天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第90話『如何やら無事の様だな、天上 神谷』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第90話『如何やら無事の様だな、天上 神谷』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大雪山に凍結要塞を築こうとしているロージェノム軍の陰謀を察知したグレン団。

 

直ちに大雪山の山奥へと出撃するが、敵の新兵器『ブリザード装置』により、神谷とシャルが雪山の中で遭難してしまう。

 

必死に追手を掻い潜り、凍え死にそうなシャルを連れて、山中に在った山小屋へと避難した我等が神谷。

 

しかし、追手は追撃の手を緩めず、凍え死にそうなシャルを助ける為に暖を取っていた山小屋は、忽ち包囲されてしまう。

 

神谷は、回復したシャルを逃がす為………

 

1人、ロージェノム軍の前にその身を晒す。

 

そしてその頃、一夏達は………

 

神谷とシャルの姿を探し、途中で敵に遭遇しながらも、必死で大雪山を登っていたのだった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大雪山を登る一夏達………

 

山の奥へ奥へと入り込む程、吹雪は厳しさを増し、人工的に作られているとは言え、自然の猛威が襲い掛かる。

 

「クソッ! 吹雪が増す一方だな!」

 

「このままでは、ISのハイパーセンサーと言えど何れ機能しなくなるぞ」

 

厳しい吹雪に一夏が愚痴る様に言うと、箒もそんな声を挙げる。

 

「うん?」

 

すると其処で突然、ファイナルダンクーガ(ティトリー)が足を止めた。

 

「? 如何したんですか? ティトリーさん?」

 

「何か………聞こえなかった?」

 

グラパール・蘭が尋ねると、ファイナルダンクーガはそう返す。

 

その言葉で、全員が耳を澄ませる。

 

「………何も聞こえないけど………?」

 

と、鈴がそう言った瞬間!

 

吹雪の豪風の中でもハッキリと聞こえる程の爆発音が聞こえて来た!!

 

「「「「「「!!」」」」」」

 

「アッチだ!!」

 

一同は驚きを露わにし、グラパール・弾が爆発音が聞こえて来た方向を指差す。

 

「………急ごう」

 

と、先頭を行っていた簪がそう呟くと、スピードを上げて、爆発音が聞こえて来た方向へと進む。

 

(アニキ!)

 

(シャル!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その頃………

 

山小屋を脱出したシャルは………

 

「ハア………ハア………急いで………皆に………知らせないと………」

 

吹き(すさ)ぶ吹雪の中を、ISスーツの上に神谷の上着とマントを羽織って、必死に下山していた。

 

時折、神谷がガンメン部隊やレッドショルダー部隊を惹き付けて行った方角から、爆発音が聞こえて来る。

 

「神谷………」

 

一瞬、その方角を振り返りながらも、下山の足を止める事無く歩き続ける。

 

と其処で………

 

背後の方から、雪の上を滑る様な音と、キュイイイィィィィィンッ!と言う甲高い機械音が聞こえて来る。

 

「!?」

 

シャルが再び背後を振り返ると………

 

「居たぞ! 彼処だ!!」

 

「逃がすなぁっ!!」

 

専用のスキーを履いて、雪上を滑って来るガンメン部隊と、簪と同じ様に脚部にアイスブロウワーを装備しているレッドショルダー達が、シャルを追い掛けて来た!!

 

「! 見付かった!!」

 

数はそれ程多く無いが、生身では為す術が無く、粉雪を舞い上げながら、シャルは必死になって走り出す。

 

「逃がすかっ!!」

 

「死ねぇっ!!」

 

逃がさんとばかりに、1体のメズーが左腕のガトリング・ガン、レッドショルダーの1人がブラッディライフルを発砲する。

 

曳光弾が光の尾を曳きながら、逃げるシャルの近くの雪原を耕すかの様に着弾する。

 

「!? うわっ!?」

 

至近距離での被弾に驚き、シャルは転んでしまう。

 

「クウッ!」

 

しかし、雪塗れになっても直ぐに起き上がり、また走り出す。

 

「チイッ! 未だ逃げる積りか!?」

 

「退けぇっ! 私が片付けてやる!!」

 

すると其処で、ショルダーミサイルガンポッドを持ったレッドショルダーが、シャルをロックオンする。

 

「粉々になりやがれぇっ!!」

 

そして引き金を引こうとしたその瞬間!!

