天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第49話『楽しみは独り占めするもんじゃねえぜ』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第49話『楽しみは独り占めするもんじゃねえぜ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園・第1アリーナ………

 

IS学園のオープン・キャンパスが行われ、そこでエキシビジョン・マッチとして、楯無と簪の試合が行われていたのだが………

 

突如その場に、ロージェノム軍のガンメン部隊。

 

そして、人類の裏切者であるレッドショルダー部隊が現れたのだった。

 

「殺せぇっ! 人間共は皆殺しだぁ!!」

 

「死ね死ねーっ!!」

 

ガンメン部隊とレッドショルダー部隊は、アリーナ内に居た更識姉妹を無視し、観客席へと攻撃を開始する。

 

当然、両部隊の攻撃は、観客席を守っているシールドにぶつかって防がれるが………

 

ガンメン部隊とレッドショルダー部隊は数を頼りに飽和攻撃を続ける。

 

アリーナのシールドが如何に強固であろうと、ずっと攻撃を受け続けていれば何時かは破られてしまう。

 

「「「「「「「「「「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」」」」」」」」」」

 

観客席に居た生徒達とオープン・キャンパスに来ていた女子達が悲鳴を挙げて慌てて逃げ出すと、アリーナの防御シャッターが降り始める。

 

「! アイツ等ぁ!!」

 

「………!」

 

楯無がその光景に怒りを燃え上がらせると、簪は直ぐ様ヘヴィマシンガンをガンメン・メズー1体に向かって発砲!

 

「!? や、やられたーっ!?」

 

マヌケな断末魔を挙げて、蜂の巣にされたメズーは爆散する。

 

「ええい! 邪魔をするなぁ!!」

 

「貴様等から殺してやる!!」

 

途端にガンメン部隊とレッドショルダー部隊は、更識姉妹に狙いを変え、一斉に襲い掛かって来る!!

 

「! このおぉっ!!」

 

飛び掛かって来たゴズーを串刺しにする楯無。

 

「…………」

 

簪も、ブラッディライフルを連射して来たレッドショルダー隊員の攻撃を躱しながら、7連装ミサイルポッドのミサイルを3発叩き込む!!

 

「ギャアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!?」

 

直撃を受けたレッドショルダー隊員は、余りのダメージでISが解除され、自爆装置が作動して爆散した。

 

そのまま、楯無と簪はガンメン部隊とレッドショルダー部隊の攻撃を躱しつつ合流。

 

背中合わせの態勢となって、互いに敵に睨みを利かせる。

 

「この前大分やっつけたと思ったけど、レッドショルダーってこんなに居たの? 皆IS持って」

 

「多分………ロージェノム軍が………鹵獲したISコアを利用して………新しく機体を………建造している………」

 

楯無と簪がそう言い合って居ると、

 

「螺旋王様に逆らう愚か者共め!!」

 

「ガキがぁ! ブチ殺してやるわぁ!!」

 

ガンメン部隊とレッドショルダー部隊は、2人を取り囲む!!

 

「う~~ん、殺されるのは勘弁かな?」

 

「生憎だけど………私はそう簡単に死なないよ………」

 

だが、楯無と簪は慌てること無く、余裕の笑みを浮かべて、両部隊にそう言い放つ。

 

(姉さん………無理はしないで………エネルギー………残り少ないんでしょ?)

 

(削ったのは簪ちゃんじゃな~い)

 

だが、其々に得物を構えた瞬間には、プライベート・チャネルでそう言い合う。

 

何せ2人は先程まで模擬戦を行っており、特に被弾ばかりしていた楯無の方は、エネルギーがもう限界に近かった。

 

(まあ、でも、そこは気合で持ち堪えてみせるよ!!)

 

(やっぱり………姉さんも………グレン団だね)

 

(簪ちゃんもそうでしょ?)

 

(そうね………)

 

そう言い合って、2人はフッと笑い合う。

 

「何を笑っている!?」

 

「死ねぇっ!!」

 

そこで、ガンメン部隊とレッドショルダー部隊は、一斉に更識姉妹へ狙いを付ける。

 

「「!!」」

 

身構える更識姉妹だったが、次の瞬間!!

