天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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ちょっとお知らせがあります。

詳しくは後書きにて書きますので、よろしければ最後までお読み下さい。

お願いします。


第59話『偶にはカッコつけさせてくれよ』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第59話『偶にはカッコつけさせてくれよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園へと迫るロージェノム軍によって現代に蘇させられた旧日本軍の本土決戦用移動式防衛要塞零号『天岩戸』

 

その侵攻を阻止する為に、グレン団のメンバーは天岩戸の内部へと突入する作戦を執った。

 

厚い装甲に守られている天岩戸を、外から破壊する事は難しい。

 

そこで、内部から破壊工作で撃破する作戦に出たのだ。

 

そして、神谷ことグレンラガンとシャルの活躍で、弾薬庫の破壊に成功。

 

主砲の大半が無力化され、指揮を執っていたヴィラルは、天岩戸をIS学園に突っ込ませる作戦に出る。

 

そのヴィラルが居る艦橋に、一夏と箒が斬り込んだ。

 

一方、同じ頃………

 

動力炉へと到着していたグレンラガンとシャルは、ジギタリスとティトリーと対峙する。

 

果たして、彼等は天岩戸を止める事が出来るのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天岩戸内………

 

突入班1、鈴&グラパール・弾………

 

「オイ! さっきの爆発音と震動は!?」

 

曲がり角に身を隠しながら、通路の先で弾幕を張っているカノン・ガノン部隊にハンドガンで攻撃しているグラパール・弾が、グレンラガンが弾薬庫を吹き飛ばした爆発音と震動に気づいてそう言う。

 

「分からないけど、相当だったわね………弾薬庫でも爆発しのかしら?」

 

そのグラパール・弾の後ろで、双天牙月を握り締めている鈴がそう推察する。

 

「一体誰が………って、あんな派手な事すんのは決まってるか」

 

「神谷ね………」

 

そして2人共、先程の爆発が神谷の仕業だと確信する。

 

「でも、弾薬庫を爆破したって事は、主砲を無力化出来たって事よね?」

 

「なら、後は艦橋か動力室に向かうだけか」

 

「通信が全く通じないのが痛いわね………」

 

そう言いながら通信回線を開く鈴だったが、スピーカーからはノイズしか返って来ず、画面も砂嵐状態だった。

 

ミサイルを無力化する為の強力なジャミング装置が、通信回線にまで影響を及ぼしているのである。

 

「仕方ねえ。俺達は俺達で動くしかねえな」

 

「なら動力室に行きましょう。派手な花火を挙げるには持って来いじゃない」

 

「良い提案だな」

 

「じゃあ! 行くわよ!!」

 

と、そこで鈴がバッと角から飛び出すと、カノン・ガノン部隊に向かって、龍砲を連射する!!

 

直撃を貰ったカノン・ガノンの何体かが吹き飛ぶ!!

 

「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」」

 

そして、まだ爆煙が晴れぬ内に、鈴とグラパール・弾は、双天牙月とグラパールブレードを構えて一気に突撃するのだった!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突入班2、セシリア&ラウラ………

 

「そこっ!!」

 

曲がり角目掛けてスターライトmk-Ⅲを発砲するセシリア。

 

「「「「「ギャアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!?」」」」」

 

放たれたビームが角を曲がり、先の通路へと飛び込んだかと思うと、待ち伏せていたガンメン部隊を吹き飛ばす。

 

「進路、クリアですわ!!」

 

「良し! 行くぞ!!」

 

背後から迫る敵に対し、AICを展開してセシリアの背を守っていたラウラに、セシリアはそう言うと、2人は共に先の通路へと進んで行った。

 

「逃がすな!!」

 

「追え追え!!」

 

すぐに背後から迫っていたガンメン部隊は追撃する。

 

そして、2人が曲がった角を、ガンメン部隊も曲がった瞬間………

 

「掛かったな」

 

「お待ちしておりました」

 

先へと進んだと見せかけて実は待ち構えていたラウラとセシリアは、大型レールカノンとスターライトmk-Ⅲ、そしてビットのブルー・ティアーズで一斉射撃を見舞う!!