 

発砲音と共に、1発の弾丸がレッドショルダーが持ったショルダーミサイルガンポッドに直撃!!

 

ミサイルが暴発し、レッドショルダーは炎に包まれる!!

 

「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」

 

そのまま自爆装置が作動し、木端微塵となるレッドショルダー。

 

「何っ!?」

 

ガンメン部隊の部隊長が驚きの声を挙げると………

 

「…………」

 

シャルが向かって居た方向の雪中から、簪が飛び出して来る!!

 

「シャル!!」

 

「シャル! 大丈夫!?」

 

続いて飛び出して来た一夏とファイナルダンクーガ(ティトリー)が、シャルを守る様に展開し、他のメンバーも即時展開する。

 

「! グレン団!!」

 

「オノレェ! 撃て撃てぇーっ!!」

 

グレン団の姿を確認したガンメン部隊とレッドショルダー部隊は、即座に弾幕を展開する。

 

「シャル! コレ!!」

 

其処で、ファイナルダンクーガがシャルを守りつつ、待機状態のラファールを差し出す。

 

「ありがとう! ラファール!!」

 

其れを受け取ると、直ぐにラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡを展開させる。

 

「良くも今まで好き勝手にやってくれたね! お返しだよ!!」

 

両手にヴェントを出現させると、弾幕を張っていたガンメン部隊とレッドショルダー部隊に応戦するシャル。

 

「喰らえッ!」

 

「其処です!!」

 

更に、箒やセシリア達も、射撃武器で攻撃を開始する。

 

忽ち、グレン団側の火力がガンメン部隊とレッドショルダー部隊を圧倒。

 

次々にガンメンとレッドショルダー達は爆散して行く。

 

「うおおおっ!?」

 

退()け! 退けぇっ!!」

 

全滅寸前になったところで、僅かに残っていた連中は慌てて引き上げて行くのだった。

 

「シャルロットちゃん! 大丈夫!?」

 

「怪我は無いか?」

 

其処へ、楯無とラウラがそう言いながらシャルの傍に寄り、他のメンバーも集まって来る。

 

「うん、僕は大丈夫だよ! それより、早く神谷を!!」

 

「! アニキが如何かしたのか?」

 

シャルの言葉に、グラパール・弾がそう尋ねる。

 

「僕を逃がす為に、囮になってガンメンとレッドショルダーを惹き付けてるんだ!!」

 

「何だって!?」

 

「あの馬鹿! また無茶して!!」

 

「………急ぎましょう」

 

一夏が驚きの声を挙げ、鈴が愚痴る様にそう叫ぶと、簪が再びアイスブロウワーで塹壕を作りながら進み出す。

 

他のメンバーも、その塹壕を通って後に続くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その神谷は………

 

「おうわっ!?」

 

至近距離に着弾したミサイルの爆風に吹き飛ばされ、雪斜面を転がって行く神谷。

 

「でぇっ! チキショウが!!」

 

雪塗れになりながらも直ぐに起き上がり、再び走り出す。

 

「逃がすなぁ!!」

 

「殺せ! 殺すんだ!!」

 

斜面の上に出現したガンメン部隊とレッドショルダー部隊が、神谷目掛けて銃弾やロケット弾、ミサイルにビームを見舞う。

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」

 

至近距離で火柱が上がる中を、神谷は雪に足を取られそうになりながらも、必死に走り抜けて行く。

 

「この野郎!!」

 

と、やられてばかりで居られるか!と、神谷は一瞬振り返り、手に持っていた薪割り用の斧をガンメン部隊とレッドショルダー部隊目掛けて投げ付けた!!

 

投げられた斧は、回転しながらガンメン部隊の中のアガーの脳天に命中!!

 

「アガッ!?」

 

脳天を叩き割られたアガーは、そのままバタリと倒れる。

 

「んおっ!? オノレェッ!!」

 

しかし、益々ガンメン部隊の怒りを買ってしまい、カノン・ガノンがキャノン砲を発射する。

 

「!? おうわぁっ!?」

 

着弾した際の爆風で吹き飛ばされ、雪の上に倒れる神谷。

 

「今だ! 取り囲め!!」

 

その隙を見逃さず、ガンメン部隊とレッドショルダー部隊は直ぐに神谷を取り囲む様に展開する。

 

「チッ! 一丁(いっちょ)前に知恵働かせやがって………」

 

「終わりだ、天上 神谷!」

 

「貴様の首をロージェノム様への捧げ物としてくれるわ!!」

 

悪態を吐く神谷に向かって、ガンメン部隊とレッドショルダー部隊は一斉に武器を向ける。

 

「!!」

 

「死ねぇっ!!」

 

そして引き金が引かれる………

 

かと思われた瞬間!!