 

ガンメン部隊とレッドショルダー部隊の一角から爆発が上がった!!

 

「「「「「「「「「「ギャアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!?」」」」」」」」」」

 

両部隊の人員達が、木の葉の様に宙に舞う。

 

「「!?」」

 

一瞬何が起こったのかと思った更識姉妹であったが………

 

「その喧嘩………俺達も混ぜな!!」

 

次の瞬間、そういう声が聞こえて来て、爆煙が晴れて来たかと思うと………

 

グレンラガンの姿となっている神谷と、ISを装着している一夏達が姿を現した!!

 

「! 神谷くん!!」

 

「一夏………!」

 

「楯無! 楽しみは独り占めするもんじゃねえぜ」

 

「普通に見て多勢に無勢なんだ。今更増えたって、文句は無いよな?」

 

更識姉妹が驚いていると、グレンラガンは指の骨を鳴らしながら、一夏は実体剣状態の雪片弐型の切っ先を突き付けながら、ガンメン部隊とレッドショルダー部隊にそう言い放つ。

 

「現れたな! グレンラガン!!」

 

「チッ! 専用機持ち共か!!」

 

ガンメン部隊とレッドショルダー部隊は、グレンラガンと一夏達の姿を見て、苦々しげにそう声を挙げる。

 

「楯無さん! 今の内にエネルギーを!!」

 

と、絢爛舞踏を発動させていた箒が、楯無に向かって手を伸ばしながらそう言う。

 

「ありがとう!!」

 

「…………」

 

動揺しているガンメン部隊とレッドショルダー部隊の隙を衝き、更識姉妹はグレン団へと合流。

 

楯無の方は、箒からエネルギーを受け取り、シールドを回復する。

 

「行くぜ、お前等! 一気に蹴散らすぞ!!」

 

「「「「「「「おう!!」」」」」」」

 

「………了解」

 

それを確認すると、グレンラガンがそう言い放ち、グレン団の一同は、一斉に敵両部隊へと向かって行くのだった。

 

 

 

 

 

「うおおっ! 狩りだ! 破壊だぁ!!」

 

ガンメン・ゴズー達が、ラウラ目掛けて腕からミサイルを撃ち込む。

 

「甘いっ!!」

 

だが、ラウラはAICを展開。

 

ミサイルは眼前で止められる。

 

「ヘッ! そいつは一方にしか展開出来ないってのは知ってんだよ!!」

 

しかしそこで、背後からガンメン・アガー1体が殴り掛かって来る!!

 

「そうはさせないわよ!!」

 

だが、そのアガーに向かって、鈴が龍咆を発射!!

 

「や、やられた!!」

 

情けない断末魔と共に消し飛ぶアガー。

 

「テメェッ!!」

 

と、ラウラにミサイルを撃ち込んだゴズー達が、今度は鈴に狙いを定めるが………

 

「そこだ!!」

 

その瞬間、ラウラはワイヤーブレード6本を全て伸ばし、ゴズー達を全て斬り裂いた!!

 

「「「「「ギャアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!?」」」」」

 

断末魔が挙がると、ゴズー達は爆散する。

 

「サンキュッ!」

 

「フッ、コレで貸し借りは無しだぞ」

 

そう言い合って、ニヤリと笑い合う鈴とラウラだった。

 

 

 

 

 

「そこですわ!!」

 

「来世で仕返ししてやるーっ!!」

 

スターライトmkⅢを構えると、正確な狙いでガンメン・ングー1体を撃ち抜くセシリア。

 

「撃て撃てぇっ!!」

 

と、そのセシリアに狙いを定め、左手のガトリングガンを発砲するガンメン・メズー達。

 

「…………」

 

多数のガトリングガンから放たれた弾幕をセシリアは飛び回って回避する。

 

「如何した!? 避けるので精一杯か!?」

 

だがメズー達はそのまま弾幕を張り続け、セシリアに反撃の隙を与えない。

 

「そらそら! 逃げろ逃げろ!!」

 

「…………」

 

無言のまま回避を続けるセシリアに気を良くしたメズー達は、ガトリングガンの連射を続ける。

 

と、その時………

 

「? ん? 何だ?」

 

足元に違和感を覚えたメズー1体が、視線を下げると………

 

メズー達が居る地面が、水浸しになっている事に気付く。

 

「何だ? この水は?」

 

と、メズー1体がそう言った瞬間………

 

「グッドラック!」

 

何時の間にかそのメズー達の後方に立っていた楯無が、掲げる様に構えていた左手の指を鳴らした!

