天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。


第58話『そんなにコイツが大事か?』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第58話『そんなにコイツが大事か?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園・地下………

 

リーロンの研究室………

 

「如何やら、無事突入出来たみたいね」

 

「その様だな………」

 

モニターに映る僅かに黒煙を上げている天岩戸の姿を見て、リーロンと千冬がそう言い合う。

 

「天上くん、織斑くん、篠ノ之さん、オルコットさん、凰さん、デュノアさん、ボーデヴィッヒさん、更識さん達、五反田くん………必ず、無事に帰って来て下さい」

 

真耶が祈る様なポーズを取りながら、グレン団メンバーの名を呟く。

 

「弾くん………」

 

「お兄………一夏さん………」

 

更に、何故か研究室に居る虚と蘭も、不安そうな表情で、モニターに映る天岩戸の様子を見ていた。

 

「お茶入ったよ~」

 

とそこで、のほほんが緑茶が入った人数分の湯呑をお盆に載せて姿を見せる。

 

「ああ、頂こう」

 

「ありがとう」

 

「どうもね」

 

千冬、真耶、リーロンが先ず受け取る。

 

「ハ~イ、お姉ちゃんと蘭ちゃん」

 

続いて虚と蘭に湯呑を渡すのほほん。

 

「………お前達。今からでも遅くは無い。避難したら如何だ?」

 

千冬は、虚とのほほん、蘭に向かってそう言う。

 

既に、彼女達を除いた生徒達は海上自衛隊の手によって洋上に避難している。

 

教師達も避難し、今IS学園に残っているのはこの場に居るメンバーだけだった。

 

「いえ、私は此処に居たいんです………弾くん達と一緒に戦う事は出来ないけど、せめて帰って来た時に1番に出迎えてあげたいんです」

 

すると、虚がそう言って来る。

 

「でも、学園が攻撃を受けないと言う保証は………」

 

「大丈夫だよ~。かみやん達なら、きっと学園を守ってくれるよ~」

 

真耶が心配する様に言うと、のほほんがいつもと同じ間延びした口調でそう言う。

 

(この子達も立派なグレン団のメンバーね)

 

そんな虚とのほほんの姿を見て、リーロンは心の中でそう思うのだった。

 

「…………」

 

しかし、只1人蘭だけが、複雑そうな顔をして居る。

 

彼女も勿論、一夏達の事を信じている。

 

だが、『もしかしたら』

 

そんな思いがつい頭を過ってしまう。

 

(私………一体何やってるんだろう………思わぬ形だったとは言え………折角一夏さんと同じIS学園に居るのに………その一夏さん達が戦っている時に何も出来ないなんて………)

 

そこまで思った時、グラパールを手にした兄・弾の姿が脳裏を過る。

 

(私にも………私にも、あんな力が有れば………)

 

と、蘭がそう思いながら拳を握り締めていた時………

 

研究室の片隅に置かれていたグラパール〈ピンク〉が、ポウッと淡い緑色の光を放った様に見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天岩戸………

 

少々無茶苦茶な作戦を取りながらも如何にか天岩戸へと取り付き、その内部へ突入する事に成功したグレン団。

 

少人数の班に分かれ、先ずは主砲の無力化へと向かった。

 

しかし、天岩戸がIS学園を射程内に収めるまで、既に3時間を切っている。

 

果たして、グレン団の一同は間に合うのだろうか?

 

 

 

 

 

突入班1、鈴&グラパール・弾………

 

「侵入者だ!! グレン団の面々が艦内に侵入したぞ!!」

 

「発見次第殺せ!! 生かして帰すな!!」

 

物騒な事を口走りながら、ガンメン部隊が通路を進んで行く。

 

と、その一団が通り過ぎたかと思うと、脇道の通路から鈴とグラパール・弾がスーッと顔を覗かせた。

 

「行ったみたいね………」

 

「一々戦ってらんねえからな」

 

通り過ぎて行ったガンメン部隊の事を思いながらそう言い合う鈴とグラパール・弾。

 

「それにしても………適当に分かれたら、まさかアンタと組む事になるなんてね」

 

「一夏じゃなくてすまねえな」

 

鈴が若干ガッカリしている様にそう言って来たので、グラパール・弾はそんな返事を返す。

 

「この際そんな事言ってらんないわよ。コイツを止めないと、IS学園そのものが危ないんだから」

 

「そうだな………とっとと終わらせて虚さんのとこへ帰るぜ」

 

「………それは私に対する当て付け?」

 

そう言ったグラパール・弾を、鈴がジト目で睨み付けていると………

 

「居たぞ! あそこだ!!」

 

別のガンメン部隊が、鈴とグラパール・弾の背後から現れ、2人の姿を見るなり襲い掛かって来る!!