 

「ハアッ!!」

 

突如、掛け声と共に一同の上空に1つの影が踊り出る。

 

「!?」

 

「!? 何っ!?」

 

「ハアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

神谷とガンメン部隊にレッドショルダー部隊が驚いていると、その影からクナイの様な物が次々に投擲される。

 

そのクナイが、ガンメン部隊とレッドショルダー部隊に刺さったかと思うと、次々に爆発する。

 

「「「「「グアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」」」」」

 

「「「「「ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!?」」」」」

 

「ハアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

断末魔が次々に挙がる中でも、影は攻撃の手を緩めず、次々にクナイを投擲し、ガンメン部隊とレッドショルダー部隊を倒して行く。

 

アッと言う間に、神谷の周りはガンメンとレッドショルダーの残骸の山だけとなった。

 

「スゲェ………」

 

爆風を避ける為に伏せていた神谷が起き上がると、周りを見回してそう呟く。

 

そんな神谷の眼前に、影が舞い降りて来る。

 

「!?」

 

「如何やら無事の様だな、天上 神谷」

 

身構える神谷だったが、影の正体は………シュピーゲルを装着しているシュバルツだった。

 

「! シュバルツ・シュヴェスター!! お前か!!」

 

「全く、お前と言い、一夏と言い………本当に世話が焼ける」

 

珍しく、シュバルツは愚痴る様にそう言う。

 

と其処へ………

 

「神谷~~~っ!!」

 

「アニキ~~~~~っ!!」

 

シャルと一夏の声が聞こえて来たかと思うと、簪を先頭に雪を掻き分けながら進んで来るグレン団の姿が見えて来た。

 

「おお! シャル! 一夏! 此処だあぁ~~~っ!!」

 

其れを見た神谷は、手を上げて振りながら呼び掛ける。

 

程無くして、グレン団の一同は神谷とシュバルツの前に辿り着く。

 

「神谷!」

 

「アニキ! 良かった、無事で………」

 

「当たり前ぇよ! 俺を誰だと思ってやがる!!」

 

心配そうに声を掛けて来たシャルと一夏に、神谷はお馴染みの台詞を返す。

 

「って、言うか、アンタ寒くないの?」

 

「現在の気温、(マイナス)10℃ですわよ………」

 

其処で、鈴とセシリアが上半身(サラシ)だけ、防寒着も着ていない神谷の姿を見てそう尋ねる。

 

「へっ! これぐらいの寒さ、気合が有りゃ如何にでもなる!!」

 

「うおおおっ! 流石アニキ!!」

 

「いやいやいや! 普通は如何にかならないわよ!!」

 

神谷の言葉に、グラパール・弾が感動している様子を見せるが、グラパール・蘭はそうツッコミを入れる。

 

「成程………コレが所謂、日本の故事で言うところの『馬鹿は風邪を引かない』か」

 

一寸(ちょ~っと)違う気もするけど………大体合っているわね」

 

またクラリッサ経由の()()を持ち出すラウラに、神谷の姿の様子を見ながら呆れている様を見せる楯無。

 

「………シュバルツ・シュヴェスター」

 

「貴方も来ていたのですか?」

 

そんな中で、簪と箒は、シュバルツに声を掛ける。

 

「グレン団。ロージェノム軍はこの先に要塞を建造しようとしている。その要塞を足掛かりに北海道を制圧………延いては日本を制圧する積りだ」

 

「ニャンと!?」

 

シュバルツがグレン団に向かってそう言い放つと、ティトリーから驚きの声が挙がる。

 

「この吹雪は、奴等の新兵器・ブリザード装置によって起きている」

 

「ブリザード装置?」

 

「人工的に吹雪を発生させる事が出来るマシンだ。大雪山要塞の守りの要だ」

 

「成程………山の中に要塞なら地上からの攻撃には強いけど、空からの攻撃には弱い………けれど吹雪によってそれを封じるって事ね」

 

楯無がそう推察する。

 

「急げ! 奴等の思い通りにさせてはイカン!!」

 

