天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第62話『力づくで愛を奪うなんざぁ、モテねえ野郎のする事だぜ!!』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第62話『力づくで愛を奪うなんざぁ、モテねえ野郎のする事だぜ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結婚寸前だった新婦が突然意識不明に陥ると言う怪事件が、ロージェノム軍の仕業であると確信した神谷は、グレン団を率いて、街へ調査へと繰り出した。

 

そしてその最中、偶然にも弾がロージェノム軍の犯行現場を目撃!

 

犯人である掃除機の様なガンメンと対峙する。

 

 

 

 

 

街の某結婚式場近くの広場………

 

「トアアッ!!」

 

掃除機の様なガンメンに向かって飛び蹴りを繰り出す弾。

 

「むんっ!!」

 

しかし、掃除機の様なガンメンは、弾の飛び蹴りを受け止めると、そのまま跳ね返す。

 

「おわっ!?」

 

だが、まだ弾のターンは終わらず、跳ね返されて逆さまになると、そのまま両手で着地し、掃除機の様なガンメンの顎を蹴り上げる!

 

「ぐうっ!?」

 

「おりゃあっ!!」

 

掃除機の様なガンメンが地面を転がると、弾は再び肉薄し、右のハイキックを繰り出す。

 

「クッ!」

 

「テリャアッ!!」

 

それが受け止められると、素早く右足を戻し、再び右足での後ろ回し蹴りを繰り出す。

 

「ぐっ!?」

 

衝撃で身体が回転する掃除機の様なガンメン。

 

「オリャアッ!!」

 

そこへ追撃の左ミドルキックを繰り出す弾だったが、

 

「むんっ!!」

 

掃除機の様なガンメンは、そのミドルキックを受け止めると、両腕で弾の首を締め上げて来る。

 

「うわっ!? がっ!?」

 

呼吸が出来なくなり、苦しむ弾。

 

「むううんっ!!」

 

掃除機の様なガンメンは、そのまま弾を振り回したかと思うと、右腕を外してボディブローを叩き込む。

 

「ぐふっ!?」

 

「ふんっ!!」

 

そして体勢が崩れた所で、続けて横っ面を殴り飛ばす!!

 

「うおわああっ!?」

 

衝撃でブッ飛ばされた弾は、広場に在ったベンチの上に落ち、そのままベンチを破壊して地面に叩き付けられる。

 

「むんっ!!」

 

その弾に追い打ちを掛ける様に、右手から火花の様なロケット弾を連射する。

 

「うおわあああっ!?」

 

周りにロケット弾が次々に着弾し、爆発が上がり、弾は思わず声を挙げる。

 

「フフフフ………」

 

そのまま弾にトドメを刺そうと、悠然と歩み寄って行く掃除機の様なガンメンだったが、

 

「待てっ!?」

 

「むっ!?」

 

突然聞こえて来た声に反応して、その方向を向くと、

 

「うりゃあっ!!」

 

「ハアッ!!」

 

「アチョーッ!!」

 

神谷、一夏、鈴が、トリプルキックを見舞って来た!!

 

「!? ぐうあっ!?」

 

直撃を受けた掃除機の様なガンメンはブッ飛ばされ、地面を転がる。

 

「フッ!」

 

「ハッ!」

 

「とっ!」

 

そのまま着地を決める神谷、一夏、鈴。

 

「弾くん! 大丈夫!?」

 

「お兄! しっかり!!」

 

「大丈夫!?」

 

「しっかりするニャ!」

 

そこへ更に、弾の傍に虚、蘭、のほほん、ティトリーが駆け寄る。

 

「! ガンメン!!」

 

「まさか!? 本当にロージェノム軍の仕業だったのですか!?」

 

「そうみたいだね」

 

「信じられんな………」

 

「兎に角! 今はアイツを!!」

 

「…………」

 

神谷達の傍にも更に、箒、セシリア、シャル、ラウラ、楯無、簪が並び立つ。

 

「おお! 噂のグレン団の戦闘の様子が生で撮れるなんて………」

 

そして、ちゃっかりと離れた物陰から、カメラを手にその様子を撮影している薫子の姿も在った。

 

「う、うううう………」

 

と、起き上がった掃除機の様なガンメンが、何やら苦しそうな声を漏らす。

 

「? 如何したんだ?」

 

「あ、愛だ! 愛をくれぇっ!!」

 

一夏が疑問に思うと、掃除機の様なガンメンは突如そう叫ぶ。

 

「ハアッ!?」

 

「あ、愛!?」

 

首を傾げる鈴と、思わず顔を赤く染めてしまうシャル。

 

「何ワケの分かんねえこと言ってやがる!! 行くぞぉっ!!」

 

神谷がそう言い放つと、長刀を抜き放ち、掃除機の様なガンメンに向かって突撃して行く。

 

「ふおわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

すると掃除機の様なガンメンは、口となっている吸引口から風を逆噴射して来た!!

 

「!? うおわっ!?」

 

「うわっ!?」

 

「キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

忽ち吹き飛ばされる神谷達。

 

しかし、吹き飛ばされたのは神谷達ばかりでなく、辺りに落ちていた枯葉や小枝も舞い上がる。

 

更には鉄製のベンチや、置石までもが宙に舞い、植えてあった木が根元から倒れ、街頭までもが圧し曲がる!

