天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第4話『俺は世界で最高の姉さんと、アニキを持ったよ』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第4話『俺は世界で最高の姉さんと、アニキを持ったよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本人の意思とは外れたところで………

 

イギリス代表候補生のセシリアと戦う事になってしまった一夏………

 

嗾けた張本人である神谷は、根拠無しに『一夏なら勝てる』との一点張りであった。

 

戸惑う一夏だったが、退く事を周りの状況が許さず………

 

また自分は兎も角、アニキである神谷に恥を掻かせたくないと思い………

 

渋々ながらも、腹を括ったのだった………

 

 

 

 

 

そして、代表決定戦の開催が決まった次の日の休み時間………

 

再び千冬が、教壇に立った。

 

「織斑、お前のISだが………準備まで時間が掛かるぞ」

 

「へっ?」

 

突然そう言われて戸惑う一夏。

 

「予備の機体が無い………だから、学園で専用機を用意するそうだ」

千冬のその言葉に、生徒達がざわめき出した。

 

「専用機? 1年のこの時期に?」

「つまりそれって………政府から支援が出るって事?」

「凄いな~! 私も早く専用機欲しいな~」

 

口々に羨望の声を挙げる生徒達。

 

「専用機が有るって………そんなに凄い事なのか?」

 

しかし、まだISの知識に乏しい一夏は、専用機の事について良く分からず、首を傾げるばかりだった。

 

と、そんな一夏の前に、セシリアが何の前触れも無く立った。

 

「うわっ!?」

 

「それを聞いて安心しましたわ。クラス代表決定戦、私と貴方とでは勝負は見えていますけど………流石に私が専用機、貴方が訓練機ではフェアではありませんものね」

自慢げにそう語って来るセシリア。

 

「お前も………専用機ってのを持ってるのか?」

 

「御存じ無いの? よろしいですわ! 庶民の貴方に教えて差し上げましょう!」

 

そのままセシリアは、自分が専用機を持っている事………

 

世界にISが467機しかない事………

 

その中でも専用機を持つ者は全人類の中でもエリート中のエリートである事を自信満々に語る。

 

 

 

 

 

ISの中核を成しているISコアは、開発者である篠ノ之 束にしか作れないブラックボックスである。

 

しかし、束はコアを一定数以上造る事を拒絶。

 

更には行方を晦している………

 

国家・企業・組織機関では、割り振られたコアを使用して、研究・開発・訓練を行うしかないのが現状だ。

 

 

 

 

 

「本来なら、IS専用機は国家、或いは企業に所属する人間しか与えられない。が、お前の場合は状況が状況なので、データ収集を目的として専用機が用意される………理解出来たか?」

 

そこで千冬が、一夏にそう問う。

 

「な、何となく………」

 

「あの先生………篠ノ之さんって、もしかして篠ノ之博士の関係者なんでしょうか?」

 

と、その時………

 

ふとその事に気づいた生徒が、そう千冬に尋ねた。

 

「そうだ。篠ノ之はアイツの妹だ」

 

隠していても何れバレる事だと思ったのか、千冬はそう言ってしまう。

 

「「「「「「「「「「ええ~~~~~っ!!」」」」」」」」」」

 

クラス中から驚きの声が挙がる。

 

「嘘! お姉さんなの!?」

 

「篠ノ之博士って、今行方不明で………世界中の国や企業が探してるんでしょう?」

 

「何処に居るか、分からないの?」

 

「あの人は関係無い!!」

 

と、そんなざわめき立つ生徒達を制する様に、箒はそう大声を挙げた。

 

「………私はあの人じゃない………教えられる様な事は何も無い」

 

何処かウンザリとした様な様子を見せながら箒はそう言い、クラスメイト達から目を背ける様に窓の外を見遣った。

 

「………山田先生。授業を」

 

「!? ハ、ハイ!!」

 

そこで、千冬が空気を読んだ様に、真耶に授業開始を促した。

 

「………すいません。ちょっと待って下さい」

 

しかし、ふと教室の一角を見るとそう言った。

 

「えっ?」

 

「オイ、織斑………天上は何処へ行った?」

 

困惑する真耶を尻目に、一夏にそう聞く千冬。

 

そう………

 

本来ならば神谷が居るべき席が、空席となっていたのだ………

 

「えっ? えっと………アニキだったら、『天気が良いから屋上で昼寝する』って言って出て行きました」

 

恐る恐ると言った様子でそう答える一夏。

 

その答えを聞いた途端に、千冬はワナワナと小刻みに震え出した。

 

「………あんのぉ、バカ者はああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー………!? うぐっ!?」

 

と、突然千冬は、胃の辺りを押さえて蹲った。

 

「!? 織斑先生!?」

 

「千冬様!?」

 

「お姉様!?」

 

突然崩れた千冬に動揺する真耶と生徒達。

 

「ううう………胃が………胃がキリキリと………」

 

蹲った千冬は、胃の辺りを押さえながらそう呟く。

 

(ああ………千冬姉の神経性胃炎が再発した………)

 

そんな姉の姿に、一夏は同情の眼差しを送るのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方………

 

その神経性胃炎の原因である神谷はと言うと………

 