 

「「「「「獣人万ざーーーーーいっ!!」」」」」

 

一斉射撃を受けたガンメン部隊は一気に爆散。

 

更に爆発の余波で通路が崩れて塞がる。

 

「コレで追撃は防げるな」

 

「ですが、別に脱出経路を探し出さなければならなくなりましたわ」

 

と、ラウラとセシリアがそう言い合っていると、

 

「居たぞ! あそこだ!!」

 

先へ向かう通路の方から、新たなガンメン部隊が現れた。

 

「今、先の事を気にしても仕方あるまい」

 

「そうですわね………先ずはこの場を切り抜けると致しましょう!!」

 

ラウラとセシリアはそう言い合って、プラズマ手刀とインターセプターを構える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突入班3、楯無&簪………

 

エレベーターで下層へと降りた更識姉妹は、再び通路を移動していた。

 

すると、背後から弾丸が飛んで来る。

 

「「!?」」

 

「逃がさねえぞ! このクソガキ共!!」

 

そう言いながら、1人のレッドショルダーが更識姉妹を追って通路を進んで来る。

 

更にその背後から、もう1人が続いて来る。

 

「ヤッバ! 後ろ取られちゃった!?」

 

「チッ………」

 

背後を取られてやや慌てる楯無と、即座に反転するとバックしながらヘヴィマシンガン改を構えて発砲して応戦する簪。

 

「チイッ! このぉっ!!」

 

ヘヴィマシンガン改の弾丸が装甲部分に当たって火花を散らしながらも、レッドショルダーは構わずにブラッディライフルを発砲して来る。

 

「!? クッ!?」

 

と、その内の1発の弾丸が、簪の左足に命中!!

 

角度が浅かったので装甲で弾かれたが、簪はバランスを崩し、右の非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)を右肩ごと壁に擦り付ける状態となる。

 

右の非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)と右肩の装甲が火花を散らして削れて行く。

 

「簪ちゃん!!」

 

「!!」

 

だが、簪はそのままヘヴィマシンガン改を構えて発砲!!

 

「!? ぐあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」

 

その弾丸が運良くISコアに直撃し、追って来ていたレッドショルダーのブラッドサッカーは機能停止。

 

自爆装置が作動し、更に後ろから追って来ていたレッドショルダーを巻き込んで爆散する!!

 

「ナイス! 簪ちゃん!!」

 

「………先を急ぐよ」

 

簪を褒める楯無だったが、簪は特にリアクションを見せず、体勢を立て直すと再び前進。

 

楯無を追い越して進んで行った。

 

「あ! ちょっ!? 待ってよ~~!!」

 

若干情けない声を出しながら、その後を追う楯無であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

艦橋部分へと突入した突入班4・一夏&箒は………

 

「必殺! シャアアアアアァァァァァァイニングゥ! フィンガアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

目の前に立ち塞がっていた鋼鉄製の隔壁に向かって、雪羅でのシャイニングフィンガーを繰り出す一夏。

 

シャイニングフィンガーが隔壁に命中すると、そのまま隔壁が熱で赤く染まり始め、最後には弾けて巨大な穴が開く。

 

「来たぞ!!」

 

「此処から先へ行かせるなぁ!!」

 

と、隔壁の先で待ち構えていたガンメン部隊が、隔壁を溶かして姿を見せた一夏に一斉攻撃。

 

「むんっ!」

 

しかし、一夏は雪羅から今度はエネルギーシールドを展開。

 

最初の一斉射を防いだかと思うと、

 

「イグニッション! ブウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーストッ!!」

 

エネルギーシールドを発生させたまま、瞬時加速(イグニッション・ブースト)を発動!

 

ガンメン部隊の中に居たゴズーへと突撃する!!

 

「!? ぬああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

ゴズーはそのままエネルギーシールドに押されて行き、反対側の壁に挟まれプレスされたかと思うと、爆散した!!

