これは………
女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………
それに付き従う女達の物語である………
天元突破インフィニット・ストラトス
第33話『グレンラガンは何処に居る?』
時はアッと言う間に流れて週末………
IS学園・学生寮………
「さて、行くか」
お馴染みの赤いマントを翻し、自室から出て来る神谷。
因みに弟分の一夏は、キャノンボール・ファストに向けて白式を調整中である。
元より彼の誕生祝いのプレゼント選びの為、詳しくは言っていなかったが、神谷は悟られない様に外出した。
と、そして階段に差し掛かったところで………
「アラ、神谷さん。お早いですね」
今日も今日とて特訓に明け暮れようとしていたセシリアと出会す。
「おう、セシリアか。ちょいと用事が有ってな。オメェは今日も特訓か?」
「ええ。今日こそBT偏向制御射撃(フレキシブル)をものにして見せますわ」
セシリアは、グッと拳を握って決意を示す。
「そうか。ワリィが、今日は手ぇ貸してやれねえからな」
「お気遣いありがとうございます。ですが、何時までもリーダーに頼りっきりでは団員として申し訳がありませんから。今日は私1人で十分ですわ」
「そうか………ま、頑張れよ」
「ええ。それではご機嫌よう」
そう言うとセシリアは階段を下りて行き、アリーナへと向かったのだった。
「思い詰めちゃあいない様だな………ま、一安心ってとこか」
セシリアの様子を見て、神谷はそう判断すると、再びシャルと待ち合わせをしている駅前へと向かう。
◇
駅前………
(髪、変じゃないかな? もう1回見ておこう)
約束の45分も前に到着していたシャルは、そわそわした様子で、12回目となる前髪のチェックを行う。
手鏡を見ながら、前髪を右へ左へとちょんちょんと弄る。
その仕草はとても可愛らしく、何人かの通行人が思わず通り掛かりに見遣る程だった。
(でも流石に早く来すぎたかなぁ?)
腕時計を確認すると、約束の時間までまだ40分以上もある。
すると………
「ねえねえ、カーノジョっ♪」
「今日ヒマ? 今ヒマ? どっか行こうよ~」
いかにもチャラ男と言った風体の2人が、シャルにそう声を掛けて来た。
「悪いけど、チャラ男に興味は無いよ。僕を誘いたかったら、もっと『漢』を磨いてから出直して来てね」
シャルは『イイ笑顔』を浮かべてバッサリとそう言い放つ。
神谷と比べれば、目の前の男など塵にも等しかった。
「な、何だと、このアマァ!?」
「良い度胸してんなぁ!!」
途端にチャラ男達は、シャルに対し怒りを露わにし、殴り掛かろうとする。
「!!」
CQCで迎え撃とうとしたシャルだったが………
それよりも早く、チャラ男達の後ろに現れた人影が、後ろからチャラ男達の頭を鷲摑みにして持ち上げる!
「イデデデデデッ!?」
「あ、頭が割れるううううううぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーっ!?」
かなり強く摑まれているのか、チャラ男の頭蓋骨からはミシミシという音が聞こえて来る。
「俺の女に手ぇ出すとは………良い度胸してんなぁ、お前等」
人影………神谷がチャラ男を持ち上げたままそう言い放つ。
「神谷!」
神谷の姿を見たシャルが、嬉しそうな表情を露わにする。
(凄い! 王子様みたい………てのは流石に無理があるか。神谷だし………でも………お、俺の女って………)
先程の神谷の台詞を思い出し、頬を赤く染めるシャル。
「か、神谷!?………!? まさか!? あの天上 神谷か!?」
「何っ!? 天上 神谷!? 不良高校で有名だった黒進高校の不良共を1日で全員叩きのめし、200人の暴走族チームをたった1人で潰した、あの!?」
「この辺り一帯を仕切ってる銀狼会を壊滅させて、中国マフィアにも喧嘩を売ったって言う、あの天上 神谷!?」
と、神谷の名を聞いたチャラ男達が、そんな事を話し始める。
「へっ! 俺も有名になったもんだぜ」
「ええっ!? ホントなの!?」
神谷のトンでも武勇伝を聞いて、シャルが驚きの声を挙げると、神谷はチャラ男達を解放する。
「さて………お前等、覚悟は出来てるんだろうな?」
神谷がそう言って指の骨を鳴らすと………
