劇場版『天元突破インフィニット・ストラトス』
グレン団VS宇宙刑事ギャバン
かつて、ギャバンらしき男に命を救われた事を思い出した神谷。
その時にギャバンから掛けられた言葉が、今の神谷の原点となっている。
そのギャバンは今、マクー空間に在る宇宙最悪の刑務所『マクー監獄』に捕らわれの身となっている。
恩人であり、自身の原点となった彼を助ける為………
神谷はグレン団の仲間と共に………
マクー空間へと突入するのだった。
マクー空間内………
「此処が………」
「マクー空間………」
突入したグレン団を待ち受けていたのは、まるで採石場の様な大小の石がひしめく大地。
そして暗雲が立ち込め、紫色の稲光が光り、惑星が浮かんでいる空だった。
足元には、靄の様な霧が立ち込めている。
「コレがマクー空間?」
「何か不気味ね………」
「殺風景極まりないですわね」
シャル、鈴、セシリアがそんな感想を漏らす。
「さて………マクー監獄ってのは何処に在るんだ?」
そんな中で、神谷は周りを見回す。
「! アニキ! アレッ!!」
すると一夏が、何かを発見した様に声を挙げて指を指す。
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
そこには、小高い山の様になっている場所の上に聳え立つ、監獄と言うよりは悪の居城の様な建物が在った。
「アレが………」
「マクー監獄………」
弾と神谷が、その建物………マクー監獄を見上げながらそう呟く。
マクー監獄内・頂上部………
そのマクー監獄の最上階となる塔状の建物の最上階に、ギャバンこと烈は捕らわれていた。
両腕に枷を填められて壁に磔にされており、既に大分痛めつけられたのか、顔には幾つモノ傷痕が在り、足がフラついている。
そんな烈の傍に、ギャバンブートレグが光の鞭を持って現れたかと思うと、その鞭で烈を何度も打ち据える!
「グウッ! ガッ!?」
拘束され、碌な抵抗も出来ない烈を、ギャバンブートレグは機械的かつ一方的に痛めつけて行く。
「ハハハハハハハッ! 如何だい、ギャバン? 自分の偽物に拷問される気分は?」
その光景を傍で見ていた暗黒銀河女王が、心底楽しそうな笑い声を挙げる。
「グウゥ………」
そんな暗黒銀河女王を、烈は睨み付ける。
「フフフ、そんな目をしたって、もうお前には何も出来やしないよ! ハハハハハハハハッ!!」
だが暗黒銀河女王は、そんな烈を嘲笑うのだった。
一方、その頃………
グレン団のメンバーは、マクー監獄への潜入を開始する。
「フッ! ホッ!」
高い外壁の天辺に鉤爪付きのロープを引っ掛け、ほぼ垂直の壁を四苦八苦しながら登って行くグレン団。
「し、しんどいですわ………」
「情けない。これ位で音を挙げるな」
セシリアがしんどそうにしていると、軍人故かこういう事に慣れている様子のラウラがそう言って来る。
「チッ! メンドクセェ………一気に突撃掛けちまおうぜ!!」
回りくどい事が嫌いな神谷がそう言う。
「駄目だよ、アニキ。押さえて」
「ギャバンさんが捕らえられてるんだよ。出来るだけ穏便に行かないと………」
「ええい、クソッ!」
しかし、一夏とシャルからそう咎められ、不承不承に呟く。
「! 待って………」
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
と、漸く外壁を上り切ろうとしたところで、簪がそう言い、一同は動きを止める。
「ギーッ………」
見れば、すぐ真下で、見張りと思われるクラッシャーがうろついていた。
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
息を殺し、ジッとクラッシャーが居なくなるのを待つグレン団。
「ギーッ」
やがてクラッシャーは、異常無しと判断したのか、その場から去って行く。
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
それを確認すると、グレン団の面々はマクー監獄の敷地内へと進入した。
「………行くぜ!」
神谷がそう言うと、ギャバンを助ける為に、マクー監獄の更に奥を目指し始めるグレン団。
「神谷くん。ココは二手に分かれましょう」
「入口を見つけたら、そこに集合って事にしようよ」
と、そこで楯無とティトリーがそう意見を挙げる。
「成程。そりゃ良い手かも知れねえな」
「良し、分かれて行動するぞ」
弾が同意するのを聞きながら、グレン団は自然と二手に分かれた。
一方は、神谷、シャル、一夏、箒、鈴、弾、蘭。
