これは………
女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………
それに付き従う女達の物語である………
天元突破インフィニット・ストラトス
第86話『そんなもんは本当の絆じゃねえ!』
ロシアから、楯無を本国へ迎え入れようと
しかし、彼等はソ連の信奉者であり、今一度ソ連を復活させるべく、楯無を自分達の同志へと引き込もうとする。
学生寮を占拠し、妹の簪と生徒達を人質に、楯無に自分達の仲間になれと迫るゴルルコビッチ。
だが、グレン団の存在を失念していた事により、計画は失敗。
自棄となったゴルルコビッチは、仲間に引き込んだロシア留学生達と共に最後の勝負に出るのだった!!
IS学園・運動場………
「死ねぇ! 資本主義の犬共め!!」
「共産主義バンザーイ!!」
赤い台詞と共に弾幕を張っている、ロシア留学生達のIS部隊。
「クソッ! クソ赤共め!!」
「君達! 馬鹿な真似は止めなさい!!」
IS学園側のIS部隊の中に居たアメリカからの留学生がそう悪態を吐き、指揮を執っていた真耶が説得を試みるが………
「黙れ! 醜い豚共め!!」
「ぶ、豚!?」
ロシア留学生達は真耶に向かってそう吐き捨てる。
「全ては我が祖国の為に!!」
「今一度ソ連の世を!!」
「駄目だ! アイツ等、完全に理想に酔ってやがる!!」
アメリカの留学生がそう言った瞬間………
キュイイイィィィィィンッ!と言う甲高い音が聞こえて来る。
「!?」
「何だ!?」
その音がする方向を見たロシア留学生達が見たのは、ローラーダッシュで砂煙を挙げ、自分達に向かって突っ込んで来るスコープドッグを装備した簪の姿だった。
「!? 更識 簪!?」
「馬鹿な!? 同志達が押さえた筈では!?」
「ええい! 撃て撃てぇっ!!」
其れを見たロシア留学生達は、直ぐに標的をIS学園のIS部隊から簪に変え、弾幕を張る。
「…………」
しかし簪は、委細構わずその弾幕の中へと突っ込む。
集中砲火の激しい弾幕が展開しているにも関わらず、簪はまるで無人の野を行くかの如く突き進んで行く。
弾丸は1発も当たらず、当たったとしても『偶々』装甲の厚いところに命中し、『偶然』角度が浅かった為、全て弾かれてしまう。
「な、何故当たらない!?」
「アイツは不死身なのか!?」
ロシア留学生達の間に動揺が走る。
「…………」
その次の瞬間簪は、肉薄したラファールを装着していたロシア留学生にアームパンチを叩き込んだ!!
「ガッ!?」
「…………」
ラファールを装着していたロシア留学生が地面に倒れると、簪は容赦無くヘヴィマシンガンの弾丸を叩き込む!!
「があああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」
過剰なまでの攻撃で、ラファールのシールドエネルギーは一瞬で無くなり、強制解除される。
「!!」
「貴様!!」
直ぐに、他のロシア留学生達が簪を取り囲むが、
「…………」
簪は其処で、左の非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)の3連装スモークディスチャージャーから煙幕弾を発射。
忽ち辺りは煙に包まれる。
「うわっ!? 煙幕か!?」
「クソッ! 撃て撃てぇっ!!」
未だ恐懼していたのか、何人かのロシア留学生達が煙幕にも関わらず発砲を始める。
「ガアアアアアァァァァァァーーーーーーーッ!?」
「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」
当然、センサーを妨害され、視界も封じられた状況で真面に当てられるワケが無く、次々に同士討ちが始まる。
「馬鹿! 止めろ!!」
「このままでは同士討ちだ!!」
何人かのロシア留学生がそう叫ぶが、同士討ちは止まらない。
「チキショウ! 何でこんな事に!?」
と、打鉄を装着しているロシア留学生がそう声を挙げた瞬間………
前方の煙幕が揺らめき、その中にターレットレンズの光が浮かんだかと思うと、簪が姿を現す!!