 

「!?」

 

「貴様ぁっ!!」

 

すぐに突破されたガンメン部隊が振り返り、一夏の背中を狙うが、

 

「させん!!」

 

そこで溶けた扉の影に隠れていた箒が飛び出し、雨月と空裂でガンメン部隊を斬り裂く。

 

「!? しまった! もう1人居たのか!?」

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

更にそこで、実体剣モードの雪片弐型を構えた一夏もガンメン部隊に斬り掛かる。

 

結果的に挟み撃ちされる形となったガンメン部隊は瞬く間にスクラップと化した。

 

「良し!! 後は艦橋まで一直線だ!!」

 

「それは如何かな?」

 

と、一夏がそう言ったところで、そう言う台詞と共に、ヴィラルことエンキドゥが姿を現す。

 

「! エンキドゥ………ヴィラルと言う奴か」

 

エンキドゥの姿を見た箒がそう言う。

 

「織斑 一夏、そして篠ノ之 箒か………グレンラガンでないのが残念だが、まあ良い」

 

そこで、両手にエンキソードを握るエンキドゥ。

 

「世界唯一の男性IS使いでブリュンヒルデの弟と、篠ノ之 束の妹であり世界で唯一の第4世代IS使い………貴様等も何れ我等の脅威となろう。今此処で潰させてもらう」

 

「そう簡単に行くと思うな!」

 

「その通りだ! 俺を誰だと思ってやがる!!」

 

エンキドゥの挑発的な言葉に、箒はそう言い返し、一夏もお決まりの文句を言い放つ。

 

「ふっ、その台詞を貴様が言うか?」

 

神谷と同じ台詞を言い放つ一夏を小馬鹿にする様にエンキドゥはそう言い放つが、

 

「舐めるなぁ!! うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

そこで一夏は、実体剣モードの雪片弐型を上段に構え、エンキドゥに突撃して行く!!

 

「一夏!?」

 

「馬鹿め! 挑発にまんまと乗るとはな!!」

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」

 

箒が驚きの声を挙げ、エンキドゥがそう言うが、一夏は構わずに実体剣モードの雪片弐型を振り下ろす。

 

「そんな見え見えの剣筋なぞ!!」

 

両手のエンキソードを交差させて、実体剣モードの雪片弐型を受け止めようとするエンキドゥだったが………

 

「………へへっ」

 

何とそこで一夏は不敵に笑ったかと思うと、上段からの振り下ろしを態と空振る。

 

「!? 何っ!?」

 

「うりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

そして振り下ろし切ったかと思われた瞬間!

 

そのまま同じ速度で斬り上げを繰り出した!!

 

「!? チイッ!?」

 

エンキドゥは咄嗟に飛び退くが、エンキラッガーの一部が斬り裂かれ、欠片が床に落ちる。

 

「アレは!? 燕返し!?」

 

箒が驚きの声を挙げる。

 

それは、嘗て巌流島の決闘で宮本 武蔵に敗れた剣豪・佐々木 小次郎の得意技と言われる剣技・燕返しだった。

 

「貴様!!」

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

怒りの声を挙げるエンキドゥに、一夏は瞬時加速(イグニッション・ブースト)で突撃!!

 

「!?」

 

エンキドゥはガードしたものの、突進の勢いを殺し切れず、そのまま一夏と共に壁を突き破って行った!!

 

「! 一夏!!」

 

呆然としていた箒がそこで我に返り、慌てて後を追う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、動力炉では………

 

グレンラガンとシャルVSザウレッグ&メガヘッズの戦いが繰り広げられていた。

 

「せりゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」

 

「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」

 

グレンラガンとザウレッグの拳がぶつかり合う。

 

「ぐぐぐぐぐぐぐ………」

 

「ぬぬぬぬぬぬぬ………」

 

そのまま、拳同士をぶつけ合った状態で力比べへと突入するグレンラガンとザウレッグ。

 

「「!?」」

 

と、やがて互いに弾かれる様に距離を取る。

 

「キャロットボンバー!!」

 

そこで、ザウレッグはキャロットボンバーをグレンラガン目掛けて投擲する!