「「すいませんでしたーっ!!」
チャラ男達は芸術的とも思える程の綺麗な土下座を決めて、神谷に謝罪したのだった。
「………何も金目の物を置いて行かなくても」
あの後、チャラ男達は必死になって持っていた金目の物を掻き集め、神谷の前に置いたかと思うと、慌てて車に乗って逃げて行ったが………
先程、チャラ男達の車が走り去って行った方向からサイレンが聞こえて来ており、如何やら慌てて逃げようとして事故った様である。
ご愁傷様とはこの事である。
「神谷、如何するの?」
「しゃーねえ。交番にでも届けるか」
流石にそんなヤバい金に手を付ける気にはなれず、神谷は近くの交番へと落し物として届けたのだった。
「さて、気を取り直して、今日は如何すんだ?」
チャラ男達が勝手に置いて行った金目の物を落し物だと言って交番に届けた神谷は、改めてシャルにそう尋ねる。
「えっと………取り敢えず、駅前のショッピングモールを回ってみて、一夏へのプレゼントを見つけようか?」
「だな………んじゃ行くか」
神谷はそう言うと、自然な動作でシャルに向かって手をポケットに突っこんだままの腕を差し出した。
「あはっ!」
シャルは嬉しそうに、その神谷の腕と自分の手を組む。
そしてそのまま、ショッピングモールを目指して歩き出したのだった。
◇
その頃………
IS学園・第3アリーナにて………
「集中………集中………」
念じる様にそう呟きながら、スターライトmkⅢでの射撃を繰り返しているセシリア。
しかし、相変わらずレーザーは曲がる気配を見せない。
「クウッ! まだ駄目ですの………」
その様子を見て、セシリアは若干落ち込む様な素振りを見せる。
(私のISの名に込められた意味………そして螺旋の魂………やはり、シュバルツ・シュヴェスターの言う通り、それの意味が分からなければ、BT偏向制御射撃(フレキシブル)を使う事は無理と言う事なんですの?)
そこで、シュバルツから言われた言葉の意味を、改めて考え始める。
と、その時………
「「「「「「「「「「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」」」」」」」」」」
他のアリーナを使用していた生徒達から悲鳴が挙がった!!
「!? 何ですの!?」
セシリアが驚きながら、悲鳴が聞こえた方向を見遣ると、そこには………
「…………」
顔に×の字の傷を持ち、露出している上半身の彼方此方にも傷痕のある巨大な体躯の獣人が、悠然と佇んでいた。
「!? 獣人!! 皆さん! 下がってください!!」
すぐにセシリアは、他の生徒を下がらせ、その獣人の前にスターライトmkⅢを構えて立ちはだかる。
「…………」
しかし、その獣人は、スターライトmkⅢを突き付けられていると言うのに、まるで動じる様子を見せず、悠然と佇み続けている。
(!? 何ですの!? コイツ!?)
その獣人の様子に、セシリアは得体の知れない恐怖を感じる。
「………何処に居る?」
すると、そんなセシリアに向かって、獣人がそう問い質して来た。
「えっ?」
「グレンラガンは何処に居る?」
突然の質問に首を傾げたセシリアに、獣人は重ねてそう問い質す。
「!? グレンラガンに何の用ですの!?」
「知れた事………グレンラガンは我等が王、螺旋王ロージェノム様の敵………故に倒しに来たまでよ」
「そう………なら残念ですわね………グレンラガンより先に………私が貴方を片付けて差し上げますわ!!」
セシリアはそう言うや否や、スターライトmkⅢを獣人目掛けて発砲した。
ビームが一直線に獣人へと向かう。
だが………
「ふん………」
迫り来るビームを、獣人は鼻で嗤ったかと思うと、片手を掌を翳す様に構えた。
そしてビームがその掌に当たると、拡散して雲散してしまう。
「!? そんな!?」
まさか生身で防がれるとは思っていなかったセシリアが、驚愕を露わにする。
すぐに反撃に備えるセシリアだったが………
「貴様では話にならん………グレンラガンを出せ! それまで此処で待っててやる………」
何と獣人は、そのままその場へと腰を下ろすと、胡坐を掻いて座り込む。
「えっ? ええっ!?」
獣人の思わぬ行動に、セシリアは困惑して、如何して良いか分からなくなったのだった。
◇
時は少し戻り………
