天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第116話『でも………そう簡単には行かないよ』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第116話『でも………そう簡単には行かないよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遂に、日本に対し総攻撃を開始したロージェノム軍。

 

IS学園にも今までに無い大部隊が現れ、破壊と殺戮を繰り広げる。

 

千冬や真耶を初めとしたIS学園のIS部隊………

 

そして学園を警護していた自衛隊は果敢に応戦するが………

 

既にアメリカと日本を除く全ての国家を陥落させ、戦力を整えていたロージェノム軍の圧倒的物量の前に押される………

 

連日の出撃でISは満足な整備を受けられず、装着者達も怪我が癒えていない者が多かった事も起因していた。

 

そんな中でも、千冬は現役時代の愛機『暮桜』を引っ張り出し、学園を、同僚を、生徒を守る為に奮戦する。

 

だが、満身創痍も同然となった所へ四天王が1人『チミルフ』のカスタムガンメン『ビャコウ』が現れる。

 

更には、そのダイガンであるダイガンザンも出現し、他の四天王が乗るダイガン達まで出現する。

 

その攻撃の前に、雪片は砕かれ暮桜も機能を停止し、遂に千冬は倒れる………

 

最早絶体絶命か?と思われたその時、現れたのは………

 

“見た事も無いIS”を纏った、束とくーだった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園・敷地内………

 

「た、束………」

 

「ちーちゃん! しっかりして!!」

 

ボロボロの千冬を助け起こす束。

 

「束………お前………そのISは………?」

 

しかし、千冬は束が纏っているISに目が行く。

 

胸から肩に掛けて大きくせり出しており、背中から後頭部を覆う様に突起が伸びている。

 

背面には大型のスラスターが在り、大きな上半身に合わせて脚部も大型である。

 

機体色は赤系を基調とし、曲線の多いデザインとなっている。

 

そして、過剰に刺々しい外見をしている。

 

「………この束さんが、“()()()()IS”を用意して無いとでも思ってたの?」

 

束は、不敵に笑いながらそう言い放つ。

 

()()()………()()だと?」

 

「そう………コレが束さんのIS………究極IS! その名も『ヴァルシオン』!!」

 

まるで宣言するかの様に、束は自分のIS………『ヴァルシオン』をそう紹介した。

 

「お、織斑先生!!」

 

と其処で、呆然としていた学園のIS部隊の中で逸早く我に返った真耶が近寄って来る。

 

「確か、山田 真耶さんでしたね? ちーちゃんをお願いします」

 

すると束は、助け起こしていた千冬を真耶に預ける。

 

「えっ!? あ! ハイッ!!」

 

一瞬驚いたものの、直ぐに千冬を受け取って後方へと下がる真耶。

 

「さ~て………行くよ、くーちゃん!」

 

「ハイ………あの………束様………」

 

と、其れを見届けた束はくーと共に敵へ向かおうとするが、くーが何か言いた気な様子を見せる。

 

「ん? 如何したの? くーちゃん?」

 

「私のISの“デザイン”なのですが………その………少し………派手では無いでしょうか?」

 

若干照れている様子を見せながら、くーは束にそう言う。

 

今彼女が纏っているISは、“()()()()()()()IS”だった。

 

何と言うか………『バトルアーマーを着たピンク髪の少女』である。

 

「ええ~!? そんな事無いよ~! その『ヴァルシオーネ』は、紅椿と同じで“束さんの自信作”なんだから!!」

 

「ですが、その………この“ウィッグ(カツラ)”には何か意味が有るのですか?」

 

くーは、頭に被っているピンク色のロングヘアのウィッグ(カツラ)を示しながらそう尋ねる。

 

「勿論! 放熱機構兼スタビライザーの役割を果たしてるんだよ!! いや~! 髪の毛みたいにするのには苦労したよ~!!」

 

「………もう良いです」

 

やがて、くーは諦めた様に溜息を吐きながらそう呟くのだった。

 

「漫才は終わったのか?」

 

と、律儀に一連の遣り取りを待っていたビャコウが、束とくーにそう言い放つ。

 

「態々待っててくれたなんて、優しいんだね~」

 

「“正面から相手を叩き潰す”事こそがこのチミルフの矜持よ。其れに()()篠ノ之 束の作った“究極のIS”とやらを正面から叩き潰せば、人間共は絶望するだろうからな」

 

「ふ~ん、成程ね………でも………そう簡単には行かないよ」

 

束はそう呟き、右手に柄が長く長巻の様な形状をした剣『ディバイン・アーム』を握る。

 

「倒されるのは貴方です」

 

くーもそう言うと、両手にナイフ状の武器『コールドメタルナイフ』を逆手に握る。

 

と、其処で………

 

「チミルフ様!」

 

ビャコウの後方に控えていたダイガンザンのカタパルトアームが動いたかと思うと、“何か”が投擲されてビャコウの傍に降り立つ!