 

その瞬間!!

 

メズー達の足元の水………アクア・ナノマシンが高熱を発生!!

 

水が瞬時に気化して爆発!!

 

メズー達を一気に吹き飛ばした!!

 

「「「「「獣人に栄光あれええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」」」」」

 

「「…………」」

 

メズー達の残骸が降り注ぐ中、セシリアと楯無は互いに笑みを浮かべ合う。

 

 

 

 

 

「…………」

 

ジェットローラーダッシュで移動しながら、ヘヴィマシンガンを単射モードで、正確にレッドショルダーのブラッドサッカー達へと叩き込んで行く簪。

 

「ク、クソがぁっ!!」

 

「うおわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

次々にISが機能停止し、自爆装置が作動して吹き飛んで行くレッドショルダー達。

 

「アイツ! 並みのIS乗りじゃないぞ!!」

 

「クソがぁ! 調子に乗るなよ!!」

 

レッドショルダー達もやられてばかりでなく、ブラッディライフルを簪目掛けて発砲する。

 

「…………」

 

だが、簪は(バイザーで窺えないが恐らく)涼しい顔をして、繰り出される弾丸を躱す。

 

「チイッ! 1発直撃させればケリが着くってのに!!」

 

「取り囲め! 周り中から一斉に弾丸を浴びせれば奴だって………」

 

そこでレッドショルダー達は、簪を取り囲んだ弾幕を浴びせようと考えたが………

 

「見え透いた手ね………」

 

簪はそう呟いたかと思うと、右足のターンピックを地面に撃ち込む!

 

そしてその場で360度高速回転!!

 

そのままヘヴィマシンガンをフルオートで発砲し、次々にブラッドサッカー達へ弾丸を命中させる!!

 

「な、何ぃっ!?」

 

「ば、馬鹿なぁっ!?」

 

次々に爆散して行くレッドショルダー達。

 

しかも恐ろしい事に、一見無作為に発砲しているだけに見えるが、その狙いは正確無比であり、外れている弾丸が殆ど………

 

と言うよりも全然無い!

 

「…………」

 

爆散したブラッドサッカー達の残骸が炎を上げ、簪はその中に無言で佇む。

 

その姿は正に、地獄から来た者と評するに相応しかった………

 

 

 

 

 

「ゼアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!」

 

「天国に行けるかなぁーっ!?」

 

気合の一閃で、ゴズーを斬り裂く一夏。

 

「この野郎!!」

 

と、ロックガンを構えたレッドショルダーが、一夏目掛けてエネルギー弾を放つが………

 

「雪羅!!」

 

一夏は迫り来るエネルギー弾に向かって左手の雪羅を構える。

 

零落白夜のバリアシールドが展開され、ロックガンのエネルギー弾が打ち消される!!

 

「何っ!?」

 

「せやあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

驚くロックガンを装備していたレッドショルダーを、箒が雨月と空裂の二刀流で斬り付ける!!

 

「グアアッ!? 貴様ぁっ!!」

 

「!!」

 

しかし、撃破には至らず、ロックガンを装備していたレッドショルダーは、ターンしながら左手をロックガンより離し、アームパンチを打ち込んで来たが、箒は大きく距離を取って躱す。

 

「人間めぇ! 死ねぇっ!!」

 

と、そこで今度は、カノン・ガノンがキャノン砲からエネルギー弾の砲撃を見舞って来る。

 

「当たるか!!」

 

「グアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!?」

 

箒は上昇して躱すが、射線上に居たロックガンを装備していたレッドショルダーは巻き添えを喰らい、爆散する。

 

「チッ! 屑が!! 邪魔しやがって!!」

 

「相変わらず反吐が出る連中だな………お前達の様な奴等を! 私は許さん!!」

 

仲間を撃っておいてそんな台詞を吐くカノン・ガノンに、箒は嫌悪感を露わにしてそう叫ぶと、雨月から刺突攻撃でレーザーを放出する!!