グレンラガンこと神谷は………
駅前のショッピングモールで、一夏への誕生日プレゼント選びに勤しんでいた。
「こんなのは如何だ? シャル」
神谷がそう言って見せたのは、黒地に真っ赤な色で『漢』と筆字でプリントされているTシャツである。
「そ、それはちょっと………」
「んじゃこっちの方が良いか?」
シャルが苦笑いを浮かべると、神谷は今度はプリントの字が『魂』と書かれたバージョンのTシャツを見せる。
「そ、それも如何かな?」
「え~? 何が駄目なんだよ?」
(色々とだと思うけど………)
自分のセンスに駄目出しされて不満げな神谷に、シャルは相変わらず苦笑いを浮かべるしかなかった。
「え~と………あ! そうだ! 小物なんて如何かな? 例えば腕時計とか?」
神谷に任せていては埒が明かないと思ったシャルは、必死に頭を回転させると、そういう答えを導き出す。
「腕時計か………睡眠薬が入った針が飛び出す奴か?」
「いや、そう言うのじゃなくて、普通のだよ」
どっかの小学生にされた高校生の探偵が使うバーローな腕時計を思い出す神谷と、そんな神谷にツッコミを入れるシャル。
「取り敢えず、時計店へ移動よ」
「そだな………」
2人はそう言い合うと、服屋を後にする。
すると………
「アッ! アニキ!!」
「デュノアさん?」
店を出たところで声を掛けられ、神谷とシャルが振り返ると、そこには………
弾と私服姿の虚の姿が在った。
「おっ! 弾じゃねえか!」
「虚さん? 如何して此処に?」
平然としている神谷に対し、シャルは意外な人物に出会して軽く驚いていた。
「あ、えっと………」
「ホラ、今月一夏の誕生日があるじゃないっすか。それでプレゼント選びも兼ねてデートをと思ってさあ」
「だ、弾くん!!」
恥ずかしがってデートだとは言えなそうだった虚を尻目に、弾は堂々とデートだと言う事を宣言する。
「そうか、奇遇だな。実は俺達もその口でな」
「おおっ! アニキもっすか!! じゃあ如何っすか!? 此処は4人で協力してプレゼント選びしながらダブルデートに洒落込むってのは!!」
「ナイスアイデアだ! 弾!!」
そのまま、神谷と弾は2人だけでドンドン盛り上がって行く。
「ちょっ! 神谷!!」
「だ、弾くん!?」
「行くぞ! シャル!!」
「行きましょう! 虚さん!!」
戸惑うシャルと虚の手を取ると、神谷と弾は、ショッピングモールの中を驀進し始める。
「「キャアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!?」」
宙に浮かぶ程のスピードで走られ、シャルと虚は悲鳴を挙げるのだった。
小1時間後………
暴走しかけた神谷と弾を如何にか押さえ、何とか真面な一夏へのプレゼントを買ったシャルと虚だったが………
その際に、神谷と弾がチンピラ達に因縁を付けられてしまい………
現在絶賛喧嘩の真っ最中である。
仕方なくシャルと虚は、喧嘩が終わるまで近くのベンチに腰掛け、自販機で購入していたジュースを呷っていた。
「全くもう~………神谷ってば、何時もああなんだから………」
「大変ね、デュノアくん」
喧嘩の様子を遠目に見ながら、シャルが愚痴る様に言うと、虚が慰めるかの様な言葉を言って来る。
「もう結構慣れちゃいましたけどね………やっぱり、その………神谷の事、好きだから………虚さんもそうでしょう?」
「え、ええ………」
と互いの恋人の事を話し始めると、赤面し合う2人。
「神谷ってば、何時も突っ走ってばかりで、それで無茶苦茶で………でも、そんな神谷だから………僕は好きになったんです」
「………私も、弾くんの勢い任せなところに戸惑ってしまうけど………でも、それ以上に優しくて、強いあの人が好きよ」
「「…………」」
そう言い合うと、シャルと虚はお互いに手を取り合う。
「お互い、頑張りましょうね、虚さん」
「ええ、そうね。デュノアさん」
そしてニコリと笑い合ってそう言うのだった。
「待たせたな、シャル!」
「すいません、虚さん。お待たせしちゃって」
とそこで、神谷と弾が帰って来る。
「あ、神谷」
「弾くん、終わったの?」
「ああ、やっと片付いたぜ」
「しつこい連中だったぜ」
そう言い合う神谷と弾の背後には、伸されたチンピラ達が、漫画の様に積み上げられていた。
