天元突破インフィニット・ストラトス   作:宇宙刑事ブルーノア

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第91話『オイ、ケトーシロ!』

これは………

 

女尊男卑の定められた世界の運命に風穴を開ける男達と………

 

それに付き従う女達の物語である………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天元突破インフィニット・ストラトス

 

第91話『オイ、ケトーシロ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日曜日………

 

神谷とシャル、そしてのほほんのメンバーが、街へ買い出しに出ていた。

 

例の如く、生徒会室でどんちゃん騒ぎをしていたところ、食べ物が無くなり、誰かが買い出しに行かされる事になったのだが………

 

その際のじゃんけんに負けてしまったのがこのメンバーなのである。

 

「チキショウ! じゃんけんとは言え、この俺が負けるたなぁ………情け無ぇ」

 

「まあまあ神谷。コレばっかりは時の運だよ」

 

負けた事を心底悔しがっている神谷と、そんな神谷をフォローしているシャル。

 

「ねえ~、3人で一緒に買い物するより~、1回分散して其々で揃えたら如何かな~?」

 

すると其処で、のほほんがそんな事を提案する。

 

「う~ん、そうだね………結構色々なお店行かないと揃わなそうなものばかりだし………」

 

シャルが、買い出し品のリストを見ながらそう言う。

 

「んじゃ、そうするか。2時間後に此処にまた集合だな」

 

「「OK!!」」

 

神谷が現在地を待ち合わせ場所に指定すると、3人は其々に買い物に向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして2時間後………

 

「う~~ん………ちょっと早く戻り過ぎちゃったかな~?」

 

神谷とシャルよりも先に、買い出しした物が入った袋を手に持ったのほほんが集合場所に現れる。

 

2人は未だ買い出しが終わって無い様で、のほほんは仕方無くその場で神谷とシャルを待つ。

 

すると………

 

「ねえねえ、君。可愛いね~」

 

「その制服って、IS学園の子だよねえ?」

 

如何にもなチャラ男が、のほほんに声を掛けて来た。

 

「えっ? え~と………」

 

ナンパ等された事の無いのほほんは、突然話し掛けて来たチャラ男2人に戸惑う。

 

「今ヒマ?」

 

「良かったら、俺達とお茶しない?」

 

「え、え~と………友達と待ち合わせしてるから………」

 

「そんなの別に良いじゃ~ん」

 

「俺等と居た方が楽しいぜえ」

 

断わるのほほんを無理矢理連れて行こうとするチャラ男2人。

 

「あ! や、止めて!!」

 

「だ~い丈夫だって!」

 

「そうそう! ほんのちょっと一緒に居て貰いたいだけだからさ~!!」

 

「いや~!! 誰か助けて~~!!」

 

のほほんは思わず大声を挙げる。

 

すると………

 

「オイ!」

 

「あん? 何だよ………!? グアッ!?」

 

チャラ男の片方が、不意に声を掛けられて振り向いた瞬間、ケンカキックを叩き込まれた!

 

蹴られた方のチャラ男は、腰骨の辺りからゴキッ!!と嫌な音を立てたかと思うと動かなくなる。

 

「な、何だ!?」

 

残ったもう1人のチャラ男が、慌ててキックしてきた相手を確認する。

 

其処に居たのは、逆立った金色の髪をした、野性味を感じさせる青年だった。

 

「………かみやん?」

 

のほほんは一瞬、その青年に神谷の姿を重ねる。

 

「な、何だテメェは!?」

 

「おうおう、テメェ! 黒の兄妹のキタン様を知らねえのか!?」

 

「知るか、そんな奴!!」

 

もう1人のチャラ男はそう言うと、青年………キタンに拳を繰り出す。

 

「へっ」

 

だが、キタンは不敵な笑みを浮かべると、その拳を左手()()で軽く受け止める。

 

「なっ!?」

 

「オイオイ、それでパンチの積りかよ? 良いか? パンチってのはなぁ………」

 

キタンはそう言い放つと、空いていた右手で拳を握る。

 

「こうやるんだよぉ!!」

 

そして、チャラ男の顔に思いっ切りパンチを叩き込んだ!!

 

「ガハッ!?」

 

前歯と血を撒き散らし、チャラ男は地面に倒れて動かなくなる。

 

「けっ! 雑魚が………オイ、大丈夫か?」

 

「あっ!? う、うん………」

 

不意に話し掛けられて、のほほんは思わずビクッとしてしまう。

 

すると………

 

「テメェッ! のほほんから離れやがれぇっ!!」

 

そう言う台詞が響いたかと思うと、突然現れた神谷がキタン目掛けて飛び蹴りを繰り出す。

 

「!? うおおおっ!?」

 

キタンは、驚きながらも紙一重で回避する。

 

(!? 俺の蹴りを躱しやがった!?)

