天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第111話『馬鹿だ馬鹿だと思ってたけど………ココまでとは思ってなかったわよ!!』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第111話『馬鹿だ馬鹿だと思ってたけど………ココまでとは思ってなかったわよ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリアの尽力で、何とかイギリスで補給を行う事が出来たグレン団。

 

しかし、イギリスもフランス・ドイツと同じ様に、ロージェノム軍に占領されてしまう………

 

最早機能している国家は、中()・アメリカ、そして日本だけ………

 

世界は、着実にロージェノムの手中へと納まりつつあった………

 

其れでも抵抗を続けるグレン団だったが………

 

ココで予想外の事態が襲い掛かる………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イギリスを脱出したグレン団のインフィニット・ノアは………

 

大西洋を抜けて、ブランコ岬から太平洋へと出ていた。

 

フランス、ドイツ、イギリスと立ち寄った国々を次々に占領され………

 

グレン団のメンバーは、精神的に大分堪えている………

 

特に、その3つの国が故郷だったシャル・ラウラ・セシリアは、殊更に大きなショックを受けていた。

 

果たして、この戦いに希望は有るのだろうか?

 

 

 

 

 

太平洋の海中深く………

 

潜航しているインフィニット・ノアの艦橋にて………

 

「遂にイギリスも占領されてしまったわね………」

 

「コレで機能している国家は、もう中国・アメリカ・日本だけですね………」

 

リーロンと虚が、メインパネルに世界の状況を映し出しながらそう言い合う。

 

メインパネルに表示されている世界地図は、中()・アメリカ・日本を除いて、ロージェノム軍に占領された事を示す赤い色が塗られており、真っ赤に染まっている。

 

「私達が幾ら勝っても、肝心の国自体が陥落してしまっては………」

 

楯無が表情を暗くしながらそう呟く。

 

グレン団は、対峙した“ロージェノム軍との戦闘()()”には勝利を収めている。

 

だが、其れだけでは世界の戦況を変える事は出来ない………

 

何せ、人類側は未だにロージェノム軍の本拠地を見付けられていないのである。

 

どんなに襲ってくる敵を撃破しても、直ぐに其れ以上の敵が集まるのだ。

 

勢いの衰える事を知らないロージェノム軍に対し、人類側は一方的に消耗して行っている。

 

最早この戦況を覆すには、ロージェノム軍の本拠地を発見し、大ボスである螺旋王ロージェノムを倒すしかない。

 

「ロージェノム………一体何処に居やがんだ?」

 

拳をきつく握り締めながら、神谷は未だに姿を見せぬロージェノムへの闘志を燃やすのだった。

 

「其れにしても………コレから如何するんだ?」

 

「まさか日本に帰るワケにも行かねえしよお」

 

と其処で、一夏と弾がそう言い合う。

 

ロージェノム軍の本拠地が分からない以上、今やるべき事は、コレ以上のロージェノム軍の侵略を食い止める事に在る。

 

しかし、今やグレン団は世界のお尋ね者。

 

下手をすればロージェノム軍だけでなく、()()()()()()の人類からも攻撃を受け兼ねない。

 

脱出して来た日本は元より、アメリカも自国へ取り込もうとして来る可能性も有る。

 

正に孤立無援の状態だ。

 

「ん~? 何だろう~、コレ~?」

 

と其処で通信席に着いていたのほほんが、何かをキャッチした様にインカムを耳に押し付けながら、コンソールパネルを操作する。

 

「? 如何したの? 本音」

 

「広域電波で“何か”が流されてるみたいなんだけど~………ちょっと待って~。今クリアにしてみるから~」

 

ティトリーに尋ねられると、のほほんはキャッチした電波をクリーニングしてクリアにする。

 

すると、スピーカーから中国語の歌が流れて来た。

 

「!? コレ、中国の国歌じゃない!!」

 

其れに気付いた鈴が、驚きながら通信席に駆け付ける。

 

他のメンバーも、通信席の周りに集まる。

 

[中国政府より、凰 鈴音に告げる!!]