「!? ヒッ!?」
「遅い………」
ロシア留学生がアサルトライフルを構える前に、簪はショルダータックルを喰らわせる。
「ガアアアッ!?」
「!? そっちか!?」
と其処で、残っていたロシア留学生達は簪の位置を摑み、其方の方向に武器を構えたが、
「バルカンセレクター」
簪はミッションディスクのコンバットパターン・バルカンセレクターを発動。
ヘヴィマシンガンの弾倉が交換されると、フルオートで弾がばら撒かれる!!
「うわっ!?」
「キャアッ!?」
完全に倒す事は出来なかったが、動きが止まるロシア留学生達。
「…………」
その瞬間、簪は右の非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)の7連装ミサイルポッドのミサイルを全弾叩き込む!!
爆発が次々に上がり、煙幕を吹き飛ばす。
そして、ミサイルが着弾した傍には、ISを強制解除されたロシア留学生が転がっていた。
「簪さん!」
「ありがとう! 助かったよ!!」
其れを見た真耶や学園のIS部隊が近寄って来る。
「彼女達の拘束を………其れと………ミサイルの予備をくれない?」
「あ! ハイ! 分かりました!!」
簪がそう言うと、学園のIS部隊はロシア留学生達を拘束し始め、簪にミサイルを補給するのだった。
一方、その頃………
ロシア留学生の手によって脱出したゴルルコビッチを追う、グレンラガンと楯無は………
「待ちやがれ、コラーッ!!」
「待ちなさーいッ!!」
「クッ! しつこい連中だ!!」
打鉄を装着しているロシア留学生が、追い縋って来るグレンラガンと楯無を見ながらそう悪態を吐く。
「こうなれば仕方無い………同志、第1アリーナへ戻ってくれ」
「了解しました、同志」
すると其処でゴルルコビッチがそう言い、第1アリーナへと進路を変更する。
「!? 向きを変えたぞ! 何処行く気だ!?」
「あの先は………第1アリーナ?」
突如行く先を変更したのを不審がりながらも、グレンラガンと楯無は追跡を続ける。
IS学園・第1アリーナ………
「同志!」
其処には、ロシア留学生を引き込んだザドルノフの姿が在った。
「更識 楯無の引き込みは失敗した! こうなればIS学園を破壊し、学園のISを全て手に入れるまでだ!!」
連れて来て貰ったロシア留学生から離れ、ゴルルコビッチはそう言う。
「では、いよいよ『アレ』の出番ですな」
「うむ………」
ザドルノフとゴルルコビッチがそう言い合った瞬間、
「其処までだぜ! ロシア野郎!!」
「貴方達の陰謀も、もうお終いよ!!」
グレンラガンと楯無がそう言う台詞と共に、第1アリーナ内に降り立つ。
「クッ!!」
ザドルノフとゴルルコビッチを守る様に、ロシア留学生が前に出る。
「フフフフ」
「残念だが、まだ終わりではないよ。更識女史」
しかし、ゴルルコビッチは不敵に笑い、ザドルノフも余裕の表情でそう言い放つ。
「? 何ぃっ?」
「其れは如何言う事?」
グレンラガンがその様子に首を傾げ、楯無がそう問い質した瞬間!
「ギャロオオオオオオォォォォォォォーーーーーーーーンッ!!」
突如、ゴルルコビッチがそう叫び声を挙げたかと思うと………
無数の機械の部品らしきモノが、何処から共無く飛んで来た!!
「!?」
「な、何っ!?」
グレンラガンと楯無が驚いていると、そのパーツ達が次々に合体し始める。
ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!
そして、まるで咆哮の様な駆動音と共に、ブラキオサウルスの様な形状をした、黒いロボットが出来上がった!!
