天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第109話『こんな馬鹿な娘の私をお叱りになりますか?』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第109話『こんな馬鹿な娘の私をお叱りになりますか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フランス、ドイツと連戦を続けたグレン団は、一時休息を取る為に………

 

セシリアの計らいで、オルコット家が所有する港に寄港して、秘密裏にイギリスへ上陸する。

 

だが、グレン団がイギリスへ上陸した事を察知していた者達が居た。

 

国際的な警察組織で、“超人集団”として知られている『国際警察機構』だ。

 

しかし、セシリアに会いに来た国際警察機構の九大天王・中条と戴宗は、意外な事実を告げる。

 

何と!!

 

彼女が、情け無い男と思っていた亡き父『クラウド・オルコット』が………

 

国際警察機構のエキスパートだったと言うのだ!

 

しかも、“九大天王に最も近い”と評された程の………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イギリス・某所………

 

オルコット家が所有する港のプレハブ小屋にて………

 

「そ、そんな………あ、あの人が………国際警察機構の………エキスパート!? 其れも、九大天王に最も近いと評されていた程の!?」

 

驚愕を露わに、信じられないと言う表情でそう言うセシリア。

 

あの情け無い父がそんな凄い男だった等、如何しても思えない様だ。

 

「オイオイ、スゲェーじゃねえか、セシリア! オメェの親父がそんな奴だなんて聞いて無えぞ!」

 

グレン団の面々も呆然としている中、只1人神谷だけが、無邪気にそう言う。

 

「…………」

 

しかしセシリアは、そんな神谷の声には答えず、只管(ひたすら)忘却の彼方へと追い遣っていた父親の思い出を蘇らせていた。

 

(そう言えば………あの人が何の()()をしていたのか、私は良く知りませんでした………)

 

次々に甦る父親の姿………

 

突然居なくなったかと思ったら、何の前触れも無く帰って来ていたり………

 

転びそうなった給仕を“目にも見えないスピード”で動いて助けたり………

 

倒れて来た石像を()()()受け止めたり………

 

毎朝、日が昇る前に起きては奇妙な鍛錬をしていたり………

 

父親を鬱陶しそうにしていた母親だったが、父親に腕力で物を言わそうと言う様な姿は全然見なかったり………

 

思い出が甦れば甦る程、“思い当たる節”が次々に出て来る。

 

「国際警察機構の仕事は、基本()()任務だからね。其れだから、クラウドは君には自分の仕事の事を詳しく話したりはしていなかったのだろう」

 

其処で中条が、セシリアに向かってそう言う。

 

「大方、悟られたりしない様に、“情け無い男”の様に振舞ってたんじゃねえのか?」

 

戴宗もそんな事を言う。

 

「…………」

 

最早、セシリアは言葉も出なくなっていた。

 

「しかし………そのクラウドが、()()()()になってしまうとは………」

 

「すまねえな、セシリアの嬢ちゃん………俺達が()()()、“クラウドを1人で行かせ”たりしなけりゃ………」

 

と、其処で中条と戴宗は表情に影を落としてそう言う。

 

「? “あの時”………?」

 

首を傾げるセシリア。

 

「あの“列車事故”の事だよ………」

 

「えっ?」

 

「実はあの時………クラウドは嫁さん………“セリーヌ・オルコットが狙われている”と言う情報を入手していてな。“()()()()()同じ列車に乗り込んでた”のさ」

 

「!? えええっ!?」

 

中条と戴宗の話に、セシリアはもう何度目とも知れぬ驚きの声を挙げる。

 

「で、では! あの列車事故は、“仕組まれていた”と言う事ですか!?」

 

「ああ。クラウドは、“自分の手で”セリーヌさんを守ろうとしたのだが………」

 

「まさか、敵が彼処までの手段に打って出て来るとは思わなかったぜ………」

 

「犯人は! 犯人は誰なのですか!?」

 

セシリアは、中条と戴宗に鬼気迫る様子でそう問い質す。

 

何せ、今まで“()()()死んだ”と思っていた両親が、実は()()()()()と聞かされたのだ。

 

当然、セシリアの激しい怒りは、その犯人へと向けられる。

 

「其れは………」

 

すると、戴宗は言って良いものかと言う顔になり、中条を見遣る。

 

「話しても良いだろう………彼女は、もう“子供では無い”」

 

戴宗の視線を受けて、中条はサングラスの奥の目を光らせながらそう言う。

 