 

「ふ、吹き飛ばされてしまいます~!」

 

「何コレーッ!!」

 

「す、凄い風だ!!」

 

「コレでは近づけんぞ!!」

 

「イダダダダダダダッ!? 腕が千切れる!!」

 

吹き飛ばされそうになっているセシリア、鈴、箒、ラウラの手を片手で摑み、もう片方の手で鉄柵を摑んで逆噴射に耐えている一夏が悲鳴を挙げる。

 

それでも箒達を摑んでいる手を離そうとしない辺り、見上げたものである。

 

「チキショウッ! 味な真似しやがって!!」

 

「神谷ーっ!!」

 

長刀を地面に突き刺して支えにしている神谷と、その神谷にしがみ付いているシャル。

 

「キャーッ!!」

 

「ニャーッ!!」

 

「と、飛ばされる~~~~っ!?」

 

「伏せろ! 身を低くするんだ!!」

 

「何で私までこんな目にぃーっ!!」

 

虚、ティトリー、のほほん、弾、蘭は地面に伏せて、如何にか突風に耐えている。

 

「簪ちゃん!!」

 

「クッ………!」

 

楯無も、簪に覆い被さる様にして守りながら、突風に耐えている。

 

「! そこっ!!」

 

とそこで、簪がアーマーマグナムを取り出し、掃除機の様なガンメン目掛けて発砲する。

 

「!? うぐおわぁっ!?」

 

アーマーマグナムの弾丸は、掃除機の様なガンメンのボディに風穴を開ける。

 

それと同時に、逆噴射が止まる。

 

「キャアッ!?」

 

「おわっ!?」

 

それと同時に、宙に舞いそうになっていた箒達が地面に落ちる。

 

「う、腕が………」

 

そして、腕の筋がイカれ掛けた一夏が、悶え苦しむ。

 

「うう………オノレェッ!!」

 

とそこで、掃除機の様なガンメンは神谷達に向かって、再び右手からロケット弾を放つ。

 

「!? うおわっ!?」

 

「キャアッ!?」

 

爆煙で周りが見えなくなる神谷達。

 

やがて爆煙が晴れたかと思うと、掃除機の様なガンメンの姿は何処にも居なくなっていた。

 

「あ、クソッ!! 逃がしちまったか!!」

 

神谷が悔しそうな声を上げながら、長刀を背の鞘に納める。

 

「でも、本当にロージェノム軍の仕業だったんだね………」

 

「しかし、一体何が目的でこんな事をしているんだ?」

 

シャルがそう言うと、箒がそう疑問を呈する。

 

「兎に角、一旦引き上げましょう。弾くんも怪我してるみたいだし………議論は帰ってからね」

 

「しゃーねえな………」

 

しかし、楯無が弾が負傷しているのを見て、その場を纏める様にそう言うと、グレン団は一旦IS学園へと引き上げ始める。

 

「あ!? ちょっと待ってーっ!!」

 

物陰から戦闘の様子を撮影していた薫子も、慌ててその後を追うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???………

 

「あ、愛だ! もっと愛をくれぇっ!!」

 

引き上げて来た掃除機の様なガンメンが、螺旋王と四天王が居る間に現れるや否や、膝を衝いて苦しそうにしながらそう叫ぶ。

 

「作戦は大成功だな」

 

「うむ。『ゴミスーイ』は人間の愛、特に女の男へ向ける熱いハートが大好物じゃからのう」

 

その掃除機の様なガンメン・『ゴミスーイ』の姿を見たシトマンドラとグアームがそう言い合う。

 

「愛を奪えば、人間共は結婚出来なくなり、子孫は絶滅!」

 

「最後には地球は愛に飢えた老人で溢れ返る」

 

アディーネとチミルフも、そんな事を言う。

 

如何やら、それが今回のロージェノム軍の作戦らしい。

 

「愛なぞと言う下らない感情を持ち合わせたのが間違いよ………人間共に、いやこの宇宙にそんな物は必要無い」

 

更にロージェノムも、無表情で玉座で頬杖を付いた状態のままそう言う。

 

「来い、ゴミスーイ。傷を治したらすぐに再出撃じゃ! 地球から、愛という愛を全て吸い尽くしてしまえ!!」

 

グアームはそう言い、ゴミスーイをラボへと連れて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜………

 

IS学園・生徒会室………

 

「アイタタタタタッ!?」

 

「あ、ゴメンナサイ! 大丈夫?」

 

負傷した弾の手当て中、傷口を消毒していた虚だったが、消毒液が染みたのか、弾が声を挙げる。

 

「だ、大丈夫ッス! 五反田 弾は男の子っす!」

 

しかし、男は痩せ我慢、と無理をして我慢する弾。

 

「如何やら、ロージェノム軍は女性から恋愛的な感情を奪って、人類の絶滅を狙っているみたいね………」

 

「んなアホな………」

 

楯無がロージェノム軍の狙いにそう推測を立てるが、内容が内容だけに、一夏がそうツッコミを入れる。

 

「でも、考え様によっては、凄く恐ろしい作戦だよね………」

 

「ああ、全くだ」

 

「女性から恋愛感情を奪うだなんて………」

 