 

其れは、ヴィラルのエンキドゥドゥだった。

 

「ヴィラル!? 手出しは無用じゃ! 下がっておれ!!」

 

「申し訳ございません。ですが、螺旋王様からのご命令です。“篠ノ之 束は確実に殺せ”と」

 

そう怒鳴るビャコウだったが、エンキドゥドゥはそう返す。

 

「ぬう、螺旋王様のご命令と在っては仕方無い」

 

「別に良いよ。1体でも2体でも好きに掛かって来れば?」

 

不満気にしながらも命令に従うビャコウに、束は挑発するかの様にそう言い放つ。

 

「黙れい! その減らず口………今に叩けぬ様にしてくれるわぁ!!」

 

ビャコウはそう言い放つと、束に向かって行く。

 

「チミルフ様! 援護を………!!」

 

「貴方の相手は私です」

 

そのビャコウを掩護しようとするエンキドゥドゥの前には、くーが立ちはだかる。

 

「チイッ! 雑魚は引っ込んでろ!!」

 

「………聞き捨てなりませんね」

 

エンキドゥドゥの言葉に、少々気分を害した様子を見せながら、交戦を開始するくーだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

IS学園を取り囲んでいる四天王のダイガン達は………

 

「チッ! チミルフの奴………何まどろっこしい事やってんだい!?」

 

「なまじ“武人”じゃからのう。敵とは正面から戦わんと気が済まんのじゃろ?」

 

「下らん! そもそも、下等な人間共が我等と対等だ、なぞと考えるのが間違いなのだ!!」

 

アディーネ・グアーム・シトマンドラは口々にそう言い放つ。

 

「ま、仕方無いね。篠ノ之 束はアイツに譲ってやろうじゃないか」

 

「そうじゃのう。では、ワシ等は………」

 

「猿共とこの学園を破壊してくれるわ!!」

 

すると標的を、残っている自衛隊と学園のIS部隊。

 

そして学園そのものに決め、攻撃を再開しようとする。

 

「人間共め! 纏めて吹き飛ぶが良い!!」

 

と、シトマンドラがそう言い放つと、ダイガンテン下部に装備されていた超大型ミサイル2発の内、1発をIS学園目掛けて発射する!!

 

白煙の尾を曳きながら学園へと向かう超大型ミサイル。

 

と、その次の瞬間!!

 

一閃が煌いたかと思うと、超大型ミサイルが真っ二つとなり、空中で爆散した!!

 

「!? 何ぃっ!?」

 

「!? 何だい!?」

 

「むっ!?」

 

其れにシトマンドラ・アディーネ・グアームが反応すると………

 

旋風が巻き起こり、木の葉が舞ったかと思うと、シュピーゲルを装着しているシュバルツが姿を現す!!

 

「やらせはせんぞ! 四天王!!」

 

「シュバルツ・シュヴェスター!!」

 

「オノレェッ! またも貴様か!!」

 

シュバルツがそう言い放つと、アディーネとシトマンドラがそう声を挙げる。

 

「おやおや、未だ生きていたのか? とっくにくたばったかと思っていたぞ」

 

しかし、グアームだけはそんな事を言い放つ。

 

「黙れ! この身体動く限り! 貴様等の野望を阻止して見せる!!」

 

そう言い放つシュバルツだったが、その身体とシュピーゲルはボロボロの状態になっている。

 

グレン団が日本から脱出した後、彼女はその代わりを務めるかの様に日本に侵攻して来たロージェノム軍との戦闘に参加する様になっていた。

 

だが連日の戦闘で、流石のシュバルツも無傷のままとは行かず、何度かは手酷い傷を負っている。

 

しかし、その負傷を押して、シュバルツは前線に立ち続けたのだ。

 

「ふん、その強がりが何時まで続くかのう………」

 

「攻撃開始!!」

 

「目標! シュバルツ・シュヴェスター!!」

 

グアーム・シトマンドラ・アディーネがそう言い放つと、ダイガンド・ダイガンテン・ダイガンカイは、シュバルツへ集中攻撃を開始する!!

