天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第50話『意地が有るんだよぉ! 男の子にはぁっ!!』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第50話『意地が有るんだよぉ! 男の子にはぁっ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オープン・キャンパスが行われていた日に襲撃を受けたIS学園………

 

神谷達グレン団が迎撃に出たが………

 

ヴィラルのエンキドゥと含めたガンメン部隊と、レッドショルダー部隊を相手にしていた最中、別働隊が出現!!

 

IS学園の機密を狙い、直接地下施設を襲撃して来たのだ。

 

運悪く避難し損ない、別働隊と鉢合わせてしまった五反田兄妹と布仏姉妹。

 

そんな一同を護る様に………

 

弾がその身をガンメン達の前へと躍らせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

IS学園・地下施設の一角………

 

ジギタリスが拘束されている檻にて………

 

(………騒がしいな………この振動は………我が軍が地下施設を攻撃したのか?)

 

時折檻を揺らして走る振動に、ジギタリスはそう推察する。

 

すると………

 

「おっさん!」

 

ティトリーが、ジギタリスの前に姿を現した。

 

「ティトリーか………メガヘッズは如何だ?」

 

「う、うん、バッチリ………この前、グレンラガンに仕掛けてみたけど、問題無かったよ」

 

「そうか………で? 俺を助けに来たのか?」

 

「うん。やっぱり放っとけなくて………正直、まだ如何すれば良いか分かんないよ………でも………」

 

何やら思い詰めている様な表情を見せるティトリー。

 

「でもこのままじゃ、どっちにも居場所が無くなりそうで………自分でも怖いんだ………」

 

「………獣人としての本分を思い出した………そう受け取って良いな?」

 

そんなティトリーに、ジギタリスはそう問い質す。

 

「…………」

 

ティトリーはただ無言になる。

 

だが、ジギタリスはそれを肯定の意と受け取ったのか………

 

「むんっ!!」

 

身体に巻かれていた鎖を容易く引き千切ったかと思うと、続けて檻を紙の様に破壊した!!

 

「ぎゃ~~~~~~っ!?」

 

突然行動したジギタリスに、ティトリーは驚きのリアクションを見せる。

 

「そう! 例え人間が何であろうと!! 俺様は………寝た子は起き、泣く子は黙る! 特別遊撃部隊長だ!!」

 

そんなティトリーを尻目に、ジギタリスはそう言い放つ。

 

「行くぞ、ティトリー! メガヘッズを出せ!!」

 

「う、うん!」

 

その言葉で、ティトリーは戸惑いながらも、ポケットから顔の様な形をしたバッジを取り出す。

 

そのバッジの顔は………

 

以前グレンラガンを襲撃したカメ型のガンメン………メガヘッズのものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして………

 

避難中に迷い………

 

運悪く地下施設を襲撃して来たガンメン・モグーの部隊と出くわしてしまった五反田兄妹と布仏姉妹………

 

「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」

 

床に転がっていた鉄パイプを拾い上げ、モグー1体に殴り掛かる弾。

 

「弾くん!!」

 

「お兄!!」

 

「蘭! 虚さん! 本音さん! 此処は俺が食い止めます!! 早く逃げて下さい!!」

 

弾はそのまま鉄パイプを振り回し、モグー達を牽制しつつ、蘭と布仏姉妹にそう言う。

 

「そんな!?」

 

「馬鹿な事を言わないで弾くん!! 只の人間がガンメンに立ち向かえるワケないわ!!」

 

「ダンダン!」

 

蘭と布仏姉妹が、何を馬鹿な事を、と言う感じで返した瞬間………

 

「人間如きが! 生意気だぞ!!」

 

モグー隊長機が、弾から鉄パイプを取り上げる。

 

「あっ!?」

 

「こんな物は………こうだ!!」

 

そして、まるで飴細工の様に容易く折り曲げてしまう。

 

「!?」

 

「そら! 喰らえいっ!!」

 

そして、弾に向かって腕を振って来る。

 

「!? ぐああっ!?」

 

咄嗟に両腕でガードする姿勢を取ったものの、弾はブッ飛ばされて、壁に背中から叩き付けられる。

 

「! お兄!!」

 

「弾くん!!」

 

「ダンダン!!」

 

慌てて蘭と布仏姉妹が駆け寄って来る。

 