「………お嬢ちゃんの“親族の誰か”さ」

 

「!?」

 

「何だって!?」

 

其れを聞いたセシリアは目を見開き、一夏も驚きの声を挙げる。

 

「狙いはオルコット家の財産だ。尤もクラウドの奴は“事前の策”として、セリーヌと一緒に遺言状を残しておいたみたいだがな」

 

「…………」

 

戴宗の話を聞くセシリアは俯き加減で、その表情は窺えない。

 

しかし、両の拳は固く握り締められており、身体も小刻みに震えている。

 

「財産目当てで、セシリアの両親を殺したのか………」

 

「ったく、反吐が出るぜ………」

 

一夏と神谷も怒りを露わにしており、他の面々も憤りを見せていた。

 

「残念ながら“誰がやった?”かは、未だに判明していない。だが、安心してくれ給え」

 

「必ず捕まえて見せるぜ………“クラウドの(かたき)”だからな」

 

「………ありがとうございます」

 

気遣う様に言う中条と戴宗に、セシリアは顔を伏せたまま短くそう返すと、部屋から出て行こうとする。

 

「セシリア」

 

「申し訳有りません。暫く1人にさせて下さいまし………」

 

一夏が何か声を掛けようとしたが、セシリアはそう言い残して退室して行った。

 

「セシリア………」

 

「無理も無いよ。僕達からしてみても、色々と混乱する様な事が多かったもん」

 

「少し心の整理をさせてあげましょう」

 

心配そうに呟く一夏に、シャルと楯無がそう言う。

 

「其れにしても、本当なのか? セシリアの両親の命を奪ったのがオルコットの親族だと言うのは?」

 

其処で、ラウラが改めて中条と戴宗にそう尋ねる。

 

「ああ、間違い無えぜ」

 

「我々としても、確かな証拠が無ければ動く事は出来ない。未だに犯人(ホシ)を挙げられないとは情け無い限りだ」

 

戴宗と中条が、本当に申し訳無さそうにそう言う。

 

「しっかし、けったくそワリィ話だぜ! 金欲しさに人の親殺しておいて、未だに捕まっちゃ居ねえだなんてよぉっ!!」

 

「全くだぜ、アニキ!」

 

「金には“人を狂わせる魔力”が有るって言いますけど………本当ですね」

 

神谷が不機嫌そうにそう言うと、弾と蘭もそう言って来る。

 

「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

その後は、一同に重苦しい沈黙が流れる。

 

「………と、いけません。そろそろ『ローレン』様が御出でになる時間です」

 

と其処で、時計を見たチェルシーがそう言って部屋から退室しようとする。

 

「!? 『ローレン』だと!?」

 

と、その名を聞いた戴宗が大声を挙げる。

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

「!? ど、如何なさいました!?」

 

その声でグレン団の視線が戴宗に集まり、チェルシーも思わず足を止める。

 

「チェルシーくん。ローレンとは、『ローレン・オルコット』の事かね?」

 

「ハ、ハイ、そうですけど………」

 

「ローレン・オルコット? セシリアの親戚ですか?」

 

中条の問いに、チェルシーが戸惑いながらそう答えると、一夏が口を挟む。

 

「ハイ、先代当主・セリーヌ様の妹様で、セシリアお嬢様の叔母に当たる方です」

 

チェルシーは、一夏達の方に向き直ってそう説明する。

 

「クラウド様とセリーヌ様が亡くなられて、他の血筋の者達が遺産を狙う中、ご両親の遺産を守ろうとしたセシリアお嬢様を助けてくれた唯一の方なのです」

 

「そうだったのか………良い叔母さんなんだな」

 

「ローレン様が一体如何かしたのですか?」

 

要領を得ないチェルシーが、中条と戴宗に尋ねる。

 

「うむ、そのローレン・オルコットなのだが………」

 

「此方の捜査で、“列車事故の犯人の有力候補(最有力容疑者)”に挙がってんのさ」

 

「!? 何ですって!?」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

中条と戴宗の思わぬ言葉に、チェルシーのみならず神谷達も驚く。

 

「そんな!? 有り得ません! あのローレン様が犯人だなんて………御両親を亡くされたセシリア様を常に気遣って下さっていたのに!! この港もローレン様が取り仕切っているから、セシリア様は信頼して入港されたのですよ!!」

 