 

更に、飛行型ガンメンも群がって行く。

 

「シュトゥルム! ウント! ドランクウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーッ!!」

 

シュバルツは必殺のシュトゥルム・ウント・ドランクを繰り出し、次々に飛行型ガンメンを斬り捨てて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、地上では………

 

ヴァルシオンVSビャコウ………

 

「クロスマッシャーッ!!」

 

ビャコウ目掛けて、手の甲の突起から赤と青の二条のビームが螺旋状に絡み合った光線・クロスマッシャーを放つ束。

 

「ぬうううっ!?」

 

ビャコウは槍の先端で受け止める。

 

しかし、受け止め切れずにビャコウの身体が下がって行く。

 

「ぬうううっ! でええええええいっ!!」

 

だが、気合を入れて槍を上へと振るうと、クロスマッシャーは弾かれて空の彼方へと消える。

 

「ふ~ん、やるねぇ」

 

「今度はコチラから行くぞぉっ!!」

 

余裕綽々な束に、ビャコウが飛び掛かる。

 

「セイヤアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

気合の掛け声と共に、ビーム刃を展開させた槍での連続突きを繰り出す!

 

しかし、その攻撃は全てヴァルシオンの装甲を突き抜けない。

 

「ぬうっ!? 何という装甲だ!?」

 

「当ったり前だよ! 伊達に束さんの専用ISじゃ無いんだから!!」

 

と束がそう言い、ディバイン・アームを振るう。

 

「!? ぬうっ!!」

 

一瞬早く後退して避けるビャコウ。

 

外れたディバイン・アームは、そのまま地面を爆ぜさせる。

 

そして、発生した衝撃波がビャコウに襲い掛かる。

 

「!? ぬおおおっ!?」

 

大したダメージでは無かったが、バランスを崩して地面の上を転がるビャコウ。

 

「只の斬撃の衝撃波でココまでの威力とは………」

 

「驚くのは未だ早いよ」

 

と束がそう言ったかと思うと、ヴァルシオンの背部に装備されていた大型スラスターと突起物が一部変形。

 

その部分にエネルギーの様な物が集まり出したかと思うと、重力の竜巻が発生する!

 

「ぐうっ!? ひ、引き寄せられる!?」

 

「チミルフ様! 危ないっ!!」

 

と、その竜巻によってビャコウが引き寄せられそうになった瞬間、1機のゴズーがビャコウを突き飛ばす。

 

突き飛ばしたゴズーは代わりに竜巻に捕まり、ヴァルシオンの許へと引き寄せられる!

 

「メガ・グラビトンウェーブッ!!」

 

その引き寄せられて来たゴズーへ向けて、束は指向性の重力波、メガ・グラビトンウェーブを浴びせる!!

 

「ぐがぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!?」

 

ゴズーは押し潰される様に変形して行き、遂には爆発・四散した!!

 

「ぬうっ!? 今のは!? “重力制御”だとでも言うのか!?」

 

「さあ、如何するの、四天王さん? 降参するなら今の内だよ!?」

 

戦慄するビャコウに向かって、束は小馬鹿にする様にそう言い放つ。

 

(出来ればそうしてくれると良いなぁ………この“ヴァルシオンの()()”に気付く前に………)

 

だが、束は内心で焦りを感じていた。

 

何故ならば、このヴァルシオンには“弱点”が存在するのである………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方………

 

ヴァルシオーネVSエンキドゥドゥ側は………

 

「シッ!!」

 

素早い踏み込みでエンキドゥドゥの懐に潜り込み、両手に逆手で握っていたゴールドメタルソードを振るうくー。

 

「甘いっ!!」

 

しかし、エンキドゥドゥは両腕のエンキソードで受け止める。

 

「くうっ」

 

パワーに任せて押し切ろうとするくーだったが………

 

「忘れていないか? このエンキドゥドゥの腕は()()有るのだぞ!!」

 

エンキドゥドゥは、残った2本の腕に握っていたエンキソードをくーの頭上から振るう!

 

「!?」

 

慌ててゴールドメタルソードを手放して後退するくー。

 

エンキドゥドゥが振るったエンキソードは、空中に残っていたゴールドメタルソードを真っ二つにする。

 

「…………」

 

くーは無言のまま、今度は両手にG・リボルヴァーを出現させ、エンキドゥドゥ目掛けて連射する。

 

「そんなものでぇっ!!」

 

しかし、エンキドゥドゥは装甲で弾丸を弾きながらくー目掛けて突撃する。

 

「死ねぇっ!!」

 

「!!」

 

4本のエンキソードが振られた瞬間、くーは上へ跳び上がる。

 

「なら………コレで如何です?」

 

そしてG・リボルヴァーを投げ捨てると、今度はハイパー・ビームキャノンを取り出し、頭上からエンキドゥドゥ目掛けてビームを放つ!!