「ロ、ロボットの恐竜!?」
「見たか! これぞ我が祖国がISに代わる世界最強の兵器として開発したロボット兵器! 『ギャロン』だ!!」
驚愕する楯無に、ゴルルコビッチが得意気にそう言い放つ。
「さあ、同志! 行きましょう!」
「うむ!」
と、ザドルノフとゴルルコビッチがそう言い合ったかと思うと、ギャロンが頭を下げて2人の前に差し出すと、目の部分から中へと乗り込んだ。
ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!
2人が乗り込むと、ギャロンはまたも咆哮の様な駆動音を挙げる。
[更識 楯無! 我々に逆らった事を後悔しながら死ぬが良い!!]
ゴルルコビッチのそう言う声が響き渡ったかと思うと、ギャロンが突進して来る!!
「「!!」」
グレンラガンと楯無は、咄嗟に真上に飛んで回避する。
突進が外れたギャロンは、そのままアリーナの第1ピットへと衝突!
第1ピットが派手に粉煙を挙げ、跡形も無く崩れる。
「何て体当たりなの!? あんなの喰らったら、只じゃ済まないわ!!」
「ったく、妙なモン持ち出して来やがって………」
「我が祖国の為に死ねぇっ!!」
楯無が驚きの声を挙げ、グレンラガンが愚痴る様に言っていると、ロシア留学生が襲い掛かって来る。
「「邪魔だ(だよ)!!」」
しかし、悲しいかな………
コレまで実戦を多く経験した2人に、只の訓練生のロシア留学生が勝てる筈も無く、呆気無く蒼流旋とグレンブーメランでの斬撃でブッ飛ばされた!!
「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」
ロシア留学生は、アリーナの放送席へと墜落したかと思うとそのまま気絶して、ISが解除される。
[オノレェ! よくも同志を!!]
ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!
と、その様子にザドルノフが怒りを露わにしたかと思うと、ギャロンが再び無数のパーツへと分離!
まるでイナゴの大群の様に、グレンラガンと楯無に襲い掛かる!!
「!? おうわっ!?」
「キャアアアアァァァァァーーーーーーッ!?」
無数のパーツとなったギャロンの嵐を避け切れず、数10発の直撃を喰らい、アリーナの地面へと墜落するグレンラガンと楯無。
その間に、ギャロンは再び合体する。
[フハハハハハッ! 見たか! ギャロンの威力を!!]
「この野郎! 調子に乗るんじゃねえ!!」
しかし其処で、グレンラガンが素早く起き上がり、グレンブーメランを右手に握ったまま大跳躍。
「男の情熱ぅ! 燃焼斬りいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーーーっ!!」
そのままギャロン目掛けて男の情熱燃焼斬りを繰り出す。
[火炎を喰らえっ!!]
ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!
だが、ギャロンからザドルノフの声が響いたかと思うと、ギャロンの口が大きく開く。
そして其処から火炎放射が放たれ、グレンラガンを包み込んだ!!
「!? アッチっ!? アチ!! アチチチチチチチチッ!?」
可燃性の液体を含んだ火炎によって、炎に包まれるグレンラガン。
墜落すると、炎を消そうと地面の上を転がるが、可燃性の液体から燃えている炎は中々消えない。
「神谷くん!!」
慌てて楯無が、ミステリアス・レイディのアクア・ナノマシンをブッ掛ける。
其処でグレンラガンに燃え移っていた炎は漸く消える。
「うわくっ! 助かったぜ、楯無!」
「火炎放射か。なら私の出番だね!」
立ち上がるグレンラガンを尻目に、楯無は火炎放射を使う敵ならば、自分のアクア・ナノマシンで無力化出来ると踏み、蒼流旋を構えて突っ込んで行く。
[馬鹿め! 喰らえいっ!!]
ゴルルコビッチの声が響き渡ると、ギャロンが再び大きく口を開ける。
「そんな火炎放射ぐらい!!」
水のヴェールを展開し、火炎放射を防ごうとする楯無。
しかし、ギャロンの口から放たれたのは火炎では無く………
冷却ガスだった!!
忽ち水のヴェールは凍り付き、ミステリアス・レイディ本体までもが凍って行く。
「!? 嘘っ!?」
[死ねぇいっ!!]
ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!
驚く楯無に向かって、ギャロンは尻尾を鞭の様に振り回して放つ。
「!? キャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」
凍結により動きが鈍ってしまっていた楯無は直撃を喰らい、砕かれた水のヴェールの破片と共に地面に落ちる。
[踏み潰してやる!!]
其処でギャロンの右前脚が上がり、楯無を踏み潰そうとする。
「!?」
「楯無ぃっ!!」
しかし其処へ、グレンラガンがギャロンに飛び蹴りを見舞う。
[!? うおおおぉぉぉぉーーーーーっ!?]
脚を上げた態勢だった事もあり、ギャロンはバランスを崩して派手に倒れる。
「大丈夫か!?」
「ええ、ありがとう。でも、さっきの凍結ガスでアクア・ナノマシンが大分やられちゃった………」
ダメージ自体は其れ程では無いが、凍結ガスを喰らった所為で、アクア・ナノマシンが大分機能不全に陥ってしまった様だ。
[オノレェ! 小癪なぁ!!]
と其処で、ゴルルコビッチの声と共にギャロンが立ち上がったかと思うと、またもや無数のパーツへと分離!
グレンラガンと楯無へと襲い掛かった!!
「ぐああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?」
「キャアアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーッ!?」
パーツの嵐に襲われ、装甲の破片を撒き散らしながら、地面を転がるグレンラガンと楯無。
[喰らえっ!!]
その間にギャロンが三度合体すると、火炎放射を放つ!
「! ドリルシールド!!」
しかし、起き上がったグレンラガンが、ドリルを傘の様に開いて防ぐ。
[チッ! 生意気な! バーナーモードだ!!]
とザドルノフがそう言ったかと思うと、ギャロンは炎の拡散率を下げ、まるでガスバーナーの様に炎を一点に集中して照射し始める。
一点集中された火力によって、ドリルシールドの一部が赤熱化し始める。
「!? ヤベェ!!」
グレンラガンがそう言った瞬間に、シールドは融解し、火炎が2人へと襲い掛かろうとする。
「クウッ!!」
すると咄嗟に、楯無はアクア・ナノマシンを展開しているアクア・クリスタルの片方を、迫る火炎に向かって放り投げた!
火炎がアクア・ナノマシンによって四散され、防がれる。
「今の内に!」
「おう!」
その間に、グレンラガンはドリルシールドを切り離すと楯無と共に離脱する。
その直後に、火炎を止めていたアクア・クリスタルは完全に融解。
火炎はアリーナの地面に命中したかと思うと、その地点を溶岩に変えた!
「クウッ! あんな事も出来るの!?」
「ビビってんじゃねえ、楯無! 俺達はグレン団だ! 敵に後ろは見せねえ!!」
戦慄する楯無を、グレンラガンがそう叱咤すると、自身は右腕をドリルに変えてギャロンへと突っ込む。
「土手っ腹に風穴開けてやらぁ!!」
ドリルをギャロンに突き立てようとしたグレンラガンだったが、
[分離っ!!]
その瞬間、またもギャロンは分離。
無数のパーツとなってグレンラガンを襲う!!
「うおああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」
パーツ達の攻撃を受け、地面に墜落するグレンラガン。
その間にパーツは1つに集まり、ギャロンとなる。
「チイッ! 安っぽい合体しやがって!!」
「何? “安っぽい合体”って?」
グレンラガンの叫びに、楯無は思わずそうツッコミを入れる。
[フンッ! 噂のグレンラガンも我が祖国の力の前には無力の様だな!!]
[では、コレで終わりにするとしようか]
とゴルルコビッチとザドルノフの声が響くと、ギャロンの口が開き、冷却ガスが放たれようとする。
万事休すかと思われたその時!!
風切り音と共に飛来した2発のミサイルが、ギャロンの口内に命中した!!
[うおわぁっ!?]
[な、何っ!?]
ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!