チェルシーは信じられないと言う。

 

「確かに、“()()()()()()は無い”………」

 

「だがコチラでは、そのローレンって奴について、色々と“黒い噂”を摑んでんだ」

 

「まさか………ローレン様がそんな事をする筈が………」

 

「しかし、若しセシリアくんが死んだ場合、()()オルコット家の財産を継ぐ権利を有しているのも彼女だ」

 

「!?」

 

中条のその言葉に、チェルシーはハッとする。

 

「オイ! セシリアの奴、今1人だったよな!?」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

其処で神谷が思い出した様にそう言い、全員がハッとする。

 

「若し、そのローレンという奴が犯人だとしたら………」

 

「セシリアが危ない!!」

 

箒とシャルのその言葉で、全員が一斉に部屋から飛び出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イギリス・某所………

 

オルコット家が所有する港の波止場にて………

 

「…………」

 

セシリアは1人、波止場に立って海を眺めている。

 

「お母様………お母様はあの人の………『お父様』の本当の姿を………知っていたのですか?」

 

と、不意にそう独り言を始める。

 

「だとしたら、私………酷い娘ですわね。そんなお父様の事を勘違いして、ずっと“情け無い男”だと思っていたなんて………」

 

自嘲する様な笑みを浮かべるセシリア。

 

「お父様………ゴメンなさい………こんな馬鹿な娘の私をお叱りになりますか?」

 

まるで自分に問い掛けているかの様な様子だ。

 

すると………

 

「セシリア」

 

「!?」

 

不意に背後から名を呼ばれ、セシリアは驚きながら振り返る。

 

其処には、1人の女性の姿が在った。

 

「ロ、ローレン叔母様、驚かさないで下さい」

 

「アラアラ、ゴメンなさい」

 

セシリアの背後に現れた女性………セシリアの叔母、『ローレン・オルコット』が微笑みながらそう言う。

 

「何か考え事でもしてたの?」

 

「はい、ちょっとお母様と………お父様の事を」

 

「! クライド義兄さんの事を?」

 

と、セシリアが父の事を口にした瞬間、ローレンが一瞬動揺したかの様な素振りを見せるが、セシリアは気付かなかった。

 

「ハイ………まさか、あのお父様が国際警察機構のエキスパートで………お母様を暗殺者から守る為に、あの日同じ列車に居たなんて………」

 

海の方を向いてそう呟くセシリア。

 

「!?」

 

その瞬間、ローレンは今度は完全に動揺する。

 

「オマケに、その暗殺者はオルコット家の者………私、一体如何すれば………」

 

しかし、海の方を向いていたセシリアはまたも気付かない。

 

ローレンが“最も疑わしい人物(最有力容疑者)”だと知らない彼女は、全く警戒をしていない。

 

「…………」

 

そんなセシリアの背後で、ローレンは笑みを消し、殺気の籠った表情を浮かべている。

 

「………フアァッ!!」

 

と、其処で突然!!

 

ローレンは、背後から両手でセシリアの首を絞めた!!

 

「!? あうっあぁっ!? お、叔母様! な、何を………!?」

 

「オノレェ! 誰が余計な事を! 全てを知られるワケには行かない! 死ね、セシリア! オルコット家は私のモノだ!!」

 

戸惑いながら必死に抵抗するセシリアは、鬼の様な形相でそう言い放つローレンの顔を目撃する。

 

「!? ま、まさか!? 叔母様! 貴女が!?」

 

「そうだ! クライドとセリーヌを殺したのはこの私! ローレン・オルコットだ!!」

 

下衆な笑みを浮かべて、ローレンはそう言い放つ。

 

「上手い事2人を葬れたと思っていたのに、アイツ等が遺言なんか残していた所為で、私はオルコット家の当主に成り損ねたんだ!!」

 

「そ、そんな………ど、如何して………叔母様は、あんなにも私に良くして下さっていたのに………」

 

「そんなモノ! “貴様の隙を窺う”為に決まっているだろう! 只の小娘なら暗殺も容易だったけど、まさか代表候補生に選ばれて専用機を与えられるなんてね!! だが、もう其れも関係無い! オルコット家を手に入れる為に死んで貰う!!」

 

そう吐き捨て、更にセシリアの首を締め上げるローレン。

 

「あ………が………」

 

セシリアの顔から血の気が引き、見る見る青くなって行く。

 

脳に酸素が行かない為に真面に思考が出来ず、ISを展開する事も出来ない。

 

(だ、駄目ですわ………い、意識が………)

 

徐々に意識も遠くなって行く。

 

「死ねえええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーッ!!」

 

ローレンは、そんなセシリアに一気にトドメを刺そうとする。

 

と、その時!!