 

「何の! こちとら100ミリの装甲だ! そんなもんじゃビクともしねえぞ!!」

 

しかし、このカノン・ガノンは如何やら装甲を強化しているらしく、何発かの直撃を受けたにも関わらず、ピンピンとしている。

 

「喰らえぇっ!!」

 

そして、両手のガンポッドから、レーザーバルカンを見舞おうとしたが………

 

「!? うごあっ!?」

 

突然苦しげな声を挙げると、そのまま痙攣する様な様子を見せるカノン・ガノン。

 

そして、その次の瞬間!!

 

カノン・ガノンのボディを突き破って、金色に輝く手が飛び出した!!

 

一夏のシャイニングフィンガーだ!!

 

「はああああああぁぁぁぁぁぁぁ………ハアッ!!」

 

一夏が気合を入れる様に叫んだ瞬間!!

 

シャイニングフィンガーに貫かれていたカノン・ガノンは、爆発・四散した!!

 

「大丈夫か!? 箒!?」

 

「あ、ああ………助かった」

 

尋ねて来た一夏に、頬を染めながらそう答える箒。

 

(さっきの一夏の顔………凛々しかったな………)

 

「何ボーッとしてんだ? 敵はまだ居るんだぞ!」

 

「! わ、分かっている!!」

 

思わずそんな事を考えてしまう箒を、他ならぬ一夏自身が現実へと引き戻し、箒は顔を赤くしたまま雨月と空裂を構え直すのだった。

 

 

 

 

 

「アースバーストォッ!!」

 

グレンラガンがそう叫びながら、2本のドリルを出現させた腕を、地面に叩き付けたかと思うと………

 

グレンラガンを中心に地面が罅割れ、地割れを起こす!!

 

「「「「「「うおわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」」」」」」

 

ガンメン達がその地割れに呑まれ、次々に爆散する。

 

「グレンラガン! 覚悟ぉっ!!」

 

だが、生き残ったゴズー1体が、技を出し終えた直後のグレンラガンにミサイルを放つ。

 

「させないよ!!」

 

しかし、シャルが間に割って入り、物理シールドを構えてミサイルを防ぐ!!

 

「このぉ! 邪魔をするな!!」

 

再びミサイルを放とうとするゴズーだったが………

 

「そこっ!!」

 

その瞬間シャルは、そのゴズーの腕から出現したミサイルポッド目掛けてマシンガンを発砲!

 

弾丸が発射寸前だったミサイルに命中する!

 

「そ、そんなのありかよ!?」

 

恨み言を呟きながら、ゴズーは爆散する。

 

「流石だな! シャル!!」

 

「神谷! 細かい事は僕がやるよ!! だから!!」

 

「おう! 大雑把な事は俺に任せな!!」

 

何とも2人らしい遣り取りを交わすグレンラガンとシャル。

 

と、そこで!!

 

見覚えのある、ブーメラン状の刃が飛んで来た。

 

「!? 居合い斬り! 梅!!」

 

咄嗟にグレンラガンは、胸のグレンブーメランを居合い斬りの様に振るい、ブーメラン状の刃を弾き飛ばす!!

 

「久しぶりだな! グレンラガン!!」

 

そう言いながら、戻って来たブーメラン状の刃をキャッチし、ボディにセットし直すエンキドゥことヴィラル。

 

「ヴィラル! またテメェーか!!」

 

「今日こそ、その命………螺旋王様の為に貰い受ける!!」

 

エンキドゥはそう叫ぶと、両手にエンキソードを握り、グレンラガンに斬り掛かる!!

