天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第115話『俺達が行くまで、持ち堪えてみせろよ………』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第115話『俺達が行くまで、持ち堪えてみせろよ………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遂に中()が陥落………

 

残された国家は、アメリカと日本………

 

そして、ロージェノム軍のヴィラルは中()で戦っていたグレン団に………

 

日本総攻撃の予告を言い放った!!

 

その目標は“自衛隊とIS学園だ”と。

 

日本を………

 

延いてはIS学園に残っている友達を守る為………

 

グレン団は再び日本へと向かう………

 

果たして、ロージェノム軍の総攻撃に間に合うのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本・IS学園………

 

職員室………

 

「織斑先生。少し休んでいた方が………」

 

「いや、大丈夫だ山田くん。コレぐらい如何と言う事は無い」

 

デスクワークをしていた真耶が、千冬に向かってそう言う。

 

「でも、その腕じゃあ………」

 

真耶が言う通り、千冬の左腕には包帯が巻かれ、三角巾で首から吊られていた。

 

「利き腕じゃ無い方なんだ、問題無い。山田くんの方こそ、具合は大丈夫なのか?」

 

其処で、千冬はそう問い返す。

 

彼女の言う通り、千冬を心配する真耶も頭に包帯を巻いている。

 

「いえ、このくらい平気です………私以上の目に遭ってる人だって居るんですから………」

 

「…………」

 

真耶のその言葉に、千冬は沈黙する。

 

グレン団が日本から逃亡した“あの日”から、IS学園は日本政府の監視下に置かれ、その戦力は全て自衛隊に組み込まれて“日本防衛の為の戦力”として利用されている。

 

連日、生徒・教師を問わずに誰かしらがISを装着した上で戦場へと駆り出されている。

 

だが、ロージェノム軍の攻撃は日に日に勢いを増しており、教師は兎も角として、()()()()の生徒は撃墜される事も多かった。

 

医務室は満杯状態であり、怪我の軽い者は入院すらも出来ず、“()()()()での療養”を言い渡されている。

 

次々と生徒と教師が動けなくなって行く中、遂には千冬と真耶まで駆り出されたのだが………

 

如何に元“ブリュンヒルデ”と(いえど)も、ココまで劣勢に追い込まれた戦況を押し返す力は無かった………

 

其れに追い撃ちを掛けるかの様な、フランス・ドイツ・イギリス陥落(壊滅)の知らせ。

 

先日は、遂に中()までもが壊滅(陥落)した、と報告が挙がる。

 

絶望しかない状況の中で自衛隊は兎も角、IS学園の生徒と教師の士気は低かった………

 

「………グレン団さえ居てくれれば………」

 

「神谷くん達………無事なんでしょうか?」

 

珍しく弱音を吐く様にそう呟く千冬と、心配する様子を見せる真耶。

 

フランスへ、シャルを救出しに向かったグレン団。

 

しかし、その後間も無く“フランス壊滅(陥落)”の知らせが届いた。

 

グレン団は無事なのか?

 

連絡を取る手段の無い千冬達には、その安否を確かめる術は無い。

 

今、IS学園は瀬戸際に立たされていた………

 

と、その時!!

 

学園内に警報が鳴り響く!!

 

「「!?」」

 

[ロージェノム軍襲来! ロージェノム軍襲来! IS部隊は直ちに出撃!! 非戦闘要員は直ちに地下シェルターへと避難せよ!!]

 

千冬と真耶が驚きながら立ち上がると、校内放送でそう言うアナウンスが流れる。

 

「クソッ! またかっ!?」

 

「織斑先生! 行きましょうっ!!」

 

そう言い合うと、ISが有る格納庫を目指す2人。

 

戦えない教師は、非戦闘要員や負傷した生徒の避難へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後………

 

迎撃に出た、千冬と真耶を中心とするIS学園IS部隊………

 

そして、“護衛”と言う名目で学園を()()していた自衛隊部隊の出撃が完了する。

 

しかし………

 

「な、何だ?………アレは………?」

 

現役時代の愛機であった『暮桜』を如何にか引っ張り出して纏い、学園上空に陣取るIS部隊の先頭に立っていた千冬は、思わず握っていた雪片を落としそうになった。

 

「お、織斑先生………」

 

後ろに居た真耶も顔を青褪めさせており、教師や生徒達は完全に震えている。

 

何故なら………

 

今、彼等の目の前には………

 

海と空を覆い尽くして、IS学園目指して突き進んで来る………

 

ロージェノム軍の大軍勢の姿が在ったからだ!!

