これは………
女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………
それに付き従う女達の物語である………
天元突破インフィニット・ストラトス
第50話『意地が有るんだよぉ! 男の子にはぁっ!!』
オープン・キャンパスが行われていた日に襲撃を受けたIS学園………
神谷達グレン団が迎撃に出たが………
ヴィラルのエンキドゥと含めたガンメン部隊と、レッドショルダー部隊を相手にしていた最中、別働隊が出現!!
IS学園の機密を狙い、直接地下施設を襲撃して来たのだ。
運悪く避難し損ない、別働隊と鉢合わせてしまった五反田兄妹と布仏姉妹。
そんな一同を護る様に………
弾がその身をガンメン達の前へと躍らせるのだった。
一方、その頃………
IS学園・地下施設の一角………
ジギタリスが拘束されている檻にて………
(………騒がしいな………この振動は………我が軍が地下施設を攻撃したのか?)
時折檻を揺らして走る振動に、ジギタリスはそう推察する。
すると………
「おっさん!」
ティトリーが、ジギタリスの前に姿を現した。
「ティトリーか………メガヘッズは如何だ?」
「う、うん、バッチリ………この前、グレンラガンに仕掛けてみたけど、問題無かったよ」
「そうか………で? 俺を助けに来たのか?」
「うん。やっぱり放っとけなくて………正直、まだ如何すれば良いか分かんないよ………でも………」
何やら思い詰めている様な表情を見せるティトリー。
「でもこのままじゃ、どっちにも居場所が無くなりそうで………自分でも怖いんだ………」
「………獣人としての本分を思い出した………そう受け取って良いな?」
そんなティトリーに、ジギタリスはそう問い質す。
「…………」
ティトリーはただ無言になる。
だが、ジギタリスはそれを肯定の意と受け取ったのか………
「むんっ!!」
身体に巻かれていた鎖を容易く引き千切ったかと思うと、続けて檻を紙の様に破壊した!!
「ぎゃ~~~~~~っ!?」
突然行動したジギタリスに、ティトリーは驚きのリアクションを見せる。
「そう! 例え人間が何であろうと!! 俺様は………寝た子は起き、泣く子は黙る! 特別遊撃部隊長だ!!」
そんなティトリーを尻目に、ジギタリスはそう言い放つ。
「行くぞ、ティトリー! メガヘッズを出せ!!」
「う、うん!」
その言葉で、ティトリーは戸惑いながらも、ポケットから顔の様な形をしたバッジを取り出す。
そのバッジの顔は………
以前グレンラガンを襲撃したカメ型のガンメン………メガヘッズのものだった。
そして………
避難中に迷い………
運悪く地下施設を襲撃して来たガンメン・モグーの部隊と出くわしてしまった五反田兄妹と布仏姉妹………
「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」
床に転がっていた鉄パイプを拾い上げ、モグー1体に殴り掛かる弾。
「弾くん!!」
「お兄!!」
「蘭! 虚さん! 本音さん! 此処は俺が食い止めます!! 早く逃げて下さい!!」
弾はそのまま鉄パイプを振り回し、モグー達を牽制しつつ、蘭と布仏姉妹にそう言う。
「そんな!?」
「馬鹿な事を言わないで弾くん!! 只の人間がガンメンに立ち向かえるワケないわ!!」
「ダンダン!」
蘭と布仏姉妹が、何を馬鹿な事を、と言う感じで返した瞬間………
「人間如きが! 生意気だぞ!!」
モグー隊長機が、弾から鉄パイプを取り上げる。
「あっ!?」
「こんな物は………こうだ!!」
そして、まるで飴細工の様に容易く折り曲げてしまう。
「!?」
「そら! 喰らえいっ!!」
そして、弾に向かって腕を振って来る。
「!? ぐああっ!?」
咄嗟に両腕でガードする姿勢を取ったものの、弾はブッ飛ばされて、壁に背中から叩き付けられる。
「! お兄!!」
「弾くん!!」