 

やがて国歌が終わると、中国語での音声が流れて来た。

 

「何だ? 何言ってんだ?」

 

「中国語………って事は、中国本国からの通信って事?」

 

中国語が理解出来ない神谷が首を捻り、シャルがそう推察する。

 

「ええ、中国政府からよ。しかも、“アタシを名指し”だわ」

 

其れを聞いた鈴がそう言うと、音声の続きが発せられる。

 

[君は、“我が中国の代表候補生”である。即刻我が国へと帰り給え。()()()()、政府は寛大な処置を約束しよう]

 

「何よ、今更………」

 

「何て言ってるんだ?」

 

鈴が呆れる様に呟き、一夏が尋ねて来る。

 

「アタシに『中国に戻って来なさい』って。戻るワケ無いじゃない。どうせ、何か理由を付けて拘束されるに決まってるわ」

 

鈴は、若干嫌悪感を露わにしながらそう言う。

 

しかし、次の瞬間………

 

[若し君が、我が国へ帰らない場合………君の母親・凰 神美(シェンメイ)を公開処刑する]

 

「!? なっ!?」

 

中国政府の思いも寄らぬ言葉に、鈴は驚愕を露わにした。

 

[尚、72時間以内に返答を寄越されたし。聡明なる判断を期待する………]

 

最後にそう言うと、通信スピーカーからは再び中国の国歌が流れ始める。

 

「フザケんじゃ無いわよ! とうとう脳味噌まで腐り切ったワケぇっ!?」

 

苛立ちを露わに、コンソールパネルに拳を叩き付ける鈴。

 

余りに強く殴り過ぎた所為(せい)か、拳から血が流れる。

 

「キャアッ!? り、鈴さん!?」

 

「如何したんだ、一体?」

 

突然そんな行動に走った鈴の姿に、セシリアと箒が驚く。

 

「………中国政府のヤツラ………アタシが戻らなかったら………“お母さんを殺す”って」

 

「!? 何だって!?」

 

「ちょっ!? 何よ、ソレ!?」

 

一夏が驚愕の声を挙げ、蘭がワケが分からないと叫ぶ。

 

他の面々も、多少の差は有れど動揺を表している。

 

「中国も追い詰められてるのかも知れないわね………だから“専用機を持った国家代表候補生”を()()()()()自国に戻そうとしてるのかも」

 

リーロンが淡々とそう分析する。

 

「何て連中だ………人のやる事か!!」

 

「お姉ちゃん………」

 

ラウラが怒りを露わにし、そんなラウラの手を、フランが心配そうに握り締める。

 

「!!」

 

と其処で、鈴が艦橋から出て行こうとする。

 

「オイ、待てよ。何処行く気だ?」

 

そんな鈴の肩を、神谷が摑んで止める。

 

「邪魔すんじゃないわよ! お母さんを助けに行くのよ!!」

 

鈴は暴れて神谷を振り解こうとするが、神谷はビクともしない。

 

「待てって。其れは『俺達』の仕事だろうが?」

 

「えっ?」

 

「アニキの言う通りだぜ、鈴」

 

と、神谷が言った言葉に鈴が思わず動きを止めると、一夏がそう言いながら傍に寄って来た。

 

「鈴のお母さんは………俺達“グレン団全員で”救出する!」

 

「「「「「…………」」」」」

 

一夏がそう言うと、箒達も不敵な笑みを浮かべて頷く。

 

「あ、アンタ達………分かってんの!? 今度の今度は()()()………“国家を相手に”戦う事になるのよ!?」

 

そんなグレン団の面々に向かって、鈴はそう言い放つ。

 

フランス・ドイツ・イギリスと転戦を続けて来たグレン団だったが、幸いにも“国家を相手に戦う事態”は避ける事が出来ていた。

 

しかし、今回ばかりはそうは行かない………

 

鈴の母親を助けに行くと言う事は、中国(人〇解〇)軍と正面切って戦う事と同義である。

 

若しそうなれば、()()()()()“人類の敵”となってしまう可能性も有る。

 

更に、若し中国(〇民〇放)軍と衝突している最中(さなか)にロージェノム軍に介入されれば、中()が落とされるどころかグレン団も危ない。

 

だが………

 

「んなもん百も承知よ!!」

 

「俺達グレン団は、テメェが許せねえと思った奴とは、誰であろうと戦う!!」

 

「そうとも! 負けねえ、退かねえ、悔やまねえ! 前しか向かねえ、振り向かねえ! 無え無え尽くしの男意地! 其れこそがグレン団の魂よ!!」

 

神谷・一夏・弾が何の迷いも無く、正面からそう言い放った。

 

「なっ!?」

 

「お前達、“女の意地”も忘れて貰っては困るぞ」

 

「友達を助ける………其れ以上の理由は必要有りませんわ」

 

「だから、鈴………遠慮無く僕達を頼って」

 

「今こそ借りを返す時の様だな………」

 

「お姉ちゃんの友達が困ってるなら………私、助ける」

 