「正に女の敵よ! ソイツ!!」

 

「許せんな………」

 

だが、自身も恋する乙女であるシャル、箒、セシリア、鈴、ラウラは、ゴミスーイに怒りの感情を募らせる。

 

「でも如何するの?」

 

「また式場を彼方此方当たってあのガンメンを探すの~?」

 

と、そこでティトリーとのほほんがそう言う。

 

コレまで戦って来たロージェノム軍は、多かれ少なかれ、IS学園やグレン団を標的にしている作戦を執っていた為、多少なり共対策が立てられたが、今回は完全にグレン団を標的外にしている。

 

対策を立てるのは難しい。

 

「敵も搦め手を使って来る様になった………厄介ね」

 

アーマーマグナムを手入れしながら、簪がそう言う。

 

「こうなったら仕方ないね………囮作戦で行こう」

 

すると、楯無がそう提案して来た。

 

「囮作戦?」

 

「そう。偽の結婚式を開いて、あのガンメンを誘き出すの」

 

首を傾げる一夏に、楯無はそう言う。

 

「成程。そいつは良い手だな」

 

「でも、結婚式って………誰がやるの?」

 

神谷が顎に手を当てながらそう言うが、続いてシャルがそう言った瞬間………

 

「決まっているだろう。私と一夏だ」

 

ラウラがそう声を挙げる。

 

それが、何度目とも知れぬ一夏争奪戦の火蓋を切った。

 

「ちょっと待ちなさいよ!! 何でそうなるのよ!?」

 

「私は軍人だ。あらゆる事態に対して対応出来る様に訓練を受けている。それに何れはする事だからな」

 

食って掛かる鈴に、ラウラは挑発的な笑みを向けながらそう返す。

 

「納得が行きませんわ!! ならば私と一夏さんの方がお似合いで適任ですわ!!」

 

「貴様も何を言っている!? 此処は私と一夏に任せろ!! 勝手知ったる幼馴染の方が気が楽だろう!!」

 

「ならアタシだってそうよ!!」

 

「な、なら私も負けてません!!」

 

ドンドンとヒートアップして行く箒、セシリア、鈴、ラウラ、蘭。

 

「え、えっと、あの皆。俺の意見は?」

 

置いてけぼりを喰らっていた一夏が、そう口を挟むが、

 

「「「「「一夏〈さん〉は黙ってろ〈て下さい〉!!」」」」」

 

すぐにそう一蹴された。

 

「ええ~~~っ!?」

 

「じゃあ、間を取って、此処は私と一夏くんが新婦と新郎役って事で」

 

一夏が困惑の声を挙げると、楯無が後ろから一夏の両肩を摑みながらそう言う。

 

「「「「楯無さん(会長)!!」」」」

 

途端に箒達は楯無へと食って掛かる。

 

「ちょっ、ちょっ!? 待ってくれって………!何で俺が新郎役って決定してるんだ?」

 

そう言う一夏だったが、その声は相変わらず無視されている。

 

(一夏………相変わらずのハーレムだな)

 

そんな親友の姿に、弾は内心でそう思う。

 

「ちょっと待って………」

 

とそこで、簪がそう声を挙げる。

 

「? 簪様?」

 

「如何したのかんちゃ~ん?」

 

「私達はロージェノム軍側に大分顔が知られてる………今回の作戦の囮としては………大分難が有る」

 

虚とのほほんが尋ねると、簪はそう返して来る。

 

「「「「「「あっ!?」」」」」」

 

途端に意気消沈した様子を見せる箒達。

 

「織斑先生か山田先生に頼んでみる?」

 

シャルがそんな意見を挙げる。

 

「いや、そいつも駄目だ」

 

しかし、神谷がそう言って否定する。

 

「神谷? 如何して?」

 

「メガネ姉ちゃんは兎も角………あのブラコンアネキの相手役やろうって物好きな男は居ねえだろ?」

 

(((((((誰もが口の奥底に秘めて言い出さない事をおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!)))))))

 

身も蓋も無い神谷の発言に、一夏達が心の中でそう叫びを挙げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園・職員室………

 

数名の職員が残っている夜の職員室に、突如バギャッ!!と言う何かが壊れた様な音が響いた!

 

「ヒャアッ!?」

 

「な、何っ!?」

 

何の音だと周りを見回す教師達。

 

その音の発生源は、千冬である。

 

千冬が、手にしていたボールペンを圧し折り………否、握り潰していた!

 

「お、織斑先生! 如何したんですか!?」

 

近くに居た真耶が、慌ててそう尋ねる。

 

「………いや、何でも無い。ただ、無性に神谷を殴りたくなっただけだ」

 

怒りを露わにした顔で、千冬はそう答える。

 

「は、はあ………(天上くんがまた何かやったのかなぁ?)」

 

毎度の事と言えば毎度の事であるが、神谷が何か問題を起こす度に責任を被っている千冬に同情する真耶。

 

「あの、ところで織斑先生。その書類………」

 

「? 書類?」

 

真耶に言われて、千冬が手元に視線を遣ると、机の上に乗っていた書類数枚が、千冬が握り潰したボールペンのインクで真っ黒になっていた。

 

「!? あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!?」

 

途端に悲痛な叫びを挙げる千冬。

 