「ダンダン!!」
慌てて蘭と布仏姉妹が駆け寄って来る。
「だ、大丈夫ッス………こんなの全然大したこと無いッスよ」
「強がってんじゃないわよ、お兄!!」
心配させまいとそう言い笑みを浮かべる弾だったが、その笑みは激痛で歪んだ笑みだった。
「安心しろ、人間共」
「全員纏めて仲良くあの世に送ってやるからよー」
そんな弾達に向かってそう言うモグー部隊。
如何やら、完全に嬲る積りらしい。
「そうは………させるかってんだよ………」
しかしそこで弾が無理に起き上がり、再びモグー達に向かって行こうとする。
「! お兄! もうやめて!!」
「弾くん! 駄目です! 死んでしまいますよ!!」
慌てて蘭が右腕、虚が左腕を摑んで止める。
「ダンダン! 如何してそこまで頑張るの!?」
そしてのほほんは、そんな弾に向かって問い質す。
「へっ………自分可愛さに………女の子を見捨てて逃げるなんて真似が出来るかよ………?こう言う時………盾になるのが男ってもんだろ?」
その問いに、弾はニヤリと笑ってそう返す。
「ましてや、その女の子が自分の恋人とその妹………そして実の妹ってんなら、尚更だろ」
「馬鹿! 相手はガンメンなんだよ!?」
「もう止めて、弾くん! 本当に死んでしますわ!! 意地を張らないで!!」
蘭と虚は、最早懇願するかの様にそう言うが………
「すいません、虚さん………コレばっかりは譲れませんよ………俺は男です………そう………」
そこで弾はモグー部隊を睨み付け………
「意地が有るんだよぉ! 男の子にはぁっ!!」
そう吠えた!!
………そして、その瞬間!!
弾の身体から、緑色の光が溢れた!!
「!? キャアッ!?」
「お兄!?」
「弾くん!?」
驚くのほほん、蘭、虚。
「な、何だコリャアッ!?」
当の本人である弾も困惑する。
「こ、コレは………!?螺旋力!?」
「まさか!? あの男も螺旋力を!?」
モグー部隊は、その光………螺旋力を見て狼狽する。
そして………
その時、不思議な事が起こった!!
IS学園・地下………
リーロンの研究室………
「A部隊はCブロックへ! B部隊はDエリアに向かえ! 何としても施設からロージェノム軍を追い出すんだ!!」
学園全体の様子が分かるモニターを見ながら、千冬がアレコレと指示を出している。
戦況は一進一退であり、千冬は気が休まる暇が無い。
すると………
「!? コレは!?」
突然、コンソールパネルを操作していたリーロンが驚きの声を挙げる。
「!? 如何しました!? また敵の増援ですか!?」
千冬が若干慌てながらそう問い質す。
コレ以上敵が増えれば対処し切れない………
いよいよ終わりか?と僅かに思った瞬間………
「シェルター近くの施設から螺旋力反応よ! 誰かが螺旋力に目覚めたみたい!!」
「!? 何ですって!?」
リーロンの思いも寄らぬ報告で、千冬は驚きを露にする。
と、そこに………
背後の方から、緑色の光が漏れて来る。
「? 何だ?」
振り返った千冬が見たのは………
その緑色の光を放っているモノ、グラパール(青)の姿であった。
「!? グラパールが!?」
と、千冬がそう声を挙げた瞬間………
グラパール(青)は、緑色の光の玉となり、床を突き抜けて、何処かへと向かう!!
「なっ!?」
「如何やら………アッチのグラパールは、主を選んだみたいね」
驚愕する千冬の横で、リーロンは飄々とした態度でそう言うのだった。
再び、五反田兄妹と布仏姉妹の方では………
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」
弾の身体から溢れ返る螺旋力。
とそこへ………
緑色の光の玉が、壁を擦り抜けて現れる。
「!!」
それを見た弾が、右腕を掲げる様に構えたかと思うと………
緑色の光の玉は、弾の右腕に停まる。
そして光が弾けたかと思うと、顔の様な飾が付いたブレスレットと化した!!
「グラパアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーールッ!!」
頭の中に浮かんで来た単語を、思いっ切り叫ぶ弾。
その瞬間!!
弾の身体に装甲の様な物が装着されて行き………
その姿は、グラパール・弾へと変身した!!
「!? えええーーーーっ!?」
「お、お兄ぃっ!?」
「だ、弾くん!?」
突然姿を変えた弾に、のほほん、蘭、虚は驚愕する。
「ア、アレは!? グレンラガン!?」
「いや、違う! しかし!! アイツは一体!?」
モグー部隊も、突如現れたグレンラガンに酷似したマシン………グラパールの姿を見て動揺する。
「………た………」
とグラパール・弾となった弾が、何かを呟いた。
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
途端に、虚達もモグー達も身構える。
すると………
グラパール・弾は身体を縮こませる様な動きをしたかと思うと………
「螺旋力、キターーーーーーーッ!!」
バッと身体と両腕を広げるポーズを取り、そう叫んだ。
どこぞの宇宙スイッチライダーの様に。
「「「ズコーッ!?」」」
その台詞を聞いた虚達は、思わずズッコケてしまう。
「ぬぬぬ………良く分からないが、凄まじい迫力だ」
「コイツはかなりの強敵だぞ」
しかし、モグー部隊の方は、その行動に威圧感を感じ、そんな事を言い合う。
(………獣人って結構頭悪いのかしら?)
虚は内心でそんな事を考える。
「何が何だか良く分からねえけど………コレで漸く真面に戦えるワケだ!!」
「ええい! 小癪な!! このグレンラガンモドキめ!! 喰らえいっ!!」
と、グラパール・弾がそう言った瞬間!!
モグーの1体が、そう言ってグラパール・弾目掛けてミサイルを発射した!!
白煙の尾を引いて、一直線にグラパール・弾へと向かうミサイル。
「おっと!!」
しかし、グラパール・弾は慌てず、右手にハンドガンを出現させる。
そして、迫り来るミサイルに向かって発砲して、撃ち落とした!!
「チッチッチッ………」
挑発するかの様に舌打ちし、左手を人差し指を立ててモグー達に翳すと、左右に数回振る。
「オノレェ! 俺達を舐めやがって!!」
「思い知らせてやる!!」
アッサリとその挑発に乗り、一気にグラパール・弾へと突っ込んで行くモグー達。
「グラパールブレード!!」
するとグラパール・弾は、今度は右腕に固定される様な形で、ブレード・グラパールブレードを出現させる!!
「ハアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」
気合の雄叫びと共に、横に一閃!!
「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」
先頭を行っていたモグーが、真っ二つに斬り裂かれて、爆散する!!
「ひ、怯むなぁ! 一斉に掛かれぇ!!」
隊長機がそう言うと、モグーはグラパール・弾へと群がる。
「甘めえっ!!」
しかし、グラパール・弾は突然逆立ちをしたかと思うと………
「オラオラオラオラオラオラァッ!!」
そのまま両腕で身体を回転させて、まるでカポエラの様な連続回転蹴りを繰り出す!!
「「「「「所詮雑魚ですからあああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーッ!!」」」」」
情けない断末魔と共に、モグー達は次々に通路の壁に叩き付けられ、爆散する。
「キャアッ!?」
「す、凄い………」
「アレ………本当にお兄なの?」
グラパール・弾の活躍ぶりに、のほほん、虚、蘭は呆然となる。
「ば、馬鹿な………こんな事が………」
とうとうモグー部隊は、隊長機1機だけとなる。
「残るはお前だけだな」
そのモグー隊長機を見据えながら、グラパール・弾はそう言い放つ。
「チキショウッ! このグレンラガンモドキがああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
自棄になったかの様に、モグー隊長機はグラパール・弾へと突撃。
その鋭い爪の手で、殴り掛かる!!
「グレンラガンモドキじゃねえっ! グラパールだああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
するとグラパール・弾は、その拳に向かって、自分も拳を繰り出した!!
