天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第71話『飛び降りるのが漢だろうが!!』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第71話『飛び降りるのが漢だろうが!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11月も終盤に差し掛かったこの日………

 

IS学園の一同は、学生生活一大イベントの1つ、修学旅行へと旅立っていた。

 

行き先は多くの留学生を抱えるIS学園の事情と、留学生達自身からのリクエストも有り、若干ベタながら京都である。

 

本来ならば学年ごとに旅行が有り、別々の場所に行く予定だったのだが………

 

退学者を多数出し、生徒数が減ってしまった為、合同で行われる事となった。

 

五反田兄妹も特別に参加を許されて、同行する事になっている。

 

現在生徒達は、東京駅から新幹線に乗り、京都へと向かっている。

 

 

 

 

 

京都行きの新幹線の席の中………

 

「諸君! 今回の修学旅行はISとは一切関係の無い、学校行事としてのものである! だが! IS学園の生徒である以上! 規律を守って行事を行って貰う!!」

 

生徒達が座って居る椅子から見える位置に立つ千冬が、生徒達に向かってそう言い始める。

 

「如何にISの訓練ではないと言っても、私の指示無しに勝手な真似をする事は許さん! 規律を犯した者は厳罰に処するから、その積りで居る様に!!」

 

生徒達に向かって、毅然とした態度でそう言い放つ千冬。

 

「ZZZZZZZZzzzzzzzzz~~~~~~~~~~」

 

しかしその直後、盛大なイビキが聞こえて来た。

 

生徒達は思わずズッコけ、千冬も米神に青筋を浮かべる。

 

一体誰がイビキを………いや、あの千冬の話の最中にイビキを掻く奴なぞ、世界に只1人しか居ない。

 

「か~み~や~!!」

 

怒りの咆哮と共に、千冬は神谷の座って居る席へ向かう。

 

「ZZZZZZZZzzzzzzzzz~~~~~~~~~~」

 

しかし、当の神谷は、殺気が溢れ出ている千冬がすぐ隣に立っても、爆睡街道まっしぐらである。

 

「起きんかぁっ!!」

 

思わず、渾身の拳骨を神谷の脳天に叩き込む千冬。

 

その次の瞬間、ボキャッ!と言う、何かが折れた様な音が聞こえたかと思うと、

 

「………んあ? 着いたのか?」

 

神谷がごく普通に目を覚ました。

 

「~~~~~~~っ!?」

 

一方、拳骨を見舞った千冬は、殴った手を押さえて、声も挙げずに悶絶している。

 

「お、織斑先生!? 大丈夫ですか!?」

 

真耶が慌てて駆け寄り、千冬の手の状態を見る。

 

「!? コ、コレ………折れてますよ!?」

 

そして、神谷を殴った千冬の手の指が、在らぬ方向に曲がっているのを見て、思わずそう叫ぶ。

 

「き、貴様~~! 最近益々頑丈になりおって………」

 

「そんな事より、織斑先生! 早く手当てを!!」

 

恨み言を呟く千冬を、真耶が連れて行く。

 

「やれやれ。折角の修学旅行早々に怪我するたぁ、ツイてねぇなぁ」

 

((((((((((お前の所為だろ!))))))))))

 

連れて行かれる千冬にそんな言葉を投げ掛ける神谷に、他の生徒達がそうツッコミを入れる。

 

「ふわあぁ~~~」

 

「眠いの? 神谷?」

 

と、そんな生徒達の心情等知らず、神谷が大欠伸を漏らすと、隣に座って居たシャルがそう尋ねる。

 

「ああ………昨日はワクワクしちまって眠れなくてな………」

 

「ふふふ。神谷ったら、子供みたい」

 

目を擦りながら神谷がそう答えると、シャルはクスクスと笑う。

 

「ふわああぁぁぁ~~~~、駄目だ………ねみぃ………」

 

「もう1回寝てたら? 京都に着いたら起こしてあげるから」

 

「おう、ワリィな………ZZZZZzzzzzz~~~~~~~」

 

そう答えるや否や、神谷は再び眠り始めた。

 

「わっ、もう寝ちゃった………」

 

某ネコ型ロボットに世話されている小学生の如き就寝の速さに、シャルが軽く驚く。

 

「よ~し………コレだ!!………ゲッ!?」

 

「ハハハハッ! ありがとよ、一夏。ババ引き受けてくれて」

 

「一夏にババが行ったわよ。気を付けなさい」

 

一夏達は、電車での時間潰しの定番・トランプでババ抜きをやっている。

 

(良し! これで後は一夏にババを持たせたまま………)

 

(私が1番に上がれば………)

 

(一夏に何でも命令出来る!!)