 

[此方IS学園警備部隊! ロージェノム軍襲来!! 敵の数が多過ぎて、空と海の色が見えない!! 現在、()()()()()()()()()!! 繰り返す!! 敵が7分に青が3分!!]

 

混線しているのか、通信回線に自衛隊員のモノと思われる通信が流れる。

 

「む、無理だ………あんなの、如何しろ?って言うんだ!?」

 

「私………此処で死ぬの?」

 

「いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」

 

「コラ! 逃げるな!! この腰抜けっ!!」

 

元々士気の低かったIS学園部隊は、見た事も無い大軍勢を前に、とうとう士気崩壊を引き起こし、脱走する者が出始めた。

 

「クッ! 皆落ち着け! 落ち着くんだ!!」

 

千冬は皆を落ち着かせようとするが、その言葉が届いた者は少ない………

 

と、その時………

 

「攻撃開始ぃっ!!」

 

混乱するIS学園の部隊を後目に、自衛隊が攻撃を開始した!!

 

航空自衛隊の戦闘機が先攻し、空対空ミサイル及び空対艦ミサイルを敵飛行部隊と艦隊に目掛けて次々に放つ。

 

飛行していた敵の幾つかが墜落し、艦隊の艦の一部が炎上・轟沈する。

 

しかし、直ぐに其れ以上の敵が押し寄せ、穴が開いた部分を埋めてしまう。

 

続いて、海上に居た護衛艦隊と学園敷地内の至る所に展開していた陸上自衛隊のミサイル部隊からの攻撃が開始される。

 

速射砲とミサイルが次々に押し寄せるロージェノム軍に撃ち込まれるが、ロージェノム軍は損害を全く気にする事無く、ドンドンと進撃して来る。

 

正に“物量作戦”である。

 

そうこうしている内に、戦闘機部隊と護衛艦隊を射程内に収めたのか、ロージェノム軍からの攻撃が開始される。

 

数が数だけに、繰り出される攻撃の密度も凄まじかった。

 

戦闘機は蠅の様に叩き落とされ、護衛艦は紙屑の様に引き裂かれて轟沈する。

 

「だ、駄目です! 相手の数が多過ぎます!!」

 

「クッ! 此方はIS学園の織斑 千冬! 自衛隊指揮所、聞こえるか!? 今直ぐ援軍を要請しろ!! このままでは、物量差で負けるぞ!!」

 

直ぐに、千冬は自衛隊の指揮所に対してそう通信を送る。

 

[此方指揮所! 駄目です! 現在、札幌・東京・大阪・福岡にもロージェノム軍の大軍が出現! 自衛隊は各都市に戦力を分散させて応戦中!! 『援軍は出せない』との事です!!]

 

「!? 何だと!?」

 

だが、指揮所からそう答えが返って来て、千冬は驚愕の声を挙げる。

 

「そんな!? 日本の主要都市にも、ロージェノム軍が!?」

 

「クッ! 何と言う大攻勢だ………ロージェノム軍め。勝負を掛けて来たのか!!」

 

その通信は真耶にも聞こえており、千冬は苦い表情でそう声を荒げる。

 

(考えてみれば当然の事か………世界で“残っている国家”は日本とアメリカのみ………日本を落とし、そのままアメリカをも攻め落とす積りか………そうなれば………人類の負けだ!!)

 

と、千冬がそんな事を考えていた間に………

 

[ロージェノム軍! 第1防衛ラインを突破!! IS学園敷地内に侵入しますっ!!]

 

通信回線にそう言う声が響き渡った。

 

その報告通り、空から来ていたロージェノム軍が学園の敷地内の上空に侵入。

 

そのまま、敷地内に展開していた陸上自衛隊の部隊に向かって爆撃を開始する!!