シュバルツはそう言い放つとその場で回転し、雪の中へと潜って消えた。

 

「あ! 一寸!!」

 

「相変わらず自分の言いたい事だけ言って去って行ったね………」

 

そんなシュバルツの姿に、シャルがツッコミを入れるかの様にそう言い放つ。

 

「シャル! 今はそんな事より! ロージェノムの野郎の企みを阻止すんのが先だ!!」

 

しかし其処で、神谷がそう言い放つ。

 

「! そうだね」

 

「アニキ! コレ!!」

 

そして一夏が、神谷にコアドリルを手渡す。

 

「おう、サンキュー、一夏………グレンラガン! スピンオンッ!!」

 

コアドリルを受け取った神谷は、直ぐ様グレンラガンの姿となる。

 

「よおし! 行くぜお前等!!」

 

「でも、如何するの神谷くん? この吹雪じゃ空から行くのは無理だよ?」

 

グレンラガンがそう言うと、楯無がそう言い返すが、

 

「忘れたのか? 俺達には………『コイツ』が有るだろう!」

 

すると其処で、グレンラガンはドリルとなっている右腕を見せるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大雪山の山奥………

 

建設中の要塞の傍に停泊しているダイガンザンの艦橋にて………

 

「追撃部隊がやられただと!?」

 

「は、ハイ! その様です………」

 

チミルフの声に、おっかなびっくりと言った様子で返事を返す艦橋要員の獣人。

 

「うぬぅ………グレンラガンにグレン団め………つくづく此方の予想を上回る事をしてくれるわ」

 

「ど、如何しますか? チミルフ様?」

 

「慌てるな。例え追撃部隊を切り抜けようと、ブリザード装置が吹雪を発生させている限り、この要塞とダイガンザンには近付けんわい!」

 

不安気な艦橋要員の獣人に向かって、チミルフは自信満々にそう返す。

 

「そ、そうですね………幾らグレン団の連中でも、この吹雪の中を………」

 

と、艦橋要員の獣人がそう言った瞬間!!

 

突然ダイガンザンに振動が走り、大きく傾いた!!

 

「「「うわああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!?」」」

 

「ぬおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!?」

 

艦橋要員の獣人達が持ち場の席から転がり落ち、チミルフも落ちそうになったが踏ん張る。

 

「な、何事だ!?」

 

[こ、こちら第三艦橋! ダイガンザンの真下地面が突然陥没しました!!]

 

チミルフがそう言うと、第三艦橋からそう報告が入って来る。

 

「陥没だと!?」

 

チミルフがそう叫んだ瞬間!

 

今度は建造中の要塞の方から、次々と爆発が上がり始める!!

 

「!? 要塞が!?」

 

[こちら要塞建設班! 敵襲です! グレン団の連中が地中から………!? うわあああぁぁぁぁーーーーーッ!?]

 

要塞の建設をしていた獣人から報告が入るが、爆発音が聞こえて来たかと思うと、通信機はノイズしか送って来なくなる。

 

「地中だと!? しまった!! グレンラガンの武器が()()()である事を失念しておった!!」

 

そう言っている間にも、要塞からは次々に火柱が上がって行き、とうとう大爆発を起こして木端微塵に消し飛んだ!!

 

更に、爆発した際にブッ飛んだ破片が、ブリザード装置に次々に命中。

 

ブリザード装置はスパークを発したかと思うと、そのまま停止する。

 

程無く、アレ程までに荒れ狂っていた大雪山の吹雪が、ピタリと収まる。

 

「オ、オノレエエエエエェェェェェェーーーーーーーッ!! グレンラガン!! グレン団めぇ!!」

 

「チミルフ様! グレン団の連中がコチラに乗り移って来ます!!」

 

と、チミルフが怒りの声を挙げると、如何にか自分の席へと戻った艦橋要員の獣人がそう報告を挙げる。

 

見れば、正面モニターには次々にダイガンザンの甲板へと乗り移って来るグレン団メンバーの姿が映っている。

 

「このダイガンザンまで落とそうという腹か! 小癪な!! 何をしておる!! 早く艦体を立て直さんかぁ!!」

 

「ハ、ハイ!!」

 

他の艦橋要員の獣人達も慌てて自分の席へと戻り、ダイガンザンの艦体を立て直し始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ダイガンザンの甲板へと飛び乗ったグレン団は………