「ぶっちゃけ、ココで退いたら空気読めない奴みたいだし………」

 

「………例え神にでも………私は従わない………」

 

「鈴………行こう! お母さんを助けに!!」

 

「右に同じく!!」

 

驚く鈴に向かって、箒・セシリア・シャル・ラウラ・フラン・楯無・簪・蘭・ティトリーも次々にそう言う。

 

「ア、アンタ達………」

 

其れを聞いた鈴は俯く。

 

やがて、ポタポタと涙が床に落ち始める。

 

「………ホンットに………馬鹿だ馬鹿だと思ってたけど………ココまでとは思って無かったわよ!!」

 

と、不意に顔を上げると、目尻に涙を浮かべたまま笑顔を浮かべて、神谷達にそう言い放った。

 

「よっしゃあっ! 野郎共!! “鈴のおっかさんを助け出せ作戦”の開始だぁ!!」

 

「うわぁ、そのまんま………」

 

「オイ、神谷! 野郎共とはどういう意味だ!?」

 

其れを聞いた神谷がそう号令を挙げると、一夏が呆れた様に呟き、箒が野郎で一括りした事に非難の声を挙げる。

 

グレン団の一同は、談笑混じりに計画を練り始めるのだった。

 

「ホント、良い仲間達ね」

 

「そうですね………」

 

「さ~て、忙しくなるぞ~」

 

そんなグレン団の様子を見ながら、リーロン・虚・のほほんの裏方3人衆は、楽しそうな笑みを浮かべる。

 

斯くして、ココに………

 

グレン団対中()の戦いが、切って落とされようとした………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後………

 

()にて………

 

インフィニット・ノアは潜航を続けながら、東シナ海を経由して黄海へと侵入。

 

更に渤海へと侵入し、今は海底に身を潜めている。

 

そしてそのまま、詳細な情報収集を続ける。

 

其処で、鈴の母親は………

 

首都・北京の中国(人〇解〇)軍基地に捕らわれている事が判明。

 

人質の安全を最優先に考え、先ずステルス無人偵察機を飛ばして、偵察を行う事にした。

 

 

 

 

 

インフィニット・ノアの艦橋………

 

「もう直ぐ、無人偵察機が北京基地に到達するわ」

 

「ビデオパネル、チェンジします」

 

リーロンがそう言うと、虚がコンソールパネルを操作し、メインパネルに無人偵察機からの映像を映し出す。

 

街中に、広大な面積を使って建設されている中国(〇民〇放)軍基地の様子が映し出される。

 

()の首都だけ在って、駐屯している軍の数は多いが、其れでも“多過ぎる”と感じる程の戦力が基地には存在していた。

 

「随分と集まってるな………」

 

「多分、地方の部隊を招集したんでしょう。中国政府としては、“地方が犠牲になろうと、首都(北京)さえ守れれば其れで良い”と思ってるんでしょうね」

 

「胸糞悪くなる話だぜ」

 

一夏がそう言うと、鈴がそう推察し、神谷が不快感を露わにする。

 

「鈴のお母さんは何処に居るんだろう?」

 

「流石に“見える所”には居ないと思うけどねえ………」

 

と、ティトリーと楯無がそう言っていると………

 

無人偵察機が、基地敷地内の丁度中央の広場になっている様な場所に、“何か”を発見する。

 

「!? アレは!?」

 

「拡大してみるわ」

 

箒がそう言うと、リーロンが映像を拡大させる。

 

其れは、まるで銃殺刑に処せられる囚人の如く、広場に立てられた丸太に縛り付けられ、目隠しと猿轡をされた女性の姿だった。

 

「!! お母さん!!」

 

その女性を見た鈴が声を挙げる。

 

「!? 何だって!?」

 

「酷いですわ! あんな事をするなんて!!」

 

一夏が驚きの声を挙げ、セシリアも中国(人〇解〇)軍のやり方を非難する。

 

「恐らく………堂々と晒し者にする事で………下手な小細工を打たせない気ね………」

 

簪が冷静に中国軍の考えを予測する。

 

と、その次の瞬間!!

 

基地から対空砲火が撃ち上げられ、無人偵察機が撃墜された!!

 

「あっ!?」

 

「気付かれた!?」

 

弾と蘭が声を挙げる。

 

「コレは思ったより厄介かもしれないわね………」

 

「ああも堂々と晒し者にされていては、隠密作戦で救出するのは無理だな」

 

リーロンがそう言うと、ラウラが続けてそう言う。

 

すると、その時!!

 

突如としてインフィニット・ノアの艦橋に警報が鳴り響く!!

