天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第68話『戦いに神聖もクソも有るかぁ!』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第68話『戦いに神聖もクソも有るかぁ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1年2組に転校して来た、鈴と同じ中国人の『楊 紅麗(ヤン ホンリィ)』

 

実は彼女は、鈴が選ばれる前までの代表候補生の候補であったのだが………

 

中国が開発したISである甲龍に適合出来ず、代表候補生の候補から降ろされたという過去を持っていた。

 

だが、彼女は甲龍の後継機である黄龍を引っ提げ、IS学園へ現れる。

 

目的はやはり………

 

自分を差し置き、代表候補生となった鈴への復讐である。

 

遂に鈴を模擬戦へと駆り出し、持ち前の腕と黄龍の性能を使い、一方的に嬲る紅麗。

 

だが、神谷の魂の叫びで刺激された鈴は………

 

遂に反撃を開始する!!

 

 

 

 

 

IS学園・第2アリーナ………

 

「さて………こっからが本領発揮よ!」

 

「減らず口を! ハアッ!!」

 

鈴の双天牙月と、方天画戟で鍔迫り合いをしていた紅麗だったが、気合の声と共に鈴を弾き飛ばす。

 

「クッ!!」

 

「ハイイイイイィィィィィィーーーーーーーッ!!」

 

そして、バランスの崩れた鈴に、突きを繰り出す。

 

「何の!!」

 

しかし、鈴は僅かに横へ移動し、方天画戟は鈴の左脇を掠める。

 

「ぐうっ!? ええいっ!!」

 

横腹に走った衝撃に、一瞬苦悶の表情を浮かべる鈴だが、そのまま左腕で方天画戟を抑え込む。

 

「!? 何っ!?………!? ガハッ!?」

 

驚く紅麗の顎を、鈴は蹴り上げた!!

 

「ガハッ!?」

 

顎を攻撃された事で、衝撃が脳に伝わり、クラクラとする紅麗。

 

「てやああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

その隙を見逃さず、鈴は双天牙月を左手に持つと、空いた右手で拳を握り、紅麗の腹にボディーブローを叩き込む!!

 

「ゴフッ!?」

 

紅麗の頭が下がった瞬間!!

 

「おりゃあっ!!」

 

鈴はその頭目掛けて、頭突きを繰り出す。

 

「ガッ!?」

 

紅麗が今度は仰け反ったかと思うと、

 

「おりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

双天牙月を両手で握り直し、左斬り上げを繰り出す!!

 

「グガッ!?」

 

大きくシールドエネルギーを削られる紅麗。

 

「クウッ! このぉっ!!」

 

直ぐに反撃に転じようとする紅麗だったが………

 

「てええいっ!!」

 

そこで鈴は、連結していた双天牙月を投擲する。

 

「舐めるな!!」

 

方天画戟で、飛んで来た双天牙月を弾き飛ばす紅麗。

 

しかしその影から、鈴が弾丸の様に飛んで来ていた。

 

「なっ!?」

 

「でええええええいっ!!」

 

そのまま鈴は、頭から紅麗の腹に突っ込む!!

 

「ガハッ!?」

 

胃液が逆流して口から飛び散り、紅麗はそのまま地面に背中から墜落した。

 

「ゲホッ! ゴホッ!」

 

胃液と一緒に酸素も吐き出してしまったので、激しく咳き込む。

 

「な、何ですか、その戦い方は!? まるでチンピラの喧嘩の様に………」

 

「そりゃそうでしょ! 何たって、神谷に巻き込まれて喧嘩に付き合わされていた時に使ってた喧嘩殺法なんだから!」

 

口元の胃液を拭いながら言う紅麗に、鈴はそう言い放つ。

 

「喧嘩殺法!? 貴女! 神聖なるIS戦を路地裏の喧嘩等と同列に考えているのですか!?」

 

「戦いに神聖もクソも有るかぁ! 有るのは勝つ事だけよ!!」

 

怒りの様子を見せる紅麗に、清々しい程に堂々とそう言い放つ鈴。

 

「でやあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

そこで、戻って来た双天牙月をキャッチして青龍刀状態へと戻すと、地上の紅麗目掛けて斬り掛かって行く!