 

「何のぉ! ブーストキイイイイイィィィィィィーーーーーーーックッ!!」

 

だが、グレンラガンはブーストキックでキャロットボンバーを蹴り飛ばす。

 

蹴り飛ばされたキャロットボンバーは、在らぬ方向へ飛んで爆発する。

 

「チイッ! 喰らえぇっ!!」

 

とそこで、ザウレッグは怪音波攻撃を繰り出す。

 

「おおっと!!」

 

しかし、グレンラガンは寸前で跳躍し、ザウレッグの背後へと回る。

 

「むうっ!?」

 

「その手はもう喰わねえぜ!! 超電磁パアアアアアァァァァァァーーーーーーーンチッ!!」

 

そして、ザウレッグが振り向いた瞬間に、超電磁パンチを喰らわせる!!

 

「ぐおあぁっ!?」

 

真面に喰らった様に見えたザウレッグだったが、その瞬間にカウンターで蹴り上げを繰り出す!!

 

「ガッ!?」

 

顎を蹴り上げられ、グレンラガンはよろけ、数歩後退る。

 

「チイッ! やってくれるじゃねえか!!」

 

口の端から流れた血を拭いながら、ザウレッグに向かってそう言い放つグレンラガン。

 

「貴様こそ………益々腕を上げたな」

 

装甲が罅割れなながらも、ザウレッグはグレンラガンにそう返す。

 

「だが! まだまだやられはせんぞ!!」

 

「上等だ!!」

 

と、互いにそう言い合うと、ザウレッグとグレンラガンは再び激しくぶつかり合うのだった。

 

一方、メガヘッズと戦っているシャルの方も………

 

「ええーいっ!!」

 

「クウッ!!」

 

メガヘッズのショルダータックルを、シャルは実体シールドで受け止める。

 

衝撃で少々後退ったが、何とか防ぎ切る。

 

「このっ!!」

 

そこで右手にマシンガンを出現させると、メガヘッズ目掛けて発砲する。

 

「当たらないよ!」

 

しかし、やはり友達であるティトリーと戦うのに躊躇しているのか、若干狙いが甘く、躱されてしまう。

 

「ヤアアッ!!」

 

とそこで、メガヘッズが口を大きく開けたかと思うと、火炎放射を見舞って来る。

 

「!!」

 

再び実体シールドを構えるシャルだったが、火炎放射の余りの熱の前に、実体シールドが融解を始める。

 

「!? 嘘っ!?」

 

慌てて溶け掛けた実体シールドをパージし、離脱するシャル。

 

パージされた実体シールドは、完全に炎に呑まれ、溶けた鉄の塊と化す。

 

「クウッ! ティトリー………」

 

その様に戦慄しながらも、悲しみの籠った瞳をメガヘッズへと向けるシャル。

 

「…………」

 

メガヘッズも、そんなシャルの瞳を見て、一瞬動きを止める。

 

「………気合パンチ!!」

 

だが、すぐに再び動き出し、気合パンチを見舞って来る!!

 

「!? うわああっ!?」

 

真面に喰らってしまったシャルはブッ飛び、動力室に在った機材に背中から突っ込む。

 

「アイタタタタタ………」

 

「ヤアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!!」

 

後頭部を擦りながら、シャルが起き上がると、大口を開けたメガヘッズが飛び掛かって来る。

 

「!?」

 

シャルは慌てて、転がる様に移動してメガヘッズの飛び掛かりを躱す。

 

メガヘッズはそのまま、先程までシャルが居た場所に噛み付き、半壊していた機材の一部を咬み千切る!

 

「………やっぱり………戦うしかないの!?」

 

シャルはそう言いながら、右手にヴェント、左手にブレッド・スライサーを構える。

 

そして、ヴェントの方を発砲しながら、メガヘッズへと突撃する。

 

「ニャアッ!?」

 

ガード姿勢を取り、ヴェントの銃撃に耐えるメガヘッズ。

 

「ええいっ!!」

 

その間に接近して来ていたシャルが、左手のブレッド・スライサーを横薙ぎに振るう!!

