天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第81話『イッテーな、チキショウ!』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第81話『イッテーな、チキショウ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

12月も後半に差し掛かり………

 

世間はクリスマスムードに包まれていた。

 

今だロージェノム軍は猛威を振るっているが、人々はせめて聖夜だけでも平穏に過ごしたいのか、其れを忘れる様にクリスマスムードを楽しんでいる。

 

そして勿論、IS学園でも学園主催のクリスマスパーティーが開かれる事となっている。

 

 

 

 

 

IS学園・クリスマスパーティー用の特設会場………

 

「オーライ! オーライ!」

 

「そのままお願いしま~す」

 

のほほんと虚が、巨大なモミの木を吊るしているクレーン車に指示を出している。

 

2人の指示に従い、巨大なモミの木は特設会場の中心へと据え付けられる。

 

「OKで~す!」

 

「ありがとうございま~す」

 

其れを確認すると、2人はクレーン車の操縦者にお礼を言う。

 

「おおっ! 立派なモミの木だな~」

 

「コイツは飾り付けのし甲斐が有るぜ!」

 

と其処へ、そう言う台詞と共に、ツリー用の飾りが詰まったダンボール箱を抱えた一夏と神谷、グレン団一同が現れた。

 

「あ、かみや~ん、おりむー、皆~」

 

「お疲れ様です」

 

のほほんと虚がそう言うと、一同はダンボール箱を下ろし、ツリーを見上げる。

 

「デッケェーなぁ~。こんなデカいモミの木見た事無えぞ」

 

「何たって、クリスマスパーティーのシンボルだからね。半端な物じゃ困るから特注したの」

 

感嘆の声を挙げる弾に、楯無がそう言う。

 

「よ~し! 気合入れて飾り付けるわよ~!!」

 

「うふふ、鈴ったら、神谷みたい」

 

飾り付けが楽しみなのか、鈴がそんな声を挙げると、シャルがその姿に神谷を重ねる。

 

「!? んなっ!? 巫山戯んじゃないわよ!! 誰があんな奴に似てるってのよ!?」

 

「んだとコラァッ! 如何言う意味だぁ!?」

 

鈴がそう言い返すと、当然神谷が反論して来て、お馴染みの口論が始まる。

 

「ちょっ! 鈴! 落ち着きなよ~!」

 

「アニキ、その辺で。ホラ、もう直ぐクリスマスなんだからさ」

 

其処でティトリーが鈴を、一夏が神谷を止めに入る。

 

「ったく、仕方無いわね………」

 

「しゃあ無え。今日のところはサンタクロースに免じて見逃してやるぜ」

 

渋々と鈴が引き下がると、神谷がそんな事を言った。

 

「「「「「「「「「「………ハッ?」」」」」」」」」」

 

その台詞を聞いた一夏達が思わず首を傾げる。

 

「えっ、一寸まさか………?」

 

「アニキ………ひょっとしてサンタクロースを信じてるの?」

 

鈴と弾が、まさかという顔でそう尋ねる。

 

「ああ、何言ってんだ。当たり前だろ?」

 

神谷は真顔でそう返す。

 

「ふ、ふふ………フハハハハハッ!!」

 

「か、神谷さん! い、幾ら何でも、其れは有りませんわ!! アハハハハハハッ」

 

途端に笑い声を挙げ始める鈴とセシリア。

 

「クッ、クククク………き、貴様が………そ、そんな事を………お、思っても見なかったぞ………ククククク………」

 

ラウラも、大笑いしたいのを必死に堪えている。

 

「~~~~~~ッ!!」

 

箒も同じ様に、頬を膨らませて顔を背け、プルプルと小刻みに震えている。

 

「何だ、お前等? まさか“サンタクロースが居ねえ”とか言う口じゃ無えだろうな?」

 

「い、いや、アニキ。俺達もう“高校生”なんだよ」

 

その様子に不満を抱く神谷に、一夏がそう言う。

 

「何だ、一夏。テメェも信じて無ぇのか? ったく、どいつもこいつも………」

 

益々不機嫌になって行く神谷。

 