 

「チイッ!!」

 

紅麗は紙一重のところで回避し、外れた双天牙月の刃が地面に突き刺さる。

 

「ふふっ」

 

だがその瞬間、鈴はニヤリと笑ったかと思うと、何と双天牙月の刃で地面を掘り返し、土片を紅麗の顔に浴びせた!

 

「ブッ!?」

 

シールドのお蔭で、目や口に入る事は無かったが、視界が一瞬塞がる紅麗。

 

「でりゃあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

すかさず鈴は、紅麗の顔にハイキックを見舞う!!

 

「ガハッ!?」

 

紅麗はブッ飛ばされて、地面の上を滑る。

 

「貴様ぁっ!!」

 

「スカしてちゃアタシには勝てないわよ! 紅麗!!」

 

益々怒りの形相を深める紅麗に、鈴はそう言い放つのだった。

 

 

 

 

 

一方、その戦いぶりを客席から見ていたグレン団の面々は………

 

「あんな戦い方してる鈴を見るのは久しぶりだな」

 

「そう言えば、中学の時以来見てなかったなぁ」

 

「そりゃあ、アイツの喧嘩は、女だから体格や腕力で劣るのをカバーする為の戦い方だったからな」

 

神谷、一夏、弾が、喧嘩スタイルで戦う鈴を見て、思い出話に花を咲かせている。

 

「「「「「「「「ア、アハハハハハ………」」」」」」」」

 

一方、他のメンバーは如何コメントして良いか分からず、苦笑いを浮かべるばかりである。

 

「りんりん凄いね~」

 

「………有効な戦法ではあるわね」

 

唯一、のほほんは天然で、簪は戦法面で、鈴を褒めている。

 

「このぉ! 調子に乗るな!!」

 

とそこで、紅麗の衝撃砲が展開される。

 

「!!」

 

双天牙月で斬り掛かろうとしていた鈴は、紅麗の眼前まで迫っており、最早回避は間に合わない。

 

「死ねぇ! 凰 鈴音!!」

 

紅麗の衝撃砲が放たれようとする。

 

しかし!!

 

「まだまだぁ!!」

 

そこで何を思ったのか、鈴は双天牙月を投げ捨てると、両手で紅麗の衝撃砲を摑んだ!!

 

「!? 何っ!!」

 

「アームパーツ自切!!」

 

そしてそのまま、両アームパーツを分離させ、その反動で離脱!!

 

甲龍のアームパーツに発射部分を摑まれた状態で衝撃砲が放たれる。

 

当然暴発を起こし、黄龍の正面衝撃砲は爆発する!!

 

「ガアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

紅麗の悲鳴が挙がる中、甲龍のアームパーツと、黄龍の非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)のパーツが飛び散る。

 

「ぐうっ!? ま、まさか………アームパーツを捨て駒にするとは!?」

 

「もうこの辺にしない? 引き分けって事で良いじゃない」

 

頭から流血している紅麗に向かって、鈴はそう言う。

 

既に鈴も紅麗も満身創痍であり、コレ以上の戦闘継続は困難だった。

 

引き分けと言うのは、鈴のせめてもの妥協である。

 

だが………

 

「ふざけるな! この私が貴様如きに! 引き分けて堪るかぁ! 私は勝たねばならんのだぁ!!」

 

紅麗がそう叫んだかと思うと、突如黄龍がスパークを発し始めた。

 

「!? な、何っ!?」

 

鈴が驚きの声を挙げた瞬間!!

 

黄龍が、粘土の様に変形し始める。

 

「!? アレは!?」

 

「まさか!?」

 

その光景にデジャブを感じた一夏とシャルが驚きの声を挙げる。

 

「VT………システム………」

 

中でも1番の驚きを示しているのはラウラである。

 

何故なら、今黄龍が発動しているのは、嘗て彼女のシュヴァルツェア・レーゲンに極秘裏に装備されていたシステム………

 

『VTシステム』だったからだ。

 

黄龍、いや黄龍だったものはドンドン変形して行き、ISを纏った女性の様な姿をした形に固まる。

 

以前ラウラのシュヴァルツェア・レーゲンが変化したものと似ているが、顔の部分が変わっておらず、紅麗の顔のままだった。

 

「アハハハハハハッ!!」

 

高笑いを挙げる紅麗。

 

[緊急事態発生! 観客席に居る生徒は直ちにシェルターへ避難せよ!!]