「「うわぁ………」」
その光景を見て、思わず苦笑いを浮かべるシャルと虚。
「しかし、アニキ! アニキの螺旋パンチは相変わらず凄かったぜ!!」
「何言ってやがる! お前の飛竜三段蹴りのキレも中々のもんだったぜ!!」
そんな2人の様子など知らず、神谷と弾は互いに奮戦を称え合っている。
「あ、そうだアニキ! 実はちょっと相談があるんだけど………」
と、そこで弾が、不意に相談を持ち掛けて来る。
「何だ? 遠慮無く言えって! 俺とお前の仲だろ!!」
「ホラ、今度の一夏の誕生日の日って、確か………キャノンボール・ファストってイベントの日だろ?」
「ああ、そう言やそうだったな」
「それでさあ、アニキ………蘭の奴にそのチケットって貰えないかな?」
「ああ? 蘭に?」
そこで首を傾げる神谷。
「いや、俺は虚さんからもらったんだけど………蘭の奴が俺だけが学園祭に行った事を知った途端、凄い剣幕で襲い掛かって来てさぁ」
「成程な………それで今度は蘭の分もって事か」
「出来るかな? アニキ?」
「任せておけ! 俺を誰だと思ってやがる!!」
神谷はそう言って、ドンと胸を叩く。
「サンキュー、アニキ! これで蘭に殺されなくて済むぜ!」
「じゃあ話も纏まったところで、そろそろ行きましょうか」
と、虚がそう言って腰を上げた瞬間………
突如として、神谷が非常時の連絡手段として千冬に持たされていた携帯電話が鳴った。
「あ? んだよ………ハイ、もしもし?」
[神谷か? 今何処に居る?]
神谷が気怠そうに受信ボタンを押すと、千冬の声が響いてくる。
「んだよ、ブラコンアネキ? 今日は休みだぞ?」
[そうも言っていられん事態が発生した………先程第3アリーナに獣人が現れた]
「!? 何っ!?」
獣人と聞いて顔色を変える神谷。
「「「!?」」」
傍で聞いていた3人も、思わず聞き耳を立てる。
[それで如何言うワケだか、お前を出せと喚いて座り込んでいる]
「へえ………俺に名指しで喧嘩売ろうってのかい?」
[ワケが分からん奴だが………セシリアの報告によれば、素手でビームを掻き消したらしい。並みの相手じゃないぞ]
「何処の誰で、どんな奴だろうと関係ねえ! 売られた喧嘩は買うのがグレン団の流儀よ!!」
[兎に角、すぐに戻って来い!]
そう言うと千冬は電話を切った。
「ワリィな、シャル。デートはココまでだ」
「うん! 獣人が出たんなら、放って置けないね」
神谷がそう呼び掛けると、表情を引き締めたシャルがそう返して来る。
「ゴメンね、弾くん。念の為に、私も戻らないと」
「良いですよ。気にしないで下さい」
虚も、弾とそう言い合う。
「行くぞ! シャル!!」
「うん!!」
「今度また埋め合わせするから!」
そう言うと、神谷、シャル、虚の3人は学園に向かって走り出した。
「………やっぱり激しいんだな………ロージェノム軍との戦いは………チキショウ………俺にもアニキや一夏みたいな力が有れば………」
残された弾は、こういう時に役に立てない自分の身に歯痒さを感じるのだった。
◇
再びIS学園・第3アリーナ………
突如現れ、グレンラガンを出せと言って座り込んだ獣人………
ファーストコンタクトでセシリアの攻撃が防がれた事から、教師部隊に加えて、専用機持ち達も集合して、獣人を取り囲んでいるが………
獣人はセシリアの攻撃を防いで以来、ただジッと座り込んでいるだけで、何の動きも見せなかった。
この奇妙な獣人を、教師部隊も専用機持ち達も扱い倦ねる。
やがては逃げ出した生徒達が、獣人を間近で見ようとアリーナの客席に集まり出す始末だった。
「…………」
そんな中でも、獣人は動きを見せず、ただジッとグレンラガンを持っている。
「アイツ………如何言う積りなんだ?」
その獣人の周りを取り囲んでいた教師部隊と専用機持ちの中で、一夏がポツリと漏らした。
「ずっとああして座ってるだけじゃないの」
それに返事を返す様に、鈴がそう言う。
「やはり、グレンラガン………神谷を待っているのか?」
「態々敵地へ乗り込んで来てか? 奇怪な………」
箒がそう言うと、ラウラが否定的な言葉を返して来る。
と、そこで………
「お待たせ!」
「待たせたなぁ!!」
そう言う声と共に、アリーナのピットからISを装着したシャルと、グレンラガンが飛び出して来た!!