「か、神谷! 買い出しに行こうよ、買い出しに!!」

 

と其処でシャルが見かねたのか、神谷の背を押して買い出しに出掛けようとする。

 

「オイ、シャル、待て! 俺は未だ此奴等に………」

 

「良いから、良いから………」

 

納得が行かない神谷を強引に押して行き、シャルは買い出しへと出掛ける。

 

「其れにしても………あの神谷が未だにサンタを信じてたなんて………ぶふっ! アハハハハッ! あ~、駄目! 思い出したらお腹痛い! アーハッハッハッハッ!!」

 

鈴が、先程の神谷の態度を思い出し、またも笑い声を挙げる。

 

「神谷くんてば、意外にロマンチストだったのね………プククククク」

 

そう言う楯無も、笑いを堪えている。

 

「ちょっと、皆。そんなに言わなくても………」

 

「………ホントにロマンチストと言い切って………良いのかしら?」

 

と其処で、1人マイペースにツリーの飾り付けに入っていた簪が、そんな事を呟いた。

 

「「「「「「「えっ?」」」」」」」

 

「かんちゃ~ん、如何言う事~?」

 

その言葉に、一夏達は首を傾げ、のほほんはそう問い掛ける。

 

「………その人が心からそう思っていれば………其れは“真実”と言う事になるんじゃない………?」

 

一夏達にそう答え、黙々とツリーの飾り付けを進める簪だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園近くの街中………

 

「チキショー、アイツ等め」

 

未だに一夏達の態度に納得が行っていない神谷が、買い出しした荷物を持ちながら、愚痴る様に呟く。

 

「神谷、やっぱり幾ら何でもアレは無いよ。サンタクロースが実在するなんて………」

 

シャルは、そんな神谷をやんわりと諭そうとする。

 

「じゃあお前、サンタクロースに会った事有んのか?」

 

すると神谷は、シャルに向かってそんな事を問い質す。

 

「えっ!? う、ううん………無いけど………でも、居ないんだから、当然じゃ………」

 

「じゃあ織田 信長に会った事有るのか? 豊臣 秀吉は? 徳川 家康には?」

 

「いや、神谷。それ歴史上の人物でしょ?」

 

神谷の言いたい事が良く分からず、困惑するシャル。

 

「そうだ。だが、誰も会った事は無えんだろ?」

 

「! あ!?」

 

其処でシャルは、神谷が言わんとしている事を漸く理解する。

 

「“会った事無いから居ない”って、誰が決めたんだよ?」

 

「そうか………そうだよね。ゴメンね、神谷」

 

シャルはそう言って笑顔を見せた。

 

「へっ、分かりゃ良い。んだよ。分かりゃあ………ん?」

 

すると其処で、神谷が何かを見付けた様に足を止める。

 

「? 如何したの、神谷?」

 

「あのガキ………」

 

「えっ?」

 

そう呟いた神谷が視線を向けている方向を見遣ると、其処には………

 

クリスマスで賑わう街の様子を、建物の壁に寄り掛かって寂しそうに眺めている少年の姿が在った。

 

「あの子………」

 

「武志く~~ん」

 

すると其処へ、誰かを探していると思われる女性が姿を現す。

 

「あ! 武志くん!」

 

「!!」

 

その女性に呼ばれた少年………武志は、女性の姿を見ると踵を返して逃げ出す様に走り出す。

 

「待って! 武志くん!!」

 

女性は慌てて追い掛ける。

 

すると武志と呼ばれた少年は、前方の横断歩道用の信号が赤だった事に気が付かず、車道へと飛び出してしまう!!

 

パッパーッ!!

 

「!?」

 

其処へ、トラックが武志目掛けて突っ込んで来る。

 

「ああっ!? 危ない!!」

 

とシャルが叫んだ瞬間!!

 

「!!」

 

神谷は荷物を放り投げて、駆け出していた!!

 

「危ねえっ!!」

 

「!? うわっ!?」

 

人間とは思えぬスピードで、武志の下へ駆け付けると彼を抱え上げ、歩道に向かって投げる!!

 

と、その次の瞬間!!