「だ、大丈夫ッス………こんなの全然大したこと無いッスよ」

 

「強がってんじゃないわよ、お兄!!」

 

心配させまいとそう言い笑みを浮かべる弾だったが、その笑みは激痛で歪んだ笑みだった。

 

「安心しろ、人間共」

 

「全員纏めて仲良くあの世に送ってやるからよー」

 

そんな弾達に向かってそう言うモグー部隊。

 

如何やら、完全に嬲る積りらしい。

 

「そうは………させるかってんだよ………」

 

しかしそこで弾が無理に起き上がり、再びモグー達に向かって行こうとする。

 

「! お兄! もうやめて!!」

 

「弾くん! 駄目です! 死んでしまいますよ!!」

 

慌てて蘭が右腕、虚が左腕を摑んで止める。

 

「ダンダン! 如何してそこまで頑張るの!?」

 

そしてのほほんは、そんな弾に向かって問い質す。

 

「へっ………自分可愛さに………女の子を見捨てて逃げるなんて真似が出来るかよ………?こう言う時………盾になるのが男ってもんだろ?」

 

その問いに、弾はニヤリと笑ってそう返す。

 

「ましてや、その女の子が自分の恋人とその妹………そして実の妹ってんなら、尚更だろ」

 

「馬鹿! 相手はガンメンなんだよ!?」

 

「もう止めて、弾くん! 本当に死んでしますわ!! 意地を張らないで!!」

 

蘭と虚は、最早懇願するかの様にそう言うが………

 

「すいません、虚さん………コレばっかりは譲れませんよ………俺は男です………そう………」

 

そこで弾はモグー部隊を睨み付け………

 

「意地が有るんだよぉ! 男の子にはぁっ!!」

 

そう吠えた!!

 

………そして、その瞬間!!

 

弾の身体から、緑色の光が溢れた!!

 

「!? キャアッ!?」

 

「お兄!?」

 

「弾くん!?」

 

驚くのほほん、蘭、虚。

 

「な、何だコリャアッ!?」

 

当の本人である弾も困惑する。

 

「こ、コレは………!?螺旋力!?」

 

「まさか!? あの男も螺旋力を!?」

 

モグー部隊は、その光………螺旋力を見て狼狽する。

 

そして………

 

その時、不思議な事が起こった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園・地下………

 

リーロンの研究室………

 

「A部隊はCブロックへ! B部隊はDエリアに向かえ! 何としても施設からロージェノム軍を追い出すんだ!!」

 

学園全体の様子が分かるモニターを見ながら、千冬がアレコレと指示を出している。

 

戦況は一進一退であり、千冬は気が休まる暇が無い。

 

すると………

 

「!? コレは!?」

 

突然、コンソールパネルを操作していたリーロンが驚きの声を挙げる。

 

「!? 如何しました!? また敵の増援ですか!?」

 

千冬が若干慌てながらそう問い質す。

 

コレ以上敵が増えれば対処し切れない………

 

いよいよ終わりか?と僅かに思った瞬間………

 

「シェルター近くの施設から螺旋力反応よ! 誰かが螺旋力に目覚めたみたい!!」

 

「!? 何ですって!?」

 

リーロンの思いも寄らぬ報告で、千冬は驚きを露にする。

 

と、そこに………

 

背後の方から、緑色の光が漏れて来る。

 

「? 何だ?」

 

振り返った千冬が見たのは………

 

その緑色の光を放っているモノ、グラパール(青)の姿であった。

 

「!? グラパールが!?」

 

と、千冬がそう声を挙げた瞬間………

 

グラパール(青)は、緑色の光の玉となり、床を突き抜けて、何処かへと向かう!!

 

「なっ!?」

 

「如何やら………アッチのグラパールは、主を選んだみたいね」

 

驚愕する千冬の横で、リーロンは飄々とした態度でそう言うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、五反田兄妹と布仏姉妹の方では………

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

弾の身体から溢れ返る螺旋力。

 

とそこへ………

 

緑色の光の玉が、壁を擦り抜けて現れる。

 

「!!」

 

それを見た弾が、右腕を掲げる様に構えたかと思うと………

 

緑色の光の玉は、弾の右腕に停まる。

 

そして光が弾けたかと思うと、顔の様な飾が付いたブレスレットと化した!!