 

「!? ヤベッ! 見つかった!!」

 

「慌てんじゃないわよ!!」

 

グラパール・弾が一瞬慌てると、鈴がそう言い放ち、ガンメン部隊が向かって来る通路に向かって龍砲を放った!!

 

「「「「「!? うおわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」」」」」

 

通路が崩れ、ガンメン部隊はその瓦礫に押し潰される。

 

「ザッとこんなもんよ」

 

ドヤ顔でそう言う鈴であったが、

 

「ナイスだ、鈴………と言いたい所だが」

 

「爆発音がしたぞ!!」

 

「コッチの方だ!!」

 

その爆発音を聞き付けたガンメン部隊が、次々に駆け付けて来る。

 

「余計に状況悪化したぞ!!」

 

「う、煩いわね! アタシだって失敗ぐらいするわよ!!」

 

グラパール・弾と鈴はそう言い争い合いながらも、ガンメン部隊に応戦しつつ、その場から退却して行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突入班2、セシリア&ラウラ………

 

「コッチだ」

 

そう言うと、迷わず通路を突き進んで行くラウラ。

 

「待って下さい、ラウラさん! そんなに突き進んで、主砲部分に行けるのですか?」

 

そんなラウラの姿を見て、セシリアが思わずそう尋ねるが、

 

「問題無い。外見構造から大体の予想は付いている」

 

ラウラは自信満々にそう返す。

 

(こういう所は、流石に現役の軍人ですわね)

 

セシリアは内心で感心を示す。

 

と、その時!!

 

「! ラウラさん!!」

 

セシリアが不意にラウラに呼び掛けたかと思うと、即座にスターライトmkⅢを構えて発砲。

 

放たれたビームが、ラウラの横を通り過ぎて、彼女が曲がろうとしていた角へと飛び込んだ。

 

すると!!

 

「ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

悲鳴と共に、身体の中心を撃ち抜かれたアガーが倒れ込んで来て、爆散する。

 

「チイッ! バレたぞ!!」

 

「こうなったら一気に行けぇっ!!」

 

すると、更にそう言う声が聞こえて来て、曲がり角からガンメン部隊が姿を現す。

 

「チッ! 先を急いでいると言うのに………此処を迂回するとかなりのタイムロスになる」

 

通る予定だった通路に敵がひしめき、ラウラは愚痴る様にそう言う。

 

「ならば………突破するまでですわ」

 

と、セシリアはそう言うと、左手に近接ショートブレード・インターセプターを握る。

 

「それしかないな」

 

ラウラもそう言うと、両手にプラズマ手刀を出現させる。

 

「フフフ………私達、知らない間に大分神谷さんの影響を受けてしまっている様ですわね」

 

「全く………認めたく無いがな」

 

そこで2人は、不敵に笑いながらそう言い合う。

 

「「行くます(ぞ)!!」」

 

そして2人一緒に、通路にひしめく敵ガンメン部隊へ突撃して行く!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突入班3、楯無&簪………

 

「! エレベーターだよ!!」

 

共に進んでいた更識姉妹の内、楯無が前方に金網で囲まれている物資移送用と思われるエレベーターを発見する。

 

「見つけたぞ! 侵入者め!!」

 

「生きて帰れると思うな!!」

 

すると、楯無と簪から見て、エレベーターの右側に、レッドショルダーが2人現れる。

 

「このっ!!」

 

すぐに蒼流旋を構えて、ガトリングガンを発砲しようとした楯無だったが、

 

「姉さん………本命は左」

 

簪がそこで、ターレットレンズをスリット上で移動させながら、最初に現れたレッドショルダー2人が注意を惹いている間に、歩いての移動で気配を消しながら現れていたレッドショルダー2名が、エレベーターの左側に居る事に気づく。

 

そして、更識姉妹目掛けてブラッディライフルを発砲して来る。

 

「くうっ!!」

 

装甲に弾が当たって火花が散りながらも、楯無は最初に狙いを定めていたレッドショルダー2人をガトリングガンで蜂の巣にする。

 

「「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」」

 

装甲が飛び散ったかと思うと、床に倒れて爆散するレッドショルダー達。

 

「…………」

 

その爆炎を突っ切って、簪がエレベーターへと乗り込む。

 