「空が青いぜぇ………ふわあああああぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~…………」

 

屋上の芝生の上に寝転び、大欠伸をすると、寝息を立て始めたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、昼食の時間となり………

 

一夏が、箒を強引に昼食へと連れ出し、食堂に来ていた。

 

向かい合う様に席に座り、黙々と昼食を取っている2人。

 

「………なあ、箒」

 

と、不意に一夏が、箒へと話し掛けた。

 

「何だ………?」

 

「ISの事、教えてくれないか? このままじゃ、何も出来ずにセシリアに負けそうだ」

 

「あんな男の弟分などやってるからだ!」

 

「!! アニキを馬鹿にするな!!」

 

と、それを聞いた一夏が激昂した様に大声を挙げ、テーブルを両手で叩いて立ち上がった!

 

「!? 一夏!?」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

箒は驚き、他の生徒も何事かと注目する。

 

「箒………お前だって、アニキが如何いう男かは知ってるだろう。アニキは決して口だけの男じゃない! 無茶苦茶で滅茶苦茶だけど、1度口にした事は決して覆さない、真の漢だ! お前を苛めてた奴等をブチのめしたのだって、アニキだったじゃないか!」

 

「それは!………確かにそうだが………」

 

思わず一夏から視線を外す箒。

 

実は苛めっ子から守ってもらっていた時、箒は一夏の事しか見てなかったので、アニキはややアウト・オブ・眼中だったのだ。

 

恋する乙女の盲目である。

 

「箒………頼む! この通りだ!!」

 

と、一夏は箒に向かって土下座した。

 

「!? ちょっ!? 一夏! 止めろ!!」

 

突然の一夏の態度に戸惑う箒。

 

「織斑くんが土下座してる!?」

 

「篠ノ之さん………一体何言ったんだろう?」

 

注目していた生徒達も騒ぎ出す。

 

「止めろ! 止めるんだ、一夏! 恥ずかしくないのか!?」

 

「俺が恥を掻くのは良い………けど! アニキの顔に泥を塗る様な真似だけはしたくないんだ! 頼む! 箒!!」

 

一夏はそう言って土下座を続ける。

 

「ぐう………分かった! 教えてやる!! だから頭を上げろ!!」

 

その空気と周りの視線に耐え切れなくなった箒はそう言った。

 

「!! 本当か!! ありがとう、箒!!」

 

途端に、嬉しそうな顔をして、箒の両手を自分の両手で包み込む様に握る一夏。

 

「あ、ああ………」

 

突然両手を握られて、顔を赤くしながら箒は辛うじてそう返事をする。

 

「流石、持つべきものは幼馴染だぜ!!」

 

そんな箒の様子に気づく様子は見せず、一夏は嬉しそうにそう声を挙げるのだった。

 

尚………

 

この1件は、暫く学園内で有名な噂話になった………

 

『篠ノ之 箒が、織斑 一夏を跪かせた』と………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、アッと言う間に時は流れ………

 

クラス代表を決める月曜日が訪れた………

 

第3アリーナには、見物の生徒が多数訪れており、一夏とセシリアの試合を、今か今かと待ち構えていた。

 

既にセシリアの方は、IS専用機を装着して、アリーナの空中に待機している。

 

一方、一夏の方はと言うと………

 

 

 

 

 

ISスーツに身を包み、アリーナのピットで、専用機の到着を待っていた。

 

傍には箒と、神谷の姿も在る。

 

更に、アリーナの管制室には千冬の姿が在り、3人の姿を見下ろしていた。

 

「アレがアイツの専用機か………」

 

と、一夏がモニターを展開させ、IS専用機を装着しているセシリアの姿を映し出す。

 

「なあ、箒………大丈夫なのか? 俺この1週間………ISの事を教えてくれるって言われて、剣道の稽古しかしてないんだけど………」

 

と、そこで不安そうに箒にそう尋ねる一夏。

 

「それは………」

 

「ビビッてんじゃねえ、一夏! 箒の奴はつまり、こう言いたかったに違いねえ!………ISの操縦は肉体の延長線上だ! 己の肉体を鍛える事が、ISで強くなる事に繋がると!!」

 

何か言おうとした箒の言葉を遮って、神谷がそう叫んだ。

 

「そっか………つまり、『考えるな! 感じるんだ!!』って事か!! 成程、そう言う感覚を身に着けさせようとしてくれたんだな! ありがとう、箒!」

 

「あ、ああ………そうだな」

 

真実は違うのだが、一夏が嬉しそうにそう言って来たので、言うに言えない箒だった。

 

[織斑くん! 織斑くん!!]

 

とそこで、慌ててアリーナの管制室に飛び込んで来た真耶から声が掛けられた。

 

[来ました! 織斑くんの専用IS!!]

 

「!!」

 

「おっ!? 来たか!!」

 

「へっ! 弟分の専用IS………どんなもんか拝ませてもらおうじゃねえか」

 

それに反応する箒、一夏、神谷。

 

[織斑、すぐに準備をしろ。アリーナを使用出来る時間は限られているからな。ブッつけ本番で物にしろ]

 

続いて千冬がそう言って来たかと思うと、ピット内にあった搬入口が開き始めた。

 

そしてそこから、1体の鈍い色に光るISが姿を現した。

 

[コレが織斑くんの専用IS………『白式』です!!]