 

更には、海上にいた軍艦からもミサイル攻撃や砲爆撃が開始される!!

 

爆撃の直撃を受けた機甲部隊の車輌が爆散し、ミサイルの命中した自衛隊員達が蒸発する。

 

「怯むな! 撃て! 撃てぇっ!!」

 

だが、陸上自衛隊は怯まず、対空砲火と地対空ミサイルを撃ち上げる。

 

と其処で今度は、敵艦隊の強襲揚陸艦とその揚陸艦から発進した上陸用舟艇が次々に接岸。

 

ハッチが開くと、ガンメン部隊とレッドショルダー達が上陸を開始する。

 

その途端、海岸に築かれていた防御陣地から機銃と野戦砲の一斉射撃が開始される。

 

弾幕を張って、ガンメン部隊とレッドショルダー達を上陸させまいとする陸上自衛隊。

 

しかし、ガンメン部隊とレッドショルダー達は際限無く次々と上陸に掛かって来ており、とても防ぎ切れるものでは無い。

 

と………

 

防御陣地の1つが、レッドショルダーが放ったソリッドシューターの砲弾を喰らって消し飛ぶ!!

 

弾幕が途切れたその場所から、ガンメン部隊とレッドショルダー達は更に進撃しようとする。

 

消し飛ばされた防御陣地の周辺に在った防御陣地がカバーしようとするが、その分弾幕の密度が薄くなり、新たに吹き飛ばされる防御陣地が出始めた。

 

その悪循環が少し続いたかと思うと、完全に防御陣地は壊滅。

 

ガンメン部隊とレッドショルダー達は、次々と完全上陸を果たす。

 

「クッ! 山田くん! 戦える者は何人残っている!?」

 

「えっと!?………私と織斑先生を含めて、10人です!!」

 

千冬が真耶にそう尋ねると、真耶は学園のIS部隊の方を振り返ってそう答える。

 

先程の士気崩壊で、逃げ出したり恐慌状態に陥った者を除いて、戦闘が可能な者は其れ位しか残っていなかった………

 

「分かった………総員! 戦闘開始だ!!」

 

「「「「「「「「「「りょ、了解!!」」」」」」」」」」

 

千冬の号令に、辛うじて戦闘()可能であった学園のIS部隊は、若干の気後れが有りながらもそう返事を返す。

 

「彼女達に続けぇっ!!」

 

「「「「「「「「「「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」」」

 

更に、其れに続いて自衛隊のIS部隊とグラパール部隊も交戦を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園、そして日本が大攻勢に晒されていた頃………

 

グレン団の乗るインフィニット・ノアは、東シナ海を抜けて太平洋沿岸を進んでいた。

 

「ロージェノム軍は既に日本に大攻勢を掛けた様です………札幌・東京・大阪・福岡、そしてIS学園が同時に襲撃を受けています。自衛隊は各地に戦力を分散させて応戦していますが、戦況は芳しくありません」

 

「オイ、リーロン! もっとスピードは出ねぇのか!?」

 

通信傍受を行っていた虚がそう報告を挙げると、神谷がリーロンに向かって怒鳴る様にそう言う。

 

「コレでも最大()速よ。水中航行じゃ、コレが限界よ」

 

リーロンは冷静にそう言うが、その顔には珍しく焦りが浮かんでいる。

 

「学園の皆は無事なのかな………?」

 

「まさかもう既に………」

 

シャルが不安気にそう呟き、ラウラが最悪の想像を(よぎ)らせる。

 

「皆心配するな! 千冬姉だって居るんだ!! IS学園がそう簡単に()られるかよ!?」

 

皆の不安を払おうと、一夏がそう声を挙げる。

 

「でも、幾ら千冬さんだとしても、連日の出撃で疲弊してる筈よ!」

 

「其れに世界の情勢を鑑みれば………満足に補給が行われているかも怪しいわよ」

 

しかし、鈴と楯無がそう言い、一夏の意見を打ち消す。

 

「そ、其れは………」

 

「お祖父ちゃん………」

 

「お袋………」

 