「!? お兄! 馬鹿!!」
「弾くん! 危ない!!」
グラパール・弾の暴挙に、蘭と虚が思わず声を挙げる。
だが………
モグー隊長機の爪と、グラパール・弾の拳が命中し合った瞬間………
砕け散ったのは、モグーの爪だった!!
「!? もぐおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」
モグー隊長機は驚きながらも、すぐに反対の爪を繰り出す。
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」
それに対し、グラパール・弾も逆の腕での拳を繰り出す!!
再び砕け散ったのは、モグー隊長機の爪だった。
「のうわぁっ!?」
「トドメだ!?」
とその瞬間、グラパール・弾は両腕にグラパールブレードを出現させる。
すると、ブレードの刀身が螺旋力によって緑色に輝き出す。
「せえええええりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」
そして、そのグラパールブレード二刀流で、モグー隊長機を×の字に斬り裂いた!!
「螺旋王様、万歳ーーーーーーっ!!」
モグー隊長機の身体に、緑色に輝く×の字の斬撃痕が出現したかと思うと………
そのまま爆発・四散する!!
「やったぜっ!!」
グラパール・弾がガッツポーズを決めたかと思うと、その姿が緑色の光に包まれ、弾へと戻る。
「凄い凄~い! ダンダンカッコイイ~~~ッ!!」
「…………」
「お兄………」
のほほんは無邪気に弾を褒めるが、虚は言葉を失い、蘭も呆然となっていたのだった。
一方、その頃………
IS学園・第1アリーナの方は………
「ドリラッシュッ!!」
「甘い!!」
グレンラガンが繰り出したドリラッシュを、エンキソードで次々に叩き落とすエンキドゥ。
「死ねぇっ! グレンラガン!!」
エンキドゥはそのまま跳び上がり、グレンラガン目掛けて両手のエンキソードを振る。
「そう簡単に死んでたまるかよ! ドリルモウル!!」
しかし、グレンラガンはその場で高速回転を始めたかと思うと、そのまま地面に潜った。
「!? 何っ!?」
驚きながらエンキドゥは着地する。
「クソッ!? 何処だ!?」
周囲を見回し、グレンラガンの姿を探すエンキドゥ。
しかし、それらしき痕跡は見付けられない。
「ぬうっ」
若干苛立ちながらも、何時来ても良い様に、エンキソードを防御姿勢で構える。
すると、エンキドゥの足元の地面から削岩音が聞こえ始めた!!
「!? 下かぁっ!!」
直ぐ様エンキドゥは、エンキソードを2本とも振り被り、足元の地面目掛けて突き刺す。
「手応え有り!!」
手応えを感じ、エンキソードを地面から引き抜くが………
「!? なっ!? ドリルだけだと!?」
出て来たのは、グレンラガンのドリルだけだった。
「ならば!? 本体は………!?」
「コッチだぁ!!」
エンキドゥがそう言った瞬間、背後の地面が爆ぜ、グレンラガンが飛び出す!!
「! しまっ………」
「ドリ掌底えええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」
そして掌にドリルを出現させての掌底打ち………ドリ掌底が叩き込まれる!!
「ガハッ!!」
「まだまだぁ!! グレンキイイイイイイィィィィィィーーーーーーーックッ!!」
更に続けて、回転しながらの両足蹴り………グレンキックを叩き込む!!
「ぐおああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」
装甲の破片を撒き散らしながら、ブッ飛ばされるエンキドゥ。
「な、何故だ! 何故俺は奴に勝てない!!」
エンキソードを杖代わりに起き上がりつつ、悔しさからそう吠える。
と、その時………
「!? 撤退命令だと!? クソッ!!………グレンラガン! 今度こそ俺が勝つぞ!!」
撤退命令が入り、エンキドゥはそう言い放って煙幕を放出。
残っていたガンメン部隊とレッドショルダー部隊も次々に煙幕を放出。
アリーナ一帯が煙幕に包まれる。
「うおわっ!?」
「えほっ! えほっ! またコレかよ!?」
視界を塞がれた上に、咳き込むグレン団。
やがて煙幕が晴れた頃には、エンキドゥ達の姿は無くなっていた。
「あ、チキショー! また逃がしちまった………」
「それよりアニキ! 別働隊の方を何とかしないと!!」
「織斑先生! 別働隊は如何なりましたか!?」
悔しがるグレンラガンに一夏がそう言い、楯無が千冬へと通信を送る。
[ああ、その件だが………粗方上級生と教師部隊が撃破した。一部が機密が有るエリアに侵入したんだが………その………何だ………]
と、通信先から妙に歯切れの悪い千冬の報告が返って来る。
「? 如何したんですか?」
[いや、何だ………また厄介な事になっていてな………!? アイタタタタタタッ! い、胃が………]
「??」
最早持病となった神経性胃炎に襲われ、悲鳴を挙げる千冬の様子に、楯無は首を傾げるしかなかった。
その後………
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!! スゲェッ!! スゲェぜ、弾!!」
グラパール・弾の姿となっている弾の姿を見て、一夏は興奮した様子でそう言う。
「へへへ………如何よ、コレ?」
「やるじゃねえか、弾! それでこそグレン団の特攻隊長だぜ!!」
グラパール・弾も自慢するかの様にそう言い、グレンラガンもそんなグラパール・弾を褒める。
「盛り上がってるね~」
「「「「「「「「…………」」」」」」」」
一方、男3人で盛り上がっている男性陣とは対照的に、のほほんを除く女性陣は呆然としていた。
「………アレは………グレンラガンの量産型………?」
と、只1人冷静だった簪が、呆然となっていた虚にそう尋ねる。
「あ、ハイ、簪様………リットナー先生の話では、そうらしいです」
その質問で我に返った虚がそう説明を始める。
他の一同も、虚に注目する。
「ですが、まだ試作型らしく………天上くん程じゃなくても、ある程度の螺旋力が無いと動かせない仕様だったそうです」
「それを弾が動かしたって事は………?」
「恐らく………その螺旋力と言う力を持っていたからではないか、と………」
鈴の質問に、虚はそう返す。
「お兄に………螺旋力って力が?」
「俄には信じ難いが………一夏と同じく、あの神谷の認めた男だ」
「ええ………何故か納得が行ってしまいますわ」
蘭は信じられないという顔をするが、ラウラとセシリアは何処か納得が行った様な表情となる。
「それにしても………グレンラガンの量産型かぁ………」
「まさかそんな物を造っていたとは………(リットナー先生はウチの姉さん並みの科学者なのか?)」
シャルが再びグラパール・弾を見遣りながらそう呟き、箒はリーロンの技術力に内心驚く。
「でも、グレンラガンの量産機だなんて………また世界が混乱しない?」
とそこで、楯無が心配そうにそう言う。
嘗てISが史上最強の兵器として認められるに至った『白騎士事件』
その事件以来、世に出た直後は見向きもされていなかったISが世界中から注目され、様々な混乱が起きた。
その後、現在はロージェノム軍の存在の所為で再び変わりつつあるが、女尊男卑の世界を創り上げ、混乱は一応は収拾する。
だが………
此処にまた、新たに強力な力を持つ兵器が誕生した。
しかもそれは、誰にでも使える様になるらしい………
もしIS程の性能が無いしても、現行兵器を上回り、更には誰にでも使えて数に限りが無いとすれば、世界各国はそちらを採用するだろう。
女尊男卑の風潮の所為で、男と女の間にはかなりの亀裂が生じている。
グラパールが量産され、世界中に配備されたとしても、今度は虐げられていた男性側が、現在の女性達と同じ事をするかもしれない。
ISというアドバンテージが無くなる以上、数で勝る男性が有利となるのは目に見えている。
「それはリットナー先生も懸念されておりました………ですが、今は人類そのものが生き残る事を考えなくてはならない、と仰っていました」
「確かに………混乱は起きるかもしれないけど………その前に………人類自体が滅びてしまっては………意味が無い………」
虚の言葉に同意する簪。
そう………
例え混乱が起こるとしても、人類そのものが滅びてしまっては意味が無いのだ。
ロージェノム軍と人類側との戦闘は、日に日に悪化して行っている。
人類に時間は余り残されていないのだ………
「確かに………そうね」
楯無はそう呟き、無理矢理納得する。
「「「「「…………」」」」」
箒やシャル達も、複雑な表情を露にする。
と………
[神谷! 聞こえるか!? 緊急事態だ!!]
