!! 今直ぐソイツ等を離しやがれぇっ!!」

 

と其処でグレンラガンが、痺れを切らした様にセシリア達を押さえ付けている量産型グラパール達に向かって突撃した!!

 

「!? 神谷!!」

 

「…………」

 

シャルが慌てた声を挙げる中、ペールゼンは黙ってその光景を見ている。

 

「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」

 

右腕をドリルに変え、量産型グラパール達に殴り掛かろうとしたグレンラガンだったが………

 

その瞬間、ローラーダッシュ音と共に現れた影にショルダータックルを喰らわせられる!!

 

「!? うおわぁっ!?」

 

強烈なショルダータックルを受け、ブッ飛ばされるグレンラガン。

 

「! 神谷!!」

 

床に転がったグレンラガンを、シャルが助け起こす。

 

「ててて………何だっ!?」

 

「…………」

 

起き上がったグレンラガンが見たのは、無言で佇むベルゼルガの姿だった。

 

「プロト・ワン。其奴等を排除しろ」

 

「………了解」

 

ペールゼンがそう命じると、ベルゼルガは短くそう答え、戦闘態勢を取る。

 

「まさか………PS!? 完成していたの!?」

 

ベルゼルガの操縦者が、PSである事を察した楯無が驚きの声を挙げる。

 

「クッ! ハアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

と其処へ、箒が先手必勝とばかりに、雨月と空裂で斬り掛かる!!

 

「! 箒! 止せっ!!」

 

一夏がそう叫んだ瞬間には、箒は雨月と空裂をベルゼルガ目掛けて振り下ろしていた。

 

「…………」

 

だが、ベルゼルガはかなりの速度で斬り込まれたにも関わらず、左腕の盾を使って余裕でガードして見せる。

 

「!? 何っ!?」

 

驚く箒の腹に、ベルゼルガは右手に握ったアサルトライフルの銃口を押し付けた!!

 

「!?」

 

「…………」

 

そのままアサルトライフルをバーストで発射するベルゼルガ。

 

「ぐあああああっ!?」

 

接射を受け、シールドエネルギーが大きく減少する箒。

 

「クッ! こんのぉっ!!」

 

直ぐに体勢を立て直して、再び斬り掛かろうとするが………

 

「…………」

 

その間にベルゼルガは、箒の眼前にパイルバンカーの先端を突き付けていた。

 

「!?」

 

「箒っ!!」

 

しかし、発射される寸前、一夏がパイルバンカーをベルゼルガの腕ごと蹴飛ばす!

 

「………!?」

 

ベルゼルガは驚いた様子を見せながらも、腕を蹴飛ばされた勢いに乗って回転し、右手のアサルトライフルを一夏に向けて発砲する!

 

「下がれ! 箒!!」

 

箒を押し遣る様にしながら、一夏は左手の雪羅でバリアを張って後退する。

 

「迂闊に突っ込むな!」

 

「! すまない………」

 

十分に距離を取ると、一夏は箒に向かってそう言い放った。

 

「反応速度も操縦技術も人間離れしてるわ………」

 

「コレが………パーフェクトソルジャー………」

 

楯無とシャルは、先程の遣り取りで、ベルゼルガの装着者であるPSが、とんでもない能力の持ち主である事を察する。

 

「ご覧いただけたかね? このPS(パーフェクト・ソルジャー)さえ()()できれば人類は救われるのだぞ? 其れでもお前達は計画を潰すと言うのか?」

 

そんな2人に向かって、ペールゼンはそう言い放つ。

 

「ケッ! PSだかファミコンだか知らねえが! 俺に勝てると思ってんのか!?」

 

だが、グレンラガンがそう言い放ち、1歩前に出る。

 

「ちょっ! 神谷、待って!!」

 

「敵は今までの相手と違うのよ!!」

 

そのグレンラガンを止めようとするシャルと楯無だったが………

 

「るせぇっ! (オトコ)は気合だっ! 逃げてちゃ何も摑めねえんだよぉっ!!」

 

その制止も虚しく、グレンラガンはベルゼルガ目掛けて突っ込んで行った!!

 

「か、神谷ぁっ!!」

 

「あの熱血馬鹿!!」

 

思わず、悪態が口を吐く楯無。

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

グレンラガンはベルゼルガに向かって猛然とダッシュして行ったかと思うと、ある程度距離を詰めた所で跳躍する!!

 

「稲妻ストロングキイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーックッ!!」

 

そして、稲妻を帯びた右脚でベルゼルガに向かって突撃する!!