その言葉に一夏は反論出来ず、蘭と弾は学園に残っている祖父と母親の身を案ずる。

 

「皆………」

 

「ティトリー………」

 

同じ様に不安がっているティトリーの肩に、のほほんが手を置く。

 

「………今は祈るしかない………皆が無事である事を………」

 

箒はそう言って、胸の前で両手を握り締めて、瞳を閉じた。

 

「簪、祈るって?」

 

「………“神に向かってお願いをする事”よ」

 

「神?」

 

「何処にも、存在しないもの………心の中にだけ居る………“()()()()()()幻の全能者”の事よ」

 

「そうか………」

 

(若し今のこの世界を、“神が創り出した”とするなら………私は………例え神にだって従わないわ)

 

フランとそう遣り取りしながら、心の中でそう呟く簪。

 

「我が祖国イギリス………そして、フランス・ドイツ・中国………今までは、どの国も守る事は出来ませんでした」

 

セシリアは今までの戦いを思い返す。

 

「だからこそ………せめて日本………()()()()だけは守らなくちゃいけないんだ! 彼処は“俺達の思い出が一杯詰まった場所”なんだからな!!」

 

其れに続く様に一夏がそう叫ぶ。

 

「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」

 

その言葉に、一同は決意を固める様に拳を握り締める。

 

(千冬………俺達が行くまで、持ち堪えてみせろよ………)

 

そして神谷は、心の中でそう思い遣るのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、IS学園の地上では………

 

「グウッ!?」

 

千冬が声を挙げた瞬間、右の非固定浮遊部位が爆散する。

 

「キャアッ!?」

 

更にその近くでも、真耶が左腕の実体シールドを破壊されてバランスを崩す。

 

「山田くん! 大丈夫か!?」

 

その真耶を左腕で受け止めると、飛び掛かって来たゴズーを右手の雪片で斬り捨てる。

 

「ハ、ハイ………すみません………」

 

「キャアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!?」

 

と、真耶が千冬に返事を返した瞬間、上空から悲鳴が聞こえて来る。

 

「「!?」」

 

2人が驚きながら見上げると、黒煙を曳きながら墜落して行く打鉄を纏った生徒の姿が在った。

 

「ああっ!?」

 

「クッ! 1人落ちたぞ!! 誰か回収を!!」

 

[私が行きます!!]

 

真耶が悲鳴の様な声を挙げ、千冬が慌てて通信機を取ってそう言うと、直ぐに返事が返って来る。

 

墜落した生徒を、ISの損傷が大きい教師が回収して撤退して行く。

 

「ヒャッハーッ! 死ねぇっ!!」

 

相変わらず世紀末しているレッドショルダーが、弾幕を張っていたグラパール達に向かって、ショルダーミサイルガンポッドを撃ち込む!

 

「「「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」」」

 

直撃を受けたグラパール達が、装着者ごとバラバラに爆散する。

 

「ううっ!?」

 

「山田くん! 君も下がれ!! 此処は私が引き受ける!!」

 

スプラッタな光景を見続けて今のがトドメとなったのか、顔を真っ青にして動けなくなった真耶に向かって千冬はそう言い放つと、自ら最前線へと躍り出る。

 

「聞けっ! ケダモノの獣人共に()()()()()()のレッドショルダー! 私はブリュンヒルデの織斑 千冬だ!! この私が居る限り! お前達の好きにはさせん!!」

 

そして、ワザと注目を集める様、声高にそう叫んだ!!

 

「織斑 千冬だ! 殺せぇっ!!」

 

「奴を倒せばこの学園は手に入ったも同然だぁ!!」

 

途端に、ガンメン部隊とレッドショルダー達は千冬へと群がって行く。

 

「そうだ! 来い!! 私を狙って来い!!」

 

千冬はそう言い放ち、群がる軍団の中へと自ら飛び込んで行く!!

 

「でやああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

「ぐぎゃああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!?」

 

気合の掛け声と共に、メズー1体を唐竹割りにする。

 

「でりゃあああああぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

続いて返す刀で、今度はングーを斬り捨てる!!