「! シャルロットさん! 神谷さん!」
「待ってたよ! 神谷くん!!」
セシリアと楯無がそう言っていると、シャルは包囲網の中に加わり、グレンラガンは獣人と対峙する。
「………貴様がグレンラガンの天上 神谷か」
と、グレンラガンの姿を確認した獣人が立ち上がる。
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
それを見た一夏達と教師部隊が一斉に警戒する。
「態々俺に名指しで喧嘩売るたぁ良い度胸だな………何モンだ!!」
と、グレンラガンが獣人に向かってそう問い質すと………
「良くぞ聞いてくれたものよ! そのちっせぇ耳の穴かっぽじって、よ~~く聞きやがれぇ!!」
獣人は大声でそう口上を言い始めた!
「親兄弟も知らずに生まれ、育った故郷の想いも捨てて、残すは体の傷跡一つ! それがケモノの漢(おとこ)道!! 黙る子も思わず泣く獣人遊撃部隊長!! ジギタリスたぁ!! 俺様の事だぁっ!!」
獣人………『ジギタリス』が声を張り上げる度に周りの空気が震え、一夏達は衝撃波に襲われる。
「ほぅ………良いねぇ。獣にしちゃ良い啖呵だ! ならこっちの名もよ~く覚えておいてもらおうか!!」
だが、グレンラガンはその啖呵を聞いて、衝撃波を受けても怯まず、逆に名乗り返し始めた。
「IS学園に悪名轟くグレン団! 男の魂、背中に背負い! 不撓不屈の! あ! 鬼リーダー! 神谷様たぁ、俺の事だ!!」
「成程………流石は音に聞こえたグレンラガンの天上 神谷………良い気風だな」
ジギタリスは、そんなグレンラガン(神谷)の姿を見て、感心する様な素振りを見せる。
「コレまで悉く我等ロージェノム軍の軍勢を打ち倒し、ヴィラルさえ退けただけの事はある」
「何だ、お前………ヴィラルの仲間か?」
「仲間………と言う程のものではないが………我等遊撃部隊は独自の任務遂行権を与えられたその名の通り遊撃部隊。噂のグレンラガンを片付けに来たまでだ」
「面白れぇ………返り討ちにしてやるぜ!!」
グレンラガンはそう言うと、構えを取る!
(あ、アレは!? 間違いない………ジギタリスのおっさん!! まさか本当にグレンラガンと!?)
と、ギャラリーの生徒の中に混じっていたティトリーが、ジギタリスの姿を見て内心で驚愕する。
(ど、如何しよう!? ギガンチョヤバい!!)
そのまま引き続き内心でアタフタするティトリーだったが、それで状況が変わる筈もなかった………
「では行くぞ! おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」
そう言うや否や、ジギタリスはその巨体からは想像も出来ないスピードで、グレンラガン目掛けて突っ込んで行く!!
(!? はえぇっ!?)
「むんっ!!」
そしてそのまま、グレンラガンにタックルを喰らわせる!!
「うおおおっ!?」
そのままグレンラガンは、ジギタリスに押されて行く。
「!? アニキ!?」
「神谷!!」
そこで漸く我に返った一夏やシャル達が声を挙げ、教師部隊も驚きを示す。
「コノヤロウォッ!!」
と、グレンラガンは両足を踏ん張りブレーキを掛け始める。
徐々にスピードが落ちて行き、やがて止められるジギタリス。
「! 俺の突進を受け止めるか!」
「おりゃあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」
そしてグレンラガンは、動きの止まったジギタリスをダブルアーム・スプレックスで投げ飛ばす!!