 

「隊長! 援護を!!」

 

同時に、他のガンメン部隊も、エンキドゥを掩護しようとするが………

 

「神谷の戦いの邪魔はさせないよ!!」

 

シャルが、両手にガルムとヴェントを握り、ガンメン達に弾幕を張るのだった。

 

「セエエアッ!!」

 

「うおおおおっ!!」

 

気合の声と共に、グレンラガンの2本ずつドリルを出現させた両腕と、エンキソードがぶつかり合う。

 

そのまま激しく火花を散らし、押し合いとなる。

 

「テメェ等も懲りねえ上にワンパターンな連中だな!! いい加減諦めやがれ!!」

 

度重なるIS学園への襲撃に、グレンラガンは飽き飽きした様な風に言い放つ。

 

「そうはいかん! 螺旋王様の為! そしてこの俺の戦士としてのプライドに賭けて!! 貴様を葬り去る!!」

 

だがエンキドゥはそう言い放ち、グレンラガンを押し始める。

 

「うおっ!? 舐めるなぁ!!」

 

しかし、そこでグレンラガンは、エンキドゥの左足にローキックを叩き込む!!

 

「!? ぐうっ!?」

 

バランスを崩すエンキドゥ。

 

「おりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

「ぬおわっ!?」

 

そのエンキドゥを、グレンラガンは勢い良く投げ飛ばす!!

 

「チイッ!!」

 

だが、エンキドゥは空中で姿勢を整えて着地。

 

「喰らえっ!!」

 

そして、両肩に出現させたランチャーからミサイルを撃ち出す。

 

「何のぉ! ミサイルドリル!!」

 

迫り来るミサイルに向けて、グレンラガンもドリルをミサイルとして発射。

 

エンキドゥのミサイルと、グレンラガンのドリルは互いに衝突し、相殺し合う。

 

「エンキラッガー!」

 

「グレンブーメラン!」

 

続いて今度は、エンキラッガーとグレンブーメランを投擲し合うが、これも互いにぶつかり合って、其々持ち主の手元に返って行く。

 

「男の情熱! 燃焼斬りいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーっ!!」

 

「チイッ!!」

 

続けて繰り出された男の情熱燃焼斬りを横にステップを踏んで躱すエンキドゥだったが、グレンラガンが放った斬撃は地を走り、多くのガンメン部隊とレッドショルダー部隊を斬り裂いた!!

 

「おわっ!? やり過ぎたか!?」

 

(この男! 更に螺旋力が増している!!)

 

若干慌てるグレンラガンと、内心で軽い戦慄を覚えているエンキドゥ。

 

「だが! それでこそ戦士として戦い甲斐が有ると言うものだ!!」

 

しかし、自分を鼓舞する様にそう叫ぶと、再び両手に構えたエンキソードで斬り掛かる。

 

「上等だぁっ!!」

 

向かって来るエンキドゥに、グレンラガンはドリルと化した右の拳を叩き込む!!

 

「くあっ!?」

 

「ぐうっ!?」

 

互いの攻撃がぶつかり合い、両者は弾かれる様に距離を取った。

 

と、その時………

 

[神谷! 聞こえるか!?]

 

グレンラガンに、千冬の慌てた通信が入って来た。

 

「んだよ!? 今手が離せねえんだ! 後にしてくれ!!」

 

エンキドゥの動きに注意しながら、千冬にそう言うグレンラガンだったが………

 

[マズイ事になっているんだ! 敵の別働隊が現れた!! しかも地下施設の中にな!!]

 

「!? 何だと!?」

 

千冬のその報告で、驚きの声を挙げる。

 

(別働隊だと? そんな話は聞いていないぞ………)

 

しかし、その遣り取りが聞こえていたエンキドゥのヴィラルも困惑する。

 

別働隊の存在は、彼自身も知らなかったのだ。

 

[学園の地下施設には様々な機密が存在する! このままではそれを敵に奪われてしまう! 何とかそっちをすぐに片付けて向かってくれ!!]

 

「気楽に言ってくれるぜ!!」

 

グレンラガンは愚痴る様に叫びながらも、ドリルと化した右腕を構え、エンキドゥへと向かって行く。

 

(何故この様な作戦を………いや! 作戦の真意が如何あれ、今は目の前の敵を打ち砕くのみ!!)