 

やや殺気立った様子で箒、セシリア、ラウラが内心でそう考えている。

 

実はこのババ抜き………最初に上がった者が、ビリになった者に何でも命令出来ると言う、王様ゲーム的な様子をルールに盛り込んでいるのだ。

 

当然彼女達は一夏をビリにして、自分が1番に上がろうと水面下で鎬を削っている。

 

「白熱してるね~」

 

「と言うよりも殺気が飛んでいる様な………」

 

そんな様子の箒達を見て、のほほんと虚は対照的な感想を漏らす。

 

(負けられない………絶対に負けられない)

 

「う~ん………中々揃わないな~」

 

蘭も密かに闘志を燃やしており、何も知らないティトリーは純粋にババ抜きを楽しんでいる。

 

と………

 

「ハイ! 上がり~! 悪いね、皆!」

 

何と、楯無が最初に上がりを宣言した。

 

「んなっ!?」

 

「何だと!?」

 

鈴と箒が、驚きの声を挙げる。

 

「んふふ~、悪いね~。皆~」

 

扇子を開いて、勝利と書かれた文字を見せる楯無。

 

「何て事ですの………」

 

「と言うよりも、何故2年の貴様が1年の車両に居る?」

 

セシリアが崩れそうになり、ラウラはそうツッコミを入れる。

 

「細かい事は気にしちゃ駄目駄目。兎に角、コレで一夏くんがビリになれば、私のお願いを聞いて貰えるワケだ」

 

「いや、俺がビリになること前提ですか!?」

 

楯無の言葉にツッコミを入れる一夏だが、楯無は愉快そうに笑っている。

 

しかし!

 

「ちょっと待って………姉さん………」

 

そこで不意に、簪が楯無の腕を摑んだ。

 

「!? な、何? 簪ちゃん?」

 

腕を摑まれた楯無は、一瞬動揺する。

 

「…………」

 

すると簪は、楯無の腕を捻る様に下へ向ける。

 

「イタタタタタッ!?………アッ!?」

 

楯無が痛がると、袖口から大量のトランプがボロボロと零れて来た。

 

「「「「「…………」」」」」

 

それを見た箒、セシリア、鈴、ラウラ、蘭が、ジト目で楯無を睨み付ける。

 

「あちゃ~~」

 

「お嬢様………」

 

「イカサマ?」

 

弾と虚とのほほんも、呆れた視線を向ける。

 

「私の前でイカサマしようだなんて………良い度胸ね………姉さん」

 

メガネのレンズを光らせながらそう言う簪。

 

「え、え~と………ア、アハハハハハハッ!!」

 

「「「「「笑って誤魔化すな(さないで下さい)!!」」」」」

 

「ゴメンナサ~イ!!」

 

箒達に一斉に怒鳴られ、流石の楯無も平謝りする。

 

「盛り上がってるねぇ」

 

「ZZZZZzzzzzz~~~~~~~」

 

そしてその様子を他人事の様に眺めているシャルと、相変わらず爆睡街道まっしぐらな神谷。

 

結局、その後………

 

楯無が全員に駅弁を奢る事でその場は収まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数時間後………

 

遂に一同は、目的地・京都へと辿り着く。

 

今日は全員で清水寺を見学した後、宿へと向かう予定だ。

 

 

 

清水寺………

 

「おお~~! 此処が清水寺かぁ~」

 

「写真や何かで良く見るけど、実物はやっぱり迫力が違うな~」

 

清水寺の本堂の舞台に立った一夏と弾が、その迫力の前にそんな感想を漏らす。

 

「ほう。此処があの飛び降り自殺者で有名な清水の舞台か」

 

「ラウラ………間違っていないが、間違っているぞ」

 

清水の舞台を見てそんな事を呟くラウラに、箒がそうツッコミを入れる。

 

「え~と………本来は本尊の観音様に能や踊りを楽しんでもらう為の装置で、国宝にも指定されています」

 

「有名な『清水の舞台から飛び降りた積りで………』の言葉通り~、江戸時代に実際に234件の飛び降り事件が記録されてるんだって~。でも、生存率は85%で、意外と高いんだって~」

 

虚とのほほんが、パンフレットを見ながら、説明する様にそう言う。

 

「へえ~、そうなんだ~」

 