 

そこで緊急事態と判断した千冬が客席の防御シャッターを下ろし、アナウンスで生徒に避難を呼び掛ける。

 

「………覚悟しなさい、鈴音さん。こうなってしまっては………手加減は出来ませんよ!!」

 

と、紅麗がそう言ったかと思うと、まるで瞬間移動したかの様な速度で鈴の眼前に迫る。

 

「!?」

 

咄嗟に身体を捻り、繰り出された斬撃を躱す鈴。

 

しかし、完全には回避し切れず、右の非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)が半分斬り裂かれた!!

 

「グッ!! このぉっ!!」

 

鈴は無事だった左の非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)の龍咆を放つ。

 

「フッ………」

 

だが、その攻撃は紅麗の左の掌で受け止められ、雲散させられてしまう。

 

「!?」

 

「今更そんな物が通じると思っていたのですか!?」

 

紅麗はそう叫ぶと、左手で鈴の首を摑む。

 

「ゲホッ!?」

 

そのままドンドン鈴の首を締め上げて行く紅麗。

 

「ぐ………あ………」

 

鈴の顔から血の気が引き、青褪めて行く。

 

「あ、アンタ………如何して、VTシステムを………」

 

意識が薄れて行く中、鈴は紅麗に向かってそう問い質す。

 

「フフフ、こんな素晴らしいものを禁止にするなんて、世間の連中はホントに愚かとしか言いようがないわ。誰にでも素晴らしい力が得られると言うのに」

 

見下した笑みを浮かべながら、紅麗はそう言い放つ。

 

「それにこのVTシステムは私が改良を加え、完全に制御可能としているのよ。言わば、『スーパーVTシステム』とでも言うべき物!」

 

「ハッ………ネーミングセンス無いわね」

 

鈴が皮肉る様にそう言った瞬間、ボディに紅麗の膝蹴りが叩き込まれた。

 

「ガフッ!?」

 

「自分の立場が分かっていない様ですね………」

 

血を吐く鈴を、不機嫌そうな眼差しで見据える紅麗。

 

「ゴホッ! ゴホッ!………随分な扱いしてくれるじゃない………次の質問だけど………その禁止されているVTシステムのデータを如何やって手に入れたの?」

 

しかし鈴は、口の端から血を垂らしながらも、不敵に笑いながら続けてそう問い質す。

 

「フフフ………私やドイツの様に、VTシステムに興味を持っていた方がいらっしゃいましてね。その方に黄龍のデータと引き換えに譲っていただきましたの」

 

「VTシステムに?………!? まさか!? ロージェノム軍!?」

 

鈴はそこで、まさかと言う顔になる。

 

「御明察」

 

「………何でよ………何がアンタをそこまで駆り立てたって言うのよ!?」

 

思わずそう叫ぶ鈴だったが、

 

「何が………ですって」

 

その途端に、紅麗の顔が強張り、鈴の首を絞めている手の力が強まる。

 

「ぐ!? あっ………!?」

 

「私はいつもトップだった! 出世でも誰にも負けなかった! その私が! 中国の代表候補生になれなかった!! 国が用意したISに適合出来ないと言うだけの理由で!!」

 

彼女の凄まじい怒りと憎悪を表すかの様に、彼女の顔に黒い血管の様な紋様が浮かび上がる。

 

「全ての面で劣っているお前に代表候補生の座を奪われ! 私のプライドはズタズタにされてしまった!! 貴女と! 私を選ばなかった中国を! 生かしておく事なぞ出来ない!!」

 

「………安いプライドね」

 

「!? 何ですって!?」

 

「そんなプライド、犬にでも食わせちゃいなさいよ」

 

ココへ来て、鈴は更に紅麗を挑発する。

 

「貴様ああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

怒り狂った紅麗は、鈴の首を一気に握り潰そうとする!!