 

「コレが………俺の………」

 

感慨深そうに、そのIS………『白式』を見上げる一夏。

 

「ほ~う………ちょいと地味だが、結構イカスじゃねえか」

 

神谷も、白式を見てそう感想を呟くのだった。

 

[すぐに装着しろ。時間が無いから、初期化(フォーマット)と最適化(フィッティング)は実戦でやれ]

 

「…………」

 

千冬にそう言われながら、一夏は白式に手を触れてみた。

 

「………アレ?」

 

と、そこで違和感を覚える一夏。

 

「? 如何した?」

 

「一夏?」

 

その様子に首を傾げる箒と神谷。

 

(初めてISに触った時と、感じが違う………)

 

入試試験会場で、間違ってISに触れて起動させてしまった時の事を思い出し、そう思う一夏。

 

[大丈夫ですか? 織斑くん]

 

その様子を心配した真耶が声を掛ける。

 

「あ、ハイ………(大丈夫だ………馴染む………理解出来る………コレが何なのか………何の為にあるのか………分かる)」

 

それに問題無いと返事を返し、一夏は自分でも分からぬ感覚を感じながら、白式に搭乗し始めた。

 

[背中を預ける様に………そうだ、座る感じで良い………後はシステムが最適化をする]

 

千冬の声を聞きながら、搭乗を完了させる。

 

「白式………コレが白式か………」

 

[セシリアさんの機体は、ブルー・ティアーズ。遠距離射撃型のISです]

 

そこで、真耶がセシリアのISについて教えて来る。

 

「ブルー・ティアーズ………」

 

[ISには絶対防御という機能が有って、どんな攻撃を受けても最低限操縦者の命は守られる様になっています。ただその場合、シールドエネルギーは極端に消耗します。分かってますよね?]

 

[織斑、気分は悪くないか?]

 

「当たり前だろ! 俺を誰だと思ってやがるんだ!」

 

すっかり戦意高揚した様子で、千冬の問い掛けにそう答える一夏。

 

[クッ………とっとと行け!]

 

そんな一夏の様子に苦々しい顔を浮かべると、突っぱねる様にそう言う千冬。

 

「箒、アニキ」

 

「な、何だ!?」

 

「おう!」

 

と、一夏は今度は箒と神谷に話し掛ける。

 

「行って来る」

 

「あ、ああ………勝って来い」

 

「頑張れよ! 一夏!! 忘れるな! お前を信じろ! 俺が信じるお前でもない。お前が信じる俺でもない。お前が信じる………お前を信じろ!!」

 

「ああ!!」

 

一夏は自信満々の笑顔で答えると、カタパルトでピットから飛び出して行った………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピットから飛び出した一夏は、空中でセシリアと対峙する。

 

「最後のチャンスをあげますわ」

 

現れた一夏に向かってそう言うセシリア。

 

「チャンスって?」

 

「私が一方的な勝利を得るのは自明の理………今ここで謝ると言うのなら、許してあげない事もなくってよ」

 

「ふざけるな! 俺を誰だと思ってやがる!! 神谷のアニキの弟分、織斑 一夏だ!! 敵に後ろは見せねえ!!」

 

「そう………残念ですわ。それなら………」

 

と、セシリアがそこまで言った瞬間、白式が警告を発して来た。

 

「お別れですわね!!」

 

そう言う台詞と共に、セシリアは主力武器であるレーザーライフル………『スターライトmkⅢ』を発砲した!!

 

「!! グアアッ!?」

 

咄嗟に防御する一夏だったが、そのまま墜落する。

 

「「!!」」

 

「「…………」」

 

それにヒヤッとする箒と真耶に対し、千冬と神谷はジッと様子を見据えている。

 

「!! クウッ!!」

 

一夏は、地面に叩き付けれる寸前で姿勢を立て直し、何とか着地する。

 

しかしその後も、次々にスターライトmkⅢを発砲して来るセシリア。

 

「クソッ! 俺が白式の反応に追い付けて行けてない!?」

 

何とかかわしている一夏だったが、それは白式を操縦していると言うより、白式に振り回されていると言う様子だった。

 

「さあ、踊りなさい。私、セシリア・オルコットとブルー・ティアーズの奏でる円舞曲(ワルツ)で!!」

 

「クッ! 装備! 装備は………」

 

シールドエネルギーが減少して行くのを確認しながら、武器を検索する一夏。

 

しかし、白式が装備していた武器は………

 

近接ブレードが1本だけだった。

 

「コレだけ!? ええい! 男は度胸!!」

 

素手でやり合うよりはマシだと思い、一夏はブレードを出現させる。

 

「遠距離射撃型の私に、近距離格闘装備で挑もうなんて、笑止ですわ!!」

 

「うるせえっ! 無理を通して道理を蹴っ飛ばす! それが俺達グレン団のやり方だ!!」

 

そう叫ぶと、一夏はブレードを構えて、セシリアのブルー・ティアーズに突撃して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃………

 

その戦いをアリーナに居る者以外で見ている者が居た………

 

