天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第88話『不意打ちとはやってくれるじゃねえか!!』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第88話『不意打ちとはやってくれるじゃねえか!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪中戦訓練の為に、北海道は大雪山を訪れたIS学園の一同。

 

初日は神谷の暴走もあり、雪合戦をして終わったが………

 

2日目からは本格的に訓練が始まる。

 

しかし………

 

その大雪山の奥地では、ロージェノム軍が大雪山凍結要塞化計画なる計画を進めていた。

 

果たして、グレン団はロージェノム軍の存在に気付くのか?

 

そして、謎の大雪山凍結要塞化計画とは一体?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大雪山の雪原………

 

雪原の上を、専用のスキーを装着したIS部隊が滑走している。

 

バイアスロンさながらに、設置されている的をスキーをしながら撃ち抜いて行く。

 

「よおし、良いぞ! 雪中戦では降り積もった雪の為に距離が把握し難い! 今の感覚をしっかりと身体に覚えさせておけ!!」

 

「「「「「ハイ!!」」」」

 

千冬の声に元気良く返事を返しながら、バイアスロンさながらの訓練を続ける。

 

「皆さん、頑張ってますね」

 

と其処で、真耶が千冬の横に立ちながらそう言う。

 

「この状況下でIS学園に残ってくれている生徒達だ。其れなりに肝は据わっている様だ」

 

不敵に笑いながら、千冬はそう返す。

 

「ところで山田くん。グレン団の連中は如何している?」

 

「今、2チームに分かれて模擬戦を始めてますよ」

 

真耶がそう言って指差した先では、グレン団が2チームに分かれて模擬戦を行っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレン団の模擬戦の様子………

 

セシリア・鈴・ラウラ・楯無・ファイナルダンクーガ(ティトリー)が、互いに背中合わせになる様にして得物を構えている。

 

「「「「「………」」」」」

 

全員が緊張した面持ちで、辺りに警戒している。

 

すると其処へ、雪原の一部が盛り上がり、まるでモグラの様に跡を残しながら、セシリア達へ近付いて行く。

 

「!! 其処かぁ!?」

 

其れに気付いた鈴が、向かって来る盛り上がりに向かって龍砲を放つ!!

 

雪が大きく爆ぜ、粉雪が舞い散る。

 

「おおっと!?」

 

その次の瞬間、雪の中からグレンラガンが飛び出して来た!!

 

「居たわね、神谷!!」

 

「バレバレでしたわよ!!」

 

鈴がそう言うと、セシリアがグレンラガンに向かって、スターライトmkⅢを発砲する。

 

「へへ、当然だろ」

 

しかし、グレンラガンは其れを躱しながら、不敵にそう言い放つ。

 

「!? イカン!!」

 

「皆! 神谷くんは囮だよ!!」

 

其処でラウラと楯無がそう声を挙げるが………

 

「もう遅いよ!!」

 

そう言う声が響いたかと思うと、グレンラガンが飛び出した真逆の方向の雪が弾け、両手にデザート・フォックスを構えたシャルが飛び出し、爆音と共に弾丸を吐き出す。

 

「「「「!?」」」」

 

「ミギャーッ!?」

 

慌てて散開する楯無達と、退避が遅れて弾丸を何発か浴びるファイナルダンクーガ。

 

幸い、装甲が厚いお蔭で大したダメージは無かったが、楯無達は其々孤立する。

 

「今だよ! 皆!!」

 

するとその瞬間にシャルが叫ぶと、

 

「「「「おおぉーっ!!」」」」

 

威勢の良い声と共に、楯無達の其々の回避先に、一夏、箒、グラパール・弾、グラパール・蘭が雪の中から現れる。

 

「!? 何っ!?」

 

「しまった! 此奴等! 神谷が掘った雪穴の中に隠れてたのね!?」

 

「今更気づいても、もう遅いぜ!!」

 

驚きの声を挙げるラウラと鈴に、一夏が答える様にそう声を挙げると、其々が交戦を始める。

 

セシリアはグラパール・弾と。

 

鈴はグラパール・蘭と。

 

ラウラは一夏と。

 

楯無は箒と交戦を開始する。

 

「ティトリー! 悪りぃが、お前は先に潰させてもらうぜ!!」

 

「ダンクーガの火力と装甲は厄介だからね」

 

残ったグレンラガンとシャルは、単機での戦闘能力が高いファイナルダンクーガを先に叩こうと突撃する。

 

「ニャニャッ!?」

 

未だ、先程の銃撃から体勢を立て直し切れていないファイナルダンクーガは慌てる。

 

「貰ったぜっ!!」

 

右腕に2本のドリルを出現させ、ファイナルダンクーガにスカルブレイクを咬まそうとするグレンラガン。

 

「!! 神谷! 右!!」

 

しかし其処で、シャルが何かに気付いた様にそう声を挙げる。

 

その次の瞬間!!