ゴルルコビッチとザドルノフの声が挙がり、ギャロンが咆哮の様な駆動音を立てて倒れる。
「!? 今のは!?」
「姉さん………大丈夫?」
楯無が驚いていると、そう言う台詞と共にスコープドッグを装着している簪が現れる。
「簪ちゃん!」
「私が時間を稼ぐ………その間に体勢を立て直して………」
楯無に向かってそう言うと、簪は口から黒煙を上げて倒れているギャロンにジェットローラーダッシュで突撃する。
[オノレェ! 更識 簪!!]
[先に片付けてやる!!]
とゴルルコビッチとザドルノフのそう言う声が挙がり、ギャロンが起き上がる。
そして、損傷した冷却ガス噴射器に代わって火炎放射器を出現させ、火炎を吐き出す。
「…………」
簪は冷静沈着に火炎を避けながら、機動性を活かして撹乱しつつヘヴィマシンガンの弾丸を見舞う。
しかし、ギャロンの厚い装甲の前ではヘヴィマシンガンは火力不足であり、弾丸は全て表面で弾かれてしまう。
[ええい! ちょこまかと!!]
だが、注意を逸らすには十分だったらしく、ギャロンは自分の周りを動き回る簪への対応で手一杯となる。
「良し! 楯無!! 今がチャンスだ!!」
その間に、グレンラガンがそう言って立ち上がる。
「でも、如何するの? 今のままじゃアイツの相手にはならないよ?」
若干弱気に、楯無がそう言うが………
「なら、『アレ』で行くぜ!!」
グレンラガンはそう言い放つ。
「『アレ』?………!? ひょっとして、『アレ』の事?」
「如何だ? 乗るか?」
「フフフ、良いよ………乗ってあげる。実を言うと、前から興味が有ったんだよね」
「なら話は早ええ………行くぞ!!」
「ええっ!!」
「「『合体』だぁっ!!」」
グレンラガンと楯無がそう叫んで跳び上がり、空中で1つに重なり合う。
その瞬間!!
2人の姿は螺旋エネルギーに包まれた!!
[!? 何だ!?]
[何が起きている!?]
其れを見たゴルルコビッチとザドルノフからそう声が挙がり、ギャロンの動きが止まる。
「………フッ」
簪も、その様子を見てフッと笑う。
やがて光が弾けたかと思うと、其処には………
『グレンラガンがミステリアス・レイディを装着している様なマシン』が在った!!
「悪を許さぬ正義の炎!!」
「深き霧の中に揺らめく影!!」
「「霧炎(むえん)合体!!」」
神谷と楯無の声が響き渡り、『グレンラガンがミステリアス・レイディを装着している様なマシン』がポーズを決める!!
「「『ミステリアスラガン』!!」」
「俺を!」
「私を!」
「「誰だと思っていやがる〈るの〉!!」」
『グレンラガンがミステリアス・レイディを装着している様な姿のマシン』………『ミステリアスラガン』から、神谷と楯無の叫びが木霊する!
[ア、アレが噂に聞く合体か!?]
[ええい、怯むな同志! 所詮は虚仮威しだ!!]
ギャオオオオオオオォォォォォォォォーーーーーーーーーッ!!
ザドルノフとゴルルコビッチがそう言う声を挙げたかと思うと、ギャロンが咆哮の様な駆動音と共に、ミステリアスラガンに突撃して行く。
「「ムンッ!!」」
しかし、何と!!
かなりの重量差が有るにも関わらず、ミステリアスラガンはギャロンの突進を受け止めた!!
[[!? 何ぃっ!?]]
ゴルルコビッチとザドルノフから驚きの声が挙がった瞬間!!
「「おりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」」
ミステリアスラガンは気合の雄叫びを挙げ、ギャロンを投げっ放しジャーマンの様に放り投げる。
[[おおわああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!?]]
投げられたギャロンは、第2ピットの上に背中から落下。
ピットを破壊して、地面に叩き付けられる。
[オノレェ! 火炎放射ぁっ!!]