 

「ア!? がっ!?(一夏!!)」

 

思わず心の中で一夏の名を叫ぶ鈴。

 

すると!!

 

「チェストオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ!!」

 

何者かの叫びが響いたかと思うと、鈴の首を摑んでいた紅麗のアームパーツが斬り裂かれた!!

 

「!? 何っ!?」

 

「うわっ!?」

 

衝撃で弾き飛ばされる紅麗と鈴。

 

すると、鈴の方は何者かに受け止められる。

 

「大丈夫!? 鈴!!」

 

鈴を受け止めたグラパール・蘭がそう問う。

 

「コレ以上はやらせるかぁ!!」

 

更に、紅麗のアームパーツを斬り裂いた一夏も、エネルギーの刃を展開した雪片弐型を構えて、鈴の前に立つ。

 

「一夏!」

 

「助太刀するぜ、鈴。こうなっちまったら仕方ねえ」

 

更にそこへ、そう言う台詞と共にグレンラガンが姿を見せ、グレン団のメンバーも集まる。

 

「神谷! 皆!!」

 

「オノレェ………邪魔をするなぁ!!」

 

とそこで、紅麗がそう叫んだかと思うと、斬り裂かれていた左アームパーツの切断面が粘土の様に変形し始め、再生した!

 

「!? 何っ!?」

 

「再生した!?」

 

それを見た一夏とシャルが驚きの声を挙げるが、

 

「驚くのはまだ早いぞ!! はああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

紅麗が更に叫びを挙げたかと思うと、今度は全身のパーツがブクブクと膨れ上がる様に変形し始め、やがて2つの塊が分離する。

 

そして、分離したその塊が人型となって行き、以前ラウラのシュヴァルツェア・レーゲンが変化した黒いISと同じ形となる。

 

「なっ!?」

 

「分裂………だと?」

 

セシリアとラウラが驚愕を露わにする。

 

「行けっ!!」

 

紅麗が声を挙げると、その分裂した黒いIS2機は、一夏達に襲い掛かる。

 

「うわあぁっ!?」

 

「一夏!?」

 

「死ねぇ!! 凰 鈴音!!」

 

思わず一夏達の方へ注意が向いてしまった鈴に、紅麗が襲い掛かる。

 

「!?」

 

「四の五の言わずに食らっとけキイイイイィィィィィックッ!!」

 

しかしそこでグレンラガンが、突っ込んで来た紅麗に飛び蹴りを喰らわせる。

 

「ガッ!?」

 

不意打ちを食らった形となり、後退する紅麗。

 

「神谷! コイツはアタシが!!」

 

「無茶すんな。その様じゃ真面に戦えねえだろ」

 

「うっ………」

 

グレンラガンの言う通り、甲龍のダメージはかなりのものであり、シールドエネルギーも残り少ない。

 

まだ戦えないワケではないが、単独での戦闘は余りにも危険過ぎた。

 

「仕方ないわね………手伝わせてあげるわよ」

 

「へっ! お前らしい言い方だな」

 

グレンラガンはそう言うと、右手に2本のドリルを出現させた!!

 

「ええい! 邪魔をするなら貴様も纏めてあの世に送ってくれるうううううぅぅぅぅぅぅーーーーーーーっ!!」

 

体勢を立て直した紅麗が、グレンラガンと鈴目掛けて突撃する。

 

「お決まりの台詞吐いてんじゃねえぞ!!」

 

グレンラガンもそう叫び、鈴と共に紅麗へと向かって行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、紅麗のISから分裂した黒いISに襲われた一夏達は………

 

セシリア、ラウラ、楯無、簪………

 

「クッ!!」

 

突撃して来る黒いISに対し、スターライトmk-Ⅲを発砲するセシリア。

 

しかし、黒いISは右手のブレードの刃で、スターライトmk-Ⅲのビームを次々に弾いてしまう。

 

そのままセシリアに斬り掛かろうとする黒いISだったが、

 

「させん!!」

 

間にラウラが割り込み、プラズマ手刀でブレードを受け止める。

 

しかし、受け止めた瞬間に、黒いISは蹴りを繰り出して来る。

 