 

一気に艦橋を制圧しようと甲板上を走っていたところ、突如として振動が走り始める。

 

「!? うおっと!?」

 

「キャアッ!?」

 

その震動に足を止めるグレン団。

 

中には尻餅を衝いてしまう者も居た。

 

振動は徐々に激しさを増して行き、傾いて擱座していたダイガンザンが、地響きを立てる様にして起き上がり始める。

 

「野郎! 動き出したか!!」

 

グレンラガンがそう言った瞬間、ダイガンザン艦橋下の格納庫ハッチが開く。

 

「グレンラガン! 覚悟ぉっ!!」

 

「よくもチミルフ様の作戦を邪魔してくれたなぁ!!」

 

そして、次々にガンメン達が出撃して来る。

 

「おうおうおう! またゾロゾロと来やがったな!!」

 

「全部叩き潰してやる!!」

 

そう言って指の骨を鳴らすグレンラガンと、エネルギーの刃を展開させた雪片弐型を構える一夏。

 

すると………

 

「グレンラガン!!」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

突如上から降って来た声に、グレン団の一同が見上げると………

 

其処には、ダイガンザンの艦橋の上に立つ、白い人型に近い姿をして、右手に槍を握っているガンメンの姿が在った。

 

「テメェは!?」

 

「螺旋四天王が1人、チミルフ! またの名を『怒涛のチミルフ』!! そしてコイツは我がガンメン! 『ビャコウ』よ!!」

 

グレンラガンが問い質すと、その白いガンメン………

 

チミルフのカスタムガンメン・『ビャコウ』がそう言い放つ。

 

「四天王もガンメンを持っていたのか!?」

 

「オイ、何だか強そうだぜ?」

 

その姿を見た一夏とグラパール・弾がそんな事を言い合う。

 

「ヘッ! 四天王が出て来たんなら好都合だ!! ココでブッ倒してやらぁ!!」

 

しかしグレンラガンは、逆に闘志を燃え上がらせる。

 

「行くぞぉ! グレンラガァンッ!!」

 

其処でビャコウは艦橋から跳躍し、槍の先端にビーム刃を出現させると其れを構え、グレンラガン目掛けて降下して来る。

 

「上等だぁっ!!」

 

グレンラガンも、グレンブーメランを右手に握り、迎え撃つかの様に跳躍。

 

「ぬあああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

 

「おりゃああああああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

両者はそのまま、空中で鍔迫り合いに突入する。

 

「アニキ!!」

 

「神谷!!」

 

一夏とシャルが、援護に向かおうとするが、

 

「チミルフ様の勝負の邪魔はさせん!!」

 

「ダイガンザン! 奴等を振り落とせ!!」

 

ガンメン部隊が立ち塞がり、更にはダイガンザンの腕が、一夏達を払い落とそうと伸びて来る。

 

「!? うわっ!?」

 

「危ねっ!?」

 

慌てて飛び上がり、空中へと退避するシャルと一夏だったが、その瞬間に今度はダイガンザンの艦体の彼方此方に多数装備されていた副砲が対空砲火を撃ち上げて来る。

 

「!? くうっ!!」

 

「クソッ! 空は駄目だ!!」

 

実体シールドと雪羅のバリアで防ぎながら、慌ててシャルと一夏は再び甲板に着地するが………

 

「その白いボディをボコボコにしてやるぜ!!」

 

「所詮は量産機に毛が生えた程度だろうが!!」

 

そうすると再びガンメン部隊と、ダイガンザンの腕での攻撃が襲って来る。

 

「うわっ!? 地上も駄目かよ!?」

 

「クウッ! 甲板から突入しようとしたのは失敗だったわね!!」

 

一夏がそう声を挙げると、楯無からもそんな声が挙がる。

 

見れば、他のメンバーも同じ様な状況にあり、タコ殴り状態であった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ビャコウと激突したグレンラガンは………

 

「おりゃああっ!!」

 

「ぬううっ!?」

 

鍔迫り合いに押し勝ち、ビャコウを弾き飛ばすグレンラガン。

 

弾き飛ばされたビャコウは宙返りしながら、再びダイガンザンの艦橋上に着地する。

 

「よ、っと!」

 

グレンラガンも、それに合わせる様に反対側へと着地する。

 

「喰らえいっ! コォンデムゥゥゥ! ブレェェェェェイズッ!!」

 

と、ビャコウがそう叫び、槍の先端をグレンラガンに向けたかと思うと、其処からビームを放って来た!!