ゴルルコビッチは、ギャロンの首だけをミステリアスラガンへ向けると、火炎放射を放つ!!
「効くか! そんなモン!!」
と神谷のそう言う声が響いたかと思えば、ミステリアス・レイディ時のアクア・クリスタルが、ミステリアスラガンの前方に展開したかと思うと………
ギャロンの火炎放射は、螺旋力のヴェールに当たると雲散する。
[ならば! 分離攻撃だ!!]
ザドルノフが続けてそう言ったかと思うと、ギャロンは複数のパーツに分離して飛翔する。
「けっ! 馬鹿の1つ覚えかよ!! 良いか、覚えとけ!! “本当の合体”ってのは、安っぽい恋愛みたいに、直ぐくっ付いたり離れたりするモンじゃ無えんだよ!!」
「成程、深いね………」
しかし、飛翔する無数のパーツを前にしても、神谷と楯無は余裕の態度を崩さない。
「そんなモノは
「だから見せてあげるよ………私達グレン団の“真の絆の力”を!!」
そして次の瞬間!!
アクア・クリスタルが、ミステリアスラガンの左右に展開。
其処から、螺旋力がまるで津波の様に放出された!!
[[な、何いいいいいぃぃぃぃぃぃーーーーーーーっ!?]]
その螺旋力の津波の前に、ギャロンのパーツは全て押し流される。
螺旋力の津波は、そのまま水流を形成。
ギャロンのパーツはその水流の中を流れて行き、その途中で次々に爆散し始める。
やがて水流は消え、残ったパーツがアリーナの地面に叩き付けられる!!
[お、オノレェ! 再合体!!]
残ったパーツが集まり、ギャロンへと合体しようとしたが………
やはりやられたパーツが多く、組み上がったもののその姿はかなり不格好であり、まるでオブジェの成り損ないと言ったところである。
「よっしゃあっ!! トドメ行くぜ!!」
「OK!!」
其れを見たミステリアスラガンは、トドメの体勢に入る。
胸のグレンブーメランが独りでに外れ、右手に納まる。
「必殺っ!!」
そのグレンブーメランを、ギャロン目掛けて投げ付けるミステリアスラガン。
高速回転しながらギャロンへと向かっていたグレンブーメランは、途中で2つに分離。
ギャロンを連続で斬り付け、空中に磔にする。
其処でミステリアスラガンは、右手に蒼流旋を出現させたかと思うと、再びアクア・クリスタルから螺旋力の水流を発生!!
その水流に向かって蒼流旋を投げたかと思うと、その上にサーフボードの様に乗っかり、水流に乗った!!
そしてそのまま、螺旋力の津波と共に空中に磔にされているギャロンへと向かう。
「「ドリル! ビッグウエエエエエェェェェェェーーーーーーーブッ!!」」
蒼流旋に乗ったミステリアスラガンが、螺旋力の津波と共にギャロンを貫いた!!
貫いたギャロンを背後の空中に映し、蒼流旋を右手に握って着地を決めるミステリアスラガン。
[[ソ連バンザアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーイッ!!]]