 

神谷が武志の身代わりになる様に、トラックに撥ねられた。

 

「ぐおあっ!?」

 

人形の様にぶっ飛び、近くに在ったゴミ置き場のゴミの中に突っ込む神谷。

 

「!? 神谷ああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」

 

其れを見たシャルが同じ様に荷物を投げ出し、神谷が突っ込んだゴミ置き場へ走り出す。

 

神谷の姿はゴミに埋もれ、片足だけが生える様に出て居た。

 

「きゃああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!?」

 

「大変だぁ! 人が撥ねられたぞーっ!!」

 

クリスマスムードとなっていた街角が、一瞬で喧騒に包まれる。

 

「うおおっ!? やっちまった!?」

 

トラックを運転していた運転手も、トラックを停めて慌てて降りて来る。

 

「神谷ぁ!!」

 

「誰か! 誰か救急車を!!」

 

シャルが、悲痛な叫びと共に神谷の傍に駆け付けた瞬間、野次馬からそう声が挙がる。

 

すると!!

 

「オラァッ!!」

 

気合の叫び声が聞こえて来たかと思うと、神谷が至って平然とした様子で、自分に乗っかっていたゴミを弾き飛ばして起き上がった!!

 

「ええっ!?」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

シャルが驚きの声を挙げ、野次馬やトラックの運転手も、目を見開いて驚きを露わにしている。

 

「お~、イツツツ………イッテーな、チキショウ!」

 

愚痴る様に呟きながら、神谷は身体や服に付いたゴミを落としつつ立ち上がる。

 

「か、神谷? だ、大丈夫なの………?」

 

恐る恐ると言った様子で、神谷にそう尋ねるシャル。

 

「大丈夫じゃ無えよ! 見ろ! コブが出来ちまったじゃねえか!!」

 

そう言って神谷が自分の後頭部を指差して見せると、其処には漫画の様なコブが出来ていた。

 

「いやいやいやいや! 普通、トラックに撥ねられたら、コブじゃ済まないから!!」

 

手をブンブンと左右に振りながら、シャルは神谷にそうツッコミを入れる。

 

「ば~か、知ってんだろ? 俺が頑丈な事はよぉ」

 

すると神谷は、何を今更と言う様にそう返す。

 

(ええ~~~っ?)

 

シャルは更にツッコみたかったが、コレ以上は無意味だと思い、心の中で溜息を吐きながら黙り込む。

 

「あ、あの………」

 

「ん?」

 

と其処で後ろから声を掛けられ、コブを擦りながら振り返る神谷。

 

其処には、無事だった武志と彼を探していた女性の姿が在った。

 

「あ、ありがとうございます! そ、其れでその………大丈夫なんですか?」

 

女性は神谷に礼を言うと、シャルと同じ様に恐る恐ると言った様子で尋ねて来る。

 

「ああ。ちょいとイテェが、如何って事無えよ」

 

コブを擦りながら女性にそう答える神谷。

 

「ホ、ホントにですか? 救急車を呼んだ方が………」

 

「いや、要らねえよ。大袈裟だな」

 

(実際大袈裟じゃ無いんだけど………)

 

シャルが心の中でそうツッコミを入れる。

 

「じ、じゃあ、せめて手当をさせて頂けませんか? お礼もしたいですし」

 

「別に良いって。礼が欲しいから助けたワケじゃ無えよ」

 

「い、いえ、そうは行きませんよ! コチラが迷惑を掛けたのですし………」

 

礼は要らないと言う神谷だったが、女性は食い下がる。

 

結局その後も少し問答が続き、やがて神谷の方が折れて、シャルと共に女性に従いて行く事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武志を連れた女性によって連れて来られたのは、と或る孤児院………児童養護施設だった。

 

如何やら、女性は此処の児童指導員らしい。

 

神谷とシャルは職員室へと通され、其処で治療を受ける。

 

 

 

児童養護施設・職員室………

 

「痛く無いですか?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

先程の女性児童指導員が、神谷の頭に包帯を巻いている。

 

「其れにしても信じられ無いわね………トラックに撥ねられてタンコブが出来ただけ、なんて………」

 