IS学園近くの海の底に沈んでいる巨大な影………

 

エビやサソリ、カブトガニを思わせる異形の怪獣の様な潜水艦………

 

潜水母艦型ガンメン『ダイガンカイ』だ。

 

その艦長席に座って居るヴィラルは、モニターに映っている一夏とセシリアの戦いの様子を、興味深そうに見ていた。

 

「アレが世界で唯一ISを使える男………織斑 一夏か」

 

そう言って、一夏に視線を集中するヴィラル。

 

やがて、モニターに映る一夏は、セシリアが繰り出した機体名の由来にもなっているビット型の武器『ブルー・ティアーズ』をブレードで斬り捨て始めた。

 

「成程………まだ未熟だが、凄まじいセンスを持っているな………あのブリュンヒルデの弟なだけはある」

 

その一夏の姿に、ヴィラルは笑みを浮かべる。

 

それは、獲物を目の前にした獣の攻撃的な笑みだった。

 

「螺旋王様は織斑 一夏のデータも欲していた………丁度良い………その力! このヴィラル自身が見極めてくれる!!」

 

と、ヴィラルがそう叫んだかと思うと、突如として彼の姿が艦外へと射出された!!

 

海の中へと放り出されたヴィラルだったが、そのまま難なく海面まで泳いで行ったかと思うと、海面から水柱を上げて勢い良く飛び出した!!

 

そして何と!!

 

そのまま海面を凄まじいスピードで水飛沫を上げながら疾走し始めた!!

 

「待っていろ! 織斑 一夏!! そして待っていろ! グレンラガン!! このヴィラルが! 今行くぞぉ!!」

 

そう叫びながら、海面を走って行くヴィラル。

 

明らかに人間が出来る技ではない………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方の一夏は………

 

遂に周りを飛び交っていたブルー・ティアーズ4基を撃墜し、セシリアに斬り掛かろうとしていた。

 

「距離を詰めればコッチが有利だ!!」

 

(掛かりましたわ!)

 

内心でそう思い、残っていた2基のミサイルを発射するブルー・ティアーズを一夏に見舞おうとするセシリア。

 

[!! 一夏ぁ!! 左だぁ!!]

 

と、その時!!

 

ピットで試合の様子を見ていた神谷が、アリーナのスピーカーを使い、上空の一夏にそう声を送った!!

 

「えっ!?」

 

「!?」

 

突然聞こえて来た声に、一夏もセシリアも促されるままにその方向を見やる。

 

と、その次の瞬間!!

 

アリーナに張られていた安全の為の遮断シールドをガラスの様に突き破り、ヴィラルが一夏目掛けて、文字通り飛んで来た!!

 

「!? うわああっ!?」

 

咄嗟に防御姿勢を取った一夏に、ヴィラルの蹴りが叩き込まれた。

 

「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

衝撃で墜落する一夏。

 

今度は真面に地面に落下して、派手に土煙を上げた!

 

[な、何だ今のは!?]

 

[す、素手でISをブッ飛ばした様に見えましたけど!?]

 

[バカな! そんな事が有り得るか!!]

 

余りにもブッ飛んだ事態に、箒も、真耶も、そして千冬さえも事態の把握が出来ていなかった。

 

「な、何が起こったんだ!?………!? グフッ!?」

 

仰向けに倒れていた一夏が起き上がろうとしたところ、何者かがその胸を踏み付けて来て、再び倒した。

 

「!?」

 

やがて土煙が晴れて、その姿が露わになる。

 

一夏の胸を踏み付けていたネコ科の様な鋭い目付きをし、鮫のような歯と異形な手をし、右眼を隠すようにした金髪が特徴的で、人間に近い姿をした獣人………ヴィラルだった。

 

「…………」

 

獰猛な笑みを浮かべて、一夏を見下ろしているヴィラル。

 

[な、何だアイツは!?]

 

[獣人!?]

 

[まさか、この前の奴の仲間か!?]

 

その姿を見た箒、真耶、千冬がそう言う。

 

「な、何アレ!?」

 

「今、アリーナのシールドを突き破って来たよね!?」

 

「って言うか、生身でISを蹴り飛ばした!?」

 

観客として来ていた生徒達も騒ぎ始める。

 

「お、お前は!?」

 

「弱い………弱過ぎるぞ………織斑 一夏………世界で唯一ISを使える男の実力とは………この程度のものかぁ!!」

 

と、ヴィラルは一夏にそう言い放ったかと思うと、その首根っこを掴んで、アリーナの壁に向かって放り投げた!!

 

「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

そのまま弾丸の様にブッ飛んで行った一夏は、遮断シールドを突き破ってアリーナの壁に叩き付けられ、アリーナの一角を破壊した!!

 

「「「「「「「「「「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーっ!!」」」」」」」」」」

 

そこでやっと、事態の深刻さに気付いた観客の生徒達が、悲鳴を挙げながら逃げ出し始めた。

 

客席の防護シャッターも閉じ始める。

 

「ぐ、う………クソッ! 一体何なんだ!?………!? うわっ!?」

 

とそう言いながら起き上がった一夏の前に再びヴィラルが立ち、連続で蹴りを叩き込んで来た!!