もう一方は、楯無、簪、ラウラ、フラン、ティトリー、セシリアのメンバーとなり、マクー監獄内への入口を捜索する。
神谷、シャル、一夏、箒、鈴、弾、蘭組………
「! 来るぞ!」
「「「「「「!?」」」」」」
先頭を行っていた神谷がそう声を挙げたかと思うと、一同は一斉に物陰に隠れる。
「ギーッ!」
すると前方の角から、クラッシャーが姿を現す。
クラッシャーはその場で辺りを見回すと通り過ぎて行く。
「良し!」
クラッシャーが行ったのを確認した一夏が、先へ進もうとしたが………
「馬鹿者! まだ早い!!」
箒がそう言ったかと思うと、一夏の腕を掴んで自分の方へ引き寄せた。
「うぶっ!?」
一夏が箒の隠れている場所へと引っ張り込まれたかと思うと………
「ギーッ!」
その背後を、別のクラッシャーが通り過ぎて行く。
「行ったか………」
「ほ、箒………く、苦しい………」
箒が安堵の声を漏らしていると、一夏が息も絶え絶えにそう呟く。
「うん?」
それを聞いた箒が一夏の状態を確認すると………
先程引き寄せたのが咄嗟だった為、箒は一夏の顔を自分の豊満な胸に押し付ける様にしていた。
傍から見れば羨ましい限りの光景ではあるが、やられている一夏は窒息寸前なので溜まったものではない。
「! うわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
一瞬にしてトマトの様に真っ赤になると、即座に一夏を引き剥がし、その頬に平手打ちを見舞う箒。
「ザブングルッ!?」
一夏は珍妙な悲鳴を挙げて、地面に倒れる。
「き、貴様はこんな時に何を考えているっ!!」
「い、いや………やったのは箒だろ………」
「お前等、遊んでねえでとっとと行くぞ」
漫才の様な遣り取りをする箒と一夏に神谷がそう言う。
「り、理不尽だ………」
一抹の理不尽さを感じながら、一夏達はマクー監獄の入り口を探すのだった。
一方、その頃………
もう片方のチーム………
楯無、簪、ラウラ、フラン、ティトリー、セシリアのメンバーは………
「………見張りが居るわ」
アーマーマグナムを手に握った簪が、物陰からマクー監獄内への入り口らしき場所を見ながらそう呟く。
その言葉通り、入口と思われる場所の扉の両隣には、クラッシャーが武器を持って見張りをしている。
「如何する? 片付けるか?」
「それはあまり得策じゃないね………」
「別の入り口を探すしかないよ」
ラウラ、楯無、フランがそう言い合う。
「では、今度はアチラへ向かいましょう」
「賛成~」
セシリアがそう言って別の方向を指差し、ティトリーが賛同する。
一同はその入り口を諦め、別の入り口を探す。
「お! あそこなんて如何かな?」
そこで楯無が、非常口と思われる、丁度良い感じの扉を発見する。
上手い具合に見張りも居ない。
一同はすぐにその扉へと駆け寄る。
「………鍵が掛かってるわ」
特殊な形状をしたドアノブを弄った簪がそう呟く。
「任せろ………」
するとラウラが、ポケットから針金を取り出し、鍵穴をピッキングし始める。
「それも軍で習ったのぉ?」
「ああ、潜入工作の訓練の際にな」
呆れる様に言う楯無に、ラウラは平然とそう答える。
「おお! お前等!」
「入口が在ったのか?」
とそこで、分かれていた神谷達が合流する。
「! 神谷!」
「一夏さん!」
「今………ラウラが鍵を開けているとこ………」
神谷達に向かって、簪がそう説明する。
「! マズイ! 見張りが来てるよ!!」
とそこで、壁に張り付いて辺りを窺っていたシャルがそう声を挙げる。
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
「ギーッ!」
見ると、彼女の言う通り、1人のクラッシャーが、すぐ近くまで哨戒に来ていた。
「チッ………」
「早く! 早くしなさいよ!」
神谷が舌打ちをし、鈴がラウラを捲し立てる。
とそこで、ラウラがピッキングしていた穴からガキャンと言う不審な音がする。
「!? ちょっ!? 今何か変な音したわよ!? 大丈夫なの!?」
「ええいっ! 煩い!! 横でゴチャゴチャ言うなっ!!」
途端に、鈴もラウラも大声を挙げてしまう。
「ちょっ!?」
「シーッ! シーッ!」
ティトリーと蘭が慌てて静かにとジェスチャーをするが………
「ギーッ?」
その声を聞き付けたのか、クラッシャーがグレン団の居る方向に向かって歩いて来る。
「! ヤバい!」
「クソッ! こうなったら!!」
一夏が慌て、神谷が長刀を抜こうとしたが………
「アニキ! 皆! 『コレ』を被るんだ!!」
弾がそう言いながら、ある物を全員に手渡した!