「よ、4時間も掛けて作成した書類が………明日の朝一の会議で使うのに………」

 

真っ黒になった書類を、震える手で持ってそう呟く。

 

「えっと………栄養ドリンク買って来ますね」

 

今夜は徹夜になると思われる千冬の為を思い、そしてとばっちっりを食わない様に、真耶はそう言って千冬の傍を離れる。

 

「おのれ、天上 神谷ああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

千冬は天を仰いで、何処ぞの世界の破壊者ライダーを目の敵にする正体不明の男の様な叫びを挙げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、IS学園・生徒会室………

 

(………今、千冬姉の恨みの声が聞こえた様な)

 

「う~~ん、如何したもんかね~~?」

 

「囮作戦は良いとして、新郎と新婦役が決まらないんじゃねえ~」

 

一夏が千冬の気配を感じている間に、楯無とのほほんがそう言いながら頭を捻る。

 

「何言ってやがる。此処に丁度良いアベックが居るじゃねえか?」

 

すると神谷が、そんな事を言う。

 

「(アベックって………)それって誰と誰の事?」

 

アベックと言う言い方に少々呆れながらも、シャルがそう問い質す。

 

「ふふん………」

 

すると神谷は、不敵な笑みを浮かべながら、まだ虚に手当てを受けている弾の方を見遣った。

 

「「………えっ?」」

 

突然振られた神谷の視線に、弾と虚は戸惑いを浮かべる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日………

 

街中のとある教会………

 

「「…………」」

 

祭壇の前に、真っ白なタキシードを着込んだ弾と、純白のウェディングドレスを着込んだ虚が並び立っていた。

 

グレン団として戦闘に参加して日が浅い為、まだ素性が余り知られていないと思われる弾と、非戦闘要員の虚のカップルなら怪しまれない、と言うのが神谷の案である。

 

2人共ガチガチに緊張しているのが、傍から見ても一目瞭然である。

 

「ホラ、2人共。そんなに緊張しないで。コレは飽く迄作戦の内よ」

 

牧師役を務めているリーロンが、そんな2人に向かってそう言う。

 

「い、いや、でも………」

 

「…………」

 

しどろもどろな弾と、緊張の余り顔を真っ赤にして何も言えなくなっている虚。

 

(弾の野郎………中々様になってんじゃねえか)

 

と、長椅子の影からその様子を窺っていた神谷が、小声でそう呟く。

 

((((私〈アタシ〉も、何時かは一夏〈さん〉と………))))

 

箒、セシリア、鈴、ラウラは、脳内で2人の姿を自分と一夏に置き換えている。

 

(綺麗だなぁ、虚さん………僕も何時か神谷と………キャーッ! やだもうー!!)

 

シャルも同じ様に、脳内で2人の姿を自分と神谷に置き換え、妄想に悶えていた。

 

(コレは良い絵ですよ~!)

 

そして、今回もちゃっかりと同行し、タキシード姿の弾とウェディングドレス姿の虚の姿を、カメラに納め捲っている薫子。

 

(しかし、あのガンメン………本当に来るのかな?)

 

(大丈夫よ。学園長と更識家に協力してもらって、この辺り一帯の結婚式を止めて貰っているから)

 

(必ず………餌に釣られて………現れる)

 

と、一夏、楯無、簪がそう言い合っていると、

 

「では、神の御前にて、誓いの接吻を」

 

囮結婚式は滞りなく進んでおり、とうとう誓いのキスのところとなる。

 

(え、ええっ!? や、やっぱりやらなくちゃ駄目ですか………?)

 

(本格的にやらないと、リアリティが出ないわよ。囮だと気付かれたら意味無いのよ)

 

まだ戸惑っている虚に、リーロンはあっけらかんとそう言い放つ。

 

(で、でも………)

 

「う、虚さん!!」

 

すると、弾が少々テンパっている様な様子を見せながら、虚を自分の方へと振り向かせる。

 

「えっ!? だ、弾くん!?」

 

虚が戸惑いの声を挙げていると、弾は黙って虚の顔に掛かっていたベールを上げ、肩を摑んでゆっくりと顔を近付けて行く。

 

(オ、オイ!?)

 

(ちょっ!? まさか!?)

 

((((!?))))

 

((おおっ!?))

 

その様子に、一夏達が驚き、楯無も注目し、薫子はここぞとばかりシャッターを切る。

 

(良し! 行け、弾!!)

 

1人囃し立てる神谷。

 

「あ、だ、弾くん………」

 

「虚さん………」

 

弾と虚の顔の距離は徐々に縮まって行き、遂に唇が触れ合おうとしたその瞬間!!

 

突如、式場の壁が破壊される!!