 

「グラパアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーールッ!!」

 

頭の中に浮かんで来た単語を、思いっ切り叫ぶ弾。

 

その瞬間!!

 

弾の身体に装甲の様な物が装着されて行き………

 

その姿は、グラパール・弾へと変身した!!

 

「!? えええーーーーっ!?」

 

「お、お兄ぃっ!?」

 

「だ、弾くん!?」

 

突然姿を変えた弾に、のほほん、蘭、虚は驚愕する。

 

「ア、アレは!? グレンラガン!?」

 

「いや、違う! しかし!! アイツは一体!?」

 

モグー部隊も、突如現れたグレンラガンに酷似したマシン………グラパールの姿を見て動揺する。

 

「………た………」

 

とグラパール・弾となった弾が、何かを呟いた。

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

途端に、虚達もモグー達も身構える。

 

すると………

 

グラパール・弾は身体を縮こませる様な動きをしたかと思うと………

 

「螺旋力、キターーーーーーーッ!!」

 

バッと身体と両腕を広げるポーズを取り、そう叫んだ。

 

どこぞの宇宙スイッチライダーの様に。

 

「「「ズコーッ!?」」」

 

その台詞を聞いた虚達は、思わずズッコケてしまう。

 

「ぬぬぬ………良く分からないが、凄まじい迫力だ」

 

「コイツはかなりの強敵だぞ」

 

しかし、モグー部隊の方は、その行動に威圧感を感じ、そんな事を言い合う。

 

(………獣人って結構頭悪いのかしら?)

 

虚は内心でそんな事を考える。

 

「何が何だか良く分からねえけど………コレで漸く真面に戦えるワケだ!!」

 

「ええい! 小癪な!! このグレンラガンモドキめ!! 喰らえいっ!!」

 

と、グラパール・弾がそう言った瞬間!!

 

モグーの1体が、そう言ってグラパール・弾目掛けてミサイルを発射した!!

 

白煙の尾を引いて、一直線にグラパール・弾へと向かうミサイル。

 

「おっと!!」

 

しかし、グラパール・弾は慌てず、右手にハンドガンを出現させる。

 

そして、迫り来るミサイルに向かって発砲して、撃ち落とした!!

 

「チッチッチッ………」

 

挑発するかの様に舌打ちし、左手を人差し指を立ててモグー達に翳すと、左右に数回振る。

 

「オノレェ! 俺達を舐めやがって!!」

 

「思い知らせてやる!!」

 

アッサリとその挑発に乗り、一気にグラパール・弾へと突っ込んで行くモグー達。

 

「グラパールブレード!!」

 

するとグラパール・弾は、今度は右腕に固定される様な形で、ブレード・グラパールブレードを出現させる!!

 

「ハアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

気合の雄叫びと共に、横に一閃!!

 

「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

先頭を行っていたモグーが、真っ二つに斬り裂かれて、爆散する!!

 

「ひ、怯むなぁ! 一斉に掛かれぇ!!」

 

隊長機がそう言うと、モグーはグラパール・弾へと群がる。

 

「甘めえっ!!」

 

しかし、グラパール・弾は突然逆立ちをしたかと思うと………

 

「オラオラオラオラオラオラァッ!!」

 

そのまま両腕で身体を回転させて、まるでカポエラの様な連続回転蹴りを繰り出す!!

 

「「「「「所詮雑魚ですからあああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーッ!!」」」」」

 

情けない断末魔と共に、モグー達は次々に通路の壁に叩き付けられ、爆散する。

 

「キャアッ!?」

 

「す、凄い………」

 

「アレ………本当にお兄なの?」

 

グラパール・弾の活躍ぶりに、のほほん、虚、蘭は呆然となる。

 

「ば、馬鹿な………こんな事が………」

 

とうとうモグー部隊は、隊長機1機だけとなる。

 

「残るはお前だけだな」

 

そのモグー隊長機を見据えながら、グラパール・弾はそう言い放つ。

 

「チキショウッ! このグレンラガンモドキがああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

自棄になったかの様に、モグー隊長機はグラパール・弾へと突撃。

 

その鋭い爪の手で、殴り掛かる!!

 

「グレンラガンモドキじゃねえっ! グラパールだああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

するとグラパール・弾は、その拳に向かって、自分も拳を繰り出した!!