 

エンキドゥも、自分にすら知らされていなかった作戦に困惑しながらも、今は只目の前の好敵手との戦いに集中するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

ガンメン部隊とレッドショルダー部隊がアリーナの攻撃を始めた瞬間、生徒やオープン・キャンパスに来ていた女子達と共に、地下に在るシェルターへと向かっていた五反田兄妹と布仏姉妹は………

 

「アレ~? 行き止まりだ~?」

 

「行き止まりだ~?………じゃないでしょ! 本音! シェルターの場所ぐらいチャンと覚えておきなさい! じゃないと死ぬわよ!!」

 

先頭を行っていたのほほんがそう言いながら行き止まりに辿り着き、虚が怒りの声を挙げる。

 

「お、お兄………如何しよう?」

 

「心配すんな、蘭。きっと大丈夫だ」

 

珍しく不安がり、弾の服の裾を握り締めている蘭に、弾はそう言う。

 

最初こそ、他の生徒達と同じ様に避難していた4人だったが、避難の最中に蘭が逸れてしまい、探しに戻ったところ、完全に遅れてしまったのだ。

 

そして、のほほんが誘導を買って出てシェルターへと向かい、今に至る。

 

「全く………最初から私が誘導すれば良かったわ」

 

そう言いながら虚は、近場に在った端末で、現在位置を割り出そうとする。

 

と、その時!!

 

五反田兄妹と布仏姉妹が居る通路に振動が走った!!

 

「!? キャアッ!?」

 

「虚さん!!」

 

思わず倒れそうになった虚を、弾が受け止める。

 

「な、何っ!?」

 

「地震~?」

 

慌てる蘭と、こんな時でもマイペースなのほほん。

 

と、次の瞬間!!

 

行き止まりの壁が、粉砕されて、音を立てて崩れた!!

 

「「「「!?」」」」

 

4人が驚きながら、崩れた壁に注目すると………

 

「良し! 通路に出たぞ!!」

 

「学園の機密は何処にあるんだ?」

 

そんな事を言いながら、モグラ型ガンメン・モグーの部隊が現れる!!

 

「!? ガンメン!?」

 

「んん~っ!? 人間が居るぞ!?」

 

虚が思わず驚きの声を挙げると、モグー部隊もその存在に気づく。

 

「人間だとぉ!?」

 

「殺せ殺せ!! 人間は皆殺しだぁ!!」

 

途端にモグー部隊は、獣人の本能に任せて、五反田兄妹と布仏姉妹に襲い掛かる!!

 

「「「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」」」

 

悲鳴を挙げて、床に上に蹲る虚、のほほん、蘭。

 

しかし………

 

「飛竜! 三段蹴りいいいいいぃぃぃぃぃぃーーーーーーーっ!!」

 

雄々しい雄叫びが響いたかと思うと、モグー部隊の先頭に居た隊長機に、3連続の飛び蹴りが叩き込まれた!!

 

「!? ぐあああっ!?」

 

撃破する事は出来なかったが、モグー隊長機は大きくブッ飛び、他のモグー達に激突!

 

モグー達はまるでボーリングのピンの様に散らばる!

 

「えっ!?」

 

「弾………さん?」

 

「お兄!?」

 

のほほん、虚、蘭が驚きの声を挙げる。

 

何故なら、モグーの隊長機をぶっ飛ばしたのは………

 

他ならぬ弾だった!!

 

「舐めるなよ………俺はアニキや一夏みたいなマシンは持っちゃいないが………グレン団の特攻隊長! 五反田 弾様だ!!」

 

モグー達に向かって構えを取りながら、弾はそう言い放つ!!

 

「敵を前に………怯えは見せねえ!! 俺を誰だと思っていやがる!!」

 

そして、神谷や一夏が決まり文句としている、あの台詞を言い放つのだった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

例のよってロージェノム軍の襲撃を受けるIS学園。
久しぶりに現れたヴィラルとも激戦を繰り広げるグレン団。
しかし、何と機密のある学園地下に別動隊が!?
運悪くその別動隊と出くわしてしまった虚達。
だが、そこで………
弾が勇敢に立ち向かいます。
いよいよ彼にスポットが当たる時が来ました。
乞うご期待。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)

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