 

雪の中から弾丸が飛び出し、グレンラガンに命中する。

 

「!? おうわっ!?」

 

ダメージは其れ程無かったが、バランスを崩して転倒するグレンラガン。

 

「! 今だ!!」

 

その間に、ファイナルダンクーガは態勢を立て直す。

 

「クウッ! 其処ッ!!」

 

其れに歯噛みしながらも、シャルは弾丸が発射された地点に向かって、ガルムの砲弾を撃ち込む。

 

雪原から派手に爆発が上がる。

 

そして、キュイイイィィィィィンッ!と言う音が聞こえて来たかと思うと、雪が弾けて簪が姿を現す。

 

御丁寧にスコープドッグの装甲を雪迷彩にペイントし、脚部に雪中戦用の装備『アイスブロウワー』を装備している。

 

コレは、大型グライディングホイールと、除雪車の様に雪を掻き出す機構を備えるブーツの様な装備であり、雪上でも充分なトラクションを得る事が出来る上に、その特性を活かして、塹壕を掘る様にして雪に潜る事が出来るのだ。

 

「………流石」

 

簪はそう呟くと、牽制する様にヘヴィマシンガンを発砲する。

 

「んなろー! 不意打ちとはやってくれるじゃねえか!!」

 

しかし、グレンラガンは其れを装甲で弾きながら、無理矢理簪に接近する。

 

「…………」

 

簪は、冷静にアイスブロウワーを使い、雪の中へと潜り込む。

 

「うおっと! 逃がすか!!」

 

グレンラガンも、直ぐに右腕をドリルに変えて雪中へ潜行。

 

そのまま、雪中での爆発による雪柱が上がり始める。

 

「神谷!!」

 

直ぐに神谷を援護しようと、ヴェントを構えるシャルだったが………

 

「そうはさせないよ!!」

 

ファイナルダンクーガがダイガンで牽制する!!

 

「クウッ!?」

 

「でやあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

回避行動を取ったシャルだが、回避先を読んでいたファイナルダンクーガは、バーニアを全開に噴かして突撃。

 

そのまま鉄拳を見舞う!

 

「!? キャアッ!?」

 

実体シールドで防御したシャルだったが、ファイナルダンクーガの拳は、実体シールドをまるで豆腐の様に砕いた!

 

「流石、やるね………」

 

「そっちこそね!」

 

2人はそのまま、互いに火器を駆使しての撃ち合いへと突入する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわあ~、皆凄いですね~」

 

「伊達に実戦を経験してはいない、か………」

 

グレン団の模擬戦の様子を見て、真耶と千冬がそう呟く。

 

とその時、千冬の通信機が鳴る。

 

「ムッ? ハイ、此方織斑………空自の北部方面隊司令官?………? 何ですって!?」

 

話している最中に、驚きの声を挙げる千冬。

 

「ど、如何しました!?」

 

「………分かりました。直ぐに対応させます。ハイ、では」

 

驚きの声を挙げる真耶には答えず、千冬は一通りの通信を終えると通信機を切る。

 

「グレン団! 模擬戦を中止して集まれ!! 緊急事態だ!!」

 

そして、直ぐにグレン団の方へと向き直るとそう叫んだ。

 

「あん?」

 

「緊急事態!?」

 

その言葉に、グレンラガンが雪中から姿を見せ、雪上を滑る様に移動していた一夏が立ち止まってそう声を挙げる。

 

他のメンバーにもその声は届き、模擬戦は直ちに中止されるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小1時間後………

 

IS学園の一同が泊まっている大型コテージ………

 

その1室が司令室の様にされ、千冬と真耶、そしてグレン団の一同が集まっていた。

 

「諸君、先ずはコレを見ろ」

 

そう言うと、千冬は一同から見える正面の大型モニターに1枚の航空写真を映し出す。

 

其処には、雪山の中を“何かの資材”を持って移動する………

 

ガンメン部隊とレッドショルダー隊の姿が映っていた。

 

「! ガンメン!」

 