 

そのキタンの身の熟しに、神谷は内心で驚く。

 

「本音さん! 大丈夫!?」

 

「でゅっちー!? かみやんも!?」

 

其処へ、神谷の分の買い物袋を持ったシャルが、のほほんの傍に寄る。

 

「やいやいテメェ! グレン団のメンバーにイチャモン付けるたぁ、良い度胸してんじゃねえか!!」

 

キタンに向かってそう言い放つ神谷。

 

如何やら、先程の光景を見て誤解してしまった様だ。

 

「ああ!? 俺様がイチャモンだと!? ふざけんじゃねえ!!」

 

「テメェがふざけるんじゃねえよ! その成り! 如何見てもチンピラだろうがぁ!!」

 

「テメェ! 人の事言える恰好かぁ!?」

 

「んだとぉ!?」

 

2人は忽ち一触即発の状態に突入する。

 

「ちょっ! ちょっと待って! 誤解だよ~! その人は何もしてないよ~!!」

 

「えっ!? そうなの!?」

 

慌てて誤解を解こうとのほほんがそう言い、シャルが驚きの声を挙げた瞬間!

 

「テメェ! 掛かって来やがれ!!」

 

「上等だぁっ!!」

 

神谷とキタンは、そのまま対決に突入した!!

 

「ちょっ!? 神谷! ストップ! ストップ!」

 

「2人共~!!」

 

慌てて呼び掛けるシャルとのほほんだったが、ヒートアップしている2人の耳には届かない。

 

「おりゃあっ!!」

 

「ゴハッ!?」

 

強烈なアッパーカットを顎に見舞い、キタンの身体を浮かせる神谷。

 

「このぉっ!!」

 

だが、キタンはすかさず両手で神谷の頭を横から挟み込む様に摑んだかと思うと、全体重を載せて頭突きを見舞う。

 

「うおおっ!?」

 

脳が揺さぶられ、神谷はフラつきながら数歩後退する。

 

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」

 

其処で雄叫びと共に殴り掛かるキタン。

 

「!? おりゃあっ!!」

 

だが、直前で意識がハッキリした神谷は、体勢を低くしてキタンの拳を躱すと、そのまま肩車で投げ飛ばす!!

 

「うおおっ!?」

 

「おりゃああっ!!」

 

地面に倒れたキタンに向かって、追撃に踵落としを見舞う。

 

「チイッ!!」

 

だが、キタンは地面の上を転がって躱す。

 

「おりゃあっ!!」

 

そしてブレイクダンスの様な動きからの回し蹴りで、神谷の足を払う。

 

「うおっ!?」

 

神谷は驚きながらも受け身を取って倒れる。

 

そして、そのまま直ぐ立ち上がる。

 

「おりゃあっ!!」

 

其処でキタンは、下段蹴りから同じ足での上段蹴りの2連蹴りを噛まして来る。

 

「ぐうっ!?」

 

上段に喰らった蹴りの威力が凄まじく、神谷の身体が回転し、キタンに背を向けてしまう。

 

「貰ったぁっ!!」

 

チャンスとばかり組み掛かるキタンだったが、

 

「何のぉっ!!」

 

神谷は後方宙返りする様に跳躍。

 

キタンの肩に乗っかったかと思うと、そのまま変形フランケンシュタイナーを咬ます!

 

「ぐえっ!?」

 

「如何だ!?」

 

キタンより先に立ち上がり、倒れていたキタンに向かってそう言い放つ神谷だったが………

 

「未だ未だぁっ!!」

 

その瞬間にキタンは素早く神谷の足を取り、ドラゴンスクリューの様に投げ飛ばす!!

 

「うおおっ!?」

 

バウンドする程に強く、地面に叩き付けられる。

 

「おりゃあっ!!」

 

更にバウンドしたところで、キタンの蹴りが叩き込まれる。

 

「ゴハッ!?」

 

人形の様にブッ飛ばされた神谷は、ベンチに突っ込み、そのままベンチを破壊しながら倒れる。

 

「ゲホッ! ゴホッ!」

 

「喰らえぇっ!!」

 

思わず咳き込む神谷に、キタンは跳び蹴りを繰り出す。

 

「! おりゃああああぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!」

 

だが、酸欠気味なのを気合で我慢すると、キタンの跳び蹴りに対し、パンチで対抗する。

 