 

「!? 何っ!?」

 

「レーダーに反応! 中国(〇民〇放)海軍の艦隊がコッチに向かって来てるよ!!」

 

シャルが声を挙げると、レーダー席に居たのほほんがそう報告を挙げる。

 

「あらら。無人偵察機の操縦電波を逆探知されたみたいね」

 

まるで他人事の様にそう言うリーロン。

 

「い、一旦逃げましょう!!」

 

「馬鹿言うな! 鈴のおっかさんをあのままにして置けってのかよ!?」

 

「しかし、このままでは総攻撃を受けるぞ!!」

 

虚がそう言うと、神谷がそう反論し、箒がそう尋ねる。

 

「皆行って! こっちは何とか保たせるから!!」

 

すると、のほほんがそう声を挙げた!!

 

「インフィニット・ノアなら何とか耐えられるわ。中国(人〇解〇)海軍は適当に相手をして置くから、その間に鈴ちゃんのお母さんを助けて来なさい」

 

続けて、リーロンも不敵に笑いながらそう言い放つ。

 

「リーロンさん………ありがとう!!」

 

其れを聞いた鈴が、笑顔を浮かべてそう言う。

 

「良し! 行くぜ、お前等っ!!」

 

「「「「「「「「「「おおーっ!!」」」」」」」」」」

 

神谷の号令で、一夏達は出撃して行く。

 

「さて………其れじゃあ、皆が戻るまで………」

 

中国(〇民〇放)海軍の相手をするよ~」

 

「敵艦から攻撃! 爆雷と魚雷が来ます!!」

 

リーロンとのほほんがそう言うと、虚がそう報告を挙げる。

 

「フォノンメーザー展開! 防御幕を張って!!」

 

「了解!!」

 

リーロンがそう指示すると、ブルーノアの船体の彼方此方からフォノンメーザー(超音波銃)砲塔が出現。

 

接近して来る爆雷と魚雷を、着弾する前に超音波で爆散させる。

 

「頼むわよ、皆………」

 

その様子を見ながら、リーロンは特殊潜航艇で出撃して行ったグレン団を見遣るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中国(人〇解〇)軍の目がインフィニット・ノアに行った為、グレン団一同は思ったよりも簡単に上陸を果たす。

 

そして例によって、グレンラガンのドリルを使い、地中から一気に北京基地内部へ突入し、鈴の母親………神美を救出する作戦に出る。

 

北京基地・中心部………

 

晒し者にされている神美の前方の地面が盛り上がったかと思うと、ドリルが出現し、続いてグレン団の面々が現れる。

 

「!? う、うううう~~~っ!?」

 

目隠しの所為(せい)で何が起こったのかは分からないが、音で“何かが来た”事を察し、猿轡をされたまま何かを言おうとしている神美。

 

「お母さん!!」

 

小母(おば)さん! 大丈夫ですか!?」

 

いの1番に鈴が駆け寄り、続いて一夏が駆け寄って神美を拘束している縄を切る。

 

「良くもこんな酷い事を!!」

 

「コレが人間のする事かよ!?」

 

グレンラガンとグラパール・弾もそう言い放つ。

 

その間に、一夏と鈴は神美を拘束していた縄を切り、目隠しと猿轡を外す。

 

「小母さん!」

 

「お母さん! 大丈夫!?」

 

「………鈴………一夏くん………」

 

呆然とした様子で、漸く見える様になった視界に、鈴と一夏の姿を確認する神美。

 

「! 駄目よ! 逃げて!! コレは罠よ!!」

 

と、直ぐに慌てた表情となったそう言い放つ。

 

「えっ!?」

 

「如何言う事?」

 

一夏と鈴がそう聞き返した瞬間………

 

グレン団が居る広場の彼方此方の地面が盛り上がり、ハッチの様な物が出現する!!

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

一同が身構えた瞬間、そのハッチが開き………

 

中から中国(〇民〇放)陸軍・歩兵部隊と機甲部隊………

 

そしてIS部隊が出撃して来た!!