 

「コイツでケリを着けるぜキィィィィィックッ!!」

 

そういう叫び声と共に現れた神谷が、ローレンの背にドロップキックを叩き込む!!

 

「!? ぐはぁっ!?」

 

真面に喰らったローレンは、そのまま海中へと蹴落とされた!!

 

「!? キャアッ!?」

 

その余波で、セシリアまで海に落ちそうになるが………

 

「セシリア!!」

 

間一髪で、一夏がセシリアの手を摑んで自分の方へ引き寄せる。

 

「ゲホッ! ゴホッ! ハア………ハア………一夏………さん?」

 

先程まで首を絞められていた為、軽い酸欠を起こしながらも、一夏の顔を見上げるセシリア。

 

「大丈夫か、セシリア?」

 

「え、ええ………大丈夫ですわ」

 

「ちょっと、神谷! もっと気を付けて攻撃しなさいよ!!」

 

「危うく、セシリアまで落ちちゃう処だったよ!」

 

一夏がセシリアを気遣っていると、鈴とティトリーが神谷にそう言い放つ。

 

「ハッハッハッハッ! ワリィワリィ!!」

 

例によって神谷は、余り悪びれた様子も無く、あっけらかんとそう返す。

 

「其れよりも、ローレンは!?」

 

と、楯無がそう言いながら海面を除き込んだ瞬間!!

 

爆発音と共に海面が弾けた!!

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

身構えるグレン団の一同。

 

「オノレェ………良くも邪魔を!!」

 

般若を思わせる様な形相で現れたのは“()()を纏った”ローレンだった。

 

「! ISだと!?」

 

「何故………貴女がISを持っているの?」

 

ラウラが驚き、簪がアーマーマグナムを突き付けながらそう問い質す。

 

「フフフッ! ()()()()()()に頂いたのさ! オルコット家からの支援を約束してね!!」

 

「!? アディーネだと!?」

 

「其れって四天王の!?」

 

自慢気に語るローレンに、弾と蘭が驚きの声を挙げる。

 

「待て! と言う事は!?」

 

[その通りさ! グレン団!!]

 

箒が何かに気付いた様に声を挙げた瞬間、水平線の方からそう言う声が響いて来た。

 

そして水面が盛り上がったかと思うと、ダイガンカイが姿を現す!!

 

「! ダイガンカイ!!」

 

ティトリーが其れを見て声を挙げた瞬間、ダイガンカイの艦首………頭部部分の上に、1つの人影が立った。

 

其れは、女性の様な華奢な体躯が特徴で、眼の様な模様が描かれた翼を持つカスタムガンメン………

 

アディーネの『セイルーン』が姿を現した!!

 

「直接会うのは初めてだねぇ、グレン団。アタシは螺旋四天王の1人、アディーネ。またの名を『流麗のアディーネ』さ」

 

セイルーンから、アディーネのそう言う声が響いて来る。

 

「野郎! 今度はイギリスも攻め落とそうって言うのか!?」

 

「その通り! 今や我等の勢いは誰にも止められないよ!! このイギリスも、フランスやドイツと同じ目に遭わせてやるさ!!」

 

一夏の声に、セイルーンがそう言い返したかと思うと、ダイガンカイから多数のシャクーとレッドショルダー達が出撃する!!

 

「ローレン、グレン団に悟られるとは失態だねぇ。この上は、何としても其奴等を皆殺しにしな。然も無くば()()()()アンタを殺すよ」

 

静かな口調で、サラッと恐ろしい事をローレンに向かって言い放つセイルーン。

 

「ハ、ハイ! 分かりました、アディーネ様! ですから、必ずオルコット家を私の物に!!」

 

「ああ、分かってるよ。その為にも其奴等を殺しな!」

 

「ハアッ! 心得ました!!」

 

ローレンとセイルーンがそんな会話を交わす。

 

「止めて下さい! ローレン叔母様!!」

 

「貴女! 良い様に使われてるのが分からないの!?」

 

セシリアと楯無が、そんなローレンに向かってそう言うが………

 

「お黙り! オルコット家が私の物になるんだ! 邪魔をするなぁ!!」

 

最早、ローレンは真面(マトモ)な思考も出来て居ない様で、IS………背部に連装砲門が2つ付いた円盤型バックパックを背負った機体、『デストロイ』で襲い掛かる!!