 

「!? おうわっ!?」

 

グレンラガンは身を翻す様にして躱す。

 

外れたビームは、雪山の斜面に命中。

 

大爆発が起こり、雪が一瞬で蒸発して、焼け焦げた山肌が露わになる。

 

「オイオイ………大した威力じゃねえか」

 

「ならば、今度は貴様自身の身体で味わってみろぉ!!」

 

そう言い放つグレンラガンに、ビャコウは再び断罪の焔(コンデム・ブレイズ)を放つ。

 

「何のぉ!! キラーレーザーッ!!」

 

しかし対抗するかの様に、グレンラガンはボディの顔の目からキラーレーザーを発射。

 

断罪の焔(コンデム・ブレイズ)とキラーレーザーは正面からぶつかり合い、そのまま爆発する!!

 

「ぬおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」

 

その爆発の爆煙を突っ切って、ビャコウが飛び出して来る。

 

「セイセイセイセイセイイイイイイイィィィィィィィィーーーーーーーーーッ!!」

 

そして、槍を両手で握っての連続突きを繰り出して来る。

 

「おっ! ほっ! よっ!」

 

その連続突きを、カンフー映画の様な動きで避けまくるグレンラガン。

 

「フンッ! 何時まで避けられるかな!!」

 

だが、ビャコウの連続突きは途絶える事無く、寧ろ更にスピードが上がって行く。

 

(チキショー! 得物が長くて近寄れねえ!!)

 

内心でそう思いながら、グレンラガンは何か手は無いかと考えを巡らせる。

 

と、その時!!

 

艦橋の上に積もっていた雪に足を取られ、グレンラガンは転倒する!!

 

「!? おわっ!?」

 

「貰ったぞぉ!!」

 

その隙を見逃さず、ビャコウは槍の先端のビーム刃の出力を最大にし、倒れたグレンラガン目掛けて渾身の突きを繰り出す!

 

「!?」

 

「終わりだ! 破軍の刃槍(アルカイド・グレイヴ)!!」

 

ビャコウの槍が、グレンラガンの身体を貫く!!

 

「むんっ!!」

 

………かに思われた瞬間!!

 

何とグレンラガンは、ビーム刃を両手で挟み込むようにして受け止めた!!

 

「!? 何っ!?」

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

ビームの刃を受け止めている為、グレンラガンの掌からは黒煙が上がり始めるが、構わずビャコウを槍ごと投げ飛ばす!!

 

「ぬおおおっ!? チイッ!!」

 

投げ飛ばされたビャコウは、受け身を取って着地する。

 

「アッチチチチチチチチチッ!」

 

グレンラガンはビーム刃を押さえ付けた両手を、慌てて雪の中へと突っ込む。

 

「お~、助かった~」

 

「オノレェ………本当につくづく読めん男だ。天上 神谷!!」

 

そんなグレンラガンの姿に、ビャコウは苛立ちを募らせる。

 

「へっ! 当たり()ぇよ! お前の様な獣人に、この神谷様の男意気が分かるかよ!!」

 

「ええい! 目障りだ!!」

 

ビャコウは、再びグレンラガンに槍の先端を向け、断罪の焔(コンデム・ブレイズ)を放とうとする。

 

「させるかぁ!!」

 

ビームが発射される前にケリを着けようと思ったのか、ビャコウ目掛けて突撃するグレンラガン。

 

「馬鹿め! 遅いわぁ!!」

 

だが間に合わず、断罪の焔(コンデム・ブレイズ)が発射される。

 

一直線にグレンラガンに向かう断罪の焔(コンデム・ブレイズ)。

 

あわや直撃かと思われた瞬間!!

 

「おりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

グレンラガンは右腕にギガドリルを出現させ、眼前まで迫って来ていた断罪の焔(コンデム・ブレイズ)にぶつける!!