 

「死ねぇっ!!」

 

と其処で、ブラッディライフルを装備したレッドショルダーが、千冬に弾丸を見舞う!

 

「!!」

 

千冬は、近場に居たカノン・ガノンを左手で捕まえたかと思うと、そのまま弾除けの盾にする!!

 

「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

盾にされたカノン・ガノンが、蜂の巣になって爆散する。

 

「ふうっ!!」

 

その爆発を突っ切り、千冬は雪片を蜻蛉に構えて、ブラッディライフルを装備したレッドショルダーに突っ込む!!

 

そのまま肩からの当身を喰らわせる。

 

「ぐあがっ!?」

 

「チエアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

そして体勢が崩れた処を一閃する!!

 

「げぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

絶対防御をも突き破り、身体ごとISを真っ二つにされたレッドショルダーは、自爆の爆発で蒸発する。

 

「ヒャッハーッ!!」

 

しかし、別の方向に居たペンタトルーパーを構えていたレッドショルダーが、千冬目掛けて徹甲弾を放つ!!

 

「グッ!?」

 

咄嗟に左腕パーツを構えて防御するも、ペンタトルーパーの銃弾は左腕パーツに深く突き刺さり、その機能を止める。

 

「チイッ!!」

 

機能の止まった左腕パーツを、ペンタトルーパーを装備したレッドショルダーに向かって投げる様に射出する千冬。

 

「なろぉっ!!」

 

ペンタトルーパーを装備したレッドショルダーは、アームパンチで飛んで来た左腕パーツを弾く。

 

その間に距離を取った千冬だったが………

 

「シャアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」

 

其処で1機のシャクーが、千冬の背に圧し掛かった!!

 

「!? しまっ………」

 

「ガブウッ!!」

 

千冬が振り(ほど)こうとするよりも早く、シャクーはその大きく鋭い牙が生え揃った口で千冬の右肩に噛み付く!!

 

「!? うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!?」

 

絶対防御を突き抜け、シャクーの牙が千冬の右肩に深く喰い込む!!

 

「ぐううっ! ハアアッ!!」

 

右肩から夥しく流血しながらも、シャクーに雪片の刃を突き刺す千冬。

 

「!? ゲバァッ!?」

 

「フンッ!」

 

そしてそのまま、シャクーを突き刺したまま振るい、投げ飛ばす。

 

「ぐあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

投げ飛ばされたシャクーがぶつかったゴズーが、一緒に爆散する。

 

「くたばれぇっ! ブリュンヒルデ!!」

 

と其処へ、ソリッドシューターを装備したレッドショルダーが千冬に砲弾を放つ!!

 

「!? グウッ!? 肩が………」

 

肩の痛みが襲い掛かって一瞬反応が遅れた千冬は、回避が間に合わず直撃を喰らう。

 

「織斑先生っ!!」

 

「やったぜ! ブリュンヒルデを倒したぞ!!」

 

悲鳴の様な声を挙げる真耶と、勝ち誇るソリッドシューターを装備したレッドショルダー。

 

だが………

 

「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」

 

爆発で上がった黒煙の中から、頭から流血して顔が自分の血で真っ赤に染まっている千冬が飛び出して来たかと思うと、渾身の突きをソリッドシューターを装備したレッドショルダーに喰らわせた!!

 

「!? ゲボアッ!?」

 

雪片の刃がソリッドシューターを装備したレッドショルダーの腹を突き抜け、背中へと貫通する。

 

「! この………クソがぁっ!!」

 

だがその瞬間!!

 

吐血していたソリッドシューターを装備したレッドショルダーは、千冬の身体を抑え込んだ!!

 

「!?」

 

慌てて振り解こうとした千冬だったが、次の瞬間にレッドショルダーはISの自爆装置が作動!

 

千冬は再び爆炎に呑まれた!!