 

突如として周辺に出現した中国(人〇解〇)軍によって、グレン団は完全に包囲されてしまう。

 

「!? しまった!? 囲まれたよ!!」

 

「クウッ! まさか中国(〇民〇放)軍が我々の動きを読んでいたとは………」

 

シャルが驚きながらそう言い、ラウラも声を荒げてそう言う。

 

グレン団は、神美を守る様に展開して得物を構えて身構える。

 

そんなグレン団に、無数の銃口や砲門を向けている中国(人〇解〇)軍。

 

と、その包囲網の一角が開けたかと思うと、其処から高級なスーツに身を包んだ人物達が現れる。

 

()政府の支配者、中国共産党中央政治局常務委員会のメンバーだ。

 

「これはこれはグレン団の皆さん。ようこそ御出で頂きました」

 

その中の1人が、グレン団の姿を見ながら笑みを浮かべてそう言い放つ。

 

「やられたわね………私達の行動はお見通しだったってワケ?」

 

動揺を見せない様に、ポーカーフェイスを浮かべながら、楯無がそう尋ねる。

 

「その通りだ」

 

「君達はこういった手段に弱いと言うのは調査済みだよ」

 

すると、別の高官達がゲスな笑みを浮かべてそう言い放つ。

 

「外道が………」

 

「口を慎みたまえ、篠ノ之博士の妹」

 

「自分が如何いう立場に居るのか理解出来ているのかね?」

 

箒が吐き捨てる様に呟くと、また別の高官が不快感も露わにそう言い、中国(〇民〇放)軍部隊が引き金に手を掛ける。

 

「クッ………」

 

「………俺達を如何する積りだ?」

 

箒が悔し気な声を挙げると、今度は一夏がそう問い質した。

 

「決まっている。君達には“取引材料”になって貰う」

 

「取引?」

 

「そう………“()()()()()()()()()取引材料”にな」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

高官の言葉に、驚きを露わにするグレン団。

 

「貴様等! ロージェノム軍と取引する積りか!?」

 

「その通り。君達の身柄を売り渡す代わりに、我々の命は助けて貰える様にとね」

 

ラウラが叫ぶと、高官は然も当然の様にそう言い返す。

 

「そんな取引に、ロージェノム軍が応じる筈は有りませんわ!!」

 

「そうかな? 今まで悉く立ちはだかったグレン団を差し出すと言ったら、喜んで取引に応じてくれたよ」

 

続けてセシリアがそう言い放つが、別の高官がまたゲスな笑みを浮かべてそう言う。

 

「其れに“我が中国の軍備が()()()()手に入る”のだ。彼等にとってもお得な話の筈だよ」

 

「この国は如何なるんですか!?」

 

「そうだよ! 残された人達は!?」

 

グラパール・蘭とダンクーガがそう言うが………

 

「君達は、道を歩く時に蟻を踏まない様に気を付けて歩くのかい?」

 

「尻を拭いた紙は捨てるだろう? 其れと同じだよ!」

 

「………腐ってるわね」

 

「…………」

 

何の迷いも無くそう言い放つ高官達に、簪は吐き捨てた。

 

フランも、ターレットレンズの奥で不快な表情を浮かべている。

 

「国や民なぞ幾らでも湧いて来る、虫の様にな! ハハハハハハハハッ!!」

 

高官の1人が高笑いを挙げると、他の高官達も同じ様に高笑いし始める。

 

「………前々から“いけ好かない連中”だとは思ってたわ………けど! ココまでとは思わなかったわよ!! ()()()()()として恥ずかしい限りよ!!」

 

鈴が怒りを露わにそう叫ぶ。

 

「ふん、小娘が………」

 

高官は、そんな鈴を鼻で嗤う。

 

と………

 

そんな高官達の足元に、ドリルミサイルが命中する!!

 

「!? ヒイッ!?」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

途端に腰砕けとなり、情け無い姿を晒す高官達。

 

「………其れ以上、そのド汚ねぇ口開けんじゃ無え」

 

ドリルミサイルを放った右腕を構えたポーズのまま、グレンラガンが静かに………

 

然れど激しい怒気と殺気が籠った、ドスの利いた声でそう言い放つ。

 

「ヒイイッ!?」

 

高官達は尻餅を着いたまま、ズリズリとグレンラガンから距離を取る。

 

「そ、そんな態度が取れるのも今の内だ!!」

 

「間も無くシトマンドラ様が貴様等を引き取りにいらっしゃる! 貴様等の命も其れまでだ!!」

 

ビビっていながらも、高官達はグレン団に向かってそう叫ぶ。

 

「アニキ! 如何すれば良いんだよ!?」

 

「…………」

 

一夏の問いには答えず、グレンラガンは腕組みをしてジッとその場に立ち尽くすのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

中国編こと鈴編。
何と中国政府が鈴の母親を人質に鈴を脅迫。
更に救出に向かったグレン団をロージェノム軍に売り渡し、自分達の保身を図る。
しかし………
そう上手く行くかどうか………

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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