「ガッ!?」

 

黒いISの蹴りが、脇腹に食い込む様に命中し、ラウラは思わず苦悶の表情を浮かべる。

 

すかさず、黒いISはラウラを斬り捨てようと、ブレードを振り上げる。

 

しかし、背後から伸びて来た関節剣の刃が、黒いISのブレードを持った腕に巻き付く。

 

「フンッ!!」

 

ラスティー・ネイルの柄を握っていた楯無が、そのまま一気に引っ張る。

 

黒いISはバランスを崩し、地面に墜落する。

 

「…………」

 

転倒したままの黒いISに、簪が容赦無くヘヴィマシンガンの弾丸を浴びせる。

 

連続した着弾で、土煙が上がり、黒いISの姿が見えなくなる。

 

だが、次の瞬間には、土煙を突っ切って、黒いISが簪目掛けて突っ込んで来る。

 

「…………」

 

だが、簪は慌てずにターンピックを使い、回転する様にして紙一重で回避。

 

そのまま黒いISの背中を取り、アームパンチを叩き込んだ!!

 

再び転倒する黒いIS。

 

直ぐに起き上がろうとしたが、突如として動けなくなる。

 

「捕まえたぞ!」

 

ラウラがAICを展開し、動きを止めたのだ。

 

「貰いましたわ!!」

 

すかさずセシリアが、ビットのブルー・ティアーズを射出。

 

2基ずつに分かれさせ、黒いISの腕部を狙ってビームを放つ!

 

AICで動きを止められていた黒いISに、ビームは狙いを違えず命中。

 

腕部が肩口から吹き飛び、黒いISは両腕を無くした状態となる。

 

「コレで!!」

 

「………トドメ」

 

そしてその次の瞬間、上空の楯無がミストルテインの槍(30%の威力)、地上の簪が7連装ミサイルポッドのミサイルを全て黒いISに叩き込む!!

 

大爆発が発生し、黒いISは木端微塵となって吹き飛んだのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏、箒、シャル、グラパール・弾、グラパール・蘭………

 

「この千冬姉の偽物野郎!!」

 

そう言う台詞と共に、エネルギーの刃を展開した雪片弐型を振るう一夏。

 

黒いISは右手のブレードで受け止める。

 

「フッ!!」

 

だが、一夏はそのまま雪片弐型をブレードの上を滑らす様に振り切る。

 

「でやあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

驚いた様な様子を見せる黒いISに、一夏はそのまま横薙ぎの1撃を繰り出す。

 

黒いISはその横薙ぎを上空へと飛んで躱す。

 

「必殺必中!!」

 

だが、その回避先を呼んでいた箒が、穿千から熱線を放った!!

 

黒いISは、迫り来る熱線にブレードの刃を盾にする様に構える。

 

すると、熱線がブレードの刃に斬り裂かれ、黒いISを避ける様に拡散する。

 

やがて熱線を全て防ぎ切ると、黒いISは箒に狙いを定める。

 

「やらせないよ!!」

 

だがそこで、シャルがレイン・オブ・サタデイを撃ちながら黒いISへ突っ込んで行く。

 

黒いISは標的をシャルに変更し、ブレードを振り被る。

 

「!!」

 

実体シールドで防ごうとするシャルだったが、何と!!

 

黒いISの攻撃は、実体シールドごとシャルを斬り裂いた!!

 

………かに見えたが!

 

斬り裂かれたのは実体シールドだけであり、シャルの姿は無い。

 

「コッチだよ!!」

 

黒いISの真上から降って来るシャルの声。

 

そう、シャルは実体シールドを目眩ましに、黒いISの頭上に廻っていたのだ。

 

「喰らええええええぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーっ!!」

 

残っていたシールドをパージし、灰色の鱗殻(グレー・スケール)を出現させると、黒いISの脳天に打ち込む!!

 

途端に、黒いISはガクガクと痙攣するかの様な動きを見せ、スパークを発する。

 

「フッ!」

 

そこでシャルが離脱すると、

 

「「グラパールダブルキイイイイイィィィィィィーーーーーーーックッ!!」」

 

グラパール・弾とグラパール・蘭のダブルキックが、黒いISに叩き込まれた!!