 

「!? お兄! 馬鹿!!」

 

「弾くん! 危ない!!」

 

グラパール・弾の暴挙に、蘭と虚が思わず声を挙げる。

 

だが………

 

モグー隊長機の爪と、グラパール・弾の拳が命中し合った瞬間………

 

砕け散ったのは、モグーの爪だった!!

 

「!? もぐおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」

 

モグー隊長機は驚きながらも、すぐに反対の爪を繰り出す。

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

それに対し、グラパール・弾も逆の腕での拳を繰り出す!!

 

再び砕け散ったのは、モグー隊長機の爪だった。

 

「のうわぁっ!?」

 

「トドメだ!?」

 

とその瞬間、グラパール・弾は両腕にグラパールブレードを出現させる。

 

すると、ブレードの刀身が螺旋力によって緑色に輝き出す。

 

「せえええええりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

そして、そのグラパールブレード二刀流で、モグー隊長機を×の字に斬り裂いた!!

 

「螺旋王様、万歳ーーーーーーっ!!」

 

モグー隊長機の身体に、緑色に輝く×の字の斬撃痕が出現したかと思うと………

 

そのまま爆発・四散する!!

 

「やったぜっ!!」

 

グラパール・弾がガッツポーズを決めたかと思うと、その姿が緑色の光に包まれ、弾へと戻る。

 

「凄い凄~い! ダンダンカッコイイ~~~ッ!!」

 

「…………」

 

「お兄………」

 

のほほんは無邪気に弾を褒めるが、虚は言葉を失い、蘭も呆然となっていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

IS学園・第1アリーナの方は………

 

「ドリラッシュッ!!」

 

「甘い!!」

 

グレンラガンが繰り出したドリラッシュを、エンキソードで次々に叩き落とすエンキドゥ。

 

「死ねぇっ! グレンラガン!!」

 

エンキドゥはそのまま跳び上がり、グレンラガン目掛けて両手のエンキソードを振る。

 

「そう簡単に死んでたまるかよ! ドリルモウル!!」

 

しかし、グレンラガンはその場で高速回転を始めたかと思うと、そのまま地面に潜った。

 

「!? 何っ!?」

 

驚きながらエンキドゥは着地する。

 

「クソッ!? 何処だ!?」

 

周囲を見回し、グレンラガンの姿を探すエンキドゥ。

 

しかし、それらしき痕跡は見付けられない。

 

「ぬうっ」

 

若干苛立ちながらも、何時来ても良い様に、エンキソードを防御姿勢で構える。

 

すると、エンキドゥの足元の地面から削岩音が聞こえ始めた!!

 

「!? 下かぁっ!!」

 

直ぐ様エンキドゥは、エンキソードを2本とも振り被り、足元の地面目掛けて突き刺す。

 

「手応え有り!!」

 

手応えを感じ、エンキソードを地面から引き抜くが………

 

「!? なっ!? ドリルだけだと!?」

 

出て来たのは、グレンラガンのドリルだけだった。

 

「ならば!? 本体は………!?」

 

「コッチだぁ!!」

 

エンキドゥがそう言った瞬間、背後の地面が爆ぜ、グレンラガンが飛び出す!!

 

「! しまっ………」

 

「ドリ掌底えええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーっ!!」

 

そして掌にドリルを出現させての掌底打ち………ドリ掌底が叩き込まれる!!

 

「ガハッ!!」

 

「まだまだぁ!! グレンキイイイイイイィィィィィィーーーーーーーックッ!!」

 

更に続けて、回転しながらの両足蹴り………グレンキックを叩き込む!!

 

「ぐおああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

装甲の破片を撒き散らしながら、ブッ飛ばされるエンキドゥ。

 

「な、何故だ! 何故俺は奴に勝てない!!」

 

エンキソードを杖代わりに起き上がりつつ、悔しさからそう吠える。

 

と、その時………

 

「!? 撤退命令だと!? クソッ!!………グレンラガン! 今度こそ俺が勝つぞ!!」

 

撤退命令が入り、エンキドゥはそう言い放って煙幕を放出。

 

残っていたガンメン部隊とレッドショルダー部隊も次々に煙幕を放出。

 

アリーナ一帯が煙幕に包まれる。

 