「レッドショルダーも居るわね………」

 

一夏が驚きの声を挙げ、簪もそう呟く。

 

「今朝方、大雪山上空を哨戒飛行していた空自の機体が偶然撮影に成功したものだ。詳細は不明だが、ロージェノム軍は大雪山の山奥に“()()()の機材”を運び込んでいる様だ」

 

「どうせまた、碌でも無え事でも企んでるに決まってらぁ」

 

状況を推測する千冬に、神谷は愚痴る様にそう言う。

 

「何れにせよ、奴等を放置するワケには行かない。グレン団は直ちに大雪山の山奥に向かい、ロージェノム軍の作戦を阻止せよ!」

 

「「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」」

 

千冬の指示に、グレン団の一同は勇ましく返事を返すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、大雪山の山奥深くにて………

 

雪景色の中に溶け込む様に停泊しているダイガンザン。

 

その艦橋にて………

 

「チミルフ様! ブリザード装置が完成したとの報告です!」

 

艦橋要員の獣人の1人が、チミルフに向かってそう報告を挙げる。

 

「おお! 完成したか! 予定よりも早いな!!」

 

その報告に、チミルフはそう言って満足気な様子を見せる。

 

「コレより、テストを開始すると同時に続けて要塞建造に入る、との事です」

 

「良し。コレで大雪山凍結要塞計画は第2段階に………」

 

とチミルフが言い掛けた瞬間、艦橋内に警報が鳴り響く。

 

「!? 何事だ!!」

 

「レーダーが、此方に向かって飛んで来る飛行物体を捉えました! この反応は………!? グレン団です!!」

 

艦橋要員の獣人がそう報告を挙げる。

 

「むう、グレン団め………とうとう我等の存在を嗅ぎ付けたか………」

 

「チミルフ様! 如何為(いかがな)さいますか!?」

 

「慌てるな。丁度良い………()()()()()()()()()()()()ではないか………ブリザード装置! 起動!!」

 

「了解! ブリザード装置、起動!!」

 

チミルフの命令を、艦橋要員の獣人が復唱したかと思うと………

 

ダイガンザンの傍に建造されていた、上部に巨大なラッパの様な放出口が設置されているマシンが稼働を始める。

 

そしてそのラッパの様な放出口から、凄まじい吹雪を放出し始めた!!

 

快晴だった空は、アッと言う間に鈍い鉛色の雲で覆い尽くされ、視界が完全に白く染まる程の吹雪が吹き荒れ始める。

 

「フッフッフッフッ………グレン団よ。今度こそお前達の最期だ。この極寒の吹雪の中で、身も心も凍り付くが良い」

 

不敵な笑みを浮かべて、チミルフはそう言い放つのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

グレン団の一同は………

 

全員がISとグラパールを装着した状態で、上空から一気に大雪山の山奥へと向かっている(飛行不能な簪は、ファイナルダンクーガ(ティトリー)に輸送されている)。

 

「獣人野郎共め。何を企んでるか知らねえが、この神谷様の目が黒い内は好き勝手はさせねえぜ」

 

先頭を飛ぶグレンラガン(神谷)がそう呟く。

 

「アニキ。敵の目的はまだ分かってないんだ。冷静に行動してよ」

 

「分かってるって!」

 

そんな神谷に一夏がそう言うが、グレンラガンは分かっているのかいないのか分からない返事を返す。

 

すると其処で………

 

先程まで快晴だった空が、一瞬で鉛色の曇り空となる。

 

「アラ? おかしいですわねぇ………」

 

「さっきまであんなに晴れてたのに………」

 

と、セシリアと鈴が怪訝な声を挙げた瞬間!!

 

グレン団の一同に、凄まじいブリザードが襲い掛かった!!

 

「ぬわっ!?」

 

「コレは!?」

 

突然のブリザードに、箒とラウラが声を挙げる。

 

その次の瞬間には、ブリザードの所為で至近距離に居る()の互いの姿まで確認し難くなる。

 

「コ、コレは………只の吹雪じゃないわよ!?」

 

「まさか………ロージェノム軍の新兵器………?」

 

「と、飛ばされる~!?」

 

楯無と簪がそう推測を述べ、ファイナルダンクーガが吹き飛ばされそうになりながらも必死に耐えている。

 

「!? キャアッ!!」

 

「!? 蘭!!」

 

吹き飛ばされそうになったグラパール・蘭の手を、間一髪摑む事に成功するグラパール・弾。

 

「チクショーが! 舐めやがって!!」

 

「神谷! 一旦退こう!! この状況で進むのは無理だよ!!」

 

必死に前に進もうとしているが、徐々に押し戻されているグレンラガンに向かって、シャルがそう言う。

 

だが次の瞬間、更に凄まじい突風が吹き荒れた!!