 

「ぬうんっ!!」

 

しかし何と!

 

エンキドゥドゥはエンキソードを振るい、ビームを斬り払う。

 

「クロス………マッシャーッ!」

 

だがその攻撃は“囮”だった様で、直後にくーは両手からヴァルシオンと同じ光線・クロスマッシャーを放つ。

 

「!? ぬおわぁっ!?」

 

直撃を喰らい、大きくブッ飛ばされるエンキドゥドゥ。

 

「チイッ!!」

 

しかし、ブッ飛ばされていた空中で姿勢を整え、着地する。

 

「小癪なっ!!」

 

エンキドゥドゥは、下の方の両腕からエンキカウンター、両肩からミサイルを一斉発射する。

 

「チイッ!」

 

エンキカウンターは躱すくーだったが、ミサイルが誘導で後を追って来る。

 

「サイコ………ブラスターッ!!」

 

するとくーは、両手にエネルギーを集めてその場で高速回転!

 

エネルギーが渦を巻いて周りに放出され、ミサイルを撃墜する。

 

「ふうっ」

 

「隙有りっ!!」

 

其れを確認して回転を止めた直後、エンキドゥドゥが背後からエンキソードの四刀流で斬り付けた!!

 

「!!」

 

装甲が一部飛び散って、くーは地面に叩き付けられる!!

 

「トドメだぁっ!!」

 

すると、エンキドゥドゥはエンキソードを全て逆手に構え、そのまま急降下してくーを串刺しにしようとする。

 

「! クロス………マッシャーッ!!」

 

だがくーは、地面に叩き付けられた状態のままでクロスマッシャーを放つ!

 

「!? チイッ!?」

 

間一髪回避行動を取ったエンキドゥドゥの直ぐ横を、クロスマッシャーが通り過ぎて行く!

 

一旦地面へと着地を決めるエンキドゥドゥ。

 

「やるな、貴様………“篠ノ之 束のオマケ”では無い、と言う事か」

 

()()()()()………気安く束様の名前を呼ばないで下さい」

 

そう言い放つエンキドゥドゥに、くーは毒舌を返す。

 

「フンッ………デカい口を叩けるのも………今の内だぁっ!!」

 

其処でエンキドゥドゥは、くー目掛けて突進する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして………

 

IS学園の上空では………

 

「そらそらそらそらそらあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」

 

気合の掛け声と共に、メッサーグランツを次々に投擲するシュバルツ。

 

「「「「「「「「「「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」」」」」」」」」」

 

メッサーグランツが針鼠の様に突き刺さった飛行型ガンメン達が、断末魔の叫びと共に次々に爆散して行く。

 

「落ちなっ!!」

 

と其処で、ダイガンカイの装甲の一部が展開し、VLSの様にミサイルが撃ち上げられる。

 

「むっ!? ハアアッ!!」

 

迫り来るミサイルを確認したシュバルツは、そのミサイル群に向かってアイアンネットを放つ。

 

「ハアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」

 

アイアンネットによってミサイルを全て捕縛すると、シュバルツはそのアイアンネットを振り回し、ダイガンテン目掛けて投げ付ける。

 

「ふん! 甘いわっ!!」

 

しかし、シトマンドラがそう言ったかと思うと、飛行型ガンメン達がダイガンテンの前に展開。

 

アイアンネットで纏められいたミサイルは、ダイガンテンの手前で飛行型ガンメン達にぶつかって爆発する。

 

「! 味方を盾に使うか!?」

 

「我等の命は螺旋王様の物!!」

 

「その為に死ぬならば本望だ!!」

 

その様に怒りの様子を見せるシュバルツだったが、他ならぬガンメン部隊からそう言う声が返って来る。

 

「死ね! シュバルツ・シュヴェスターッ!!」

 

と其処でシトマンドラがそう叫ぶと、ダイガンテン下部に装備されていた大型ミサイルがシュバルツ目掛けて発射される!

 

「!? ぐうっ!?」

 

その巨大さからは信じられ無いスピードで迫って来た大型ミサイルはシュバルツにぶつかると、そのまま味方の飛行型ガンメン達を巻き込みながら飛んで行く。

 

「ぐううっ! ぬあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」

 

しかし、シュバルツは気合を入れて大型ミサイルを受け止めると、そのままダイガンテンに向かって投げ返した!!