「えっ!?」
「あの、コレは………」
「良いから、早く被れ!!」
困惑する楯無とセシリアに向かって弾はそう言い、一同は弾から手渡されたある物を一斉に被る。
「ギーッ!」
そして、漸く扉の前に辿り着いたクラッシャーが見たのは………
扉の前に不審に並んでいる段ボールだった。
「ギーッ?」
クラッシャーは一瞬首を傾げたものの、すぐにその場を離れてしまう。
「………良し! 行ったぞ!!」
「まさかこんな物で誤魔化せるとは………」
それを確認した弾が、そう言いながら段ボールを外すと、続いて別の段ボールの中から箒が現れる。
更に、並んでいた段ボールの中からも次々にグレン団が姿を現す。
「良し、行ったぜ!」
「まさかこんな物で誤魔化せるなんて………」
「敵兵って思いっきり馬鹿なの?」
神谷、シャル、鈴がそう声を挙げる。
「馬鹿野郎! 段ボールは敵の目を欺く最高の偽装なんだぜ! 潜入任務の必需品なんだぜ!!」
すると弾がそう高らかに力説する。
「某伝説の傭兵一族はコレで数々の窮地を乗り切ったんだ!」
「何の話だよ………」
「良し、開いたぞ」
そんな弾の様子に、一夏が呆れていると、漸くラウラがピッキングに成功し、扉が開かれる。
「おっし、突入だ!」
神谷がそう言って先陣を切って中へと突入し、他のメンバーもそれに続くのだった。
マクー監獄内………
意外にも内部の警備は手薄であり、グレン団はドンドンと奥へと進んで行く。
「妙に手薄ね………」
「きっと此処まで来る奴なんていないと思ってるんでしょうね」
その呆気無さに、楯無と鈴がそんな言葉を漏らす。
「へっ、そいつが間違いだってのを今教えてやるぜ」
「焦らないでよ、神谷。暴れるのはギャバンさんを見つけてからね」
不敵な笑みを浮かべてそう言う神谷をシャルが諭す。
すると、そこで………
グレン団は檻が並んでいるエリアへと辿り着く。
「! 止まれ!」
「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」
神谷にそう言われて、グレン団は一旦足を止めると、慎重にそのエリアへと踏み込んで行く。
檻の中には、如何にも宇宙人と言った感じの者達が捕らわれている。
「捕まってる………人?が居るな」
「多分、暗黒銀河女王に逆らったんだね」
一夏とシャルが、檻の中の囚人を見ながらそんな事を呟く。
「あまり良い光景では無いな………」
と、箒がそう呟いた瞬間………
その手が何者かに掴まれ、檻の方へと引き寄せられた!!
「!? うわぁっ!?」
「!? 箒!?」
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
箒の声に、一同が反応して振り返ると………
「へへへへへへっ! お嬢ちゃん………おっぱいおっきいねぇ~。何処から来たの~?」
異形の顔をしているので分かり難いが、如何にも『アレ』な感じの宇宙犯罪者が、箒を自分の方へと引き寄せていた!