 

「…………」

 

しかしベルゼルガは、直前まで引き付けてバックする様に後退し、稲妻ストロングキックを躱す。

 

そして、眼前の床を砕いたグレンラガンにパイルバンカーを向ける。

 

「!?」

 

放たれたパイルバンカーを、首を捻って躱すグレンラガン。

 

「オラァッ!!」

 

そしてそのまま、ベルゼルガの足を払う。

 

「………!?」

 

「ウオリャアッ!!」

 

倒れたベルゼルガに圧し掛かろうとしたグレンラガンだったが、

 

「………!!」

 

ベルゼルガは、倒れたままグレンラガンに両足蹴りを見舞う。

 

「ぐおっ!?」

 

弾き飛ばされて、グレンラガンは床の上を転がる。

 

「んなろぉっ!!」

 

「…………」

 

そして両者共起き上がると、ベルゼルガはアサルトライフルを発砲する。

 

「チッ!!」

 

グレンラガンは、連続バック転でベルゼルガの銃弾を躱して行く。

 

「…………」

 

やがて、ベルゼルガのアサルトライフルから弾が出なくなる。

 

「弾切れか! 貰ったぜっ!!」

 

其れを見て“弾切れ”と思ったグレンラガンは、またもベルゼルガに向かって突撃する。

 

「…………」

 

ベルゼルガはリロードをしようと、新しいマガジンを取り出す。

 

「遅せえぇっ!!」

 

だが其れよりも早く、グレンラガンのスカルブレイクが炸裂しようとする。

 

すると、その瞬間!!

 

「…………」

 

何を思ったのか、ベルゼルガは取り出していた新しいマガジンをグレンラガンに向かって投げ付けた!!

 

「!? 何っ!?」

 

「…………」

 

そして、実は()()()()()()()()()()アサルトライフルで投げたマガジンを撃ち抜く!!

 

「!? うおおおっ!?」

 

マガジンが弾けて中の弾が暴発!

 

至近距離で多数の銃弾を浴びてしまい、隙が出来るグレンラガン。

 

「…………」

 

すかさず、ベルゼルガは盾を構えてグレンラガンに突撃する!!

 

「ぐおあっ!?」

 

グレンラガンが倒れると、ベルゼルガは左腕で床に押さえ付ける様にして動きを封じた!!

 

「グッ!?」

 

「…………」

 

そして、再びパイルバンカーを見舞おうとする。

 

コレは避けられない!

 

「!?」

 

グレンラガン、絶体絶命か!?

 

………と、その時!!

 

突如として天井の一角で爆発が起こった!!

 

「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

その爆発に、全員が天井を見上げる。

 

すると、その崩れた天井から出ていた爆煙の中から銃弾が放たれ、ベルゼルガに命中する!

 

「………!?」

 

ベルゼルガは初めて焦った様な様子を見せたが、直ぐに後退して被害を最小限に留める。

 

その次の瞬間!!

 

「…………」

 

天井に開いた穴から、スコープドッグ・TC(ターボカスタム)を纏った簪が出現。

 

降着姿勢を取って着地したかと思うと、ヘヴィマシンガンをベルゼルガに向ける。

 

「! 簪ちゃん!!」

 

「簪! 無事だったのか!?」

 

其れを見た楯無と一夏がそう声を挙げる。

 

「………遅れてゴメン」

 

簪は短くそう答えると、ベルゼルガを警戒する。

 

「…………」

 

ベルゼルガの方も、突然現れた簪にアサルトライフルを向け、油断無く盾を構えていた。

 

「新手か………だが、誰が来ようと()()PSには敵わん」

 

ココへ来ても、ペールゼンは余裕の態度を崩さない。

 

余程PSに自信を持っているらしい。

 

(………このISの装着者………若しかして………)

 

そんな中、簪はベルゼルガを装着している人物に“心当たり”を感じていた。

 

「すまねえ、簪。助かったぜ。よおし、そんじゃあ、お返しはタップリと………」

 

窮地を脱したグレンラガンが起き上がり、指の骨を鳴らしながらそう言うが………

 

「………此奴の相手は………私がする………」

 

そんなグレンラガンに向かって、簪はそう言い放つ。

 

「ああ!? 何言ってんだ!? 未だコレからが………」

 

「…………」

 

グレンラガンが言い返している途中で、簪はベルゼルガに向かって突撃する。

 

「!? オイッ!?」

 

「簪さん!?」

 

グレンラガンとシャルが何時に無く強引な簪に驚きの声を挙げる中、簪はヘヴィマシンガンを発砲する。

 

「…………」

 

ベルゼルガは、其れをローラーダッシュ移動で回避。

 

そのまま、両者は互いにローラーダッシュしながらの撃ち合いに発展する。

 

“狭くは無い”とは言え、其れ程“広い”と言うワケでも無い部屋の中での撃ち合いで、忽ち流れ弾が彼方此方に着弾する。

 

「おわっ!?」

 

「キャッ!?」

 

「ぬうっ!?」

 

「キャアッ!?」

 

「うおわぁっ!?」

 

箒達やペールゼン、人質になっているセシリア達とその彼女達を確保している量産型グラパール達にも被害が及びそうになり、次々に声が挙がる。

 

「「…………」」

 

だがそんな状況に在っても、簪とベルゼルガの撃ち合いは、止まるどころか益々激しさを増して行った!!

 

「………!!」

 

と、簪が不意を衝く様にして、右脇越しの連装ミサイルポッドのミサイルを放つ。

 

「…………」

 

だが、ベルゼルガは難無くミサイルを撃ち落とす。

 

「…………」

 

しかし、その際に発生した爆煙に紛れて、簪はジェットローラーダッシュでベルゼルガとの距離を詰めた。

 

「………!!」

 

そしてそのまま、ベルゼルガに向かって左のアームパンチを繰り出す!