右側に居たレッドショルダー2名が、簪にブラッディライフルで弾丸を叩き込むが、エレベーターを囲っている金網の所為で上手く命中しない。

 

と、そこで簪がアームパンチで金網に穴を開けると、そこから今回の作戦用に持って来たGAT-22-C ヘヴィマシンガン改を突き出し、発砲する。

 

ヘヴィマシンガン改の弾丸を浴びたレッドショルダー2名は忽ち爆発・炎上した。

 

このヘヴィマシンガン改は、通常のヘヴィマシンガンに比べ、銃身の短縮とストックの省略が施されている。

 

その為、射程や命中精度では劣るが、重量が軽く取り回しが良い。

 

簪は今回、閉所での戦闘になる事を想定し、コチラのヘヴィマシンガン改を持って来ていた。

 

「ナイス、簪ちゃん」

 

「エレベーターを動かすわ………下に行くよ」

 

称賛しながら乗り込んで来た姉・楯無への対応もそこそこに、簪はエレベーターのコンパネを弄り、エレベーターを下降させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突入班4、一夏&箒………

 

「此処は如何だ!?」

 

通路の途中に在ったハッチを蹴破って、内部へと突入する一夏。

 

「うおっ!? 侵入者か!?」

 

「ええい! 排除しろ!!」

 

そこは副砲塔の中だった様で、砲身に付いていた獣人達が、一夏の姿を見て襲い掛かって来る!

 

「一夏! 伏せろ!!」

 

「!!」

 

と、背後の箒からそう言われて、一夏は反射的に床へと伏せる。

 

「吠えろ! 空裂!!」

 

その瞬間に、箒は空裂を横薙ぎに振るった!!

 

斬撃からエネルギー刃が生み出され、一夏に襲い掛かろうとしていた獣人達を、全て一刀の下に斬り捨てる!!

 

「「「「「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」」」」」

 

獣人達は断末魔の叫びを挙げると床の上に落ち、死体は黒い液体に代わったかと思うと蒸発した。

 

「サンキュウ! 箒!」

 

「さて、此処は如何やって破壊する?」

 

礼を言って来る一夏に対し、箒は副砲塔内を見回してそう言う。

 

「簡単さ。コイツを使って………」

 

すると、一夏は弾倉に並んでいた副砲の砲弾の幾つかを取り出した。

 

「??」

 

何をする気だと箒が首を傾げていると、何と一夏は砲弾の弾頭を外して、中に詰まっていた火薬を抜き始める。

 

その火薬をまだ弾倉に装填されていた砲弾がある場所にばら撒くと、まるでラインを引くかの様に床に引き始めた。

 

そのまま、その火薬のラインを副砲塔の外まで引く一夏。

 

「良し………箒!! そこに居ると危ないぞ!!」

 

「! 成程。そう言う事か」

 

そこで一夏の意図を理解した箒は、すぐに副砲塔内から出る。

 

とそこで!

 

「居たぞ! 侵入者だ!!」

 

ガンメン部隊が一夏と箒を発見。

 

直ぐ様走り寄って来る。

 

「ちょっと遅かったな」

 

しかし、一夏は不敵に笑ったかと思うと、雪羅の荷電粒子砲を火薬のラインに向かって放つ!

 

すると、火薬に火が着き、花火の様に火花を散らしながら、ライン通りに副砲塔の中を目指して行く。

 

「なっ!? 貴様、何て事を!?」

 

「逃げるぞ! 箒!!」

 

「承知した!!」

 

ガンメンの1機が驚きの声を挙げた瞬間、一夏と箒は副砲塔の場所から離脱し始める。

 

「ま、待て!!」

 

「馬鹿! 今は消火が先だ!!」

 

慌ててガンメン1機が追おうとしたが、隊長機がそれよりも副砲塔内に続いている導火線を消すのが先だと言い、すぐに消火しようとする。

 

しかし、そのガンメン部隊の目の前で、導火線の火は副砲塔の中へ飛び込み、そして!!

 

一瞬間が開いた後、副砲塔が大爆発!!