 

「!!」

 

メガヘッズは咄嗟に跳躍し、横薙ぎに振られたブレッド・スライサーを飛び越える!!

 

「貰った!!」

 

と、そこで空中で身動きが取れなくなったメガヘッズに、シャルはヴェントの銃口を突き付ける。

 

「!?」

 

一瞬硬直するメガヘッズだったが、シャルの指が引き金に掛けられた瞬間!

 

「ガブッチョッ!!」

 

何と!!

 

ヴェントの先端に噛み付いた!!

 

「うええっ!?」

 

シャルが驚きの声を挙げた瞬間、

 

「うがああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

メガヘッズはそのまま、ヴェントの銃身を咬み砕く!!

 

「!? うわっ!?」

 

衝撃で後ろに飛ばされるシャル。

 

「クウッ!!」

 

しかし咄嗟に、吹っ飛ばされながらも、左手に持っていたブレッド・スライサーをメガヘッズ目掛けて投げ付ける!

 

「!? ニャアアッ!?」

 

投擲されたブレッド・スライサーは、メガヘッズの装甲の一部を火花と共に斬り裂き、弾かれる。

 

「フッ!」

 

そしてシャルは、受け身を取って着地する。

 

とそこで!

 

「ぬおわぁっ!?」

 

メガヘッズの傍に、ブッ飛ばされたザウレッグが転がって来た!

 

「!? おっさん!!」

 

「如何した!? それで終わりじゃねえだろ!?」

 

メガヘッズが慌てて助け起こすと、ザウレッグと戦っていたグレンラガンがそう言い放って来る。

 

「チイッ! やりおるわ!! それでこそグレンラガンよ!! 良いだろう! 遊びは終わりだ!! ティトリー!!」

 

「!!」

 

と、ザウレッグがそう言った瞬間、メガヘッズと重なり合う。

 

そして、合体ガンメン・ザガレッズとなった!!

 

「おもしれぇっ! シャル! コッチも合体だ!!」

 

「! う、うん!!」

 

それを見たグレンラガンが、シャルにそう呼び掛けると、2人の姿が重なり、緑色の光に包まれる。

 

そして、光が弾けると!!

 

「「熱風合体!! ラファールラガン!!」」

 

合体したグレンラガンとシャル・ラファールラガンが姿を現した!!

 

「行くぞぉっ!!」

 

「おおう!!」

 

ジギタリスと神谷の声が響くと、両者は互いに突撃し合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

ヴィラルことエンキドゥと戦っている一夏と箒は………

 

「うおわあっ!?」

 

「ぬうあっ!?」

 

艦内の壁を幾つも突き破った一夏とエンキドゥは、とうとう外へと繋がるハッチをブチ破り、天岩戸の後甲板へと出た!!

 

「うわっ!? ガッ!?」

 

「ぬああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

階段状に設置されていた対空機銃座の上をバウンドしながら転がって行く一夏と、転げ落ちて行くエンキドゥ。

 

「一夏! 無事か!?」

 

と、遅れて出て来た箒が、一夏の方を助け起こす。

 

「イテテテテテ………頭打った………」

 

一夏は左手で頭を擦りながら起き上がる。

 

と、そこで!!

 

一夏と箒に銃弾が襲い掛かって来た!!

 

「!? うわっ!?」

 

「ぬうっ!?」

 

「人間如きが! 舐めた真似を!!」

 

エンキドゥが対空機銃座の1つに着き、一夏と箒目掛けて発砲する。

 

防御用の装甲板に隠れる2人だったが、機銃の威力の前に、装甲板がドンドン凹んで行く。

 

「クウッ! このぉ!!」

 

とそこで箒が、背部の展開装甲2つを切り離し、ビットとして飛ばす。

 

「! チイッ!!」

 

エンキドゥが飛び退くと、ビットは先程までエンキドゥが付いていた機銃座に突き刺さり、爆散させる。

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

そこで一夏が飛び出し、実体剣モードの雪片弐型を横薙ぎに振るう。

 

「甘いっ!!」

 

だが、ヴィラルは跳躍して躱したかと思うと、そのまま前転して一夏の頭部に踵落としを叩き込んだ!!