 

「ふっ! ふっ! ふっ! ふっ!」

 

「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

その蹴りの威力は凄まじく、ブルー・ティアーズとの戦いで減っていたシールドエネルギーが、更にガリガリと削られて行く。

 

「如何した、如何した!! まともに反撃も出来ないのか!? その程度でISの操縦者とは! 笑わせてくれる!!」

 

小馬鹿にする様にそう言い、更に連続で蹴りを見舞って行くヴィラル。

 

「うわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

「………ハッ!? 貴方! いきなり乱入して来て、一体何ですの!!」

 

とそこで、あまりのブッ飛んだ事態に茫然としていたセシリアが、我に返ると地上に降り立ち、一夏を嬲っているヴィラルに向かって、スターライトmkⅢを構えた。

 

[イカン! セシリア! 止せ!!]

 

「フンッ! 貴様は引っ込んで居ろおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

千冬が止めるが時既に遅く、それに気づいたヴィラルは、一瞬にしてセシリアの元まで跳躍。

 

セシリアのブルー・ティアーズを思いっきり殴りつけた!!

 

「!? キャアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

ヴィラルに殴られた衝撃でブッ飛ばされ、満タン近く有ったシールドエネルギーを大きく削られて物理的にも背中を削りながらアリーナの壁に叩き付けられるセシリア。

 

アリーナの壁が、防護シャッターごと砕け散る!

 

「「「「「「「「「「キャアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!?」」」」」」」」」」

 

まだシャッターの閉じたアリーナの客席内に居た生徒達が逃げ惑う。

 

「うう………」

 

セシリアは無事だが、凄まじい衝撃を受けて、動けなかった。

 

[う、ウソ………]

 

[何て奴だ………]

 

ヴィラルの常識破りな暴れっぷりに、真耶と千冬は言葉を失う。

 

「フン、他愛も無い………さて………」

 

セシリアが動かなくなったのを見て興味を無くすと、ヴィラルは再び一夏に向き直った。

 

「!? うわぁっ!?」

 

先程までヴィラルに甚振られる一方だった一夏は、ヴィラルの姿を見て、思わず怯えた様子を見せてしまう。

 

「螺旋王様はデータを取れと仰っていたが………コレではその価値も無いな………一思いに殺してやろう」

 

そんな一夏に向かってヴィラルはそう言い放つと、ゆっくりと一夏に向かって歩き出した。

 

「あ、あああ………」

 

恐怖に震える一夏は動けない。

 

[一夏! 逃げろ! 逃げるんだ!!]

 

ピットの箒からそう通信が送られてくるが、一夏の耳には届かない。

 

「終わりだ………」

 

ヴィラルの目つきが更に鋭くなる。

 

 

 

 

 

 

………と、その時!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テリャアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!」

 

突如現れた人影が、一夏にトドメを刺そうとしていたヴィラルに長刀で斬り掛かった!!

 

「!? チイッ!!」

 

咄嗟に後方へと飛び退くヴィラル。

 

「やいやいやいやい! ケダモノ大将! 俺の弟分の試合に乱入するたぁ、ふてぇ野郎じゃねえか! だがな! これ以上に無法は、この神谷様が許さねえぜぇ!!」

 

その人影の正体は勿論、神谷だった。

 

[天上くん!?]

 

[神谷!?]

 

[あの………馬鹿が!!]

 

真耶、箒、千冬からそう声が挙がる。

 

「ほう………貴様がグレンラガンの装着者か………成程………天上博士にそっくりだな」

 

と、神谷の姿を見たヴィラルが、そんな言葉を呟く。

 

「!? テメェ!? 親父の事を知ってんのか!?」

 

それを聞いた神谷が目の色を変え、ヴィラルにそう問い質す。

 

「これから死ぬ貴様に教える義理は無い!!」

 

しかし、ヴィラルはそう言い放つと、前回学園を襲撃した獣人達が持っていたのと同じ様な、顔の様な形をしたバッジを取り出した。

 

「来い! エンキィ!!」

 

ヴィラルがバッジを掲げてそう叫んだかと思うと、その姿が光に包まれ………

 

白と灰色の機体色で、人型に近いフォルムをしているが、頭部には兜が被せられているだけで顔が無く、代わりにボディの部分に顔があり、両脇腰に1本づつ、計2本の刀を携えたガンメンの姿が現れた。

 

[! やはり奴もこの間の連中の仲間か!!]

 

[で、でも………前のと違って、人型に近い形をしていますよ!?]

 

ガンメンとなったヴィラルの姿を見て、千冬と真耶がそう言う。

 

「コレが私のガンメン………『エンキ』だ! さあ! グレンラガンを出せ!!」

 

ヴィラル改め『エンキ』は、神谷に向かってそう言い放つ。

 

「へっ! エンキだか、ペンキだか知らねえが! 名指しで喧嘩を売られたとあっちゃ、男として引き下がれねえなぁ!!」

 

神谷はそう言うと、長刀を背の鞘に戻し、首から下げていたコアドリルを右手に握り、天に掲げる様に構えた!

 

「グレンラガン! スピンオンッ!!」

 

そう叫ぶと、コアドリルから緑色のエネルギーが溢れ、神谷を包み込む!