 

装甲の欠片を撒き散らしながら、黒いISは地面に叩き付けられる。

 

直ぐに起き上がる黒いISだが、

 

「そこだぁ!!」

 

そこへ、箒がビットを飛ばす。

 

飛翔したビットが正面と背後から、黒いISを貫く!!

 

スパークを発し、倒れそうになる黒いIS。

 

だが、ブレードを杖代わりにして如何にか踏ん張りを入れる。

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

だがそこで一夏が、雪片弐型を蜻蛉に構えて突撃して来る。

 

黒いISは最後の力を振り絞るかの様に、突き刺さっていたビットを無理矢理弾き飛ばし、突撃して来た一夏に向き直る。

 

「でりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

一夏は構わずに雪片弐型を振り下ろす。

 

黒いISはその軌道を見切り、紙一重で躱す。

 

そして、隙を見せた一夏を、ブレードで斬り捨てようとする。

 

しかし!!

 

その時黒いISは見た!!

 

一夏の左腕の雪羅が、光り輝いているのを!!

 

「必殺っ! シャアアアアアァァァァァァイニングゥ! フィンガアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

本命のシャイニングフィンガーを、黒いISの頭部目掛けて叩き込む一夏!!

 

黒いISもブレードを振るっていたが、シャイニングフィンガーを一瞬先に食らった事で狙いが反れ、地面に突き刺さる。

 

「うおおおおおおっ! ハアッ!!」

 

そして、一夏が気合の雄叫びを挙げると、黒いISの頭は握り潰され、残った身体も爆散したのだった!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレンラガン&鈴VS紅麗………

 

「!? 馬鹿な!? 改良を加えたスーパーVTシステムを搭載した無人機が!?」

 

一夏達の相手をしていた黒いISがやられた事に、紅麗は動揺を示す。

 

「けっ! 何がスーパーVTシステムだ! 所詮は只の猿真似じゃねえか!!」

 

紅麗のブレードを、右手の2本のドリルを絡める様にして受け止めていたグレンラガンがそう言い放つ。

 

「!? 何ですって!?」

 

「俺達は常に前を目指して突き進んでる! 明日を目指して前に向かってる! その俺達に! データなんていう昨日の力が通用するかぁ!!」

 

と、神谷がそう叫んだ瞬間!

 

紅麗のブレードにヒビが入り、砕け散った!!

 

「!? ぬあっ!?」

 

「喰らえっ!!」

 

更に間髪入れず、鈴が龍咆を放つ!!

 

「!? ぐああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

直撃を受けた紅麗のISのアーマーが、破片となって飛び散る。

 

「チイッ! こんな損傷!!」

 

しかし、紅麗がそう叫ぶと、ISのアーマーがまたも粘土の様に変形し、損傷個所を修復してしまう。

 

「また再生!?」

 

「チッ、鬱陶しい奴だぜ」

 

鈴が驚きの声を挙げ、グレンラガンが呆れる様にそう言う。

 

「黙れぇっ! ハアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!!」

 

紅麗が叫びを挙げたかと思うと、右手のブレードに黒色のオーラが宿って行く。

 

「ハアッ!!」

 

そのオーラを、斬撃波として鈴に飛ばす紅麗。

 

「!!」

 

「鈴!!」

 

損傷の大きい鈴のISでは耐え切れないと思ったグレンラガンが掩護防御に入り、斬撃波を受け止める。

 

「ぐおおおおおおっ!! ハアッ!!」

 

大きく両腕を広げる様に振るうと、斬撃波を掻き消す。

 

「しえあああっ!!」

 

だがそこで、その間に接近してきていた紅麗が、逆袈裟懸けに斬り付けて来る!!

 

「うおっ!?」

 

「ハイイイイイィィィィィィーーーーーーーッ!!」

 

更に間髪入れず、今度は突きが繰り出される!

 

「!?」

 

紅麗の繰り出した突きが、グレンラガンのボディに突き刺さる!