 

「ガハッ!?」

 

「喰らえっ!!」

 

そして更に、着地すると同時に装甲内部の武装を展開!

 

そのまま至近距離から全弾一夏に叩き込む!!

 

「おわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

ブッ飛ばされた一夏は、そのまま副砲塔の側面に叩き付けられる。

 

副砲塔の側面が放射状に凹む。

 

「まだまだ行くぞ!!」

 

更にそこで、エンキラッガーを投擲するエンキドゥ。

 

「!?」

 

「やらせん!!」

 

だが、ビットを回収した箒が間に割り込み、雨月でエンキラッガーを弾き飛ばす。

 

「チイッ! 邪魔をしおって!!」

 

エンキラッガーを回収しながらそう言うエンキドゥ。

 

「一夏! 今の内にエネルギーを!!」

 

「お、おう!!」

 

箒がそう言って絢爛舞踏を発動させ、一夏はエネルギーを回復する。

 

「やはり厄介だな、貴様の紅椿のその能力………世界で唯一の第4世代ISなだけはある」

 

と、その様子を見ていたエンキドゥがそう呟く。

 

「せやああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

とそこで、白式へのエネルギー供給が終わり、今度は箒が両手の雨月と空裂で斬り掛かる。

 

「フンッ!!」

 

それをエンキソードで受け止めるエンキドゥ。

 

「ぐぐぐぐぐぐ………」

 

そのまま鍔迫り合いへと突入する。

 

雨月と空裂、エンキソードの刃がぶつかり合って火花を散らす。

 

「でえええええいっ!!」

 

とそこで、箒の背後から一夏が飛び出し、雪羅をエンキドゥに向け、荷電粒子砲を見舞おうとする。

 

「甘いっ!!」

 

だが、エンキドゥは肩にミサイルランチャーを出現させ、一夏へミサイルを見舞う。

 

「!? うおわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

全弾直撃し、甲板の上に落ちる一夏。

 

「!? 一夏!?」

 

「他人に気を取られて隙を見せるとは………まだまだ未熟!!」

 

その瞬間、一夏に気を取られてしまった箒に、エンキドゥは体当たりを見舞う!!

 

「!? ぐうっ!!」

 

「セイリャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

箒の体勢が崩れたところで、エンキソードを振るう。

 

「!!」

 

咄嗟に雨月と空裂で防御しようとしたが、

 

「馬鹿め! それが狙いだ!!」

 

エンキドゥはそう叫んだかと思うと、雨月と空裂の僅かに見えていた柄の部分を斬り裂いた!!

 

柄を斬り裂かれた雨月と空裂の刀身が、金属音を立てながら地面に落ちる。

 

「なっ!? 雨月と空裂が!?」

 

「セイヤァッ!!」

 

更にそこで、エンキドゥは箒の腹に、前蹴りを叩き込む!!

 

「ガハッ!?」

 

ブッ飛ばされて、甲板の上を背中で滑って行く箒。

 

「ガッ………ハッ………」

 

一瞬吐きそうになりながらも如何にか耐える。

 

「あ、雨月と空裂が………」

 

起き上がりながら、柄だけになってしまった雨月と空裂を見て箒は呆然となる。

 

「勝負あったな………」

 

「! まだだ!! まだ私は!!」

 

しかし、エンキドゥにそう言われると、再び突撃。

 

展開装甲を展開している状態の脚部で蹴りを繰り出す。

 

紅椿の展開装甲は、展開中は常にその場所にエネルギーの幕が出来ており、言わば全身にエネルギーの刃を纏っていると言える。

 

その最たる例が、背部の2基をビットとして飛ばせる点であろう。

 

その展開装甲のエネルギー刃を使って、箒はエンキドゥを斬ろうとしただが………

 

「おっと」

 

その蹴りは、エンキドゥにアッサリと躱される。

 

「そらっ!!」

 

「ぐあっ!?」

 

そして、逆にエンキドゥの蹴りを喰らってしまう。

 

「クウッ! このっ!!」

 

すると箒は、一旦距離を取り、再びビットを飛ばす。

 

エネルギー刃を展開してビット2基が、エンキドゥへと向かうが、

 

「見切ったぞ!!」

 

エンキドゥは、一旦エンキソードを鞘へと戻すと、エンキラッガーをサイドスローで投擲!!