 

「!? 何だと!?」

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

そしてギガドリルに、断罪の焔(コンデム・ブレイズ)が吸い取られて行く。

 

「馬鹿な! 断罪の焔(コンデム・ブレイズ)が!?」

 

「喰らえぇっ! ギガァッ……!! ドリルゥゥゥッ…! ブレエェェェェェイクッ!!」

 

断罪の焔(コンデム・ブレイズ)のエネルギーを吸収したギガドリルブレイクを、ビャコウ目掛けて繰り出すグレンラガン。

 

「!? ぬおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーっ!!」

 

直撃を受けたビャコウは、空高く弾き飛ばされる。

 

そしてグレンラガンがポーズを決めると、その背後にドサリと落ちた。

 

「ぐぐぐぐ………オノレェ………」

 

だが、流石は四天王と名乗るだけはあり、ギガドリルブレイクを喰らっても尚立ち上がる。

 

「チッ! しぶてぇ野郎だぜ!!」

 

グレンラガンがそう言って、ビャコウに向き直った瞬間!

 

ダイガンザンのカタパルトアームの付け根から爆発が上がった!!

 

「!? 何だ!?」

 

「はは~ん? 一夏達だな」

 

驚くビャコウと、直ぐに一夏達の仕業だと察するグレンラガン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その推察は当たっており、時を遡る事10数分前………

 

「うおおっ!?」

 

カタパルトアームの薙ぎ払う様な攻撃を、一夏は紙一重で躱す。

 

「喰らえぇっ!!」

 

だが其処へ、ゴズーが放ったミサイルが襲い掛かる。

 

「!?」

 

「一夏!!」

 

しかしラウラが間に割って入り、AICでミサイルを止める。

 

「其処っ!!」

 

そしてミサイルを放ったゴズーを、セシリアがスターライトmk-Ⅲで撃ち抜く!

 

「死んじゃうのねーっ!?」

 

「助かったぜ、ラウラ。セシリアも」

 

「しかし、一夏! このままでは何れ全滅するぞ!!」

 

「そうですわ! せめて、あの戦艦の腕を如何にかしないと!!」

 

2人に礼を言うと、そんな言葉を返して来る。

 

先程から、グレン団はダイガンザンのカタパルトアームの攻撃に度々晒されており、其れがネックとなって苦戦を強いられていた。

 

ガンメンの攻撃に注意しながらカタパルトアームを避ける事は難しく、更にカタパルトアームから片付けようと飛行すると、副砲での対空砲火に曝される。

 

正に八方塞がりである。

 

(確かにこのままじゃ………)

 

と其処で、一夏はダイガンザンを見上げる。

 

(………やってみるか)

 

すると、何を思ったのか突然動きを止め、その場に棒立ちとなる。

 

「!? 一夏!? 何をやっている!?」

 

「一夏さん!?」

 

「馬鹿! アンタ死にたいの!?」

 

突然動きを止めた一夏に、箒、グラパール・蘭、鈴からそんな声が飛ぶ。

 

「観念したのか!? ダイガンザン! 奴を叩き潰せ!!」

 

ダイガンザンはそんな一夏を格好の標的と思い、左のカタパルトアームを思いっきり振るう!!

 

「南無三!!」

 

何処ぞの聖戦士の様な台詞を叫んだ瞬間、一夏の姿はカタパルトアームに薙ぎ払われる様に()()()

 

「! 一夏ぁっ!!」

 

箒が悲鳴の様な声を挙げるが………

 

「!? 一寸! アレ見て!!」

 

ファイナルダンクーガ(ティトリー)が何かに気づいた様に、振り切られたカタパルトアームを指差してそう叫ぶ。

 

「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

一同が注目すると、其処には………

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

カタパルトアームにへばり付いている一夏の姿が在った!

 

「一夏!?」

 

「何て無茶を………」

 

箒が驚きの声を挙げ、楯無が呆れる様に呟く。

 

「根性! 根性! ド根性おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

一夏はそう叫び声を挙げると、カタパルトアームの上を這う様にして、アームの付け根へと向かって行く。

 

ダイガンザンは、一夏を振り落とそうと腕を振り回す。

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

だが一夏は必死にへばり付き、徐々にアームの付け根へと近付いて行く。

 

すると、ダイガンザンは一夏を叩き潰そうと、もう片方のカタパルトアームを振り上げる。

 

「!! やらせん!!」

 

其処へ、箒が紅椿のビットを射出!!

 

ビットは、一夏を潰そうとしていたカタパルトアームの掌に突き刺さり、カタパルトアームを持ち上げる。

 

「一夏ぁ! 今だぁ!!」

 

「おうっ!!」

 

其処で一夏は、最後のド根性を見せ、一気にカタパルトアームの付け根へと取り付いた!!