 

「!? ああっ!?」

 

またもや悲鳴を挙げる真耶。

 

しかし、またも爆煙の中から千冬は姿を現す。

 

「! ゲボッ………!?」

 

だが、流石に無傷では無く大出血している左脇腹を左手で抑えており、吐血したかと思うと、雪片を杖にして片膝を突く。

 

「ハア………ハア………ハア………クソッ………」

 

「満身創痍だな………織斑 千冬」

 

「!?」

 

息も絶え絶えになっていた千冬に、そう声を掛ける者が居り、千冬が顔を上げると其処には………

 

「流石のブリュンヒルデもココまでの様だな………」

 

右手に握った槍の柄を地面に突いて堂々と佇んでいる、四天王の1人チミルフの駆るカスタムガンメン・ビャコウの姿が在った。

 

「! 四天王!!」

 

脇腹、そして全身の痛みを無視して立ち上がると、雪片を構え直す千冬だったが………

 

次の瞬間、地響きと共にチミルフのダイガン・ダイガンザンが現れる。

 

「!? ダイガンザンまで!!」

 

[其れだけじゃ無いよぉ、織斑 千冬]

 

驚く千冬の耳にそう言う声が響き渡ったかと思うと、海からダイガンカイが現れてIS学園の敷地に上陸する。

 

[ふはははははっ! 如何だ、この圧倒的戦力は!!]

 

[人間共。教えてやる………これが“絶望”と言うモノじゃ]

 

更に、上空にはダイガンテンが出現したかと思えば、地面を突き破る様にしてダイガンドまでもが現れる。

 

「!?」

 

「ダ、ダイガンが集結!?」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

千冬と真耶が驚愕の表情を浮かべ、学園のIS部隊も自衛隊も呆然となる。

 

「織斑 千冬。貴様に殺された部下達の為………そして我等が螺旋王様の為に! その命! 貰い受けるぞ!!」

 

と其処でビャコウは、右手の槍の切っ先を千冬に突き付け、そう言い放った。

 

「! 何をぅ! 私は負けん!! 負けられ無いのだぁっ!!」

 

千冬は自らを奮い立たせる様にそう叫び、雪片を両手で握り、残る全ての力を籠めて、ビャコウに斬り掛かる!!

 

(四天王を1人でも倒せれば!!)

 

「ぬうううんっ!!」

 

千冬の雪片と、ビャコウの槍がぶつかり合う!!

 

火花を散らし、鍔迫り合いを展開する!!

 

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!」

 

気迫に任せて押し切ろうとする千冬だったが………

 

その次の瞬間!

 

限界を超えていた雪片が、粉々に砕け散った!!

 

「!? 雪片!!」

 

「貰ったぞ! 破軍の刃槍(アルカイド・グレイヴ)ッ!!」

 

その瞬間、ビャコウは槍の刃にビームを展開!!

 

千冬に強烈な突きを喰らわせた!!

 

「!? があああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

千冬は吹き飛ばされ、10式戦車の残骸へと突っ込む!!

 

「が、あ………」

 

最後に呻き声を漏らすと、暮桜が完全に機能を停止する………

 

「! 織斑先生!!」

 

「千冬さんが………負けた!?」

 

「もう駄目だ! IS学園は! 日本は! 世界は終わりだぁっ!!」

 

千冬の敗北に、遂に完全な士気崩壊が始まる。

 

「ココまで良く戦ったと褒めてやろう………だが、コレで終わりだ」

 

ビャコウは、千冬にトドメを刺そうと近付いて行く。

 

(………ココまでか)

 

霞む意識の中でゆっくりと近付いて来るビャコウを見ながら、千冬は諦めを感じる………

 

と、その時!!

 

上空から『何か』が急降下して来て、ビャコウと千冬の間の地面に突き刺さった!!

 

「!? ぬうっ!?」

 

「!?」

 

発生した衝撃波に若干たじろぐビャコウと、驚きで急激に意識を回復させる千冬。

 

やがて舞い上がっていた土煙が収まり、姿を現したのは………

 

「………お待たせ、ちーちゃん」

 

「戦闘を開始します………」

 

“見た事も無いIS”を纏った、束とくーの姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

遂に開始されたロージェノム軍の日本大攻勢。
自衛隊、IS学園のIS部隊は次々に撃破され、遂には千冬も倒れる。
絶体絶命の状況の中、現れたのは………
束とくー!?
果たしてグレン団は間に合うのか!?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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