「うおわっ!?」

 

「えほっ! えほっ! またコレかよ!?」

 

視界を塞がれた上に、咳き込むグレン団。

 

やがて煙幕が晴れた頃には、エンキドゥ達の姿は無くなっていた。

 

「あ、チキショー! また逃がしちまった………」

 

「それよりアニキ! 別働隊の方を何とかしないと!!」

 

「織斑先生! 別働隊は如何なりましたか!?」

 

悔しがるグレンラガンに一夏がそう言い、楯無が千冬へと通信を送る。

 

[ああ、その件だが………粗方上級生と教師部隊が撃破した。一部が機密が有るエリアに侵入したんだが………その………何だ………]

 

と、通信先から妙に歯切れの悪い千冬の報告が返って来る。

 

「? 如何したんですか?」

 

[いや、何だ………また厄介な事になっていてな………!? アイタタタタタタッ! い、胃が………]

 

「??」

 

最早持病となった神経性胃炎に襲われ、悲鳴を挙げる千冬の様子に、楯無は首を傾げるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後………

 

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!! スゲェッ!! スゲェぜ、弾!!」

 

グラパール・弾の姿となっている弾の姿を見て、一夏は興奮した様子でそう言う。

 

「へへへ………如何よ、コレ?」

 

「やるじゃねえか、弾! それでこそグレン団の特攻隊長だぜ!!」

 

グラパール・弾も自慢するかの様にそう言い、グレンラガンもそんなグラパール・弾を褒める。

 

「盛り上がってるね~」

 

「「「「「「「「…………」」」」」」」」

 

一方、男3人で盛り上がっている男性陣とは対照的に、のほほんを除く女性陣は呆然としていた。

 

「………アレは………グレンラガンの量産型………?」

 

と、只1人冷静だった簪が、呆然となっていた虚にそう尋ねる。

 

「あ、ハイ、簪様………リットナー先生の話では、そうらしいです」

 

その質問で我に返った虚がそう説明を始める。

 

他の一同も、虚に注目する。

 

「ですが、まだ試作型らしく………天上くん程じゃなくても、ある程度の螺旋力が無いと動かせない仕様だったそうです」

 

「それを弾が動かしたって事は………?」

 

「恐らく………その螺旋力と言う力を持っていたからではないか、と………」

 

鈴の質問に、虚はそう返す。

 

「お兄に………螺旋力って力が?」

 

「俄には信じ難いが………一夏と同じく、あの神谷の認めた男だ」

 

「ええ………何故か納得が行ってしまいますわ」

 

蘭は信じられないという顔をするが、ラウラとセシリアは何処か納得が行った様な表情となる。

 

「それにしても………グレンラガンの量産型かぁ………」

 

「まさかそんな物を造っていたとは………(リットナー先生はウチの姉さん並みの科学者なのか?)」

 

シャルが再びグラパール・弾を見遣りながらそう呟き、箒はリーロンの技術力に内心驚く。

 

「でも、グレンラガンの量産機だなんて………また世界が混乱しない?」

 

とそこで、楯無が心配そうにそう言う。

 

嘗てISが史上最強の兵器として認められるに至った『白騎士事件』

 

その事件以来、世に出た直後は見向きもされていなかったISが世界中から注目され、様々な混乱が起きた。

 

その後、現在はロージェノム軍の存在の所為で再び変わりつつあるが、女尊男卑の世界を創り上げ、混乱は一応は収拾する。

 

だが………

 

此処にまた、新たに強力な力を持つ兵器が誕生した。

 

しかもそれは、誰にでも使える様になるらしい………

 

もしIS程の性能が無いしても、現行兵器を上回り、更には誰にでも使えて数に限りが無いとすれば、世界各国はそちらを採用するだろう。

 

女尊男卑の風潮の所為で、男と女の間にはかなりの亀裂が生じている。

 

グラパールが量産され、世界中に配備されたとしても、今度は虐げられていた男性側が、現在の女性達と同じ事をするかもしれない。

 

ISというアドバンテージが無くなる以上、数で勝る男性が有利となるのは目に見えている。

 

「それはリットナー先生も懸念されておりました………ですが、今は人類そのものが生き残る事を考えなくてはならない、と仰っていました」

 

「確かに………混乱は起きるかもしれないけど………その前に………人類自体が滅びてしまっては………意味が無い………」

 

虚の言葉に同意する簪。

 

そう………

 

例え混乱が起こるとしても、人類そのものが滅びてしまっては意味が無いのだ。

 

ロージェノム軍と人類側との戦闘は、日に日に悪化して行っている。

 

人類に時間は余り残されていないのだ………

 

「確かに………そうね」

 

楯無はそう呟き、無理矢理納得する。

 

「「「「「…………」」」」」

 

箒やシャル達も、複雑な表情を露にする。

 

と………

 

[神谷! 聞こえるか!? 緊急事態だ!!]