 

「俺のこの手が光って唸る! お前を倒せと輝き叫ぶ!! 必殺っ! シャアアアアアァァァァァァイニングゥ! フィンガアアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーッ!!」

 

そしてカタパルトアームの付け根に、必殺のシャイニングフィンガーを叩き込む!!

 

エネルギーを帯びた雪羅が、装甲を突き破って内部機器を破壊!!

 

爆発が上がったかと思うと、左腕のカタパルトアームがだらんとなり、動かなくなる。

 

「やった!!」

 

そう声を挙げる一夏だが、其処へ残っていた右のカタパルトアームが、紅椿のビット弾き飛ばして一夏に迫る。

 

「!?」

 

思わず硬直する一夏だったが………

 

その瞬間、右のカタパルトアームの付け根にミサイルが次々に命中!!

 

完全に破壊はされなかったが、機能が死んだのか、右のカタパルトアームからも力が抜け、だらんと垂れ下がる。

 

「………片方だけなら………これくらいは………」

 

右の非固定浮遊部位(アンロック・ユニット)の7連装ミサイルポッドを撃ち尽くしている簪がそう言い放つ。

 

「ありがとう、簪!」

 

「よ~し! コレで気兼ねなく戦えるね!!」

 

シャルがそう言い放つと、グレン団の面々は先程までの苦戦がウソの様に、反撃を開始する。

 

「ぬうううっ!?」

 

「如何やら、完全に形成逆転みたいだな」

 

苦い声を漏らすビャコウに、グレンラガンは不敵な笑みを向けながらそう言い放つ。

 

「オノレェ!………ココでダイガンザンを失うワケにはイカン! 已むを得ん! 撃てぇっ!!」

 

と、ビャコウがそう言い放ったかと思うと、ダイガンザンの主砲が動き出し、山肌目掛けて砲弾を発射した。

 

「うおっ!?」

 

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

 

その爆音に驚くグレンラガンと、動きを止める一夏達。

 

放たれた砲弾は、雪の降り積もった斜面に命中。

 

爆音を立てて爆発したかと思うと………

 

まるで津波の様な雪崩が発生した!!

 

その雪崩が、ダイガンザンへと襲い掛かる。

 

「! ヤベェ! 逃げろお前等!!」

 

「「「「「「「「「「!!」」」」」」」」」」

 

グレンラガンの声で、一夏達はバーニアを全開に噴かして、一斉に上空へと退避する(簪は例によってファイナルダンクーガが抱えて)。

 

すると………

 

「グレン団! この屈辱は忘れんぞぉ!!」

 

ビャコウのそう言う声が響き渡り、何とダイガンザンがまるで波に乗る様に雪崩へと乗っかった!!

 

そしてそのまま、その勢いを利用して、一気に離脱して行く。

 

「あ! クソッ! 逃げられた!!」

 

「雪崩に乗っかって離脱するなんて………」

 

「大胆な退却方法ね………」

 

グラパール・弾、グラパール・蘭、楯無が、ダイガンザンが消えて行った方向を見遣りながらそう言い放つ。

 

「ま、良いさ。今度会った時は、必ずブッ倒してやるぜ」

 

と、グレンラガンがそう言い放った瞬間………

 

空を覆っていた暗雲が晴れ始め、すっかりが日が暮れて、満天の星空となっている空が現れた。

 

「わあぁ~~~、綺麗~~~」

 

その星空の美しさに思わずそう呟くシャル。

 

他のメンバーも、大なり小なり感嘆の表情を浮かべている。

 

「寒いと、“空気が澄むから星が見える”って言うけど、ホントだね」

 

「よおし! んじゃ星空をバックに凱旋帰還と行くか!!」

 

グレンラガンがそう言い放って飛び始めると、それに続く様に一夏達も飛び始め、グレン団は夜空に綺麗な編隊を作って帰還して行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

追い詰められたかに見えた神谷でしたが、困った時のシュバルツ。
彼女によって無事救出されます。

そしてグレンラガンの持ち味であるドリルを活かして要塞を奇襲。
初の四天王ガンメンとの対決です。
残念ながら勝負は持ち越しとなりましたが、奴らの計画を阻止する事は成功しました。

さて、次回でグレンラガン原作のキャラが登場します。
しかもISのあのキャラと良い感じに?
果たして誰と誰か?
ご注意ください。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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