キタンの蹴りと、神谷のパンチがぶつかり合うと………

 

「!? おおわっ!?」

 

キタンの方が負け、弾き飛ばされる。

 

そのまま、神谷と同じ様にベンチを破壊して地面に倒れる。

 

「~~~~っ!? この野郎!!」

 

「うおおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」

 

そして互いに突撃し合い、そのまま足を止めての殴り合いに発展する。

 

「あわわわっ!? 如何しよう!?」

 

「もう止められないよ~!」

 

余りにもハイレベルな()()に、シャルとのほほんは見ている事しか出来なかった。

 

と其処へ………

 

「あ! 居た! 姉ちゃん達~! 兄ちゃん居たよ~!!」

 

「本当!? キヤル!?」

 

「あ~、()()喧嘩してるの~?」

 

そう言う台詞と共に、3人の美女がその場に姿を現す。

 

「ねえ、貴女達。彼処で喧嘩してるのって、貴女達の連れ?」

 

「えっ? あ、ハイ、そうですけど………」

 

その美女達の内、グラマラスでおっとりとした感じの女性に声を掛けられ、シャルはそう答える。

 

「あ~、やっぱりそうですか………」

 

「ゴメンよ。兄ちゃんが迷惑掛けて?」

 

「兄ちゃん? それって、あの金髪の人~?」

 

メガネを掛けたのんびり屋な感じがする女性と、男勝りで活発な感じがする女性がそう言うのを聞き、のほほんはキタンの事を指しながらそう尋ねる。

 

「ええ、そうよ。彼処で貴女達の連れと喧嘩してるのは、私達の兄ちゃんのキタン・バチカ。で、私は妹で長女のキヨウ・バチカ」

 

「キノン・バチカです」

 

「キヤル・バチカだぜ! よろしく!」

 

其処でキタンの妹達、長女の『キヨウ・バチカ』、次女の『キノン・バチカ』、三女の『キヤル・バチカ』がそう自己紹介する。

 

「あ、どうも。シャルロット・デュノアです」

 

「布仏 本音です~」

 

其れに対して、シャルとのほほんも自己紹介を返す。

 

「シャルロットって………ひょっとして、フランスの代表候補生でグレン団メンバーの?」

 

すると、其れを聞いたキヨウがそう尋ねる。

 

「え、ええ、そうですけど………」

 

「やっぱり………」

 

「ああ~、道理で“どっかで見た顔”だと思ったんだよなぁ」

 

シャルが肯定すると、キノンとキヤルがそう言う。

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

「でりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

とその間も、神谷とキタンのガチの殴り合いは続いている。

 

「! ああ、そうだ! 止めなきゃ!!」

 

「放って置きなさいよ。その内に力尽きて止めるわよ」

 

その声で、シャルが思い出した様に止めに掛かろうとしたが、キヨウがそう言って止める。

 

「ええっ!? で、でも………」

 

「大丈夫よ。ウチの兄ちゃん、()()()頑丈だから」

 

戸惑うシャルに、キヨウはあっけらかんとそう言い放つ。

 

「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーっ!!」

 

「でりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!!」

 

結局、シャル達とキヨウ達は、そのまま神谷とキタンのど突き合いを黙って見ているだけなのであった………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小1時間後………

 

「ゼエ………ゼエ………ゼエ………ゼエ………」

 

「ハア………ハア………ハア………ハア………」

 

2人は、顔中を腫らした状態で息を切らせていた。

 

「う、うおおお………」

 

「でりゃあああ………」

 

そして、互いに最後の力を振り絞るかの様に拳を繰り出し、弱々しいクロスカウンターを互いに見舞う。

 

「テメェ………中々やるじゃねえか」

 

「テメェこそ………」

 

「「うわっ………」」

 

そしてそのまま、互いにバタリと倒れる。

 

「終わったみたいね」

 

「神谷!!」

 

「かみやん!!」

 

キヨウがそう言うと、シャルとのほほんが慌てて神谷の元に駆け寄る。

 

「兄ちゃん、大丈夫?」

 

「アララ~」

 

「また派手にやったな~」

 

キヨウ・キノン・キヤルの3人も、キタンの傍に寄る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ何だ!? 此奴はオメェが絡まれてたところに現れて助けてくれたってか!?」

 

介抱された後、のほほんから事情を聞いて、驚いた様子でそう言う神谷。

 

「そうだよ~」

 

「ったく! この勘違い野郎!! このキタン様がんな軟弱な真似すると思ったのか!?」

 

「るせぇっ! テメェの顔見りゃ、誰だってチンピラだと思うだろうが!?」

 