 

「「「!? うおわあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!?」」」

 

「「「「「「「「「キャアアアアアアァァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」」」」」」」」」

 

とうとうグレン団の一同は、飛行を維持できずに墜落して行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダイガンザン・艦橋………

 

「チミルフ様! レーダーからグレン団の反応が消えました!!」

 

「ふむ、墜落した様だな。ブリザード装置………予想以上の威力だ」

 

艦橋要員の獣人からそう報告を聞いたチミルフは、満足気にそう言う。

 

「このブリザード装置により、大雪山を常に吹雪に包まれた極寒の地へと変え、その中に我等の要塞を建設する! 強烈な吹雪により誰も近付けぬ要塞と化した大雪山を拠点に、先ず北海道を制圧! 然る後に日本全土を制圧してくれるわ!!」

 

「グレン団への追撃部隊を出しますか?」

 

「当然だ! 奴等は我等のブリザード装置の吹雪で参っている。このチャンスを逃す手は無い! 直ちに部隊を送り込め!!」

 

「ハッ! 了解しました!!」

 

墜落したグレン団への追撃部隊を送り込む事を指示するチミルフ。

 

其れが伝わるや否や、ダイガンザンから大量のガンメン部隊と寒冷装備のレッドショルダー達が出撃を始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、吹雪によって墜落したグレン団の一同は………

 

「………ブハッ!!」

 

雪の中から、一夏がモグラの様に顔を出す。

 

「一夏! 無事だったか!?」

 

其れに気付いたグラパール・弾が声を掛ける。

 

近くには、他にも箒・セシリア・鈴・ラウラ・楯無・簪・ファイナルダンクーガ・グラパール・蘭の姿が在る。

 

「弾! 皆! 此処は………?」

 

一夏は、状況を確認しようと周りを見回す。

 

如何やら、吹雪が吹いている地点から弾き飛ばされたらしく、山の斜面となっている場所に墜落した様だった。

 

やや離れた場所では、未だに吹雪が吹き荒れている様子が見える。

 

「如何やら、彼処から弾き出された様だな………」

 

「あ~、酷い目に遭ったよ~」

 

吹雪が吹き荒れている地点を見ながらそう言うラウラと、身体とISに付いた雪を払っている楯無。

 

「やっぱり………あの吹雪はロージェノム軍の仕業なのか?」

 

「ん? オイ!! シャルロットと神谷は如何した!?」

 

と、一夏がそう呟いた瞬間、箒がシャルと神谷の姿が無い事に気付く。

 

「えっ!?」

 

「ま、まさか!?」

 

其れを聞いた途端、一夏は驚きの声を挙げ、グラパール・蘭が慌てた様子を見せる。

 

「落ち着いて………ISとグレンラガンのビーコンを確認したわ………ココから直ぐ近くよ」

 

しかしそこで、簪がそう言い放つ。

 

「何だ、良かった………」

 

「全く、人騒がせなんだから。あの2人は」

 

「シャルロットさんは兎も角、神谷さんは“何時もの事”ですが………」

 

ファイナルダンクーガが安堵の声を挙げると、鈴とセシリアが愚痴る様にそう呟く。

 

「兎に角、迎えに行こうぜ」

 

其処でグラパール・弾がそう言い、一同は神谷とシャルを迎えに出る。

 

しかし………

 

其処で一夏達は、思わぬ事態を知る事となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グレンラガンとシャルのISのビーコンが発せられている地点………

 

「この辺りの筈だけど………」

 

ターレットレンズを切り替えながら、グレンラガンとシャルの姿を探す簪。

 

「誰も居ないけど………」

 

「でも確かに、反応は()()()()()()()ね………」

 

ファイナルダンクーガが、周囲に誰も居ないのを見てそう言うが、楯無がそう言い返す。

 

「………!! まさか!?」

 

と一夏が何かを思い付き、足元の雪を掘り返し始めた!