 

「! 神谷ぁ!!」

 

「あ、アッブねえ………」

 

しかし、危機一髪。

 

グレンラガンはブレードの刃を、ボディの顔の口で噛んで受け止めた。

 

「貰った!!」

 

だが次の瞬間!!

 

ブレードを通じてエネルギーが送られ、グレンラガンはスパークを発する!!

 

「!? うおわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」

 

「このぉっ!!」

 

思わず声が挙がるグレンラガンだったが、そこで鈴が龍咆を放つ。

 

「グウッ!!」

 

再びダメージを受けて後退する紅麗。

 

「ク~~ッ! やってくれんじゃねえか!!」

 

所々に焦げ跡を作ったグレンラガンが、紅麗に向かってそう言い放つ。

 

その間に、紅麗のISはまたも再生してしまう。

 

「コレじゃキリが無いわ」

 

「なら一気にケリを付けてやるぜ! 鈴! 『アレ』やるぞ!!」

 

その様子を見て苦々しげな顔をした鈴に、グレンラガンがそう呼び掛ける。

 

「『アレ』って………まさか、『アレ』の事!?」

 

「それ以外に何があるってんだよ!? 行くぜ!!」

 

戸惑う鈴に、グレンラガンは再度そう呼び掛ける。

 

「チッ! しょうがないわね………やってやるわよ!!」

 

「何をゴチャゴチャと!! そろそろトドメを刺してやる!!」

 

とそこで、紅麗がそう叫ぶと、ブレードを振り被る。

 

そして再び、ブレードにオーラが宿って行く。

 

「行くぜ! 鈴!!」

 

「おうっ!!」

 

すると、グレンラガンと鈴は、まるでバ○ムクロスの様に、互いの右腕をクロスさせた!!

 

「死ねぇっ!!」

 

その瞬間に、紅麗のブレードのオーラが斬撃波となって放たれる!

 

そして、グレンラガンと鈴が緑色の光に包まれたかと思われた瞬間に命中し、爆煙を上げる!!

 

「アーハッハッハッハッハッ! やった! 遂にやったわ!! 凰 鈴音を倒したわ!!」

 

狂った様な笑い声を挙げる紅麗。

 

たが、次の瞬間!!

 

爆煙を吹き飛ばす程の突風が吹き荒れる!!

 

「!? キャアッ!? な、何が!?………!?」

 

そこで紅麗が見たものは………

 

『グレンラガンが甲龍を装着している』様な姿のマシンの姿であった!!

 

「吐き出す息吹は悪を焦がす炎!!」

 

「天空翔けるその姿は鋼の龍!!」

 

「「龍炎(りゅうえん)合体!!」」

 

神谷と鈴の声が響き渡り、『グレンラガンが甲龍を装着している』様な姿のマシンがポーズを決める!

 

「「『甲龍ラガン』!!」

 

「俺を!」

 

「アタシを!」

 

「「誰だと思ってやがる(んの)っ!!」」

 

グレンラガンの新たなる合体形態………『甲龍ラガン』の誕生だ!!

 

「甲龍ラガンだと!? ええい! 虚仮威しを!!」

 

紅麗はそう叫び、甲龍ラガンへと突撃すると、ブレードを振るう。

 

しかし、甲龍ラガンは振られたそのブレードを、右手でアッサリと受け止める。

 

「!? 何っ!?」

 

「むんっ!!」

 

神谷の気合の声が響くと、ブレードの刃が握り潰される!!

 

「アチョオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーッ!!」

 

そして今度は鈴の声が響いたかと思うと、ハイキックが叩き込まれる。

 

「ガッ!?」

 

唯一露出している頭部に攻撃を喰らい、怯んだ様子を見せる紅麗。

 

「ええい! 小賢しい!!」

 

だが、そう叫んだかと思うと、折れたブレードを再生させる。

 

「全く………馬鹿の1つ覚えみたいに再生して………」

 

「なら速攻で決めてやるまでだ」

 

「やってみろおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」

 

鈴と神谷の会話に、紅麗は怒りを露わに突っ込んで行く。

 

「むんっ!!」

 

とそこで、甲龍ラガンは胸のグレンブーメランを右手に握ったかと思うと

 

「おりゃあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

野球のバッターの様にフルスイングし、紅麗を空高く打ち上げる!!