 

「…………」

 

しかしベルゼルガは、簪のアームパンチを左腕の盾で流す様にして躱し、そのままバランスを崩させた。

 

「!?」

 

「…………」

 

そのままアサルトライフルを発砲するが、簪は素早く体勢を立て直して躱す。

 

が、完全には躱し切れず、左肩のアーマーを持って行かれる。

 

「クッ…………」

 

簪は牽制に、左腰のガトリングガンを発砲する。

 

「…………」

 

13㎜の銃弾ではベルゼルガの装甲と盾を撃ち抜く事は出来なかったが、動きを止める事には成功する。

 

「…………」

 

その間に距離を取った簪は、一旦ヘヴィマシンガンの弾倉を交換する。

 

「…………」

 

すると、ベルゼルガもアサルトライフルの弾倉を交換する。

 

「「…………」」

 

そして、互いに“仕切り直しだ”とばかりに、ヘヴィマシンガンとアサルトライフルを向け合う。

 

「「…………」」

 

一瞬、そのまま互いに睨み合っているかの様な状態で沈黙していたが………

 

「………!!」

 

やがてベルゼルガが動き、アサルトライフルを発砲。

 

「………!?」

 

簪の右腰のアーマーが破壊される。

 

「………!!」

 

その瞬間、簪は右肩の7連装ミサイルポッドのミサイルを発射!

 

ミサイルは次々にベルゼルガの周りに着弾!

 

ベルゼルガが炎に包まれた。

 

「…………」

 

だが、次の瞬間にはその炎が揺らぎ、突っ切って来たかの様にベルゼルガが突撃して来た!!

 

「!?」

 

直ぐにヘヴィマシンガンを構える簪だったが………

 

ベルゼルガは、ヘヴィマシンガンをフックで横から殴り付ける!!

 

「!?」

 

ヘヴィマシンガンが弾かれ、隙を晒してしまう簪。

 

「…………」

 

其処へ、容赦無くベルゼルガのパイルバンカーが叩き込まれる!!

 

「!!」

 

咄嗟に左腕パーツを盾にして防ごうとした簪だったが、元々装甲の薄いスコープドッグのパーツでは余り意味を為さず、パイルバンカーはスコープドッグの左腕パーツを串刺しにする!!

 

「!? 簪ちゃん!!」

 

「………!!」

 

悲鳴に似た声を挙げる楯無だったが、幸い簪は直前でパーツから腕を引き抜いており、腕を串刺しにされる事は回避していた。

 

「…………」

 

しかし、ベルゼルガは攻撃の手を緩めず、簪の顔を右の拳で殴り付けた!!

 

「ガアッ………!?」

 

ターレットレンズ付きバイザーが弾き飛ばされ、簪は俯せに床の上に倒れる。

 

「! 簪っ!!」

 

「プロト・ワン、トドメを刺せ!」

 

「…………」

 

ペールゼンの命令に従い、アサルトライフルを倒れている簪に向けるベルゼルガ。

 

(………ココまでか)

 

簪はまるで他人事の様にそう思いながらも、最後に自分を倒す相手を見ようとしたのか、身体を返してベルゼルガの方を見る。

 

「!?」

 

その瞬間!

 

まるで金縛りに掛かったかの様に、ベルゼルガの動きがピタリと止まった!

 

「!? 如何した!? プロト・ワン!!」

 

「…………」

 

ペールゼンが叫んでも、ベルゼルガは全く動かない。

 

「!!」

 

何だか分からないが、取り敢えず“チャンス”だと感じた簪は、生身を露出していた左手にアーマーマグナムを握り、ベルゼルガ目掛けて発砲した!!

 

「!?」

 

放たれたアーマーマグナムの弾丸は、ベルゼルガのヘルメットの様な頭部に命中!

 

衝撃でベルゼルガは大きく仰け反る。

 

「!!」

 

その間に、簪は立ち上がって体勢を立て直す。

 

と、其処で………

 

ピシッピシッと言う音が聞こえて来たかと思うと、ベルゼルガの頭部を覆っていたヘルメットが砕け散った。

 

「!?」

 

「なっ!?」

 

「アレは!?」

 

「オイオイ、如何言う事だ!?」

 

「まさかっ!?」

 

其れによって露わになったベルゼルガの装着者の顔を見て、一夏達が驚愕する。

 

「………やはり」

 

一方で、簪は納得した様な表情になる。

 

「…………」

 

ベルゼルガを装着している人物の顔………

 

其れは両目が金色になっている、“ラウラそっくりの少女”だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

遂にペールゼンとPS・プロトワンと対峙した神谷達。
その圧倒的な実力に手も足も出ない。
途中で参戦してきた簪も窮地に陥る。
しかし、簪の顔を見たプロトワンが異変を起こす。
そして何と………
露わになったプロトワンの顔は、あのラウラそっくりな少女だった。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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