 

ガンメン部隊は巻き込まれ、一瞬で蒸発するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突入班5、グレンラガン&シャル………

 

「ドリルタックル!!」

 

「「「「「ギャアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」」」」」

 

通路に立ち塞がっていたガンメン部隊に向かって、肩からドリルを出現させてのショルダータックル・ドリルタックルで一気に蹴散らすグレンラガン。

 

「神谷! 後ろからもドンドン来てるよ!!」

 

と、その後ろで両手にヴェントとガルムを握って弾幕を張っていたシャルが、次々に現れるガンメン部隊を見てそう言う。

 

「雑魚には構うな! 大砲を使えなくして、一気に本丸に攻め込むぜ!!」

 

グレンラガンはそう言うと、撃破したガンメン達の残骸を踏み越えて、通路を進んで行く。

 

「あ! 神谷、待ってよ~!!」

 

一瞬焦った声を挙げながらも、シャルはガルムの砲弾を天井に叩き込み、通路を瓦礫で封鎖した。

 

「良しっ!!」

 

そしてすぐに、グレンラガンの後を追って行くのだった。

 

少し進むと、やや大きめな分厚い鉄の扉が2人の行く手を遮る。

 

「神谷! あの扉の向こうは、ひょっとして………」

 

「稲妻キイイイイイィィィィィィーーーーーーーックッ!!」

 

シャルが何か言う前に、グレンラガンがその分厚い鉄の扉に、稲妻を纏った飛び蹴りを叩き込んだ!!

 

頑丈そうだった鉄の扉が、木の葉の様にブッ飛ぶ。

 

「………頼むから、もう少し人の話聞いてよぉ」

 

問答無用で扉をブチ破ったグレンラガンに、シャルはブーたれる様にそう言う。

 

「アハハハハハハッ! ワリィワリィ!」

 

余り反省の色が見えていない様子でそう謝罪するグレンラガン。

 

「もう~………!? コレは!?」

 

その様子に若干不満を感じながらも、シャルはグレンラガンがブチ破った扉の部屋を見て驚きの声を挙げる。

 

そこには、人間が入れそうなくらいの巨大な砲弾が所狭しと置かれていた。

 

「コイツは………」

 

「主砲の砲弾だよ………って事は、此処は弾薬庫だね」

 

グレンラガンとシャルは、手近に在った巨大砲弾を見遣りながらそう言い合う。

 

「よっしゃっ! だったらとっととブッ壊しちまおうぜ!!」

 

「待って! 慎重にやらないと………これだけ大きな砲弾となると、入ってる火薬の量もトンでもないだろうし………」

 

すぐにブッ壊そうとするグレンラガンを制し、シャルは安全な砲弾の破壊方法を模索するが………

 

「見つけたぞ! グレンラガン!!」

 

「此処は行き止まりだ!! 逃げ場は無いぞ!!」

 

そこで別ルートを取って来たガンメン部隊が到着。

 

弾薬庫の唯一の出入り口を押さえられてしまう。

 

「! ああ! しまった!! 出入り口が!!」

 

「おうおう、団体さんのお出ましだな」

 

それに焦るシャルに対し、グレンラガンは余裕の様子を見せる。

 

「フンッ! その強がりが何時まで続くかな! コレでも喰らえっ!!」

 

と、ガンメン部隊の中に居たメズーが、そう言って左腕のガトリングガンを向ける。

 

「馬鹿! 止めろ!! 砲弾に誘爆したら如何する!!」

 

しかしそこで、隊長機のガンメンがそう言って止める。

 

「おおっと!? そうだった………危ないところだったぜ」

 

メズーはそう言うと、ガトリングガンの発射を中止する。

 

すると………

 

「お~い! そんなにコイツが大事か?」

 

グレンラガンの砲弾の1発をポンポンと叩きながらそう尋ねて来た。

 

「!? うわああああああぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~っ!? 貴様何をやっているぅっ!?」

 

砲弾を粗雑に叩くグレンラガンの姿を見て、隊長機も他のガンメン達も仰天する。

 

「か、神谷! 爆発しちゃうよ!!」

 

シャルもそんなグレンラガンの姿を見て慌てる。

 

しかし、グレンラガンは大人しくするどころか、更なる暴挙へと出た!!

 

「よっ、と!」

 

何と!!

 

砲弾をバッと持ち上げたではないか!!

 

「「「「「なあっ!?」」」」」

 

「ちょっ!?」

 

グレンラガンのトンでもない行動にガンメン部隊とシャルは驚愕する。

 

「お、とっとっとっとっ!?」

 

と、砲弾が重かったのか、グレンラガンがよろけ、砲弾の弾頭が床にぶつかりそうになる。

 

「「「「「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーッ!?」」」」」

 

「神谷ああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

ガンメン部隊とシャルはすんごい叫び声を挙げる。

 

「よっ、とぉっ!!」

 

しかし、グレンラガンは持ち直し、とうとう砲弾を掲げ上げる。

 

「「「「「ほっ………!!」」」」」

 

「あううう…………」

 

思わず安堵の息を吐くガンメン部隊と、その場に座り込んでしまうシャル。

 

「フフフ………」

 

するとそこで、グレンラガンは不敵な笑いを零した。

 

「「「「「!?」」」」」

 

「か、神谷?」

 

ガンメン部隊とシャルは、急激に嫌な予感を感じる。

 

そして!!