「んだとぉ!? テメェが言えたガラか!?」

 

「何をぉ!?」

 

「やるかぁ!?」

 

再び、互いに摑み掛ろうとする神谷とキタン。

 

「ストップ! 神谷!!」

 

「兄ちゃん、止しなさいよ」

 

しかし、シャルとキヨウに止められる。

 

「チッ!」

 

「ったく!」

 

仕方無しと言った様子で引き下がる2人。

 

「にしても運が良いよな~。あのグレン団の鬼リーダー、神谷に会えるなんて」

 

と其処で、キヤルが神谷を見ながらそう言う。

 

「おっ! 俺の名も大分売れてると見えるな。そう! IS学園に悪名轟くグレン団! 男の魂、背中に背負い! 不撓不屈の! あ! 鬼リーダー! 神谷様たぁ、俺の事だ!!」

 

其れを聞いた神谷が、お馴染みの名乗りを挙げる。

 

「可愛い!」

 

「素敵!」

 

「イケるじゃん!」

 

其れに対し、3者3様の反応を返すキヨウ、キノン、キヤル。

 

「な、何だよ、お前達!? こんな奴の味方するのか!?」

 

「ハハッ! 妹達の方が分かってんじゃねえか!」

 

妹達が、一斉に神谷側に行き戸惑うキタンに、神谷は勝ち誇る様にそう言い放つ!

 

「うるせぇ! 何がグレン団だ! 俺達は黒の兄妹だぜ!!」

 

だが、キタンは1歩も引かずにそう言い放つ。

 

「…………」

 

そんなキタンの姿を、のほほんは何処か熱の籠った目で見ている。

 

「? 本音さん、如何したの?」

 

そんな様子ののほほんに気付き、シャルがそう声を掛ける。

 

「えっ!? あ、ううん………何でも無~い………」

 

のほほんは、何時もののほほんとした笑みを浮かべて、誤魔化す様にそう言う。

 

(………若しかして)

 

しかし、其処は同じ“恋する乙女”。

 

何と無く、のほほんの気持ちを察した様である。

 

「しっかし、オメェのパンチは効いたぜ! 中々のモンだ!!」

 

「そっちこそ! 漢の拳を持ってるじゃねえか!!」

 

すると、何時の間にやら神谷とキタンはそう言い合って、ガッチリと握手を交わしていた。

 

(あ、やっぱり“似た者同士”だったんだ、この2人………)

 

何と無く、雰囲気からキタンが如何いう男かを察していたシャルは、この光景を予想してはいたものの、実際に目にするとやはり何処か呆れてしまう。

 

「じゃあ、そろそろ帰ろうよ、神谷。僕達ホントは買い出しの途中だったんだし」

 

「そういやそうだったな」

 

「オイ、ケトーシロ!」

 

「? 何だ、そりゃ?」

 

突然意味の分からない単語を言ったキタンに、神谷は首を傾げる。

 

「トーシロに毛が生えた奴って事だ!」

 

「へ………未だやろうってのか?」

 

「フン………黒の兄妹になりたかったら、何時でも来い!」

 

「ああん?」

 

「次に会った時は兄弟にしてやるぜ。但し、みそっかすの末っ子だぜ?」

 

「テメェこそ、男の証グレン団に入りたきゃ、何時でも声を掛けろよな!」

 

「フン、あばよ! 行くぜ、お前等!」

 

キタンはそう言って不敵に笑うと、その場から離れて行った。

 

「バイバーイ、グレン団」

 

「失礼します………」

 

「じゃあな! また何処かでな!!」

 

其れに続く様にキヨウ、キノン、キヤルの3人も去って行く。

 

「へへっ………久々に面白れぇ奴に会ったぜ」

 

「確かに、色々と愉快な人だったね」

 

黒の兄妹達が去って行った後、神谷とシャルはそう言い合う。

 

「…………」

 

しかし、のほほんだけは、ジッとキタンが去って居た方向を見据えていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園・生徒会室………

 

「黒の兄妹って………()()“黒の兄妹”っすか、アニキ?」

 

買い出しから戻って来た神谷達が宴会を仕切り直していた中、買い出し中に起きた出来事を話すと、弾がそんな事を言う。

 

「何だ、弾? アイツ等の事、知ってんのか?」

 

「ちょいと小耳に挟んだ程度っすが………最近、あの辺りで“無法者をシメて回ってる4人兄妹が居る”って」

 

「無法者か………最近増えたよなぁ」

 

弾の言葉に、一夏がそう呟く。

 