 

そして、そのエネルギーが弾けたかと思うと、グレンラガンが姿を現した!!

 

「男の魂、燃え上がる! あ、度胸変身! グレンラガン!! 俺を誰だと思っていやがる!!」

 

見得を切る様なポーズを取り、神谷がそう言い放つ。

 

「グレンラガン………貴様の持つ螺旋の力………試させてもらうぞおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」

 

するとすぐさま、エンキから左ストレートが繰り出された!!

 

「ワケの分からねえ事抜かしてんじゃねえええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」

 

反射的に、グレンラガンも右ストレートを繰り出した!!

 

互いの拳が、相手の頭部の横っ面に叩き込まれた!!

 

「ク、クロスカウンター!?」

 

胸熱な展開に、思わず吠える一夏。

 

「グウッ!?」

 

「チイッ!!」

 

エンキとグレンラガンは、お互いに1歩下がる。

 

「おりゃあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

先に仕掛けたのはグレンラガン。

 

再び右の拳を握り、エンキに殴り掛かろうとする。

 

「甘い!!」

 

たが、突っ込んで来るグレンラガンに向かって、エンキは右腕を向ける様に構えたかと思うと、そこからニードルガン………エンキカウンターが発射された!!

 

「!? うおっ!?」

 

防御姿勢を取るものの、動きを止められてしまうグレンラガン。

 

「セアアアアッ!!」

 

そのグレンラガンに、エンキは両手を組んでのハンマーパンチをお見舞いする!

 

「ぐあっ!?」

 

「フンッ!!」

 

そして、グランラガンの下がった上体に、追撃の蹴りを叩き込む。

 

「おわあっ!?」

 

軽くフッ飛ばされるグレンラガン。

 

「!? アニキ!!」

 

「チッ! テメェ………中々やるじゃねえか」

 

一夏の悲鳴の様な叫びが木霊する中、フッ飛ばされた際に上がった土煙の中でグレンラガンは立ち上がる。

 

「だが! まだこれからよ!!」

 

神谷がそう声を挙げると、グレンラガンは胸部の顔の目の部分に装着されていたサングラス………『グレンブーメラン』を外し、右手に握る。

 

「面白い………この俺に剣で挑むか!!」

 

それを見たエンキは、両脇腰にあった鞘から、刀を抜き放ち、両手に二刀流で構えた。

 

「行くぜぇ! 男の情熱ぅ!!」

 

叫びと共に、空へと跳び上がるグレンラガン!

 

「燃焼斬りぃぃぃっ!!」

 

必殺の、『男の情熱燃焼斬り』を繰り出す。

 

「それが貴様の必殺技か!?」

 

だが、ヴィラルがそう言ったかと思うと、エンキは右の刀で、グレンラガンが振り下ろして来たグレンブーメランを弾く!

 

「!? 何っ!?」

 

「チエアアアアッ!!」

 

そして、左の刀でグレンラガンに横薙ぎの1撃を叩き込んだ!!

 

「おわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

ブッ飛ばされて、地面の上を転がるグレンラガン。

 

「チイッ! おりゃああっ!!」

 

だが、素早く態勢を立て直すと、エンキに向かってグレンブーメランを投擲した!!

 

勢い良く回転しながらエンキに向かって行くグレンブーメラン。

 

「フンッ」

 

しかし、エンキは高速で迫って来ていたグレンブーメランを、アッサリと弾き返してしまう。

 

「クソッ!!」

 

悪態を吐きながら、戻って来たグレンブーメランをキャッチするグレンラガン。

 

「フッ………如何やら貴様はまだ、グレンラガンの力を使いこなせていない様だな」

 

「!? 何だと!!」

 

ヴィラルの挑発する様な言葉に怒りを露わにする神谷。

 

「グレンラガンを使える人間が現れたと聞いて来てみれば………この程度か。期待外れも良いとこだ」

 

「このケダモノ野郎! 好き放題言いやがって!!」

 

神谷がそう叫ぶと、再びグレンラガンは、エンキに向かって突撃して行く。

 

[イカン! 神谷! 冷静になれ!!]

 

「その勢いの良さは………」

 

千冬がそう叫ぶが、エンキは突っ込んで来たグレンラガンが繰り出した右拳を躱すと、伸び切った腕を脇で挟んで捕まえる。

 

「褒めて! やるよおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

そしてそのままグレンラガンをスイングすると、思いっきりアリーナの壁に向かって投げ付けた!!

 

「おわあああっ!?」

 

アリーナの壁に勢い良く叩き付けられるグレンラガン。

 

「アニキィッ!! このままじゃ、アニキが………」

 

助けに行こうとする一夏だったが、先程の恐怖が残っており、身体が震えて言う事を聞かない………

 

「だ、駄目だ………」

 

思わず諦めかける一夏。

 

と、その時!!

 

「何をしている! 一夏!!」

 

ピットに居た箒が、アリーナの射出口へと姿を現した!!