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

一斉に破壊された壁に注目する一夏達。

 

「あ、愛だぁっ! もっと愛をくれええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」

 

そこに居たのは、ゴミスーイだった。

 

空気が読めるのか、読めていないのか………

 

「現れやがったなぁ!!」

 

「罠に掛かったわね!!」

 

途端に、神谷と楯無が物陰から飛び出し、ゴミスーイの前に立ちはだかる。

 

遅れて、一夏達のその周りに並び立つ。

 

「グレンラガン! スピンオン!!」

 

「来い! 白式!!」

 

「紅椿!!」

 

「ブルー・ティアーズ!!」

 

「甲龍!!」

 

「リヴァイヴ!!」

 

「シュヴァルツェア・レーゲン!!」

 

「おいで! レイディ!!」

 

「…………」

 

其々に愛機の名を呼び(簪は無言で)、グレンラガンとISを装着した状態となる。

 

「リーロンさん! 虚さんを!!」

 

「ええ! さ、コッチよ!!」

 

「弾くん!!」

 

「トアアッ!!」

 

弾も、虚をリーロンに任せると、ゴミスーイの方へと跳躍し、空中でグラパール・弾の姿となって、グレン団の中へと降り立つ。

 

「テメェ、覚悟しろ!! 良い所だったのを邪魔しやがって!!」

 

若干私情が混じった台詞を、ゴミスーイに向かって言い放つグラパール・弾。

 

「邪魔をするなぁ!!」

 

と、ゴミスーイはそう叫んだかと思うと、再び掃除機のノズルとなっていた口から、強烈な突風を放って来る!!

 

「キャアアッ!?」

 

「うおっ!? またコレかよ!!」

 

手近な物にしがみ付き、踏ん張るグレン団。

 

「クッ! このぉっ!!」

 

とそこで、グラパール・弾がハンドガンを左手に出現させ、ゴミスーイに向かって発砲した!!

 

「うおわっ!?」

 

身体から火花を伴った爆発を挙げて後退るゴミスーイ。

 

「おりゃあああっ!!」

 

グラパール・弾は、そこで更に追撃を仕掛ける。

 

跳躍して、ゴミスーイに向かってキックを見舞う。

 

「ぐうっ!?」

 

「グラパールブレード!!」

 

そして着地すると、右腕からグラパールブレードを出現させ、ゴミスーイに斬り掛かって行く。

 

「小癪なぁっ!!」

 

だが、ゴミスーイは掃除機のパイプ部分の様な物を左手に握り、グラパールブレードを受け止める。

 

そして、右手をグラパール・弾の身体へと押し付けたかと思うと、そのまま至近距離からロケット弾を放つ。

 

「!? うおわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

身体から連続で小爆発を挙げるグラパール・弾。

 

「ふああっ!!」

 

そして、そのまま掃除機のパイプ部分の様な武器で横っ面を殴られ、ブッ飛ばされる。

 

「うおわああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!?」

 

グラパール・弾は、そのまま背中から教会内の椅子の上に落ちて叩き付けられる。

 

「野郎っ!!」

 

グレンラガンがすぐさまゴミスーイに向かって行こうとするが、

 

「ふああああっ!!」

 

ゴミスーイからは再び逆噴射攻撃が放たれる。

 

「うおっ!? こなくそぉっ!!」

 

グレンラガンは咄嗟に両腕に2本ずつドリルを出現させると、それを床に打ち込み、そのまま両腕を交互に前に出しながらゆっくりと近付いて行く。

 

「ぬううっ!?」

 

それを見たゴミスーイは、逆噴射の力を強める。

 

「!? おわああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!?」

 

「「「「「「キャアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!?」」」」」」

 

後ろで物にしがみ付いて耐えていた一夏達が、摑まっていた物ごと吹き飛ばされ始める。

 

「ぐぐぐぐぐ………」

 

逆風に顔が歪んでいる様な感覚を感じながらも、グレンラガンは少しずつゴミスーイに近付いて行く。

 

「あ、ツゥ………」

 

一方、ゴミスーイにブッ飛ばされたグラパール・弾は、相当ダメージを受けたのか、瓦礫と化した椅子の上で悶えている。

 

「! 弾くん!!」

 

それを見ていられなかったのか、リーロンと共に物陰に隠れていた虚が飛び出した。

 

「ちょっ!? 待ちなさい!!」

 

リーロンが慌てて止めようとするが、虚はグラパール・弾の傍に駆け寄ってしまう。

 

「弾くん! しっかりして! 弾くん!!」

 

「!? 虚さん!? 駄目だ! 逃げるんだ!!」

 

突然現れた虚に、グラパール・弾が驚きながらそう言い放つ。

 

「おおっ! 愛だ!! 我慢出来ん!!」

 

だが、その時には既にゴミスーイは虚の姿を捉え、逆噴射攻撃を止めると、虚の方にノズルを向け、吸い込みを開始した!

 

すると、虚の身体から、ハート型の光が抜け出し、ゴミスーイに吸い込まれる。

 

「あ………」

 

途端に、虚は短く声を挙げたかと思うと、そのまま意識を失ってしまった。

 

「! 虚さん! 虚さん!!」

 

慌てて虚を抱き抱えて呼び掛けるグラパール・弾だったが、虚は何の反応も返さない。

 

「ああ、美味かった」

 

そんなグラパール・弾の気持ちなど知らぬ様に、ゴミスーイはそんな感想を述べる。

 

すると!!

 

「オラアッ!!」

 

そこでグレンラガンのショルダータックルが見舞われた!!