 

「んああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ! 死なば諸共おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーっ!!」

 

何とグレンラガンは、掲げていた砲弾をガンメン部隊目掛けて投げ付けた!!

 

「「「「「ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!?」」」」」

 

「神谷の馬鹿あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」

 

ガンメン部隊の悲鳴と、シャルの罵声が響き渡った瞬間!!

 

砲弾が着弾!

 

そのまま大爆発を起こして、弾薬庫の中に在った他の弾薬を次々に誘爆させる!

 

そして!!

 

天岩戸に大穴が開く程の大爆発を起こすのだった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天岩戸・艦橋………

 

「!? のうわっ!?」

 

「「「「「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」」」」」

 

突然艦全体に走った凄まじい振動に、ヴィラルは倒れ、艦橋要員の獣人達も次々に担当の席から投げ出された。

 

「クッ! 何だ今の振動は!? 報告しろ!!」

 

「ハ、ハイッ!!」

 

ヴィラルがそう言いながら起き上がると、艦橋要員の獣人達もすぐに自分の担当席に座り直して行く。

 

と、ヴィラルは報告を待たずに、艦橋の窓から見える艦の状態を調べる。

 

「なっ!?」

 

そして驚愕した表情を浮かべた。

 

天岩戸の前部殆どが吹き飛び、甲板に大穴が開いていたのである。

 

更に、側面装甲の一部も破れている。

 

「コ、コレは………」

 

「ヴィラル様! 第3弾薬庫にグレンラガンと他1名が侵入! 弾薬庫を爆破したとの事です!!」

 

「その爆発で天岩戸の前部甲板は大破!! 主砲、副砲、及び対空機銃にロケット砲の半数が沈黙しました!!」

 

そこで、艦橋要員の獣人達からそう報告が挙がった。

 

「やはり奴の仕業か! オノレ、グレンラガン!! だが、それでこそだ!!」

 

それを聞いたヴィラルは、一瞬悔しそうな表情を浮かべたが、続いて猛獣の様な獰猛な笑みを浮かべる。

 

「さあ! 早く来い、グレンラガン!! 今度こそ決着を着けてやる!!」

 

「ヴィ、ヴィラル様! 侵入者がこの艦橋に向かって来ています!!」

 

とそこで、申し合わせたかの様に、艦橋要員の獣人からそう報告が挙がる。

 

「ほう、もう来たのか、グレンラガン」

 

逸る気持ちを感じるヴィラルだったが………

 

「いえ、違います。艦橋に接近して来ているのは白式と紅椿………織斑 一夏と篠ノ之 箒です」

 

艦橋要員の獣人からは、続いてそう報告が挙がる。

 

「何っ? グレンラガンではないのか?」

 

それを聞いたヴィラルは、一瞬落胆した様な表情をする。

 

(しかし、あのブリュンヒルデの弟と第4世代ISの使い手………何よりグレン団の仲間ならば、少しは楽しめるかもしれんな)

 

だが、一夏と箒がグレン団のメンバーである事を思い出し、一抹の期待を掛ける。

 

「良し! 天岩戸の操縦を自動に切り替えろ! こうなればコイツをそのままIS学園に突っ込ませる!! お前達は俺と共に織斑 一夏と篠ノ之 箒の迎撃に向かうのだ!!」

 

「「「「「了解!!」」」」」

 

ヴィラルはそう命令を下し、天岩戸を自動操縦に切り替えると、艦橋要員の獣人達を引き連れて、一夏と箒の迎撃に出るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

弾薬庫の大爆発に巻き込まれたかと思われたグレンラガンとシャルは………

 

「シャル! オイ! しっかりしろ!!」

 

そう言う台詞と共に、自分の頬をペシペシと叩いている存在が居る事を感じるシャル。

 

「う………ううん?」

 

「気が付いたか?」

 

目を開けると眼前には、グレンラガンの姿が在った。

 

「神谷………!? ハッ!? 此処は!?」

 

一瞬ぼんやりとしてしまうシャルだったが、すぐに敵地へ来ていた事を思い出すと飛び起きる。

 