 

「!? 箒!? 馬鹿! 危ないぞ! すぐに戻れ!!」

 

「一夏! お前は何をやっている!?」

 

一夏がそう叫ぶが、箒は聞かずにそう言葉を続ける。

 

「お前が兄と慕う男が、今必死になって戦っているんだぞ!! なのに弟分のお前がその様で如何する!! 立て! 立つんだ、一夏!! 自分を信じろ!!」

 

「!?」

 

箒のその言葉にハッとする一夏。

 

(お前を信じろ! 俺が信じるお前でもない。お前が信じる俺でもない。お前が信じる………お前を信じろ!!)

 

1年前に………そしてアリーナに出る前にも聞いた神谷の言葉が思い起こされる。

 

「チッ! 煩い人間め………目障りだ!!」

 

と、そこで箒の存在に気付いたエンキが、頭部の兜の角飾り部分に、赤色のエネルギーをチャージし始めた。

 

狙いは勿論、箒だ。

 

「!?」

 

「死ねえぇっ!!」

 

箒が驚いた瞬間!!

 

エンキから、必殺の破壊光線『エンキ・サン・アタック』が放たれた!!

 

「!! 箒いいいいいいぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーっ!!」

 

その瞬間!

 

一夏は、自身の身体を箒とエンキ・サン・アタックの間に割り込ませた!!

 

そしてそのまま、エンキ・サン・アタックの直撃を受け、爆炎に包まれた!!

 

「!! 一夏あぁ!!」

 

[織斑くん!?]

 

[!?]

 

箒から悲痛な叫びが挙がり、真耶と千冬も慌てる。

 

だが、次の瞬間………

 

その爆炎が弾けて………

 

 

 

 

 

中から、白いISを装着した一夏の姿が現れた!!

 

 

 

 

 

「!? 何っ!?」

 

「一夏!?」

 

「へへっ………漸く終わったみたいだな」

 

目の間に表示されている『フォーマット、フィッティング完了』の文字を見て、ニヤリと笑いながらそう言う一夏。

 

「まさか………一次移行(ファーストシフト)………あ、あの人、私との戦いでは初期設定だけの機体で戦っていたと言うの!?」

 

それを見たセシリアが、そう驚きの声を挙げた。

 

「何だか良く分からねえけど………コレで漸く白式(コイツ)は俺のモンになったってワケだ!!」

 

そう言う一夏の右手には、先程まで握っていたブレードとは違うブレードが握られていた。

 

そして目の前に、『近接特化ブレード『雪片弐型』使用可能』の文字が浮かび上がった。

 

「雪片弐型?………雪片って、千冬姉が使ってた武器だよな? フッ………俺は世界で最高の姉さんと、アニキを持ったよ」

 

一夏がそう言うと、雪片弐型が変形し、エネルギーの刀身を作り出した!!

 

「でもそろそろ、守られるだけの関係は終わりにしなくちゃな………コレからは、俺が家族を守る!」

 

「ええい! 貴様! 何をゴチャゴチャと!!」

 

そこでヴィラルがそう声を挙げる。

 

「聞けっ! 獣人野郎!!」

 

すると一夏が、雪片弐型でエンキを指し、そう言い放った!!

 

「!?」

 

「剣を振るなら天を斬る!! 刃折れても振り抜いて、斬り捨てたなら俺の勝ち!! 俺を誰だと思っている!? 俺は織斑 一夏!! 俺の剣は………天を斬り裂く剣だぁっ!!」

 

そして、そう言い放つと、エンキに向かって突撃した!!

 

「クウッ! くたばれえええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」

 

エンキは、突っ込んで来る一夏に向かって、エンキ・サン・アタックを放った!!

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

向かって来るエンキ・サン・アタックに対して、雪片弐型を振るう一夏。

 

すると、エンキ・サン・アタックが斬り裂かれ、霧散した!!

 

「!? 何だと!?」

 

「でりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

そしてそのまま、エンキに向かって斬り掛かる!!

 

「グウウッ!?」

 

両手に持っていた刀を交差させる様に構えて受け止めるエンキ。

 

だが、徐々に刀にヒビが入り始める。

 

「な、何故だ! 姿が変わった途端にコレほどのパワーを発揮するとは!! コレが織斑 一夏の力なのか!?」

 

「行っけええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」

 

一夏が叫びながら、更に雪片弐型を押し込むと、遂にエンキの刀が完全に砕け散った!!

 

「!! チイッ!!」

 

しかしその瞬間、エンキは僅かに後退すると、ボディの顔の部分の装甲を展開!!

 

そこからミサイルや機関銃と言った重火器の発射口が出現する!!

 

「!?」

 

「この至近距離では躱せまい!!」

 

そう言って、全火器をブッ放そうとするエンキ。

 

だが、その時!!

 

「俺が居る事を忘れるんじゃねえキイイイイィィィィィックッ!!」

 

グレンラガンの飛び蹴りが、エンキに炸裂した!!

 

「ぐああああっ!?」

 

それを真面に喰らったエンキは、地面の上を転がって行く。

 

「アニキッ!」

 

「すまねえ、一夏。助かったぜ。流石は俺の弟分だな」

 

一夏に向かってそう言う神谷。

 

「グウウッ! グレンラガン!!」

 

その間に、エンキが起き上がる。

 

「良し、一夏! 一気に決めるぜ!!」

 

「おうっ!!」

 

神谷の言葉に、力強く返事を返す一夏。

 

すると………

 

グレンラガンが、そんな一夏を白式ごと持ち上げ、投げ飛ばそうとしている様なポーズを取った!