「は、離せぇっ! 汚らわしい!!」
「テメェッ! 箒から離れろ!!」
一夏が箒に絡んでいる宇宙犯罪者を引き剥がそうとしたが………
それより先に、隣の檻から伸びて来た腕が一夏を捕まえ、檻の方へと引き寄せた。
「!? うわっ!?」
「あんらぁ、僕ぅ………可愛いのねぇ。アタシと良い事しな~い?」
一夏を引き寄せたのは、野太い声で女言葉を話す宇宙犯罪者………所謂オネエ系の宇宙犯罪者である。
「!? ヒイイィィィィ~~~~~ッ!?」
今まで見せた事のない絶叫を挙げる一夏。
彼は今、(ある意味で)最大に危機を迎えていた。
「もう、怖がらなくても良いじゃな~い。優しくしてあげるから」
「た、助けてえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーっ!?」
一夏は最早潜入している事も忘れて大絶叫を挙げる。
「一夏!!」
「貴様! 嫁に何を!!」
その一夏を助けようと、今度は鈴とラウラが飛び出したが………
またも別の檻から手が伸びて来て、2人を捕まえる。
「!? キャッ!?」
「ぬうっ!?」
「よ、幼女………ハアハア………」
2人を捕まえたのは太っていて眼鏡を掛け、矢鱈と汗を掻いている………所謂『アレ』な宇宙犯罪者だった。
「!? イヤァッ!! キモイッ!!」
「放せ貴様! この変態が!!」
鈴が絶叫、ラウラが罵声を挙げながら、『アレ』な宇宙犯罪者を殴ったり蹴ったりする。
「ありがとうございます! ありがとうございます! ありがとうございます!」
しかし、『アレ』な宇宙犯罪者は、殴られる度に2人にお礼を言う。
………真正だ。
「こ、此処ってこんな犯罪者しか居ないの?」
変態な宇宙犯罪者ばかりの牢獄エリアに、シャルが思わずそう呟く。
すると!
その背後から手が伸びて来て、シャルを檻の傍へと引き寄せた。
「!? うわぁっ!?(ま、まさか!? また変態な犯罪者!?)」
驚きながら、慌てて自分を引き寄せた宇宙犯罪者を確認するシャル。
「お嬢ちゃん、可愛いわね………同性に興味有る? お姉さんが新しい世界を教えてあげるわよ?」
その宇宙犯罪者は女性であり、『アッチ』の方向の人間だった。
「えええっ!? い、嫌だぁっ! 僕はノーマルなんだよー!! 神谷一筋なんだからーっ!!」
若干惚気ながら、シャルは女宇宙犯罪者に抵抗する。
「オイ! シャルを放せ、この野郎!!」
流石の神谷も危ないと思い、女宇宙犯罪者を引き剥がしに掛かる。
「ちょっ! 皆静かにして! 見張りが来ちゃう!!」
牢獄エリアが騒がしくなり、楯無が慌ててそう言い放つが………
「ギーッ?………!? ギーッ!?」
そこへ見張りのクラッシャー1人が駆け付け、牢獄エリアの状況を目撃する。
「「「「「「「「「「………あ」」」」」」」」」」
一同が間抜けた声を挙げている間に、クラッシャーはその場から離れたかと思うと、マクー監獄内に警報が鳴り引き出した!!
「み、見つかったぁっ!?」
漸くの思いでオネエ系の宇宙犯罪者を引き剥がした一夏がそう言った瞬間、
「「「「「「「「「「ギーッ!!」」」」」」」」」」
大量のクラッシャー達が、牢獄エリアへと雪崩れ込んで来る!!
「こうなりゃ仕方ねえ! 強行突破だ!!」
「結局こうなるんだね………」
神谷がそう言い放ち、シャルも呆れながら待機状態のISを握った。
そして、一同はグレンラガンとIS、グラパールにダンクーガを纏った状態となるのだった。
チャプター5へ続く
新話、投稿させて頂きました。
マクー監獄へと潜入したグレン団。
慣れない潜入作戦に四苦八苦しつつも、如何にか監獄内へ侵入。
しかし、思わぬ事態でばれてしまう事に。
後はもう、強行突破あるのみです。
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は
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天元突破ISと同時
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土曜午前7時
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別の日時(後日再アンケート)