「まあ、ですが流石に、実際に飛び降りようなんて思う方は居らっしゃらないでしょうね」

 

ティトリーが頷き、セシリアがそう呟く。

 

「あのさ………その、実際に飛び降りようとしているバカが居るわよ」

 

「「「「「えっ!?」」」」」

 

と、鈴が不意にそう言い、一夏達が改めて舞台を見遣ると………

 

「駄目だってばぁ~! 神谷~!!」

 

「ウルセェッ! 清水の舞台に来たら飛び降りるのが漢だろうが!!」

 

柵に足を掛けて、正に清水の舞台から飛び降りようとしている神谷と、その神谷の腰にしがみ付いて止めているシャルの姿が在った。

 

「アニキ………」

 

「まあ………予想通りと言えば予想通りだな」

 

苦笑いする一夏と、呆れる様に溜息を吐く箒。

 

「皆~! そろそろ先に行かな~い!?」

 

「この先に………恋占いで有名な………地主神社があるわ」

 

とそこで、やや先に行っていた楯無と簪が、そう呼び掛けて来る。

 

「!? 恋占い!?」

 

「「「「!?」」」」

 

真っ先に蘭が反応し、箒、セシリア、鈴、ラウラも露骨に顔に思惑を出す。

 

「一夏さん! その神社に行きましょう!!」

 

「一夏! 行くわよ!!」

 

蘭が一夏の左腕、鈴が右腕を摑んでそう促す。

 

「オ、オイ!?」

 

「さあさあ、一夏さん!」

 

「行くぞ! 一夏!!」

 

一夏が戸惑っていると、今度は左後ろからセシリアが、右後ろからラウラが背を押す。

 

「おわっ!? った!? 何だよ!?」

 

「黙って尾いて来い!!」

 

最後に、箒が襟首を掴んで先導する様に引っ張り出す。

 

「うわっ!? ちょっ!? 待ってくれ~~~っ!!」

 

叫びも虚しく、一夏は箒達に強制連行されて行ったのだった。

 

「モテモテだね~、おりむー」

 

「ったく、アイツは………」

 

「じゃあ、私達も行きましょうか」

 

マイペースに笑うのほほんと、呆れる弾に、虚がそう言って、3人もその後を追う。

 

「神谷~! シャル~! 次行くよ~!」

 

「ホラ、神谷! 皆行くって言ってるよ!?」

 

「チッ! しゃあねえな………」

 

ティトリーがシャルと神谷に呼び掛けると、飛び降りを止めて一夏達の後を追って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地主神社・境内………

 

「あ! 皆~! 見て見て~!!」

 

と、先頭を行っていた楯無が、何かを発見して皆にそう呼び掛ける。

 

一同が集まると、そこに在ったのは、10メートル程離れて置かれている2つの石だった。

 

良く見れば、注連縄が巻かれて紙垂が垂れており、恋占いの石と書かれた板がぶら下がっている。

 

「何だコレは?」

 

「コレは恋占いの石………コッチの石から向こうの石まで………目を瞑ったまま辿り着く事が出来れば………恋が叶うとされているわ」

 

ラウラが尋ねると、簪がそう答える。

 

「「「「「!?」」」」」

 

途端に、キュピーンッ!という音が聞こえそうな感じで、箒達が反応する。

 

「それじゃあ、誰か挑戦する人は………」

 

「「「「「ハイ! ハイ! ハイー!!」」」」」

 

楯無の言葉に、一も二もなく飛び付く箒達。

 

「よ~し! それじゃあ皆でやろうかぁ!!」

 

そしてそのまま、一夏ラヴァーズによる、恋占いの石ゲームが開始されるのだった。

 

開始位置となる方の石に、箒、セシリア、鈴、ラウラ、楯無、簪、蘭が集結する。

 

「「「「「「…………」」」」」」

 

既に楯無と簪以外のメンバーは、視線を交差させて、激しい火花を散らしている。

 

「アイツ等、妙に殺気立ってるな。そんなに成就させない恋をしてるのか?」

 

「一夏ぁ………」

 

「頑張れ~! 皆~!!」

 

「頑張れ~!」

 

そんな修羅場な様子など気にせず、無邪気に声援を送るのほほんとティトリー。

 

「ね、ねえ、弾くん………お守り、買わない?」

 

「あ、ああ、良いっすねぇ!」

 

虚と弾の方は、神社の方で仲良くお守りを買っている。

 

「オメェはやんねぇのか? シャル」

 