 

「フハハハハハッ!!」

 

だが、シトマンドラは笑いながらもう1発の大型ミサイルを発射。

 

投げ返された大型ミサイルは、新たに発射された大型ミサイルとぶつかり、またも飛行型ガンメン達を多数巻き込んで大爆発する。

 

「ハア………ハア………ハア………ハア………」

 

度重なる連戦を続けて来た為、流石のシュバルツも息切れをしていた。

 

と、その時!!

 

巨大なエネルギーの竜巻が発生する!!

 

「!? ぬうあっ!?」

 

息切れをしていた為に反応が遅れたシュバルツは、その竜巻に呑まれてしまう。

 

「ハーッハッハッ! 回れ、回れ! 殺人回転木馬!!」

 

その竜巻を発生させていた、ダイガンドのグアームがそう声を挙げる。

 

「イ、イカン! このままでは………グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

何とか脱出を試みるシュバルツだったが、ダメージの蓄積した今の身体では、殺人回転木馬からの脱出は難しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃………

 

ヴァルシオンVSビャコウ戦は………

 

「ぬうう」

 

束のヴァルシオンを攻め(あぐ)ねているビャコウは、槍を構えて摺り足で慎重に移動しながら隙を窺っている。

 

「さあさあ、如何したの? ビビってるの? だったらとっととお家に帰りなさい!」

 

そんなビャコウに向かって、束はまたも挑発をする。

 

(………何故、ヤツは先程から“煽り立てる様な言葉”を続けている? 其れ程までに、己の腕とISに“()()が有る”と言うのか?)

 

と其処で、ビャコウは束の様子にふと疑問を感じる。

 

そして、改めてヴァルシオンの姿を念入りに観察する。

 

(!? 若しや!?)

 

そして、“と或る事”に気付く。

 

(………試してみるか)

 

そう考えると、ビャコウは“飛び掛かろうとしている様な体勢”を取る。

 

「おっ!? またやる気? 何度やっても無駄だよ!」

 

「…………」

 

束がそう言い放つが、ビャコウは無言のまま槍を構えて体勢を取り続ける。

 

「! チエアアアアアアアアァァァァァァァァァーーーーーーーーーーッ!!」

 

そして、遂に束目掛けて飛び掛かる!!

 

「貰ったよ!!」

 

その飛び掛かって来たビャコウ目掛けて、クロスマッシャーを見舞おうとする束。

 

その瞬間!!

 

「! 其処だ!!」

 

飛び掛かると思われていたビャコウは、槍を“棒高跳びの棒”の様に使って束の更に頭上を取る!!

 

「えっ!?」

 

慌てて上半身を仰け反らそうとする束だったが………

 

「遅いっ!!」

 

其れよりも早く、ビャコウが引き戻した槍の1撃が、背部のスラスターとボディ装甲の隙間に突き刺さる!!

 

「!? ぐうっ!?」

 

「断罪の焔(コンデム・ブレイズ)ッ!!」

 

更に、ビャコウはその状態で断罪の焔(コンデム・ブレイズ)を放った!!

 

「!? キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

ヴァルシオンのボディから爆発が上がり、背部のスラスターが脱落した!!

 

「ぐううっ!?」

 

両手を突いて地面に倒れる束。

 

「やはり思った通りだな………」

 

そんな束の前に、ビャコウがそんな事を言いながら着地する。

 

「そのIS………装甲を厚くし過ぎた余り、腕部の稼動範囲が狭くなっているな?」

 

「!?」

 

ビャコウの言葉に、束は驚いた様子を見せる。

 

「更に言えば、篠ノ之 束………如何に貴様が“ISの生みの親”だとしても、()()()()()()()………オマケにエネルギーの消費も激しい、と見た」

 

「………参ったなぁ………まさか見破られちゃうなんて………」

 

ペラペラとそう言い放つビャコウに、束は自嘲する様な笑みを浮かべる。

 

「ふん! 舐めて貰っては困る! このチミルフ! 腕っ節()()で四天王として立っているワケでは無いわ!!」

 

ビャコウがそう言い放ち、また槍を片手で頭上で回転させる。

 

「最早貴様なぞ敵では無いわ!!」

 

そしてそう言い放ったかと思うと、素早く束へと接近!

 

そのまま槍を振り上げて、束を上空へと叩き上げる!