 

横回転しながら弧を描く様に飛んだエンキラッガーがビットの側面から当たり、粉々にしてしまう!!

 

「!? 何っ!?」

 

「コレで貴様の武器は無くなったな!!」

 

エンキドゥはそう言い放つと、エンキカウンターを箒目掛けて放つ!!

 

「っ!?」

 

咄嗟に防御姿勢を取る箒。

 

エンキカウンターはシールドに弾かれて床に落ちるが、徐々にシールドエネルギーを削って行く。

 

(イ、イカン! このままでは!!)

 

と、箒がそう思った時!!

 

荷電粒子砲が、エンキドゥに直撃する!!

 

「!? ぐあああああっ!?」

 

身体から黒煙を上げて数歩後退るエンキドゥ。

 

「俺を………忘れてもらっちゃ困るぜ」

 

そこには、ミサイルを全身に浴びた為、装甲が所々罅割れている一夏の姿が在った。

 

「! 一夏!!」

 

「箒、此処は俺に任せろ。お前が援護してくれ」

 

そう言いながら一夏は箒の前に出る。

 

「しかし、一夏………!!」

 

「武器が無いのに無理すんな。それに………」

 

そう言いながら、一夏は箒の方を振り返る。

 

「偶にはカッコ付けさせてくれよ」

 

そしてフッと笑って見せる。

 

「!?」

 

その瞬間、箒は戦闘中にも関わらず胸の高鳴りを覚え、一瞬で頬を紅潮させる。

 

「ば、馬鹿者! 何を言っている!?」

 

「ええい! 貴様ぁ!! 舐めた真似をぉ!!」

 

と箒が怒鳴り声を挙げると同時に、エンキドゥも怒りの声を挙げて来た。

 

「行くぜ!!」

 

それを見た一夏は、エンキドゥに突撃して行く!!

 

「オイ! 一夏!! エエイ!!」

 

箒は悪態を吐く様にそう言いながらも、そんな一夏の援護に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園・地下………

 

リーロンの研究室………

 

「天岩戸がIS学園を射程内に収めて1時間が過ぎたわ」

 

リーロンが、コンパネを叩きながらそう報告する。

 

「だが砲撃は無い………と言う事は」

 

「天上くん達が成功したんですね」

 

それを聞いた千冬と真耶がそう声を挙げる。

 

「ええ。でも、まだ天岩戸自体は止まっていないわ。このままだと、後4時間後にはIS学園に突っ込んで来るわ」

 

しかし、リーロンは続けてそう報告して来る。

 

「「…………」」

 

それを聞いて、千冬と真耶は苦い表情を浮かべる。

 

(一夏さん………)

 

(弾くん………)

 

その後ろの方で、只管に思い人の無事を祈っている蘭と虚。

 

(かみやん………私………グレン団の事、信じてるからね)

 

只1人、のほほんだけがまるで全てを悟っているかの様な表情で、のんびりを茶を啜っているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

いよいよ因縁の対決の幕開け。
動力部で戦う神谷達とジギタリス達。
甲板で戦う一夏達とヴィラル。
天岩戸がIS学園に突っ込むまであと4時間。
果たして、勝負の行方は?



さて、前書きに書いたお知らせという話ですが………

実は新作を考え付きまして。

ズバリ!

新サクラ大戦×ウルトラシリーズのクロスオーバーです。

実は私、サクラ大戦を好きになってオタクの道に踏み込んだんですよね。

新サクラ大戦は残念な所が目立つかも知れませんが、決して良い所が無い作品ではないので、楽しむ事が出来ました。

で、これで1つ作ってみたいと思いまして。

詳しくはまた後日にでも発表しますが、新サクラ大戦の主人公・神山 誠十郎がウルトラマンゼロと一心同体になります。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)

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