「だってアレ、恋が叶うおまじないでしょ? 僕の恋は………叶ってるから」

 

「成程………そりゃそうだな」

 

「はわわっ!?」

 

そして神谷とシャルは、そんな事を言い合い、神谷がナチュラルにシャルの肩を抱くのだった。

 

他の観光客も何事かと足を止め、石の間を開けて見物している。

 

「それじゃあ行くよぉ~!」

 

「「「「「「…………」」」」」」

 

楯無の号令で、箒達は一斉に目を閉じる。

 

「位置に着いて~、よ~い………ドン!」

 

「「「「「「うおわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!」」」」」」

 

そして一斉に、もう一方の石目掛けて全力疾走し始めた!!

 

「おお~っ! いきなり脇目も振らずの全力疾走~!!」

 

「気合が感じられるニャ~」

 

そんな箒達の姿を見て、のほほんとティトリーはそんな感想を漏らす。

 

「って言うか、大丈夫なのか? アレ? 目を瞑ったまま全力疾走だなんて………」

 

一夏のこの懸念は、直後に実証される事となる………

 

もう1つの恋占いの石目掛けて全力疾走する箒達。

 

と、やがて箒が、持ち前の身体能力で頭1つ抜きん出る。

 

(良し! このまま行けば、私が!!)

 

周りの雑音の状況から、そう判断する箒だったが………

 

「ほっ!!」

 

その足が、突如払われた。

 

「!? ぐあっ!?」

 

箒はバランスを崩すが、意地から目が開けられず、そのまますっ転ぶ。

 

「あ~ら、ゴメンナサ~イ」

 

そこへ耳に、鈴のワザとらしい声が聞こえて来る。

 

「オ、オノレェ! 鈴!!」

 

箒は目を閉じたまま、怒りの咆哮と共に立ち上がる。

 

「へっへ~ん! いただき!!」

 

そのまま真っ直ぐ、もう1つの石目掛けて走って行く鈴。

 

良く見れば、薄らと目を開けている様にも見える。

 

それは流石にズルいぞ、鈴。

 

「貰ったぁっ!!」

 

「させませんわ!!」

 

目の前まで来た石に、鈴は手を伸ばすが、そこでセシリアが体当たりを見舞って来る。

 

「ガハッ!? せ、セシリア!?」

 

「死なば諸共ですわ!!」

 

そのまま両者は、縺れ合って倒れた!

 

「この隙に!!」

 

その間に、ラウラが石へと辿り着こうとしたが………

 

「うわああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」

 

蘭が叫びと共に、ラウラにタックルを繰り出す。

 

「!? ぬおわっ!?」

 

腰に抱き付かれ、ラウラもバランスを崩して転倒する。

 

(フフフ、案の定皆互いに潰し合ってるみたいだね。この隙に………楯無流、心眼!!)

 

とその間に楯無が、心眼で石の場所に見当を付け、倒れている箒達を避けながら近付く。

 

(貰った!!)

 

そして遂に、石に手が届くかと思われた瞬間!!

 

突如楯無は後ろから押さえられ、更に首に手を回され、締め上げられた!!

 

「ぐえっ!?」

 

「落とす………」

 

楯無の首を絞めている人物………簪がそう言い、更に締め上げる。

 

「か、簪ちゃん!? ぐえっ!?」

 

簪の思わぬ行動に驚く楯無だが、その間にも簪は更に楯無の首を締め付ける。

 

(ヤ、ヤバイ!? マジだ!!)

 

そこで簪が本気である事を悟った楯無は、慌てて簪の腕と首の間に手を捻じ込んで、コレ以上締め上げられるのを防ごうとする。

 

戦いは膠着状態へと陥った。

 

「何やってんだか………」

 

「ア、アハハハハ………」

 

神谷が呆れる様に呟き、シャルも乾いた笑いを漏らす。

 

そして、周りで見ていた観光客達は、美少女達のキャットファイトに歓声を挙げ始める。

 

「ええい! 貴様! 邪魔をするなぁ!!」

 

「そっちこそ邪魔すんじゃないわよ!!」

 

「排除する!!」

 

「望むところですわ!!」

 

「一夏さん! 私! 頑張ります!!」

 

「落とす………」

 

「ちょっ!? 簪ちゃん! それ以上はマジヤバイって!!」

 

とうとう乱戦となり、ラヴァーズ達は徐々に1箇所に集まり出す。

 

すると!