 

「ぐがっ!?」

 

「まだまだ!!」

 

更にそこで、今度は左手に連結させた双天牙月を出現させたかと思うと、何とグレンブーメランと合体させる!!

 

「せいりゃああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」

 

巨大な十字手裏剣の様な形となったグレン牙月を、紅麗目掛けて投げつける。

 

「がああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

グレン牙月は何度も紅麗にぶつかり、アーマーの破片を撒き散らさせる。

 

「よっと!」

 

やがて、戻って来たグレン牙月をキャッチする甲龍ラガン。

 

「さ、再生を………」

 

直ぐに損傷を再生させようとさせるが、

 

「決めるわよ! 神谷!!」

 

「おう!!」

 

鈴と神谷がそう言ったかと思うと、グレン牙月を分離させ、グレンブーメランを右手に握る。

 

「必殺っ!!」

 

そして、そのグレンブーメランを紅麗目掛けて投げ付ける。

 

途中で2つに分離したグレンブーメランは、高速回転しながら紅麗を何度も斬り付ける!!

 

そのまま、紅麗を空中に磔にする様に拘束する!!

 

そこで、甲龍ラガンの両肩の非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)が展開。

 

龍咆が発射態勢に入ったかと思うと、両肩に螺旋力で作られたドリルが出現する!!

 

その螺旋力で作られたドリルが、紅麗目掛けて放たれる。

 

その後を追う様に、連結した双天牙月を握った甲龍ラガンが飛ぶ!!

 

先ず、先行した螺旋力で作られた2つのドリルが、紅麗のアーマーを抉る!!

 

そして、アーマーがボロボロになった紅麗に向かって、甲龍ラガンが連結した双天牙月を振り被る。

 

「「ドリル・クロスアタアアアアアァァァァァァーーーーーーーックッ!!」」

 

そのまま双天牙月で十文字斬りを決め、着地する!!

 

「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

アーマーが完全に砕け散る紅麗。

 

甲龍ラガンはそのまま紅麗を通り越して、背後の地面に着地。

 

その後、紅麗を拘束していたグレンブーメランが外れ、1つに戻ると、甲龍ラガンの胸に再装着される。

 

気絶した紅麗が、その背後にドサリと落ちる。

 

「決まったな」

 

「ま、ザッとこんなもんね」

 

「アニキー!!」

 

と、神谷と鈴がそう言い合って居ると、一夏達が近寄って来る。

 

「スゲェや! 遂に甲龍とも合体したんだ!!」

 

甲龍ラガンの姿を見て、興奮気味にそう語る一夏。

 

「へへへっ! 当然よ!」

 

「アタシ達を誰だと思ってるの」

 

神谷と鈴はそう返す。

 

「グレン団の皆さん。御苦労様でした」

 

とそこへ、真耶が率いる教師部隊が到着した。

 

「山田先生」

 

「よお、メガネ姉ちゃん」

 

一夏と神谷がそう挨拶する中、真耶と教師部隊は気絶している紅麗を取り囲む。

 

「楊 紅麗さん………アラスカ条約違反により、中国本国より貴女のIS及び代表候補生身分の剥奪が決定されました。以後、貴女の身柄は国際IS委員会の監視下に置かれます………連行して下さい」

 

「「「「「ハイッ!!」」」」」

 

真耶が、近くに落ちていた黄龍のコアを拾い上げると、気絶している紅麗にそう言い放ち、教師部隊に連行させた。

 

「…………」

 

少し複雑な表情をした後、真耶自身もその後を追う。

 

「紅麗………ホント、馬鹿ね………そんなにまでしてまで………守るプライドだったって言うの………?」

 

連行される紅麗の背を見ながら、鈴はそんな言葉を投げ掛けたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

紅麗になぶられた鈴だったが、かつての喧嘩殺法で逆転。
しかし、紅麗はロージェノム軍と通じて入手したVTシステムを使用!
大暴れする彼女に対抗する為………
新たなる合体形態が誕生!!
その名は『甲龍ラガン』!!
見事逆転勝利を納めます。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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