 

「ぐおあああっ!? ええい! 目的果たした!!」

 

破壊した壁の穴から外へと押し出されて、地面を転がったゴミスーイは、そう言い放つとその場から離脱を始める。

 

「待ちやがれ! 一夏! 何やってんだ! 追うぞ!!」

 

「お、おう!!」

 

グレンラガンがそう言い、ゴミスーイを追うと、逆噴射で吹き飛ばされていた一夏達も気を取り直し、直ぐ様ゴミスーイを追跡して行く。

 

「虚さん! 虚さん!! 目を開けてくれ、虚さん!!」

 

一方、グラパール・弾は、意識不明となっている虚への呼び掛けを続ける。

 

「無駄よ………コレまでアイツに愛を奪われた人達は何をやっても目覚めなかったそうよ」

 

そこへリーロンが近寄って来て、グラパール・弾にそう言う。

 

「そんな………」

 

それを聞いたグラパール・弾は、ガックリと顔を下げ、絶望した様子を見せる。

 

「絶望している暇が有ったら、やるべき事をやりなさい」

 

するとリーロンは何時もの同じ口調だが、まるで叱咤するかの様にそう言って来た。

 

「!? やるべき事………?」

 

「恐らくあのガンメンは見た目通り、掃除機の様に奪った愛を身体に溜め込んでいるわ。つまり、奴を倒せば………」

 

「! 虚さんも愛を奪われた人達も目を覚ます!」

 

「飽く迄可能性の話だけどね………」

 

そう言うリーロンだが、既にグラパール・弾の表情は、決意を固めたモノとなっている。

 

「リーロンさん………虚さんをお願いします」

 

「ええ………行って来なさい」

 

そして、リーロンとそう遣り取りを交わすと、直ぐにグレンラガン達と同じ様に、ゴミスーイを追って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

グレン団に追われているゴミスーイは………

 

「待ちやがれぇーっ!!」

 

「ええい! しつこい連中だ!!」

 

何処までも喰らい付いて追い掛けて来るグレン団の面々に苛立つゴミスーイ。

 

すると、何時の間にかゴミスーイは、カップルに人気のスポットとなっている広場へと躍り出る。

 

「おおっ! こんな良い所が在ったとは!! フアアッ!!」

 

追い掛けられているにも関わらず、複数のカップルの姿を目撃したゴミスーイは、すぐさまカップルの女性達から愛を奪い始める。

 

「「「「「うわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」」」」」

 

「「「「「キャアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!?」」」」」

 

途端に逃げ惑うカップル達。

 

「逃がさんぞぉ!!」

 

ゴミスーイは、カップル達を追い、次々に愛を奪って行く。

 

「あの野郎! また!!」

 

「それ以上はやらせないよ!!」

 

すぐに阻止しようとするグレン団だったが………

 

「グレン団!!」

 

「我々の作戦の邪魔はさせんぞ!!」

 

増援に駆け付けたガンメン部隊が現れ、グレン団の行く手を遮った。

 

「! ガンメンか!!」

 

「クソッ! こんな時に!!」

 

一夏が悪態を吐くが、ガンメン部隊は捨て身でグレン団に突撃して来ており、纏わり付かれたグレン団は動きを封じられる。

 

「チイッ! お前等邪魔だ!!」

 

「コレじゃアイツに近づけないよ!!」

 

「うわはははははははっ!!」

 

グレンラガンとシャルがそう声を挙げる中、ゴミスーイは高笑いを挙げながら次々に愛を奪って行く。

 

と、その時!!

 

「待てぇっ!!」

 

「ぬうっ!?」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

突如響き渡った声に、ゴミスーイとグレン団、ガンメン部隊が注目を集める。

 

そこに居たのは、弾だった。

 

「力尽くで愛を奪うなんざぁ、モテねえ野郎のする事だぜ!!」

 

弾はゴミスーイに向かってそう言い放つと、悠然と歩き出し始める。

 

「ぬうっ!?」

 

得体の知れない迫力を弾から感じたゴミスーイが一瞬怯むと、ガンメン部隊の一部がゴミスーイを守る様に前に展開する。

 

「…………」

 

それでも弾は、悠然と歩を進める。

 

そして、その身体が緑色の光に包まれたかと思うと、グラパール・弾の姿へと変わった。

 

「螺旋王様の為にーっ!!」

 

と、ゴミスーイの前に展開していたガンメンの内、1体のゴズーがそう叫びながらグラパール・弾へと襲い掛かる。

 

「邪魔だ!!」

 

しかし、グラパール・弾は直ぐ様鋭いフックの様なパンチを打ち込む!!

 

「ギャアアアアアァァァァァァーーーーーーーっ!?」

 

ゴズーは地面の上を転がったかと思うと、そのまま爆散する。

 

「ぬうっ!? ええい! 掛かれぇーっ!!」

 

その様子に一瞬動揺しながらも、ゴミスーイはそう命令する。

 

「「「「「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」」」」」

 

その命令に忠実に従い、グラパール・弾へと群がるガンメン達。

 

「ムッ!!」

 

グラパール・弾は構えを取ったが、その時!!

 

「トロイデルバーストッ!!」

 

グレンラガンがそう叫んで、細長い2本のドリルを出現させている右手を地面に叩き付けると、地割れが起きてガンメン部隊を飲み込んだ!!