 

「一夏?」

 

「如何したんだ、いきなり?」

 

箒とグラパール・弾が怪訝な顔をするが、一夏は構わず雪を掘り続ける。

 

すると………

 

「!! やっぱり………」

 

不意に、驚愕の表情を浮かべて固まった。

 

その視線の先には、雪の中に埋もれた………

 

()()()()()ラファールとコアドリル”が在った………

 

「!? 其れは!?」

 

「ま、まさかシャルロットさん達!?」

 

其れを覗き込んだラウラとグラパール・蘭が驚きの声を挙げ、他の一同も驚愕を露にする。

 

「マズイ………アニキとシャルが………遭難した!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃………

 

その神谷とシャルは………

 

未だに吹雪の吹き荒れている地点の中に居た。

 

「…………」

 

頭から雪の中に突っ込み、まるで“犬神家の一族(犬神 佐清)”の様な状態になっている神谷。

 

その状態で、ドンドンと雪が降り積もって行くが………

 

やがて爪先がピクピクと動き出したかと思うと………

 

「………ブハッ!!」

 

勢い良く雪を巻き上げて、神谷が起き上がる。

 

「イテテテテ………チキショー! やってくれやがったなぁ」

 

頭をぶつけたのか、頭部を擦りながら愚痴る様にそう言う。

 

其処へ更に吹雪が吹き付けて来る。

 

「うおっ!? チイッ! 北極圏も南極圏も行った事有るから寒さは平気だが、こんなトコでグズグズしてらん無えな………」

 

サラッと凄い事を言いながら、神谷はコアドリルを取り出そうとする。

 

しかし………

 

「!? 無え!! コアドリルが無え!?」

 

慌てて身体の彼方此方を探り始めるが、コアドリルは何処にも無い。

 

「さっきブッ飛ばされた時か!? クッソー! ツイて無えなぁ!!」

 

地団駄を踏む神谷。

 

と、その時………

 

「う………ううう………」

 

雪の中から、呻き声の様な声が聞こえて来る。

 

「!? 今の声は………シャルか!?」

 

神谷はその声がシャルのものである事に気付くと、直ぐ様辺りの雪を掘り返し始める。

 

「シャルゥ! 何処だぁ!?」

 

叫びながら、雪を掘り返しまくる。

 

すると其処で、雪の中に白い手を発見する。

 

「!! シャル!!」

 

直ぐにその手を取ると、一気に引き上げる神谷。

 

すると、ISスーツ姿で雪塗れになり、青い顔でガタガタと震えているシャルが姿を現す。

 

「シャル! オイ、シャル!! しっかりしろ!!」

 

神谷は慌てて抱き抱えると、頬を叩きながら、意識をハッキリとさせようとする。

 

「う………あ………神………谷………?」

 

「オイ! しっかりしろ!! 大丈夫か!?」

 

「さ………寒いよ………其れに………凄く………眠い………」

 

「馬鹿野郎! 寝るな! 寝たら死ぬぞ!!」

 

慌てて自分のマントと上着を脱ぐと、其れでシャルを包み込む神谷。

 

「気をしっかり保て! 直ぐに山を下りて………!?」

 

上着とマントで包んだシャルを抱き上げて下山を試みようとしたが、何かの気配を感じて近くに在った林の中へと隠れる。

 

現れたのは、寒冷装備をしているガンメン部隊とレッドショルダー部隊だった。

 

「居たか!?」

 

「いや、コッチには居ない!」

 

「良し! 向こうを探せ!!」

 

そう言い合うと、別の場所へと向かう寒冷装備をしているガンメン部隊とレッドショルダー部隊。

 

「アイツ等………俺達を探してやがるのか?」

 

「ううう………」

 

それを見た神谷がそう呟くが、その間にもシャルはドンドンと顔色を悪くし、唇まで紫色になりながらガタガタと震える。

 

「クソッ! 急いで山を下りなきゃならねえってのに………シャル。もう一寸だけ我慢しろよ」

 

そんなシャルに向かってそう言うと、神谷はロージェノム軍の目を掻い潜りながらの下山を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北海道は大雪山に要塞を構えようと企むロージェノム軍。

 

その野望に気付き、阻止に向かったグレン団の内、神谷とシャルは………

 

敵の新兵器『ブリザード装置』により………

 

大雪山の山中で孤立してしまう。

 

果たして、2人はロージェノム軍の包囲網を突破出来るのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

ロージェノム軍の存在に気付いたグレン団。
すぐさま大雪山へ向かうものの、ブリザード装置によってふきとばされてします。
更に、運が悪い事に神谷とシャルが遭難。
果たして、2人はロージェノム軍の追撃をかわす事が出来るのか?

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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