世界の情勢が刻々と悪化して行く中、悲しい事に暴徒とまでは行かないでも、未来に絶望し無法を働く者が増えて来ており、日本でも治安が悪化していた。

 

「早くロージェノム軍の連中を如何にかせん事には、この問題は解決しようが無いな………」

 

「その為に、私達グレン団が居るんじゃない」

 

箒が苦そうな声でそう言うと、楯無がそう言う。

 

「そうですわ」

 

「あんな奴等の好きにはさせないわよ!」

 

「世界の平和は我々が守って見せる」

 

「その通りです!」

 

セシリア、鈴、ラウラ、蘭もそう声を挙げる。

 

「…………」

 

簪も無言で頷く。

 

「うふふ………ホント、頼もしいわね、本音」

 

虚はそんなグレン団の姿を見て頼もしいと思いながら、のほほんへと声を掛ける。

 

「…………」

 

しかし、のほほんは上の空の様子で、目の前に置かれているケーキにも手を付けてなかった。

 

「? 本音? 如何したの?」

 

「う~ん? うん………」

 

虚からの問い掛けにも、何処か気の無い返事を返すのほほん。

 

「そのケーキ食べないの? なら、貰っても良いかな?」

 

すると其処でティトリーが、冗談交じりにそんな事を言う。

 

「うん、良いよ~………何だか、食欲無くて~………」

 

のほほんはアッサリとケーキをティトリーに渡す。

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

その時、一同に電流が走る。

 

シャルと神谷を除いた一同が、一斉に生徒会室の片隅に集まる。

 

(如何言う事なの!?)

 

()()本音が食欲が無い、だなんて………)

 

(天変地異の前触れ………?)

 

のほほんとの付き合いが特に長い楯無、虚、簪がやや動揺しながらそんな事を言う。

 

「ハア~~~………」

 

すると其処で、のほほんは悩まし気な溜息を吐く。

 

(!? 溜息まで!?)

 

(有り得ませんわ!!)

 

(一体如何なっている!?)

 

(あんな本音の姿なんて初めて見たよ!)

 

(まさか、()()()()何か起こるんじゃ!?)

 

(不吉だぜ………)

 

(ナンマンダブナンマンダブ、アーメン………)

 

鈴、セシリア、ラウラ、ティトリー、蘭、弾、一夏も信じられないと言った様子を見せており、特に一夏なぞは()()()両手を合わせて滅茶苦茶に祈り始めている。

 

(………まさか………アレは………)

 

しかし其処で、箒がのほほんの()()に“思い当たり”を感じる。

 

「何やってんだ、アイツ等?」

 

「ねえ、本音」

 

神谷がそんな一夏達の姿に呆れていると、シャルがのほほんに話し掛ける。

 

「な~に~、でゅっち~?」

 

「キタンって人の事考えてるでしょ?」

 

「!?」

 

シャルのその言葉を聞いた途端、のほほんは明らかに動揺する。

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

一夏達も一斉に振り向いて注目する。

 

「え、えっと~………其れは~………」

 

「そうなんでしょ?」

 

「………うん」

 

「マジで!?」

 

「本音! 貴女もなの!?」

 

「………本音」

 

やがて自覚した様にのほほんがそう認めると、いの1番に楯無と虚、簪が傍に寄って来る。

 

「良く分からないけど………あのキタンって人の事思い出すと~………何だか胸がドキドキするの~」

 

何時もと同じ間延びした声で、両手で胸の辺りを押さえながらそう言うのほほん。

 

(((((((コレは………本物だ!!)))))))

 

その様子に、女性陣は内心でそう思う。

 

「何だ、のほほん。オメェ、アイツに惚れたのか? なら、デートするしか無えな」

 

すると其処で、神谷がそんな事を言い放つ。

 

「!? ふえええっ!? で、でも………!!」

 

「馬鹿野郎! オメェもグレン団の一員だろ!? なら、突撃あるのみだ!!」

 

炸裂する神谷節。

 

「………私! 頑張る!!」

 

その言葉で、のほほんの瞳に炎が燃え上がる。

 

(コレは………)

 

(また()()()大変な事になりそうだな………)

 

そんな中で一夏とシャルは、またトンでも騒ぎが起こりそうだ、と予感しているのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく




新話、投稿させて頂きました。

予告していたグレンラガン原作かの登場キャラは………
キタン達、黒の兄妹でした。
しかものほほんがキタンに恋をした!?
これはまら波乱万丈な事になりそうです。

では、ご意見・ご感想をお待ちしております。

新作『新サクラ大戦・光』の投稿日は

  • 天元突破ISと同時
  • 土曜午前7時
  • 別の日時(後日再アンケート)
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