「ぬおおおっ!?」
ジギタリスは背中から地面に叩き付けられる。
「神谷! 援護するぞ!!」
するとそこで、ラウラがそう言いながら、大口径レールカノンを向けるが………
「手ぇ出すんじゃねえ!!」
「なっ!?」
グレンラガンはそう言って、ラウラを制した。
「コイツのご指名は俺だ。俺が相手をする」
「貴様! ふざけているのか!? コレは喧嘩ではないんだぞ!!」
「うるせぇっ! 手ぇ出しやがったら、テメェの方からボコッてやるからな!!」
軍人として対応するラウラを、グレンラガンはそう一喝する。
[全員そのまま待機しろ]
すると、申し合わせたかの様なタイミングで、千冬からそう通信が入って来た。
「!? 教官! しかし」
[本人がやると言っているんだ。やらせてやれ]
食い下がるラウラだったが、千冬は重ねてそう言い放つ。
[神谷………引き受けるからには必ず勝てよ]
そして、グレンラガンの方にもそう通信を送った。
「任せておけって! 俺を誰だと思ってやがる!!」
「良いのか? 取り囲んだまま戦えば勝率も上がるぞ?」
それに返事を返していると、ジギタリスがそう言って来る。
「へっ! オメェが俺の事を指名しやがったんだろうが………なら俺が相手してやんのが筋ってもんだろ」
「フッ、益々気に入ったぞ、天上 神谷。アイツが惹かれるのも分かる」
「? アイツ?」
「………お喋りが過ぎたな。改めて行くぞ!」
不意にジギタリスの口から零れた言葉に首を傾げるグレンラガンだったが、ジギタリスはそれには答えず、構えを取った。
「へっ! 来やがれ!!」
それを見て、グレンラガンも構えを取る。
「ぬおおおああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」
と、そこでジギタリスは、拳を地面に叩き付けた!!
拳を叩き付けられた地面から地割れが起き、グレンラガンの足元を崩す!!
「!? うおおおっ!?」
「貰ったあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」
バランスを崩したグレンラガンに、ジギタリスが飛び掛かる。
「何のぉっ!!」
だがグレンラガンは、ジギタリスが眼前に迫った瞬間に、自ら仰向けに倒れて行き、ジギタリスの両腕を摑み、そのまま片足を腿の付け根に当てて、巴投げで投げ飛ばす!
「ぬううっ!?」
だがジギタリスは空中で姿勢を整え、着地を決める。
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」
着地を決めたジギタリスに、グレンラガンは左ストレートを繰り出す。
「甘い!!」
ジギタリスは繰り出された左ストレートに自分の右腕を横から押し当てる様にして逸らして躱す。
だが!!
「どっちがぁ!!」
左ストレートがかわされた瞬間、ジギタリスの眼前まで接近していたグレンラガンは、そのまま右腕でボディーブローを繰り出す!!
「ぐふおっ!?」
鋭い右のボディーブローが、ジギタリスの腹に突き刺さる様に決まり、身体がくの字に曲がる。
「オノレェ!!」
だがジギタリスは素早く両手を組んでのハンマーパンチをグレンラガンの背中に浴びせた!!
「ゴハッ!?」
肺に空気が全部押し出される様な感覚に襲われ、ジギタリスの足元にそのまま俯せに倒れるグレンラガン。
「ぬあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」
ジギタリスはそのまま片足を振り上げ、グレンラガンの頭を踏み潰そうとする。
「!!」
しかし、寸前でグレンラガンは転がって躱す。
「トオォッ!!」
そのまま距離を取ると、大きく跳躍した!!
「燃える男のぉ!!」
「!!」
「火の車キイイイイイイィィィィィィィーーーーーーーーックッ!!」
そしてジギタリス目掛けて、燃える男の火の車キックを繰り出す!!
「むうっ!!」
向かって来るグレンラガンに対し、ジギタリスは腕を交差させて防御姿勢を取る!!
「おりゃあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」
キックが直撃し、そのままジギタリスを押して行くグレンラガン。
「ぬうううああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
しかし、ジギタリスが両腕を広げる様に振るうと、グレンラガンは弾き飛ばされる。
「うおおっ!?」
そのままバック宙を決めると、グレンラガンは着地を決める。
「………やるじゃねえか。ジギタリスとやら」
「貴様こそ、噂に違わぬ強さだな………如何やらこのままでは少々キツイな」
と、ジギタリスはそう言ったかと思うと、顔の様な形をしたバッジ………ガンメンバッジを取り出した。
「こっから本気って事か? 良いぜ………全力で来やがれ!!」
「その言葉………後悔するなよ!!」
ジギタリスはそう叫ぶと、ガンメンバッジを掲げ、光に包まれたのだった………
つづく
新話、投稿させて頂きました。
一夏への誕生日プレゼントを選ぶためのデートで、弾と虚に出くわした神谷とシャル。
そのままダブルデートにしゃれ込む。
だがその頃………
IS学園には奇妙な獣人・ジギタリスが出現。
グレンラガンを名指しし、勝負を挑む。
生身でもかなりの強さを誇るジギタリスだが、遂にガンメンを起動。
しかし、そのガンメンが………
どういう事なのかは次回をお楽しみに。
これからも、よろしくお願いします。
新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は
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天元突破ISと同時
-
土曜午前7時
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別の日時(後日再アンケート)