すると、今自分とグレンラガンが居る場所は、所々から蒸気を噴出している大型の機械が在る場所である事に気づく。

 

「如何やら此処が動力室みてぇだな」

 

そう言いながらグレンラガンも立ち上がる。

 

「如何してそんな所に?」

 

先程弾薬庫の爆発に巻き込まれたかと思ったら、次の目的地点であった動力炉に到達していた事に、シャルは首を傾げる。

 

「な~に、砲弾が爆発した瞬間にお前を抱えて両足をドリルにして床板を掘り進んだワケよ! 爆発で脆くなってたからな! 掘るのは簡単だったぜ!!」

 

自慢する様にそう語るグレンラガン。

 

しかし、それは爆発のタイミングを僅かでも間違えれば、命は無かった危険な手段である。

 

「そうだったんだ………」

 

「おうよ! 如何だ、俺の見事な作戦は………!? アダッ!?」

 

そこまで言った瞬間、シャルがグレンラガンの頭を引っ叩いた!

 

「何しやがんだ!?」

 

「馬鹿! 神谷の大馬鹿!! 1歩間違えたらコッチまで危なかったじゃないか!! 馬鹿馬鹿馬鹿~~~っ!!」

 

余程怖かったのか、シャルはまるで駄々っ子の様に拳をポカポカとグレンラガンに叩き付ける。

 

「ちょっ!? おま! 止めろって!!」

 

防御姿勢を取ってそれに耐えるグレンラガン。

 

傍から見れば、恋人同士のじゃれ合いにも見えなくもないが、シャルの方がISを装着している為、ダメージは馬鹿にならない。

 

と、そこで………

 

「敵地で随分な余裕だな、グレンラガン」

 

「「!?」」

 

そう言う声が聞こえて来て、グレンラガンとシャルが振り返ると、そこにはジギタリスの姿が在った。

 

「か、神谷………シャル………」

 

更に、そのやや後ろにはティトリーの姿も在る。

 

「ジギタリス………」

 

「ティトリー………」

 

ジギタリスを見て表情を引き締めるグレンラガンと、ティトリーを見て悲しそうな顔をするシャル。

 

「「「「…………」」」」

 

その後互いに沈黙し、暫しそのまま時が流れる。

 

「来ると思っていたぞ」

 

やがて、ジギタリスの方からそう沈黙を破る。

 

「へっ! 当然だろ! 俺を誰だと思ってやがる!!」

 

そんなジギタリスに、グレンラガンはお決まりの台詞を返す。

 

「………最早言葉は要るまい。我等がするべき事は! 己の全てを賭けて戦い合う事だ!!」

 

と、ジギタリスはそう言い放ち、ガンメンバッジを手に握った!!

 

「!!」

 

それを見たグレンラガンも構えを取る。

 

「ティトリー………君もそうなの?」

 

と、シャルの方はティトリーへとそう語り掛ける。

 

「シャルロット………」

 

「僕は今でも君の事をグレン団の仲間だと思ってるよ。学園に居た時、神谷や皆と一緒に居た君は、本当に楽しそうに笑ってたじゃないか!」

 

ティトリーと戦いたくないシャルは、まるで説得するかの様にティトリーにそう語り掛けるが、

 

「ア、アタシは………獣人なんだ………獣人なんだよ!!」

 

そう叫び、ティトリーはガンメンバッジを取り出した!

 

「ティトリー!!」

 

「シャル! お前の魂をアイツに伝えたいんなら戦え!!」

 

戸惑うシャルに、グレンラガンがそう言う。

 

「神谷! でも!!」

 

「それが今! 俺達に出来る事だ!!」

 

グレンラガンはそう断言する。

 

「…………!!」

 

逡巡する様子を見せたシャルだったが、やがて両手にマシンガンを構えた。

 

「それで良い………行くぞ! グレンラガン!! 今日こそ雌雄を決しようではないか!!」

 

ジギタリスがそう言い放つと、その姿はザウレッグへと変わる。

 

その後ろ隣に居たティトリーも、メガヘッズへと変わる。

 

「「「「…………」」」」

 

互いに構えを取り合い、睨み合いとなるグレンラガンとシャル、ザウレッグとメガヘッズだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新年最初の新話、投稿させて頂きました。

順調に天岩戸を攻略するグレン団。
艦橋にいたヴィラルとは一夏と箒が………
そして動力室では神谷達がジギタリス達と激突します。
果たして勝負の行方は?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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