ゴルルコビッチとザドルノフの叫びと共に、風穴を開けられたギャロンは大爆発する。
その爆発の中から、1つになって戻って来たグレンブーメランが、ミステリアスラガンの胸に装着される。
「うっし! 片付いたな!」
「ええ………そうね」
神谷と楯無がそう言い合うと、
「アニキー!」
「神谷ー!」
ISやグラパールを装着している一夏達がやって来た。
「おう! お前等の方も片付いたか?」
「ああ。学園に侵入したソ連兵達と取り込まれた留学生達は全員鎮圧したよ」
神谷がそう尋ねると、一夏がそう返事を返す。
「其れにしても………アンタ、また合体パターンを編み出したワケ?」
「しかも今度は更識 楯無とか………」
ミステリアスラガンの姿を見て鈴が半ば呆れ、ラウラが苦々し気な表情をする。
「ふふふ、カッコイイでしょ?」
そんな2人の様子なぞお構い無くボディの顔が動き、楯無の声でそう言う台詞が発せられる。
「お疲れ様、姉さん」
と其処で、簪も近くに寄って来る。
「あ、簪ちゃん。お疲れ」
「………プッ」
と、楯無の声を聞いた簪が突然噴き出した。
「え、えっ!? 何っ!?」
「前から思ってたけど………その光景………すっごくシュール………」
楯無が戸惑っていると、簪は声を殺して笑い始める。
「ああ~、酷い~!」
「クフフフ………フフフ………」
楯無が抗議の声を挙げる中、笑い続ける簪。
「お前達!!」
「良い気になるなよ!!」
すると其処で、そう言う声が響いたかと思うと、ギャロンの残骸の中から、ボロボロのゴルルコビッチとザドルノフが這い出して来た。
「おわっ!? 生きてたのか!?」
「何てシブとさなの!?」
「本当に人間かなぁ?」
其れを見たグラパール・弾とグラパール・蘭、ファイナルダンクーガ(ティトリー)がそう言い合う。
「言った筈だ! 今頃我が祖国ではソ連が復活していると!!」
「何れ我が祖国は総力を挙げてIS学園を奪取に来る! この情勢下だ!! 他国の援軍は期待出来まい!!」
グレン団に向かってゴルルコビッチとザドルノフはそう言い放つ。
「「「「「「…………」」」」」」
負け惜しみにしか聞こえないが、実際に今の情勢下で他国………しかもロシアに攻めて来られては、IS学園どころか日本が危ない。
一同は思わず苦々し気な表情を浮かべる。
「この野郎!!」
[グレン団、聞こえるか?]
思わず神谷が2人をブン殴ってやろうかと思ったところに、千冬から通信が入った。
「織斑先生? 如何しました?」
箒が応答し、他のメンバーも通信に耳を傾ける。
[良いニュースが有る………いや………“悪い”ニュースと言った方が良いかも知れんな]
妙に言葉の歯切れが悪い千冬。
「んだよ、ブラコンアネキ! 言いたい事が有るんならハッキリ言いやがれ!」
其れに痺れを切らしたかの様に神谷がそう言うと………
[………先程、クーデターが起きたロシアに突如としてロージェノム軍に大軍が襲来………クーデターによって混乱していたロシア軍は真面な応戦も出来ずにクーデター軍諸共全滅………ロシアは陥落した]
「「「「「「「!?」」」」」」」
千冬が告げた言葉により、一同は戦慄に襲われた。
「ば、馬鹿な!?」
「我が、祖国が……!?」
其れを聞いていたゴルルコビッチとザドルノフも、絶望した様にガクリを膝を突く。
[如何やら、ロージェノム軍は以前から今回のクーデターを知っていたらしい………国内が混乱に陥ったところを衝き、一気に占拠した様だ]
「何て事ですの………」
「ロシアが………陥ちたの?」
セシリアとシャルが、未だに信じられないと言った様子でそう呟いた。
「クソッ! ロージェノムの野郎め!!」
悪態を吐きながら、神谷は空を見上げる。
その空に、不敵に笑うロージェノムの姿が映った様な気がした………
つづく
新話、投稿させて頂きました。
追い詰められたゴルルコビッチとザドルノフの切り札はロボット兵器『ギャロン』
鉄人28号に登場したロボットです。
ロシア関係のメカニックで何かないかと探していたらコレが出て来たので。
火炎と冷凍ガスを使い分けるというのはオリジナル設定です。
対するグレンラガンと楯無は新合体『ミステリアスラガン』で対抗!
見事ギャロンを撃破します。
しかし………
ロージェノム軍がクーデター中のロシアを奇襲し、壊滅。
遂に大国ロシアが落ちた事で、人類側の戦況は一気に不利になります。
果たして、この先どうなるのか………
では、ご意見・ご感想をお待ちしております。
新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は
-
天元突破ISと同時
-
土曜午前7時
-
別の日時(後日再アンケート)