施設の責任者と思われる年配の女性が、治療を受けている神谷を見ながらそう言う。

 

「頑丈さには自信が有るんでな」

 

「ア、アハハハハ………」

 

自信満々にそう言う神谷と、苦笑いするシャル。

 

「流石、ロージェノム軍相手に戦っているグレン団さんですね」

 

施設長は神谷に向かってそう言う。

 

グレン団の戦闘の様子は何度がTV放送を通じて世間に流れており、IS学園からの機密事項を除いた情報公開も有り、世間では一寸した有名人となっている。

 

「ハイ、コレで良し、っと」

 

と其処で、手当てをしていた女性児童指導員が包帯を巻き終える。

 

「おう、サンキュウな」

 

神谷は女性児童指導員を見ながら、軽い感じでお礼を言う。

 

すると職員室の窓から、施設の庭でクリスマスの準備をしている子供達の姿が見える。

 

「ん?」

 

其処で神谷は、あの武志少年が1人寂しそうにしている光景を目撃する。

 

「アイツ………」

 

「? ああ、武志くんですか?」

 

神谷の視線に気付いた女性児童指導員がそう言う。

 

「あの………街中で見掛けた時から気になってたんですけど………あの子、如何してあんなに寂しそうにしてるんですか?」

 

その様子が気になったシャルが、思い切ってそう質問する。

 

「………武志くんは“今年の春先”にこの施設へ入所したんです」

 

「今年の春先………!? まさか!?」

 

「ハイ………武志くんのご両親は………ロージェノム軍に殺されたんです」

 

「「!?」」

 

その言葉に神谷とシャルは驚きを露にする。

 

「ご両親と一緒に海外旅行中だったところ………その旅行先の国がロージェノム軍に侵略され………武志くんのご両親は戦闘に巻き込まれて………運良くあの子だけが生き残ったんです」

 

「そう………だったんですか………」

 

「…………」

 

女性児童指導員から説明を受けて、シャルは表情に陰を落とし、神谷も拳を握り締める。

 

「イキナリ理不尽な出来事で両親を奪われた武志くんは、すっかり塞ぎ込んでしまって………」

 

「我々としても、出来得る限り気に掛けては居るのですが、中々………」

 

窓から見える、庭の片隅で寂しそうに佇んでいる武志を見遣りながら、女性児童指導員と施設長がそう言う。

 

「しかも、ご両親と今年のクリスマスに盛大なパーティーをやろうって約束していたらしくって………其れでクリスマスが近付くに連れて、ドンドン暗くなって行ってしまって………」

 

「…………」

 

シャルも、悲し気な瞳で武志の姿を見遣る。

 

今、武志が感じている悲しみは、世界中の彼方此方で起こっている悲しみである。

 

勿論、自分達は命を賭けて戦っている。

 

だが、如何しても被害者を0にする事は出来ない………

 

そう思うと、自分達の力不足を実感してしまう。

 

「…………」

 

と其処で神谷が、職員室に在った庭に繋がるドアから庭へと躍り出た。

 

「あっ!? 神谷!?」

 

シャルも慌てて、その後を追う様に庭へと出る。

 

一方、庭の片隅でポツンッと立っていた武志は………

 

「…………」

 

目の前で繰り広げられているクリスマスの楽しそうな雰囲気に耐えられなくなったのか、顔を伏せたまま何処かへと去ろうとする。

 

すると、その移動先に立っていた神谷にぶつかる。

 

「うわっ!?」

 

「上を向いて歩け! 武志!!」

 

驚いて数歩下がった武志に向かって、神谷は嘗て一夏に言った様にそう言う。

 

「あ………グレンラガンのお兄ちゃん………」

 

「男が何時までも下向いて歩いてんじゃねえ! 男は、何時だって上を向いて前向きに生きてくモンだ!!」

 

武志に向かって、お馴染みの神谷節を炸裂させる。

 

「ちょちょちょ! 神谷!!」

 

「………だって………」

 

シャルが慌てて止めに入り、武志が未だ落ち込んでいる様子を見せると………

 

「だってじゃねえ! 男だろ!?」

 