 

「!? あっ!?」

 

「キャッ!?」

 

箒が転倒し、それに巻き込まれる様に鈴も転倒。

 

「!? 何っ!?」

 

「キャアッ!?」

 

「何ですの!?」

 

「!?」

 

「うわぁっ!?」

 

そして、ラウラ、蘭、セシリア、簪、楯無が次々に巻き込まれた!!

 

「「「「「「「わああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」」」」」」」

 

そのまま、団子の様に丸まって、もう1つの石の方へと転がって行く。

 

「あっ!?」

 

一夏がそう声を挙げた瞬間に、団子状になっていた箒達は石に激突し、派手に土煙を上げた!

 

「皆!!」

 

「如何なったんだ!?」

 

シャルと神谷が駆け寄り、他のメンバーも集まる。

 

するとそこには………

 

「「「「「「「きゅう~~~~~………」」」」」」」

 

箒が石に寄り掛かった状態で、他のメンバーがその周りに散らばる様に伸びていた。

 

「オイ! 何の騒ぎだ!?」

 

と、騒ぎを聞き付けたのか、千冬が怒鳴り声と共に様子を見に来る。

 

「千冬先生だ!!」

 

「あわわっ!? マズイよ!!」

 

「一夏! 弾! 手ぇ貸せっ!!」

 

「わ、分かった!!」

 

「あいよ!!」

 

ティトリーとのほほんの声を聞くや否や、神谷が簪とラウラ、一夏が箒とセシリア、弾が蘭と鈴を担ぎ上げる。

 

「お嬢様! しっかり!!」

 

そして虚も、のほほん、ティトリーと協力し、楯無を持ち上げる。

 

「良し! 逃げろ!!」

 

「ああ、待ってよ~!」

 

そして神谷の号令で、一斉にその場から逃げ出すのだった。

 

 

 

 

 

その後………

 

箒達を担いだまま、一夏達は音羽の滝を訪れる。

 

「はあ~~、危ないところだった~」

 

「クッ! スマン、一夏………私とした事が、つい我を忘れて………」

 

何とか千冬から逃げ切った一夏が安堵の息を吐くと、箒がそう謝罪して来る。

 

「いや、気にすんなよ。別にお前の所為だなんて思っちゃいないからさ」

 

「一夏………」

 

爽やかに笑いながらそう言う一夏に、箒は思わず頬を赤らめる。

 

「むっ? アレは何だ?」

 

とそこで、ラウラが音羽の滝の存在に気づき、そう声を挙げる。

 

「アレは音羽の滝だよ、ラウラちゃん」

 

「何でも、あの水を飲むと~、健康~、学業~、縁結びが成就するって~」

 

「「「「「縁結び!?」」」」」

 

虚とのほほんが説明していると、縁結びと言う単語を聞いた途端、箒、セシリア、鈴、ラウラ、蘭が駆け出す。

 

「またかよ………」

 

「懲りないね~」

 

その光景に、思わず苦笑いを漏らす弾とティトリー。

 

「アレ? 神谷は?」

 

と、神谷の姿を見失ったシャルが、探す様にキョロキョロとすると………

 

「コイツはコイツで悪かぁねえが………次は桜が咲いてる時にでも来てぇな」

 

神谷は甘味処の外の座席に座り、舞い散る紅葉を肴に徳利を杯に傾けていた。

 

「ちょっ!? 神谷! 駄目だよ!! お酒なんか飲んじゃあ!!」

 

「甘酒だよ。堅い事言うな」

 

「いや、でも! 一応団体行動中なんだから………」

 

「おっ! そうだ、シャル! 折角だから一緒に飲むか!?」

 

「神谷~~」

 

相変わらず自分のペースで全く動じない神谷に、シャルは呆れる様に呟く。

 

結局、その場面を千冬に目撃され、神谷は説教を喰らう事となったが………

 

千冬の説教は、神谷の耳を右から左へ突き抜けて行き、只々彼女の胃が血塗れになって行くばかりであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして………

 

IS学園の修学旅行初日の午後は過ぎて行く………

 

だが、翌日………

 

グレン団の一団は、古都・京都にて………

 

思いも寄らぬ敵と戦う事になる事を………

 

この時の彼等は、まだ知る由も無かったのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

修学旅行編スタート。
初日は和気藹々として楽しく過ごせました。
一夏のラヴァーズが色々と暴走してましたが………

しかし、次回からは風雲急を告げます。
ロージェノム軍とは別に、京都ならではの敵が出現します。
果たしてその敵とは?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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