 

「チッ! やるしかねぇぞ!!」

 

神谷は、そう言ってコアドリルを握ると、グレンラガンの姿となる。

 

「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」

 

一夏達も、待機状態のISとグラパールを構え、装着する。

 

「叔母様………貴女がお母様とお父様を………許せませんわ!!」

 

セシリアも、一瞬遅れて待機状態のブルー・ティアーズを構え、装着した!!

 

「死ねええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」

 

狂気が混じったローレンの声と共に、デストロイは背部の高エネルギー砲『アウフプラール・ドライツェーン』から大出力ビームを放つ!!

 

「! 皆、逃げて!!」

 

「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」

 

楯無の声で、グレン団は一斉に散開する。

 

「グレンラガン! お前の相手は私がしてやるよ!!」

 

と散開したメンバーの内、グレンラガンに狙いを定めたセイルーンが飛び掛かって来る!

 

「チイッ!!」

 

舌打ちをしながらも、腕に2本の細いドリルを出現させて、迎え撃つグレンラガンだった。

 

そして他のメンバーも、上陸したシャクー・レッドショルダー達と、ローレンとの戦闘を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

簪&ラウラ………

 

「そらぁっ!」

 

「くたばれぇっ!!」

 

「………!」

 

シャクー達から放たれてくるミサイルを、ローラーダッシュで躱す簪。

 

そのまま、港に置かれていた巨大なコンテナとコンテナの間に逃げ込む。

 

「逃がすかぁっ!!」

 

シャクー達は、直ぐに簪を追撃してそのコンテナとコンテナの間の通路に飛び込むが………

 

「………いらっしゃい」

 

待ち構えていた簪が、ヘヴィマシンガンを発砲する。

 

「「「「「「「「「「ギャアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!?」」」」」」」」」」

 

一本道で逃げ場が無く、シャクー達は次々に撃破される。

 

「ええい、下がれぇっ! ミサイルでコンテナごと吹き飛ばしてやる!!」

 

と其処で、ショルダーミサイルガンポッドを装備したレッドショルダーがそう言い放ち、簪が陣取っているコンテナ群に向かってミサイルを発射した!!

 

爆発で、重たいコンテナが木の葉の様に舞い上がる。

 

「………!!」

 

その爆炎から逃れる様に、簪がジェットローラーダッシュで飛び出して来る。

 

「貰ったぁっ!!」

 

すかさず、ショルダーミサイルガンポッドを装備したレッドショルダーが、今度は簪に狙いを定め、引き金を引こうとする。

 

「グレートブーメランッ!!」

 

だが其処で!

 

ラウラが胸に装備していたブレストバーンの放熱板を取り外すと、ショルダーミサイルガンポッドを装備したレッドショルダー目掛けて投げ付けた!!

 

高速回転しながら飛んで行った放熱板『グレートブーメラン』は、レッドショルダーが構えていたショルダーミサイルガンポッドを斬り裂く!!

 

「!? ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

残っていたミサイルが誘爆し、自爆機能と相俟って大爆発するレッドショルダー。

 

「むんっ!!」

 

ラウラは戻って来たグレートブーメランをキャッチすると、胸に装備し直す。

 

「死ねえええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」

 

その背後から、シャクーが噛み付こうと大口を開けて飛び掛かったが、

 

「ニーインパルスキックッ!!」

 

ラウラは素早く振り返ると、大口を開けているシャクーに向かって飛び膝蹴りを繰り出す。

 

すると、膝の部分からスパイクが飛び出し、シャクーの口内を貫通して背中から飛び出す!!