 

「「「「「獣人に栄光あれええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」」」」」

 

断末魔の叫びと共に、地割れに呑み込まれたガンメン達が爆発して行く。

 

「! アニキ!!」

 

「弾! 露払いを俺達がしてやる!! オメェがアイツを仕留めろ!!」

 

残っていたガンメンの1体にヘッドロック(ガンメンの構造上、ベアハッグに近い?)を掛けながら、グレンラガンがそう言う。

 

一夏達も、雑魚ガンメンの相手に従事している。

 

「! すんません!! トアアッ!!」

 

すぐにそれを察したグラパール・弾は、ゴミスーイに飛び掛かる。

 

「ハアッ!!」

 

しかし、ゴミスーイは飛び掛かって来るグラパール・弾に、逆噴射攻撃を見舞う。

 

「!? うおわっ!?」

 

フッ飛ばされたグラパール・弾だったが、月面宙返りの様に空中で態勢を立て直すと、街灯を蹴って再びゴミスーイに向かう。

 

「グラパールショット!!」

 

そして、アクロバティックなポーズを決めながら、ゴミスーイに向かってハンドガンからエネルギー弾を見舞った。

 

「!? うおわあっ!?」

 

直撃を受けたゴミスーイが、地面を転がる。

 

「グラパールブレード!!」

 

続いてグラパール・弾は、ハンドガンを収納すると、右腕にグラパールブレードを展開。

 

ゴミスーイを縦一文字に斬り付ける。

 

更に続けて、横薙ぎの一閃を見舞い、右袈裟斬り、左袈裟斬りと連続で斬り付ける。

 

「ぬおわああっ!?」

 

「おりゃあっ!!」

 

怯んだゴミスーイへ、グラパール・弾は突き蹴りを見舞う!!

 

「ぐおわあっ!?」

 

再び地面を転がったゴミスーイだったが、すぐに起き上がると、口となっている掃除機のホースを伸ばし、グラパール・弾の首に巻き付けた!!

 

「ぐうっ!?」

 

「むううんっ!!」

 

そのままホースを手で摑み、グラパール・弾を振り回すゴミスーイ。

 

「ぐうっ!?」

 

左へ引っ張られたかと思うと、すぐに右手へと引っ張られ、グラパール・弾はベンチの背凭れ部分の上を転がる。

 

「むんっ!!」

 

「うおわああっ!?」

 

ゴミスーイが勢い良くホースを引っ張ると、グラパール・弾は宙に舞い、地面に背中から叩き付けられる。

 

「ふああっ!!」

 

「うおわあああっ!?」

 

再び勢い良くホースを引っ張られ、再度中に舞うと、今度は街路樹の幹に叩き付けられるグラパール・弾。

 

「むううんっ!!」

 

そこでゴミスーイは、右手からのロケット弾を見舞う!!

 

「うおわあっ!? うおおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

グラパール・弾の周りで次々に爆発が上がったが、グラパール・弾はグラパールブレードを構えて、その爆発を突っ切ってゴミスーイに突撃して行く。

 

「うりゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」

 

ゴミスーイも、そんなグラパール・弾を迎え撃つかの様に、掃除機のパイプ部分の様な武器を左手に握って突撃する。

 

そして、両者が互いを肉薄したと思われた瞬間に、其々の獲物を振るう。

 

グラパール・弾が一瞬早かった様で、ゴミスーイの身体から火花が上がった!!

 

「ぐうっ!?」

 

「おりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

振り返ると同時に、再びゴミスーイを斬り付けようとしたグラパール・弾だったが、今度は掃除機のパイプ部分の様な武器にグラパールブレードを絡め弾かれ、がら空きになったボディに袈裟斬りと横薙ぎを喰らってしまう。

 

「うおわあっ!?」

 

そこでグラパール・弾は片膝を衝いてしまう。

 

「死ねぇっ!!」

 

トドメを刺そうと、掃除機のパイプ部分の様な武器をグラパール・弾の頭目掛けて振るうゴミスーイだったが、

 

「ぬんっ!!」

 

ギリギリのところで、グラパール・弾はグラパールブレードで受け止める。

 

そして左手に再びハンドガンを出現させると、ゴミスーイの身体に押し当てた!!

 

「!? しまっ………」

 

「グラパールショットッ!!」

 

そのままハンドガンからエネルギーが照射され、ゴミスーイはそのエネルギーに押される様に後退って行き、身体から火花を伴った爆発を挙げた。

 

「トドメだ!!」

 

と、そこでグラパール・弾がそう叫んで、グラパールブレードを構えて跳躍する!!

 

「!?」

 

「グラパアアアアアァァァァァァーーーーーーール! フィニッシュッ!!」

 

そして、螺旋力を込めた×の字斬りをゴミスーイに喰らわせた!!

 

「うおわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

ゴミスーイは、身体中から火花を挙げ始める。

 

「…………」

 

それを確認したグラパール・弾は、グラパールブレードを収納すると、ゴミスーイに背を向けて歩き出す。

 

その背後で、ゴミスーイはスローモーション映像の様にゆっくりと倒れ、そのまま大爆発した。

 

「やった!!」

 

「決まったな、弾」

 

ガンメン部隊を片付けたグレン団の中で、一夏とグレンラガンがそのグラパール・弾の姿を見てそう言う。

 

すると、ゴミスーイの爆心地点から、無数のハート型の光が飛び出し、彼方此方へと散って行く。

 

「!? アレは!?」

 

「多分、奪われた愛だよ。有るべき所へ戻って行くんだね」

 

驚きの声を挙げる箒に、シャルがそう言う。

 

[弾くん? 聞こえるかしら?]