神谷はしゃがみ込み、武志と視線を合わせながらそう言う。

 

「良いか、武志。生きていりゃあ、色んな辛い事が有る。だがな! 男は其れに負けちゃならねえ! どんなに辛く苦しい目に遭ったって、歯ぁ喰い縛って耐え抜くんだ!!」

 

神谷は武志の肩を摑み、そう語り掛ける。

 

「…………」

 

しかし、武志はまた俯いてしまう。

 

「オメェの気持ちは良く分かる………俺の親父もロージェノムの奴に殺されたからな」

 

「えっ!?」

 

其処で武志は顔を上げ、驚きを示す。

 

「けどな! 俺はアイツ等には絶対負けねえ! 奴等を片っ端からブッ潰して、親父の仇を取ってやるんだ!」

 

「…………」

 

「だからオメェも負けるんじゃねえ! 武志!!」

 

「お兄ちゃん………」

 

「………()は何時も1人で戦うんだ。自分自身と戦うんだ」

 

真剣な表情で、武志へそう語り掛ける神谷。

 

「………神谷」

 

そんな神谷の姿に、シャルは何とも言えない表情となる。

 

何時も明るく熱く、何処までも突っ走って行く神谷の(オトコ)としての生き様………

 

しかし、其れが決して楽しい事ばかりで無く、楽な道でも無い事を初めて知る。

 

シャル達が知らぬ所で、神谷は常に戦っていたのだ。

 

何時もシャル達に見せている強い姿の裏に隠れた………

 

弱い己自身と………

 

其れだけでは無い………

 

今や世界の戦況は不利へと傾いている。

 

その状況は人々から希望や活力を奪い去り、絶望や無気力へと貶めている。

 

そんな中で連戦連勝を重ねているグレン団の存在は、今や日本だけでなく、世界の希望でもある。

 

だが、其れは裏を返せば………

 

“真の意味での敗北”が1度たりと許されない、と言う事だ。

 

グレンラガン、そしてグレン団の敗北は、世界がロージェノム軍に蹂躙されるという事と同義である。

 

故に負ける事は許されない。

 

只の1度でさえも………

 

シャルはこの時………

 

神谷の言う“漢の生き様”の不器用さと、自分達が背負っているモノの重さを再認識した。

 

「強くなれ、武志………其れが男だ」

 

「………うん!」

 

神谷の熱い言葉に、武志は遂に頷く。

 

「よっし! ()()の約束だ!!」

 

「うん!!」

 

そう言い合い、神谷と武志はギュッと手を合わせ合った。

 

「神谷………」

 

シャルはそんな2人の様子を、慈愛が籠った微笑で見詰めている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後………

 

神谷とシャルは、少しだけ児童養護施設の子供達と遊んであげた後、買い出しの荷物を持って帰路へと就いた。

 

「神谷………」

 

「ん? 何だ?」

 

「………ううん。何でも無い」

 

途中、神谷に何か言おうとして止めるシャル。

 

武志と話している時に、少し理解した神谷の生き様に触れようとしたが、恐らく其れを言っても神谷は生き方を変えない………

 

そういう男なのである。

 

「? 何だよ、変な奴だな………」

 

「うふふ、ゴメンね」

 

「ま、良いか………そうだ、シャル! クリスマスの日は、グレン団全員であの施設に行こうぜ! アイツ等のクリスマスパーティーを盛り上げてやるんだ!」

 

「あ! それ良いね!!」

 

神谷の提案に、シャルは笑顔で同意する。

 

「よっし! 決まりだ!! 早速一夏達に支度させねえとな!!」

 

「子供達、喜ぶよ、きっと」

 

そう言い合うと、2人は足を速めて、IS学園へと急ぐのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、クリスマスの日………

 

神谷達、グレン団は………

 

クリスマスの奇跡を目撃する事となるのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

季節イベント、クリスマス編です。
前回に続いて、また昭和っぽい展開ですみません。

ロージェノム軍との戦いの被害者である少年と出会った神谷達。
クリスマスの夜にその少年の居る児童施設を訪れようとしますが、その日に………

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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