グレンラガンに、千冬が慌てた様子で通信を送って来た。
「あ? 何だよ、ブラコンアネキ。男同士の語らいを邪魔するたぁ、無粋じゃねえか」
[ジギタリスが脱走した!!]
「!? 何っ!?」
突然の千冬からの通信で、一夏を交えてグラパール・弾と語り合っていたグレンラガンは不満そうに返したが、次の知らせを聞いて驚きの声を挙げる。
[先程の騒ぎのドサクサに紛れたらしい! 今教師部隊と上級生部隊が探している!! すぐにお前達も探しに向かえ!!]
「いや………その必要はねえぜ」
そう指示を下す千冬だったが、グレンラガンはそう返す。
[? それは如何言う………]
「分かっているな! グレンラガン!!」
千冬が問い返そうとしたところ、そう言う声がアリーナ内に響き渡る。
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
一夏達が驚きながら、声のした方向を見やると、そこには………
アリーナの放送席の上に仁王立ちするザウレッグの姿が在った。
「!? ジギタリス!!」
「あっ! 燃ゆるハートは天真爛漫!! 誰が呼んだか通り名は!! 修羅の遊撃部隊長!! そのジギタリス様が愛機!! 『ザウレッグ』の雄姿!! 今一度見よおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」
一夏が驚きの声を挙げると、ザウレッグはお決まりの口上を述べる。
「やっぱり俺の前に現れやがったか………」
そんなザウレッグの姿を見て、グレンラガンはそう言う。
「天上 神谷……貴様に貴様の誇りが有る様に………俺にも遊撃部隊長として!! そして獣人としての誇りが有る!!」
ザウレッグはビッとグレンラガンを指差す。
「その誇り故に………俺は貴様と戦わねばならぬ!!」
「ま、待ってくれよ! お前は………」
「一夏! 何も言うんじゃねえ!!」
ザウレッグに対し、一夏が何か言おうとしたが、グレンラガンが制する。
「! アニキ! でも!!………」
「口で言って聞く相手かよ………男だったら………拳で語るまでだぜ!!」
尚も何かを言おうとする一夏だったが、グレンラガンは更にそう言う。
「ハハハハハッ! お前ならばそう言うと思っていたわ!! それでこそだぞ! 天上 神谷!!」
「へっ! 良く考えりゃ、お前との決着は曖昧なままだったからな!! 今度こそキッチリとケリを着けてやるぜ!!」
「それは如何かな?………メガヘッズ!!」
と、そこでザウレッグがそう叫んだかと思うと………
「…………」
隣にもう1機のガンメン、メガヘッズが現れた!!
「!? アレはあの時の!?」
シャルがメガヘッズを見てそう言う。
「何だ? そいつはオメェの仲間だったのか? まあ、1体だろうが2体だろうが、叩き潰してやるぜ!!」
怯む様子は見えず、そう言うグレンラガンだったが………
「フッフッフッフッ………大きな口が叩けるのも今の内だぞ………行くぞメガヘッス!!」
とそこで、ザウレッグの口から不敵な笑いと共に、驚くべき言葉が飛び出す………
「『合体』するぞ!!」
つづく
新話、投稿させて頂きました。
遂に誕生!
グラパール・弾です。
機体のイメージは、原作でギミーが使っていた方のグラパールです。
遂に弾が戦闘メンバーの仲間入り。
これからの活躍に乞うご期待です。
そして更に………
謎のガンメン・メガヘッズの正体も判明!
更に脱走して再戦を挑んできたジギタリスから驚愕の言葉が!?
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は
-
天元突破ISと同時
-
土曜午前7時
-
別の日時(後日再アンケート)