 

「!? リーロンさん!!」

 

とそこで、グラパール・弾の元に、リーロンからの通信が入る。

 

[虚ちゃん、目を覚ましたわよ。意識不明になっていた人達も、次々に覚醒しているらしいわ]

 

「! そうっすか………良かった」

 

リーロンのその報告に、グラパール・弾は光に包まれると弾の姿へ戻り、安堵した表情で青空を見上げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の昼休み………

 

「いや~、でも、一時は如何なる事かと思ったけど、解決して良かったなぁ」

 

昼食を摂りに来ていたグレン団の面々の中で、中華丼を食していた一夏が、昨日の事件について思い出しながらそう言う。

 

「全くだ」

 

「愛を奪うなんて、想像しただけで恐ろしくなりますわ」

 

「ホント、嫌なガンメンだったわね」

 

「うむ」

 

箒、セシリア、鈴、ラウラは、ゴミスーイへの明らかな嫌悪感を露わにする。

 

「おっちゃん! 天津飯と餃子、あと親子丼とラーメン追加な!!」

 

「まだ食べるの、神谷ぁ?」

 

「変わってないニャア」

 

「良く食べるねえ~」

 

相変わらず大量の料理を次々に平らげている神谷と、そんな神谷の姿に苦笑いを零すシャル、ティトリー、のほほん。

 

「まあ、何にせよ、解決して良かったねえ」

 

「…………」

 

焼き魚定食を頬張りながらそう言う楯無の横では、簪が何時もの様に読めない表情で食後のコーヒーを飲んでいる。

 

「へい、虚さんお待ち。野菜炒め定食です」

 

「ありがとう、弾くん」

 

虚の元へ注文の品を届ける弾。

 

「いや~、目が覚めて良かったっす」

 

「ええ。コレも弾くんのお蔭よ。ありがとう」

 

「虚さん………」

 

「弾くん………」

 

そのまま見詰め合う2人。

 

「ちょっと、お兄! 仕事中にイチャつかないでよ!!」

 

と、そんな弾に蘭がそうツッコミを入れる。

 

「!? わ、ワリィ!」

 

「ご、ゴメンナサイ!」

 

途端に、弾と虚は顔を真っ赤にして離れる。

 

と、その時!!

 

食堂の入り口の方から、ドドドドドドッ!!と言う地響きの様な音が聞こえて来る。

 

「?」

 

「何だ?」

 

グレン団の面々が入り口に注目すると………

 

「「「「「虚さ~~~んっ!!」」」」」

 

「「「「「お姉様~~~っ!!」」」」」

 

現れたのは、虚のクラスメート達と、整備課の後輩達だった。

 

「うおっ!?」

 

「な、何っ!?」

 

虚達の戸惑いを気にする様子も見せず、クラスメートと後輩達は虚の元へ群がる。

 

「虚さん! コレ!!」

 

「如何言う事なんですか!?」

 

クラスメートと後輩達がそう言って突き出して来たのは、学園新聞だった。

 

「? 学園新聞?………!?」

 

首を傾げる虚だったが、その新聞の内容を見て赤面する。

 

何故ならその1面のトップには………

 

弾と虚の囮結婚式の写真が、デカデカと掲載されていた!!

 

しかも、キスする直前の場面の!!

 

「虚さんがまさか学生結婚だなんて!!」

 

「ズルいです! お姉様!!」

 

「チキショウ、リア充め! 祝ってやる!!」

 

「五反田 弾くん! 虚さんを幸せにしなさいよ!!」

 

「泣かせたら許さないんだからね」

 

クラスメートと後輩達は、口々に虚と弾に向かってそう言い放つ。

 

「ちょ、ちょっと!!」

 

「待ってくれ! 誤解だぁ!!」

 

必死に弁明しようとする虚と弾だったが、完全に勢いに呑まれていた。

 

「薫子さんの仕業か………」

 

「ハハハハハッ! こりゃ良いぜ!!」

 

額にギャグ汗を浮かべる一夏と、呵々大笑する神谷。

 

結局、この騒ぎは昼休みが終了しようとしても収まらず、現れた千冬の一喝によって漸く収まる。

 

そしてその後暫く………

 

弾と虚は、IS学園中の生徒から祝われ続けたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

タイトルの台詞でピンときた方………
貴方はブラックコンドル好きですね。
私も大好きです。

今回のエピソードは、スーパー戦隊第15作目『鳥人戦隊ジェットマン』の第20話『結婚掃除機』が元ネタとなっています。
子供の頃、初めて見た戦隊物がジェットマンでして。
そのブラック、結城 凱が好きでした。
子供心に、ヒーローらしからぬ反道徳的な彼の姿に知らず知らずに憧れていました。
ゴーカイジャーでゲスト出演された時の感動は忘れられません。
そんな彼が主役だったエピソードの話を、弾に演じてもらいました。
興味があれば、ぜひ元ネタの話もご覧になってみて下さい。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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