 

グレンラガンに、千冬が慌てた様子で通信を送って来た。

 

「あ? 何だよ、ブラコンアネキ。男同士の語らいを邪魔するたぁ、無粋じゃねえか」

 

[ジギタリスが脱走した!!]

 

「!? 何っ!?」

 

突然の千冬からの通信で、一夏を交えてグラパール・弾と語り合っていたグレンラガンは不満そうに返したが、次の知らせを聞いて驚きの声を挙げる。

 

[先程の騒ぎのドサクサに紛れたらしい! 今教師部隊と上級生部隊が探している!! すぐにお前達も探しに向かえ!!]

 

「いや………その必要はねえぜ」

 

そう指示を下す千冬だったが、グレンラガンはそう返す。

 

[? それは如何言う………]

 

「分かっているな! グレンラガン!!」

 

千冬が問い返そうとしたところ、そう言う声がアリーナ内に響き渡る。

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

一夏達が驚きながら、声のした方向を見やると、そこには………

 

アリーナの放送席の上に仁王立ちするザウレッグの姿が在った。

 

「!? ジギタリス!!」

 

「あっ! 燃ゆるハートは天真爛漫!! 誰が呼んだか通り名は!! 修羅の遊撃部隊長!! そのジギタリス様が愛機!! 『ザウレッグ』の雄姿!! 今一度見よおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

一夏が驚きの声を挙げると、ザウレッグはお決まりの口上を述べる。

 

「やっぱり俺の前に現れやがったか………」

 

そんなザウレッグの姿を見て、グレンラガンはそう言う。

 

「天上 神谷……貴様に貴様の誇りが有る様に………俺にも遊撃部隊長として!! そして獣人としての誇りが有る!!」

 

ザウレッグはビッとグレンラガンを指差す。

 

「その誇り故に………俺は貴様と戦わねばならぬ!!」

 

「ま、待ってくれよ! お前は………」

 

「一夏! 何も言うんじゃねえ!!」

 

ザウレッグに対し、一夏が何か言おうとしたが、グレンラガンが制する。

 

「! アニキ! でも!!………」

 

「口で言って聞く相手かよ………男だったら………拳で語るまでだぜ!!」

 

尚も何かを言おうとする一夏だったが、グレンラガンは更にそう言う。

 

「ハハハハハッ! お前ならばそう言うと思っていたわ!! それでこそだぞ! 天上 神谷!!」

 

「へっ! 良く考えりゃ、お前との決着は曖昧なままだったからな!! 今度こそキッチリとケリを着けてやるぜ!!」

 

「それは如何かな?………メガヘッズ!!」

 

と、そこでザウレッグがそう叫んだかと思うと………

 

「…………」

 

隣にもう1機のガンメン、メガヘッズが現れた!!

 

「!? アレはあの時の!?」

 

シャルがメガヘッズを見てそう言う。

 

「何だ? そいつはオメェの仲間だったのか? まあ、1体だろうが2体だろうが、叩き潰してやるぜ!!」

 

怯む様子は見えず、そう言うグレンラガンだったが………

 

「フッフッフッフッ………大きな口が叩けるのも今の内だぞ………行くぞメガヘッス!!」

 

とそこで、ザウレッグの口から不敵な笑いと共に、驚くべき言葉が飛び出す………

 

「『合体』するぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

遂に誕生!
グラパール・弾です。
機体のイメージは、原作でギミーが使っていた方のグラパールです。
遂に弾が戦闘メンバーの仲間入り。
これからの活躍に乞うご期待です。

そして更に………
謎のガンメン・メガヘッズの正体も判明!
更に脱走して再戦を挑んできたジギタリスから驚愕の言葉が!?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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