 

「ぐううっ!?」

 

「トドメだ! 破軍の刃槍(アルカイド・グレイヴ)ッ!!」

 

そして其れよりも高く跳び上がったビャコウが、槍の先端にビーム刃を出現させると、其れをヴァルシオンに突き刺して地面目掛けて一気に降下した!!

 

束はそのまま、地面に叩き付けられ、巨大なクレーターを形成する!

 

「キャアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!?」

 

断末魔の叫びの様な悲鳴が木霊したかと思うと、束は脱力したかの様にガックリとなって、ヴァルシオンの装着が解除される。

 

幸い絶対防御は貫かれなかった様で、身体はボロボロだが未だ息は有る。

 

「!? 束様!!」

 

「隙有りっ!!」

 

エンキドゥドゥと戦っていたくーが其れに気付くが、その瞬間に隙を晒してしまい、エンキソードの斬撃を真面に喰らってしまう。

 

「ガッ!?」

 

「そらそらそらそらそらそらああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!」

 

そのまま連続斬りを繰り出し、次々にくーを斬り付けるエンキドゥドゥ。

 

「あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!?」

 

くーの悲鳴と共に、ヴァルシオーネの装甲が飛び散って行く。

 

「死ねええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」

 

トドメとばかりに、エンキドゥドゥは4本のエンキソード全てを振り被り、一気に振り下ろす!

 

「!? うわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

装甲の破片を飛び散らせながら、くーはブッ飛ばされて地面の上を転がった。

 

「…………」

 

気を失ってしまったのか、ピクリとも動かない。

 

「く、くーちゃん………」

 

如何にか首だけ動かして、そのくーの姿を確認する束。

 

その次の瞬間!!

 

上空から何かが落ちて来て、地面に激突する!!

 

「!?」

 

「む、ぐうっ………!」

 

其れは、纏っているシュピーゲル共々ボロボロの状態にされているシュバルツだった。

 

辛うじて立ち上がるものの、最早戦闘を続けられる様な状態では無い。

 

「シュバルツ・シュヴェスターまで………」

 

「終わりだな、篠ノ之 束」

 

そう呟く束に、ビャコウが槍の先端を突き付ける。

 

「貴様に恨みは無いが、螺旋王様の為! その命、貰い受ける!!」

 

そう言って、槍を両手で構えるビャコウ。

 

「! 束ぇっ!!」

 

「織斑先生! 駄目です!!」

 

後方に連れて行かれていた千冬が助けに行こうとするが、真耶に止められる。

 

「…………」

 

と、束はそんなビャコウの姿を一瞬見た後、静かに目を閉じた。

 

「ん? 覚悟を決めたか? 良い度胸だ」

 

「そんなワケ無いじゃん。()()()()()()()だけだよ」

 

「何?」

 

束の言っている意味が分からず、ビャコウは首を捻る。

 

「………()()()()()()よ。後はお願い………」

 

しかし、束はそんなビャコウを無視してそう呟く。

 

「………『グレン団』」

 

その瞬間!!

 

「「燃える男達のぉっ!!」」

 

そう言う叫びが木霊したかと思うと、太陽に2つの人影が掛かる!!

 

「!?」

 

「「火の車キイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーックッ!!」」

 

ビャコウが其れに気付いた瞬間!!

 

人影は炎に包まれて、ダブルキックを見舞って来た!!

 

「のうわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

真面に喰らったビャコウは大きくブッ飛ばされる!!

 

「!?」

 

その光景にエンキドゥドゥが驚きを示した瞬間!!

 

「待たせたな!」

 

「真打ち登場だぜ!!」

 

そう言う台詞と共に、グレンラガンと白神を纏った一夏が現れた!!

 

更に、箒・セシリア・鈴・シャル・ラウラ・フラン・楯無・簪・グラパール・弾、グラパール・蘭、ファイナルダンクーガも姿を現す!

 

「!!」

 

「グレン団!!」

 

その姿を見た千冬と真耶が驚愕を露わにする。

 

「来たか、グレン団………そして! 天上 神谷!!」

 

そんな中で、エンキドゥドゥがグレンラガンの姿を見てそう叫ぶ。

 

「へっ」

 

其れに対し、グレンラガンは不敵な笑みを浮かべるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

自らの専用ISを引下げて参戦した束とくー。
更にシュバルツ・シュベスターも参戦。
しかし、さしもの束も、四天王の力には及ばなかった………
最後の砦も崩れ、いよいよ最後かと思われた瞬間………
アイツ等が、帰って来た!!

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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