 

「ア、アニキ!?」

 

神谷が何をするのか分からず、困惑する一夏。

 

「トドメはお前だ! 根性入れろよ、一夏!! 喰らえっ! 必殺!! 男の魂完全燃焼!! キャノンボールアタックゥッ!!」

 

直後に、グレンラガンは一夏をエンキに向かって思いっきり投げつけた!!

 

[[「馬鹿アアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!?」]]

 

箒、真耶、千冬が揃ってそう叫ぶ。

 

「無茶苦茶なんですけどおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」

 

投げ飛ばされた一夏も気が気でなく、涙目になってそう叫ぶ。

 

「バカめ! そんな攻撃が当たるか!!」

 

ヴィラルがそう言い、エンキがサイドステップを踏む。

 

このままでは外れてしまう………

 

と、その時!!

 

「や、やるしかないでしょうがあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

一夏が覚悟を決めて、何としてもエンキにブチ当たろうとした瞬間………

 

偶然にもISのある技が発動した。

 

その機能とは………『瞬時加速(イグニッション・ブースト)』

 

ISの後部スラスター翼からエネルギーを放出し、それを内部に一度取り込み、圧縮して放出する事によって、その際に得られる慣性エネルギーを利用して爆発的に加速する、という技である。

 

如何にかしてエンキにブチ当たろうとして、身体がエンキの方へ向いていたので、一夏は空中で直角に曲がる様に軌道修正。

 

改めてエンキに突撃して行った!!

 

「!? 何っ!?」

 

まさか曲がって来るとは思っていなかったヴィラルは慌てて動けない。

 

「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」

 

動きが止まったエンキに向かって、一夏は雪片弐型を横薙ぎに振るった!!

 

ガキャアアンッ!! という甲高い音がアリーナに木霊したかと思うと………

 

エンキの兜を被っていた頭部に斬れ目が入り………

 

そのまま爆発した!!

 

「クッ! 浅かったか!?」

 

そのエンキの背後に着地し、エンキの方を振り返りながらそう言う一夏。

 

「わ、私の兜が!?………貴様あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」

 

兜が破壊されてしまった事に怒りを露わにし、再び戦闘を開始しようとするエンキ。

 

と、そこへ………

 

[ヴィラル! 退け!!]

 

チミフルから、撤退命令が下った。

 

[!? チミフル様! しかし!!]

 

[コレは螺旋王の命令である!!]

 

[ぐうっ!!………]

 

反論しようとしたヴィラルだったが、螺旋王の命とあっては逆らえなかった。

 

「おのれ、織斑 一夏! おのれ、グレンラガン!! この屈辱は何れ晴らしてくれるぞ!!」

 

ヴィラルがそう叫ぶと、エンキは再びボディの顔の部分の装甲を展開して重火器を手当たり次第に発砲!!

 

アリーナ一帯が爆煙に包まれた!!

 

「うわっ!?」

 

「うおっ!?」

 

至近距離にも着弾し、思わず腕で顔を覆う一夏とグレンラガン。

 

やがて爆煙が収まったかと思うと………

 

エンキの姿は、何処にも無くなっていた。

 

「あっ!? しまった!!」

 

「逃げられたか………畜生!!」

 

地団太を踏む様な仕草を見せるグレンラガン。

 

(アイツ………親父の事を知ってやがった………それに、前に現れた獣人もグレンラガンを知っている様な素振りを見せた………一体何の関係が有るんだ?)

 

考えが頭の中で堂々巡りする神谷。

 

「アニキ! 大丈夫!? 怪我してない!?」

 

とそこへ、一夏が心配した様子を見せながら近づいて来た。

 

「ん? あ、ああ、心配要らねえよ。俺を誰だと思ってやがる」

 

「良かった~」

 

神谷が無事で安堵の息を吐く一夏。

 

「………一夏、あんがとよ。助かったぜ」

 

「えっ?」

 

「お前が来てくれたお蔭で、奴を倒す事が出来た」

 

「そ、そんな! 俺、そんなに活躍は………」

 

「何言ってやがる! 今日の戦いはまぎれも無くお前の手柄だぜ! さっきの口上………中々胸にガツンッと来たぜ!!」

 

「アニキ………」

 

一夏とグレンラガン(神谷)はそう言い合って、勝利を喜ぶかの様に、拳と拳を合わせ合ったのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

ウチの千冬は某忍術学園教師並みのストレス性神経性胃炎持ちです(笑)

それはさておき、遂に始まったクラス代表戦。
だがそこへヴィラルが乱入してきます。
そしてトンでもない暴れっぷりを見せてくれました。
丁度これを書いてた頃、第2次スーパーロボット大戦Zが発売されて、真マジンガーに触れていた頃でして。
ヴィラル大暴れのシーンは、真マジンガーのあしゅら男爵のパロディです。
今後もこの様な今川泰宏監督の様な演出が多々入るので、しっかりと付いてきて下さい(爆)

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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