 

「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

「ハアッ!!」

 

シャクーが悲鳴を挙げると、ラウラはもう片方の足で蹴り飛ばす。

 

蹴り飛ばされて地面に叩き付けられると、爆散する。

 

「良しっ! 次は………」

 

と、ラウラが次の標的を決めようとした瞬間………

 

「今だぁ! 放てぇっ!!」

 

数人のレッドショルダー達が、構えていたソリッドシューターを発砲。

 

ラウラ目掛けて飛んだ砲弾が空中で弾けたかと思うと、中から投網の様なネットが現れる。

 

「!? おわっ!?」

 

咄嗟の事で回避できず、そのネットを被ってしまうラウラ。

 

「クッ、しまった!!」

 

慌てて外そうとするが、ネットは中々外れない。

 

「チャンスだ! 包囲して集中砲火を浴びせろ!!」

 

すかさず、レッドショルダー達は装備をブラッディライフルに切り替え、動けないラウラを包囲して集中砲火を浴びせようとする。

 

「クッ!」

 

「! ラウラ………」

 

「くたばれぇっ、人間!!」

 

「チイッ!」

 

救出に向かいたい簪だが、シャクーの軍団がしつこく攻撃してくる為、援護出来ない。

 

その間に、レッドショルダー達はラウラを包囲完了する。

 

「死ねぇっ!!」

 

1人がそう言い放つと、一斉にブラッディライフルの銃口をラウラに向けるレッドショルダー。

 

「!!」

 

最早ココまでか、とラウラがそう思った瞬間!!

 

ギュイイイイィィィィィンッ!!というローラーダッシュ音が聞こえて来る。

 

「!? 何っ!?」

 

レッドショルダーの1人が音の発生源を見遣ると、其処には………

 

「…………」

 

盾を構えて突撃して来るベルゼルガ………フランの姿が在った!!

 

「!? フラン!?」

 

「!?」

 

「何だテメェはっ!?」

 

フランが現れた事に驚くラウラと簪に、突然現れたフラン目掛けてブラッディライフルを発砲するレッドショルダーの1人。

 

「…………」

 

だが、フランは盾でブラッディライフルの弾丸を弾きながら、そのレッドショルダーへと突撃!!

 

そのままショルダータックルを喰らわせ、自分の身体ごとコンテナの側面に叩き付ける!!

 

「ガアッ!?」

 

「!!」

 

そして、そのレッドショルダーに盾を構えて向けたかと思うと、パイルバンカーを発射した!!

 

「!! ギャアアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーーッ!?」

 

どてっ腹に風穴を開けられ、レッドショルダーは汚い断末魔を挙げる。

 

「………!!」

 

そのレッドショルダーからフランが離れた瞬間、自爆装置で木っ端微塵に消し飛ぶ。

 

「コイツッ!!」

 

直ぐ様、他のレッドショルダー達が標的をフランに変更する。

 

「! グレートタイフーンッ!!」

 

とその瞬間、ラウラがそう叫び、口元に装着されているスリットの入ったマスクから強烈な風『グレートタイフーン』が放たれる!

 

ネットを吹き飛ばし、更にその強風で発生した竜巻がレッドショルダー達を巻き込んで天高く舞い上げる!!

 

「「「うおわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」」」

 

そのまま地面に叩き付けられ、爆散するレッドショルダー達。

 

「お姉ちゃん!」

 

「フラン! 何故来たんだ!?」

 

解放されたラウラの傍にフランが寄るが、ラウラはそう言い放つ。

 

「貴女はもう………戦う必要は無いわ………」

 

やっとの事でシャクーの包囲網から突破した簪も、ラウラとフランの傍に立つとそう言う。

 

「…………」

 

しかし、2人のその言葉に、フランはゆっくりと首を横に振る。

 

「私は“()()()()生み出されたPS(パーフェクト・ソルジャー)”………そして戦う事でお姉ちゃんや簪を()()()なら………戦う」

 

ターレットレンズ越しに、堅い決意の籠った瞳をしたフランは2人にそう言う。

 

「フラン………」

 

「…………」

 

そんなフランの姿を見て、複雑な表情をするラウラと、何かを思い遣る簪。

 

「………分かったわ、フラン………なら、貴女の事は私達が守るわ」

 

「! ああ、そうだとも! お前は私の妹なのだからな!!」

 

と簪がそう言うと、ラウラもハッとした様にそう言う。

 

「お姉ちゃん………簪………ありがとう」

 

ターレットレンズの奥で、はにかんだ笑みを浮かべ、フランはそう言う。

 

「其れじゃあ………」

 

「ああ………行くぞ!」

 

「了解………」

 

そして3人は、再び敵軍へと突撃するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

父親、そして両親の事故の真実を知ったセシリア。
しかも、1番信頼している叔母こそが犯人だった!!
ロージェノム軍とまで結託し、オルコット家を手に入れようとする叔母に、セシリアの怒りが爆発する。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
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